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店長日記
店長日記:136
2014年01月21日




↑ 1月14日富山市近郊にて撮影。長さが5cmほどに成長した霜柱。
特に珍しくないと思う人がいるかもしれませんが、当地は雪国のため例年なら地面は雪に覆われて霜柱を見る機会が逆にあまりありません。
今冬は雪がほとんどなく地面が露出しているため久しぶりに見ることができました。


さて、年も明けて早くも1月下旬を迎えようとしています。
個人的に喪中なので大々的な年始の挨拶は控えさせていただきます。
年末以降、寒さも本格的になるとコケ採りも終了し気が抜けたかのようにまったりとした時間を過ごしています。

ところが、今冬は年が明けても雪がない!
全く降らないわけではないのですが雪すかしをするほどのまとまった降雪が未だにありません。
当初、気象庁が発表していた冬期の3ヶ月予報で今期は例年より降雪量は多くなるという予想を見事に外すような様相を呈しています。
以前から申し上げている通り気象マニアで気象予報士の資格取得を目指す自身としましては(少なくとも当地である北陸地方において)毎年のようにお世辞にも当たっているとは言えない冬季の長期予報には解せないものを多々感じています。
常日頃から知らない土地へ行くとき以外は局所的な予報であればよっぽど自身の予想を信用しています。
まあ、気象庁発表の予報も幅を持たせてありますので実際に利用者が感じているほど外れているというわけではないようですが、やはりそれは逃げ口上ととらえる方が多数だと思われます。

ただ、それよりも個人的に許容できないのがマスメディアによる事態を煽るかのような誇張した事実とは異なる報道です。
先日、北米が大寒波に見舞われたことが世界的なニュースになりましたが、それに続けとばかりにその後日本に訪れた寒波では
「強烈寒波到来、各地で大雪!」
というような見出しの報道を多く目にしました。
北海道ではマイナス30℃という気温を記録し東北の日本海側では一晩で50cmを超えるような大雪で平年を上回る積雪量の地域が多発ということでした。

一般の方であれば「大寒波だ!」と思うかもしれませんが少し気象をかじった人間であれば「アホか!」というようなレベルです。
先日アメリカを襲った寒波とは行って帰ってくるほどレベルが違います。
国内の寒波としても年に複数回はある2級クラスでしょう。
まず札幌等の都市部ならいざ知らず北海道の内陸でマイナス30℃というのは寒の入り後のこの時期としては普通にあり得る寒さです。
一晩で50cmを超える雪は確かに大雪なのは間違いありません。
ただし全国ニュースで報道されていた場所は青森県酸ヶ湯、山形県肘折、新潟県津南及び関山、(ローカルかもしれませんが)当地富山県南砺市、等々です。
時間がある方はこれらがどういう場所か調べてみて下さい。
青森県酸ヶ湯に関しましては昨年の大雪報道で知っている方も多いと思います。
566cmという気象観測点としては国内最高を記録した標高890mの山中にある温泉地です。
他の地域につきましても国内で有数の豪雪地帯で有名な場所です。
このような地域では一晩で50cmくらいの雪が降るから豪雪地帯なのです。
逆に言えばそれくらいの降り方をしないと数メートルもの積雪にはなりません。

そんな地域での50cmの降雪なら東京で5cm積もる方がよっぽど異例な出来事です。
毎年必ずある、ほとんど積もらない首都圏での大げさな大雪報道にも辟易しますが、多くの人間に影響を与えることを考えると仕方がないかなとも思います。
それに引きかえ前述の豪雪地帯は住民の方には失礼ですがどれだけの人間に影響するのでしょう?
住民はそこが多雪であることを承知で住んでいるのですからそれくらいの雪の対処法も身に付けています。
さらに雪で埋まった道路を撮影して通行不可であることをリポートしていますが、当地でも山間地なら集落への幹線道路でも雪で一時的に閉鎖されることは珍しくありませんし、
ましてやその先に民家がない道路など誰が通行すると言うんですかね?

まだあります。
「平年と比べて○○%、○○倍の積雪となっています。」
という表現をよく耳にしますし先日も場所によっては平年比150~200%という報道もありました。
これも言葉のマジックで、例えば先ほどの豪雪地帯でさえ平年比200%となると、仮に平年で2mの積雪がある地域では4mでプラス2mもの積雪(豪雪クラス)になります。
逆にそれほど多雪ではない都市部辺りでは平年値が20cmだとすると200%でも40cmでプラス20cmでとても豪雪クラスとは言いかねます。
つまり全国を同列にこの平年比で語ること自体が公平ではないのです。
気象庁ではもちろんそのような認識を持っているでしょうが報道する側があくまでニュース性やインパクトを追及するあまり誇張しているかのような偏りのある報道になるのでしょう。

先ほど書きましたが先日ニュースで当地富山県南砺市の映像が流れましたが、南砺市と言っても映っていたのは利賀村で当日記でも度々紹介する自身のホームグラウンドですが、一日で1mくらいの降雪があることもある山間地で例年2~3mくらいは積雪がある全国レベルの豪雪地帯です。
当時10cm程度の降雪しかなかった富山市や主要市部の人間はこの報道にしらけた気分になったのは言うまでもありません。

そして、この日記を書いている今日現在、富山市内及び県内の主要市部ではほとんど積雪がない状況となっています。
冒頭でも書きましたが今季の長期予報とはまるで異なる現状であるにもかかわらずこの先1ヶ月間の中期予報では相変わらず平年よりも降雪は多くなるという姿勢を変えていません。
果たして結果はどうなるのでしょうかね?

さて、ここまで主観的に批判的な意見を述べてきましたが、実際今冬は寒冬なのでしょうか?多雪なのでしょうか?
データを用いて検証してみましょう。



【気象庁ホームページより引用】

↑の資料は昨年11月1日から今年1月13日現在までの累積降雪量の平年比を表した地図です。
この資料にしっかりと表れていますが、近畿以北の県庁所在地で平年比100%以上の観測地は宮城県の仙台(もともと太平洋側で雪が少ない)だけでいわゆる雪国と言われる地域の都市部はほとんどが平年の半分程度の少雪となっています。
もちろん内陸を見れば100~150%の地域も複数ありますが対人口比で見れば平年より少ない地域に住んでいる人口の方が圧倒的に多いです。
つまりこの状況で今冬は雪が多いと報道するのは矛盾があるということです。

では気温はどうでしょうか?
同様に下図をご覧ください。



【気象庁ホームページより引用】

↑は昨年11月15日から今年の1月13日までの60日間の平均気温の平年比を表した地図です。
これを見ると降雪量とは異なり北海道を除くほとんどの地域で平年より低いところが多く特に南ほどその傾向が顕著に表れています。
皮肉なことに先日の報道でマイナス30℃を記録し強烈寒波と題された北海道はかなり高温傾向ですからむしろ九州の鹿児島辺りで「今年はこれだけ寒いんです。」と報道するべきなんでしょうが、寒さを象徴するような事象がないためにニュースでは取り上げられないというのは公正な報道という点では整合性が低いと云わざるを得ません。
ただ、全国的に低温傾向なのは否めない事実ですから気温の点からは現状では今冬は寒冬であるというのは間違いというわけではなさそうです。

ついでに書いておきますが、未だに寒波が来るから温暖化ではないとか温暖化だから雪が降らないという人間がいますが、豪雪も寒波も冷夏も温暖化の影響が深く関わっているということを覚えておいて欲しいと思います。
温暖化だから全ての場所で暖かくなるということではないのです。
反動で記録的に寒くなる地域も出てくるのです。

主観的にはいくら気温が低くても雪国で雪がないと、寒いという実感がないというか冬らしくないと感じてしまうのは自身だけではないでしょう。
さて、例年なら雪のせいで店で引きこもりになっているのが通例ですが、ここまで雪が少ないとちょっと山でも行ってみようかな…なんて邪心が芽生えてしまいます。
きっと山の神様が呼んでいるに違いない、と勝手に解釈します。
いざ行こうと思うと、はてどこに行ったものか?と悩んでしまいます。
なんせ例年ならこの時期に山に行くなんて考えもしないこと。
行くのはいいけど目的が見つかりません。
昨年不作だったヒラタケ採集の続きでもしたいところですが、いくら雪がないといってもコケ採りのポイントは山間地ですので先述のように入山できるレベルではありません。
ちなみに今日(22日)現在、利賀のポイント付近の国道沿いの観測点では2mほどの積雪となっています。
全く論外ですので近郊の平地に近い里山の毎年行くポイントへエノキ材の採取とヒラタケ採りに行くことに。

市街地ではほとんど雪がないもののちょっと山に近づくだけで一面銀世界で車の通行がない横道では根雪になっています。
やはり少し都市部を離れるだけで積雪は少なくてもポイント付近まで車の進入が困難になってきます。
この日のポイントは何とか近づくことが出来ました。
車を止めて徒歩で向かいますがさすがに雪が少ないと歩きやすくて快適です。




↑ この日の目当てのエノキの立ち枯れ。
数年前より状態のいい部分を少しずつ採取しています。
この日も数カットしたらだいぶ残りも少なくなりました。
画像の後ろのツタ付近に置いてある材はまだ腐朽が浅いので取り置きしてある材です。
地面に置いてしまうと水分過多になり使い物にならなくなるので浮かして保存します。
さてカットしたのはいいのですが数日来の冷え込みで材が中まで完全に凍っており、朽ち具合がどうなのかさっぱりわかりません。
一度カットしてしまうと上記のように保存しても状態が悪くなることが多いのでとりあえず2m分くらいだけ(水分が多く重い)持ち帰ることにしました。




↑ 採取したエノキの近くにある別の立ち枯れ×2本。
将来的に優良なカワラ材になる候補の立ち枯れです。
径は30cm前後、高さは4~5mで倒れなければあと2年から3年くらいで採り頃になるでしょう。
画像を見て分かると思いますがこれらの立ち枯れは寿命やカシナガ等の食害で枯死したわけではありません。
本体に巻きついたツタによって絞め殺されたのです。
ツタは徐々にエノキを絞めつけて表皮付近の維管束を閉塞させ枯死させてしまいます。
これも自然の摂理でこのおかげでエノキの朽ち木が手に入るのですがツタを放置しておくとあらゆる立ち木が被害に合うばかりでなく林床も荒れて若木が育たなくなります。
よってあまりにツタが繁茂している場所では根元から切断しています。
ツタは一本切ったからといって枯れたりしません。駆除するときは地面に接している茎を同時に全て切る必要があります。
里山の再生と雑木林の環境維持のために少しは役立つでしょう。




↑ 倒れたエノキに発生したヒラタケ。
雪に覆われてカチカチに冷凍されていました。






↑ 毎年ヒラタケの採れる発生木を見に行くと倒木の裏側にヒラタケは見つかったもののまだ幼菌です。
例年なら今時分には成菌になっているはずなのですがやはり今期は発生が遅れて不作気味です。
先ほどの検証から気温自体は例年より低めだったにもかかわらず発生時期に強い冷え込みがなかったことも影響しているのかもしれません。
この幼菌は雪解けまで生長しないでしょう。
その頃には地元の住民に採られてしまうでしょうが…。
まあ、この時期に訪れることが出来てエノキ材を入手できただけでもありがたいことです。
2013年12月25日


さて、気がつけばもう年の瀬で2013年もわずかとなりました。
今年も色々お世話になりありがとうございました。
毎年のことですがこの時期は季節柄ほとんど開店休業状態ですが来年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

今年の店長日記も今回が最終となりました。
ここ2ヶ月くらいほぼキノコが占めていますがアウトドアな趣味はライフワークですのでご理解の程お願いします。
さあ、予想外の大量収穫に湧いた今季のナメコ採集もいよいよラストスパートとなりました。
スパートといっても先月までで目標を大きく超える収穫を得ているので今月は収量を伸ばすことよりもポイントの開拓と既存のポイントの様子の確認が目的になります。
よって今までのように睡眠時間を惜しんで徹夜で入山するような必要もなく気持ち的にも余裕があります。
まあ時間がある範囲で行ければいいかな、という感じです。

というわけで前回12月6日は県東部の恒例の里山ポイントに行ったのですがミズナラ帯のポイントとは異なり例年より遅れ気味でしたので3日後の12月9日、この日は先般も書きましたが店を臨時休業してカワラマットの袋詰めと運搬作業の予定でしたが、昼からで十分間に合うと思い午前中だけ山に行くことにしました。
里山は先日の様子から無駄足になるだろうから、山も根雪になっていないので八尾・利賀方面も行くのは可能なのですが、自分の中では前回が最後というつもりであったし収穫だけが目的ではないのでここは一つ新ポイントを開拓しようと思い、さほど遠くない新川・立山方面に行くことにしました。
新規といっても新川地区のポイントはコケ採りだけでなく本業のクワガタ採集で何十回、何百回と行っているところですが、ことコケ採りに関してはあまり芳しくないので今回はやや立山よりで標高も今までより上げてあえて700mを超えるミズナラ帯を調べてみることにしました。

本来、この時季にこの辺りの林道に進入することは除雪が入らないので困難なのですがまだ根雪になっていないため幸いにも通行できます。
ただ先日の雪で500m以上は積雪しており800m付近まで行くのが限界でしょう。
ちなみにこの日向かった場所は初めて行く場所ですがもちろん行き当たりばったりで行くわけではありません。
事前に地形図でミズナラの立ち枯れがありそうな場所を推測しルートを設定しています。
さらにそこが良好なポイントでないことやルートが通行不可の場合を想定して必ず予備のポイントも考慮しておきます。

自賛するわけではありませんがこれだけコケ採りに入れ込んでいるおかげでだいぶスキルアップして最近では事前の下調べで外すことはまずなくなりました。
この日も大丈夫だろうと余裕で出発しました。
現地付近に到着すると想定外に林道が整備されています。
あまり通行しやすいと他の採集者も多く訪問することになり自身が何よりも避けたい競合のリスクが高まります。
自身には収穫の3原則があります。

① 他人と競合するポイントは極力避ける(他人が行かないところまで攻める)。
② ポイントを多く確保する。
③ 適材適所ならぬ適時適所を守る(時期によりポイントを変える)。

まず他人の後を追ったところで採られた後の苦汁をなめるだけなので他人より先んじるかさらに奥まで進まないと気が済みません。
とりあえず林道を上がって行き標高500mを越えた辺りから道路にも積雪してきましたが先日の降雪の割りには数台の車のタイヤ痕が付いています。
一部は工事車両かと思われますが採集者の可能性もあります。
嫌な予感がしつつも車窓から周りの木を見ているとちらほらナメコらしきものが確認できます。
とりあえず適当な場所で様子を見てみるために停車して林に突入しました。




↑ やはり道路から見える位置ということもあり先客が採った跡がありますが、だいぶ以前のもので最近は誰も訪れていないのか残っています。




↑ ナメコの根元を見ると以前に先客によってカットされた跡がありますが今出ている成菌の状態から見てここ1~2週間は誰も来ていないことが分かります。
ということはさほど知られていない可能性が高いでしょう。




↑ 少し奥に足を進めると見事な房が2つ見つかりました(右画像はアップの写真。冷え込みで凍っており鮮度が保たれています)。
とりあえず確認のつもりで踏み入った場所ですが見つけた以上は採らねばなりません。
この時点でもう新しいポイントとして認知したも同然です。




↑ ほんの一区画ではありますが立ち枯れが乱立しています。
上画像のポイントはさほど広くないので一回りして事前にチェックした本命と思われる場所を目指します。
目的地近くに着くと一部伐採されて開けた場所に地図にはない人工物と駐車するスペースが設けてあります。
そこには車を止めた跡があり人の足跡が伐採地に向かって残っています。
採集者だろうか?と思いつつすぐに入らずにさらに標高を上げて車を進めてみます。




↑ 凍った極上ナメコ。
この辺りは所々に立ち枯れが集まっているポイントが林道沿いに散在しておりそれぞれでナメコの発生木が見つかりますが一ヶ所で大量収穫という感じではありません。
こういう場所ではむやみに歩き回ると疲れるだけなので発生木を記憶してそれだけを見て回るようにしないと収量が伸びません。

さあ、いよいよ先ほどの本命の場所を調べます。
先日に先客がいたことを覚悟しながらも足跡を追ってみると意外にも藪の中には進入せずに開けた場所を散歩しただけのようです。
それならと、藪に向かって突入開始です。




↑ 周りは比較的平坦に近く立ち枯れだらけでいやがおうにも期待は高まりますが画像でも分かるとおり周りは背丈を越えるススタケ(ネマガリタケ)の大群生です。
通常のクマ笹と異なり名前の通り笹よりも太く細い竹といった感じです。
よってちからまかせに進もうとしても全く進めません。
足を取られては転び、身体が引っかかっては止まり、跳ね返ってきた茎が顔面をムチのように叩きます。
春にはススタケの優良ポイントになるでしょうが今は単なる障害物です。
イライラが極限に達し「あー!」「クソッ!」「このやろうっ!」と思わず独り言を怒鳴ります。
つい先ほど付いたクマの足跡があったのでクマ除けにはなりますが第三者がいたらきっと危ない人だと思われるでしょう…。

平坦な場所は立ち枯れの数の割りにはナメコは期待に反してほとんど無くまさに徒労に尽きましたが谷沿い近くに行くとススタケも少なくなりナメコも見つかりだしました。




↑ 斜面にも多くの立ち枯れがあり沢を挟んで対岸の立ち枯れにいくつもナメコが見つかりますがススタケに邪魔されて斜面を登るのは想像以上に厳しいです。
さすがにこの状態ではナメコが採れると知っている人間でないと来ようとは思わないでしょう。




↑ 時期的に老菌が多くタイミングとしてはやや遅かった観がありますが、それでも極上のナメコが見つかると苦労が報われます。
気づくと、軽く新規のポイントを探すつもりがドップリと採集に夢中になっていてとっくに昼を過ぎており慌てて車に戻りました。

おかげでナメコは8.91kgの収穫があり新規のポイントとしてはまずまずの成果でしたがマット生産の工場に行くのが遅れて作業がこの日で終わらずに別の日に持ち越しになってしまい何のために臨時休業したのかわからない日でした。

13(金)は定休日で本来なら県東部の里山ポイントで先週確認したナメコが採り頃になっているはずなので行きたかったのですが、この日はさすがにカワラマットの袋詰め作業と運搬にあてたためコケ採りは休みです。
バイト疲れや降雪等天候の具合により翌週の17日(火)の午前中に県東部のポイントへ。
すでに平地まで積雪が下りてきているのでおそらくこれが最後のタイミングになるでしょう。
積雪を覚悟で向かうと、




↑ 「う~ん…。」
すでに車は通行不可に。道路上で積雪は20~30cmあります。
仕方なく車を置いて徒歩でポイントへ向かいます。
山の斜面に入ると膝くらいまで雪に埋まり歩くだけで息が上がります。
果たして前回取り置きしたナメコは中10日経ってどうなっているでしょうか?




↑ どうやら無事のようです。近づいて確認すると、




↑ いい状態に仕上がっています。主観ではもう3日早ければ最高の状態でしたがそこまでわがままは言えません、ありがたく採取します。




↑ 同じ木でヒラタケも採取できました。一本で二度美味しい木です。




↑ 前回幼菌だった別の木のヒラタケも採り頃に。

さて、この日の期待の主は前回初めて見つけた発生木です。
位置があやふやだったので大体の方向で進んでいくと、




↑ 雪と木の濃淡のコントラストにわずかに緑が混じったモノトーンに近い景色に一点だけ暖色系の黄金色が遠目からでもはっきりと確認できます。
もしかしたら花さか爺さんの「枯れ木に花を咲かせましょう。」というのは朽ち木に生えたナメコのことではないのだろうか?などと勝手な推測をしながら近づくと、




↑ 「うわ…。」
声を失うくらい圧巻のナメコです。
全部採れれば10kg超えコースです。
残念ながら上部は届かないので全体の3分の2程度の採取でしたがそれでも7~8kgくらいにはなりました。
また一本御神木の追加です。
積雪で歩くのが難儀で結局ナメコは2本の木で採っただけですがそれでも収量は12.52kg、ヒラタケは5kgと今年の有終を飾る大漁でした。

本来ならこれで今季のコケ採りは終了の予定でしたが、この後目立った降雪がない状態で10日が過ぎた12月27日(金)、今年最後の定休日で天候もこの日から本格的な冬の嵐が襲来する予報となっています。
今度の降雪でいよいよ平地でも積雪となり完全に山はシャットアウトだな…と思うと今日なら先日の雪が解けていてポイントまで行けるかもしれない。
今季不作だったヒラタケを最後に採りたい!という気持ちに負けて雪が降り出した中を前回と同じ県東部の里山へ向かっていました。
あわよくばこの10日間で路面の雪が解けて車で進入できることを願って…。

ポイントに近づくと前回は通れなかった状態の林道に積雪はあるものの1台の車のワダチが残っています。
おそらくジムニーやパジェロミニ等の軽四のSUV系の車だと思いますが、それなら自身の車(デリカ)で進入可能なはずだとデフロックにシフトして突入しました。
新雪ならば問題ない15cmくらいの積雪ですが気温が高かったためシャーベット状になり駆動よりもタイヤがグリップせずに滑って蛇行してしまいます。
いざ突入すると100m進んだだけで一気に積雪も増えて先客の車もそれ以上の走行をあきらめたのかUターンしたようです。
自身もそれ以上の強行は止めて車を降りて前回と同様徒歩で向かうことに。
見ると先客もそこから徒歩で向かったらしく足跡が残っています。
先客は一人ですがこの時期にこんな所に来るということはほぼコケ採りと見て間違いないでしょう。
とりあえず興味本位で足跡を追ってみました。
すると前回はなかったはずの道路横のナラの倒木に立ち寄っています。
この人間がやったのかどうかは分かりませんが枝に裁断された跡があるのでどうやらこの10日間に伐採されたようです。
倒木の周りを歩き回った形跡がありよく見ると樹幹にヒラタケが残っていたのでおそらくヒラタケを採ったのでしょう。
まあ、まさかヒラタケを採るために径50cmほどの大木を倒すとは思えませんが…
道路のすぐ横だったので積雪で倒れて道路を塞がないように前もって処理したのかもしれません。
自身は残っていたヒラタケよりも倒れて折れた樹幹の上部に興味をそそられました。
折れた断面を見るとほぼ心材部がないくらいに朽ちています。
径20cmくらいで芯がほとんどないというのはナラでは極上の朽ち木です。
ただこの日はチェーンソーも手ノコも持っていません…。
折れた部位は長さ1m以上あり重さは水分を吸って20kg以上あります。
とりあえず保留にして先に進むことにしました。

先客の足跡もさらに先へと伸びています。
間違いなくコケ採りでしょう。
しばらく追うと今度は林道横の立ち枯れが複数ある斜面を下りていっています。
足跡はそこを往復して車に戻っていました。
その斜面でコケ採りをしたのでしょうが自身のポイントとは重複することはなく、また他人の後を追ったところで得るものは少ないでしょうからそれ以上は詮索しないことにしました。
自身のポイントとかぶらなかったのが幸いですが、そこから先は処女雪ですから今度は自身の足跡を追われる可能性があります。
まあ、この後はかなりの降雪があるでしょうからまず入山する者はいないでしょうが、用心することに越したことはありません。
直接発生木に向かうのはピンポイントで発生木を教えてしまうことになりかねないので迂回して遠回りするか追えないように工夫する必要があります。

まずは前回も見て全くヒラタケが出ていなかったポイントへ向かいます。
昨年までは複数の木で発生していたのが今季は皆無です。
そこなら後を追われても心配ありません。




↑ 完全に冬の装いでモノトーンの世界へと変貌したポイントの景色。
確認できる多くの立ち枯れにナメコ、ヒラタケの姿はありません。
他の採集者が入った形跡はないのでやはり今季は不作だったのでしょう。
軽く一回りしてあきらめます。
次は前回確認していない発生木ですがこれは道路上面の斜面にあります。
道路からは直接見えませんが下から登るとポイントがばれるのであえて違う場所から尾根線まで登ります。
それから斜面中腹に下りてトラバースしてポイントに近づきます。
斜面は低木に覆われているのでここを横に進むことで足跡が分からなくなります。
本当ならこうやってダミーのルートを作ってから再び尾根まで上りポイントへ向かいます。




↑ 木々の間から見える平地の田んぼには雪はありませんが距離にしてわずかに山に入っただけで積雪量が大きく違います。
結構勾配の急な斜面なので気をつけないとすぐに滑落します。倒木や低木があるところは引っかかるのでいいのですが草しかないところはかなり滑り落ちるので危険です。

後を追われてもこのような斜面を下りたり上ったりすることで疲弊して追う気を失くさせるのです。
まあスキルがある採集者なら足跡を追わなくても入山した場所さえ分かればポイントは探し出してしまうので小細工は通用しませんが、そういう採集者に採られるならまだあきらめもつきます。
その前に自身もかなり疲労するのでこの日はそんな余裕もなく尾根上の発生木と斜面の発生木をそれぞれ一本だけ見るつもりでした。




↑ 前回も見た尾根上の発生木。
前回残しておいたヒラタケの幼菌が生長して採り頃になっていました。

続いては前回見なかった斜面の立ち枯れへ。
昨年も大量発生していた期待の木です。




↑ 雪で分かりづらかったのですが目当ての木に近づくと頭上にヒラタケの大きな株が確認できます。




↑ 発生木の根元付近の回り。全面にヒラタケが出ています。
この木は期待通り昨年同様の発生がありました。
上部のものは届きませんでしたがこの木だけで6kgくらいの収量がありました。
先ほどの収穫と合わせてリュックも一杯になったので撤収することに。

帰り途、行きしなにチェックしたナラの朽ち木があきらめきれず持ち帰ることに。
ヒラタケと朽ち木で合計30kgほどの荷物を持って雪道を歩くのはかなりしんどいです。
まだ道路だったから良かったものの山の藪の中なら持ち出しは不可でした。
なんとか車に辿り着き荷物を降ろすとすごく身軽になった感覚から車近くの雑木林に再び散策に。




↑ 今年の締めとなる冬ナメコを見つけこれをもって今季の全てのコケ採りを終了することを決意しました。
最後の採集でヒラタケとナラの朽ち木までオマケで採れて満足でした。
この日の収穫はナメコ0.5kg、ヒラタケ8kg、ナラ材1mでした。

そして今季の総収量はナメコでなんと、108.74kg

その他の雑キノコで35kgとなりました。

ナメコは突出した収穫を記録しましたがその他の雑キノコはやや不作気味でした。
キノコ界の生態系にもバランスがあってすべてのキノコが豊作ということはないということなのでしょう。
それでも十分満足できる結果となり来シーズンに向けてのモチベーションを維持することが出来るでしょう。
今年も春の山菜に始まりシーズンを通しての材採り、そして秋のキノコと様々な恵みを戴いたことに山の神に感謝いたします。

また、文末になりましたがこの飽き飽きとする店長日記の読者、当店をご愛顧いただきました全てのお客様にお礼申し上げると共に年末年始の挨拶と代えさせていただきます。
2014年も「富山のクワ貧」をよろしくお願いいたします。

               店主; 高橋 敏之
2013年12月23日






↑ おススメ商品でも紹介しているカワラマットの新ロットです。
先日、工場の方で粉砕が完了したので手作業でコンバイン袋に詰め替えているところです。
今回は雪の季節の直前の在庫切れということもあり材集めの時間があまりなかったので生産量はいつもより少なめでしたが質は良好です。
詳しくは商品ページをご参照下さい。

さて、ナメコ大繁殖!!その6ですが、いよいよ平地にも雪が下りてきてキノコシーズンも終盤を迎えようとしています。
12月12日には平地では今季初の積雪となりナメコの主戦場であった八尾・利賀方面のポイント付近は昨夜からの雪が40cm近くに達しその後も増える勢いで降雪が続いているのでおそらくこれで入山は不可能となるでしょう。
必要以上に収穫できたのでこれ以上望むべくもなく、人間を拒むようになったことを静かに受け止め冬の眠りから覚めるのを静かに待ちたいと思います。

今年は雪の便りが早かった割りには例年よりも遅くまで山に入ることができましたが天気図と週間天気予報からそろそろ降雪が予想されたため最後のつもりで11月29日に友人のM氏と共に八尾・利賀方面に向かいました。
この日も前夜からの雪が心配だったのですが、たいした積雪には至らなかったのであえて未開拓の新規ポイントである尾根付近を目指します。
M氏はこの日がナメコデビューだったので確実に採れる既存のポイントへ案内しても良かったのですが、M氏は自身よりも若く体力にも長けているので普段単独では躊躇するようなキツイ場所の開拓のお供にはもってこいなので付き合ってもらいました。
ただ何事もそうですがデビュー戦の結果が悪いとトラウマになってしまうので確実に採ることがこの日の命題でしたので採れるという自信はあったのですが新規開拓が思わしくないときは確実なポイントに切り替えるつもりでした。

さて、地形図上で狙いをつけていたポイント付近に到着してみると林道横の立ち枯れに早くもポツポツとナメコが確認できます。
近づいて見ると確かにあるにはあるのでナメコが発生する環境ではあるようですが老菌がわずかに残っている程度で一部採集者に採取された痕が見られます。
ただ採取されたのもだいぶ前で複数の人間が訪れたような感じではないので元々発生量が少ないのかピークを過ぎた観があります。
それだけでは判断できないので準備を整え予定していた尾根を目指して新雪が薄く降り積もった斜面へと突入します。
当初こそナメコは見当たりませんでしたが登るにしたがってちらほらと樹上に見えるようになってきました。
やはり樹幹下部のナメコは採られたか古いものが多いようです。




↑ それでも根部付近で雪に埋もれた雪割りの新鮮なナメコを発見することが出来ました。
前にも言いましたが雪の下でゆっくり生長した成菌は旨みが凝縮されて美味です。




↑ ピーク時ほどの量ではありませんがよく探せばまだまだ採り頃のナメコもありそうです。




↑ 雪が下りてからの時期にしか見つからない色の濃い最高級の冬ナメコも見つかりました。




↑ シャーベット状に凍った房の傘を割らないように丁寧にカットするM氏。
実際に生えているナメコを見て感動した様子で楽しんでくれていたので良かったです。




↑ 雪が積もる頃になるとナメコの発生は樹幹の下部から上部が中心となります。
採りたいのですが高くて届きません。




↑ 大きい洞の内部に生えた大ナメコ。降水がかからないため乾燥ナメコでした。



↑ 登り始めた付近では先客に採られた後だったものの標高900mほどの尾根は積雪しており、往復3kmの道のりもあり誰も訪れていないようで多くのナメコが採られないまま老菌となり腐っていました。
もう少し前に訪れていたら大量に収穫できたでしょう。
ただブナ・ミズナラ帯では今期最後となるであろう採集で新規のポイントを開拓できてM氏にも喜んでもらえたので満足です。
欲を言えばそろそろ旬を迎えるヒラタケが採れれば言うことなかったのですが残念ながらこの日も採れずじまいでした。
雪が積もる時季でヒラタケが採れないということはやはり今年はヒラタケは不作のようです。
この日の収量は自身は6.29kgでしたが二人合わせた収量ではおそらく15kgを超えていたと思われます。

さて、12月に入り八尾・利賀方面も積雪のために入山が厳しくなるといよいよナメコ採りも終盤を迎えどちらかというと里山でのヒラタケ採集へと移行します。
今年も昨年、一昨年とほぼ同じ日程で12月6日に県東部のオオクワの調査ポイントへコケの様子を確認に行きます。
ここは標高もさほど高くない里山なので本格的に雪が下りてくる頃でないとナメコも発生しません。
ただ、この辺りは多雪地帯なので平地近くでも一回積雪すると除雪が入らず車の進入が不可になります。
今年は幸いなことにまだ雪が下りてきておらず全くありません。
まずは昨季までの発生木を見て回ります。




↑ 昨年は12月17日に訪れてタイミングが遅かったために前倒しして見てみると、今度は早すぎました。昨年は12月初旬にすでに積雪がありましたが今年はないので発生自体が遅れているのでしょう。
この様子だと気温にもよりますが採り頃まであと一週間はかかりそうです。




↑ 昨年なら十分生長していたヒラタケも今季はまだ幼菌です。




↑ それでも一部の毎年採っている発生木では採り頃のナメコも見つかります。




↑ 今季初めて見つけた発生木ですがすごいです!まだ幼菌ですが樹幹をぐるりと被い尽くしています。しかも同時期に一斉に発生したようで大きさも一律です。
今季、八尾・利賀方面でもパラダイス級の御神木は複数見つけていますが、これだけ粒と数が揃った発生木は過去にも一昨年に一本あるだけです。
ここは我慢で次回に期待しましょう。




↑ こちらは昨年に大ナメコを採った木ですが、今年も期待通り発生しています。
まだちょっと早いですがやはり昨年同様全てが大ナメコです。
自身の中でもこの木のナメコは別格で大きさ、味覚ともに他のそれとは明らかに違います。やっぱり変異種なのでしょうか?
画像では分かりませんが柄も太く、まるでマツタケが付いているようです。

全体的にナメコは時期尚早な感じながらも何とかある程度採集できたもののどちらかというとこのポイントではメインのヒラタケが芳しくありません。
少し足を延ばしてヒラタケの御神木も見に行きます。




↑ この木は立派なヒラタケが出ています。この木だけで3~4kgの収量がありましたが、昨年ならこれと同等クラスの他の2本の発生木では全く出ていませんでした。
たぶん今後の冷え込みで出てくると思われますが、一発寒波が来れば一気に積雪して入山できなくなります。
なんとかあと一回来れればいいのですが…。
この日の収穫はナメコ;5.2kg、ヒラタケ;5kgでした。

12月6日現在のナメコの総収穫量;86.81kg

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!最終章に続く】
2013年12月02日






↑ ‘13.11.26 店から立山(東)方向に出た虹。
今年は予想外に早い(11月13日)初雪でしたが、北陸は晩秋から初冬にかけては冷え込みと共に時雨れることが多くなります。
ブリ起こしや雪起こしと呼ばれる雷を伴うこともありこの時期特有の天気です。
時雨という名前のとおりアラレ混じりの雨が急に降ったかと思えば青空が広がるという天気を繰り返します。
よって観察していると一日の間に何回も虹が見えることがあります。
この日も数回発生したようですが自身が見たのはこの一回だけでした。
短時間でしたがかなりはっきりとした虹で薄っすらとですが二重の虹が見えました。
通常、虹を挟んで内側が明るく外側が暗く見えます(画像でも分かります)が二重の場合は外側の虹を挟んでその逆になります。
また外側の虹は色の順番が本体の虹と逆になっているのも分かります。
そうやって見ると単なる虹も興味深くなりませんか?
二重の虹を見るといいことがあると言われていますので期待しましょう。

さて、ナメコ大繁殖!!その5です。
11月11日ですが8日に思いがけず大当たりしたので同じポイントは避けて、午前中しか時間も無いので毎年ハズレたことがない自身の中で一番のポイントへ今期初めて向かいました。
新規のポイントで予想以上のペースで収穫できているためこの日はあいにくの雨模様ということもあり採集というよりは状況の確認が主旨で例年通りであれば次回改めて本格的に攻めようというつもりでした。
勝手知ったる林道をいつものように進んでいくと正面からダンプが下りてきます。
不審に思い運転手と話をすると通行止めだという話でした。
これはかなりショック!です。
今通行止めということは今期は絶望でしょう。
一番あてにして楽しみにしていたポイントがダメということになると昨年同等の収穫という目標の達成は俄然困難になったということです。
こういうことがあるから普段から予備のポイントを常に準備しておく必要があるのです。
幸い今期は新規のポイントが大当たりなのでカバー出来ていますがこれで本命のポイントの断念は2ヶ所目です。
ここは何の工事か分かりませんが場合によっては金輪際ポイントとして復帰することは無いかもしれません。
この穴を埋めることができるポイントはさすがに今日明日で見つけることは不可能です。
ただ、唯一の救いはこのポイントは山の反対側からもアプローチが可能だということです。
もちろん工事をしている場所は通行止めでしょうがポイント近くまでは行けるかもしれません。
というわけで反対側に回り以前にも通ったことがある林道を進むと当時は意識して見ていなかったものの意外とナメコがありそうな立ち枯れが多くあります。
ポイントまではまだ遠いものの斜面の立ち枯れにコケが生えているのが目に入り確認するために車を止めて入山することに。
その木を見に行くとナメコかと思ったそのコケはカイガラタケの群生で残念でしたが、せっかく合羽を着込んで斜面を登りかけたので周辺をとりあえず探してみることに。




↑ すぐ近くでこの時期には早い手のひらサイズに生長したヒラタケの群生を発見。
この木だけで3kgくらい採れました。
周りを見渡すもヒラタケはこの木にしか見当たりません。
まあヒラタケがあるんだからナメコもあるだろうと進んでいくと、




↑ 案の定ありました。
小さな群生ですが折からの雨でヌメリもありツヤツヤのナメコです。
雨は厄介ですがこのようなナメコに出会えるのは降雨時もしくは雨上がりならではです。




↑ 大きな房も見つかりました。




↑ こちらは状態の良いクリタケです。
ナメコほどではないですがカシナガよる立ち枯れのおかげでクリタケも以前より多く採れるようになりました。




↑ 斜面上のやや開けた丘状の場所の立ち枯れの群生。
これだけ立ち枯れがあればいかにもコケが見つかりそうです。




↑ あまり太い木はありませんがこれくらいの中規模の極上の群生がちらほら見つかります。




↑ これだけ細い木でも落ち葉で見えませんが根際の裏側までビッシリナメコが生えています。

気がつくと雨にはアラレが混じり始め手もかじかんできました。
おまけに合羽のフードを付け忘れたので頭がびしょ濡れで冷えてきました。
冷たさに手の握力が無くなり振っていた手鎌がすっぽ抜けて行方不明になったため撤収することになりました。
この時、数日前からひいていた風邪を悪化させてその後12月に入るまでこじらせることになるとは思ってもみませんでした。
結局、本命のポイントに近づくことは出来ずこの日はこの初めての場所を見ただけで終わったのですが帰って下処理をして計量するとナメコで8.37kg、ヒラタケとクリタケ合わせて3.5kgの収穫がありました。
先日、自己最高記録を出したので感覚的に少なく感じますが通りがかりに寄った場所の一部を見ただけでこれだけ採れたというのは十分な好ポイントと言えるでしょう。
やはり同じポイントばかりに頼らずに新規開拓することは重要ですね。

翌日はコケ採りではなくカワラマット用に粉砕するエノキ材の採取のために以前から取り置きしていた材を裁断したのですが、この日も雨の中での作業で体が塗れたので先日の風邪をさらに悪化させついに熱が出ました。

続いて4日後の15日、この日は定休日で一日フリーなのですがこの日もあいにく前日からの雨が続いています。
先日来、風邪の具合が思わしくないのでこの日は雨の中での採集はあきらめる予定でした。
が、昼前に雨が止んでしまい居ても立ってもいられなくなり近場のポイントを見に行くことにしました。
この日向かったのは笹津から八尾方面で風の噂でナメコが大発生しているのを聞いていて昨年開拓を試みるも全く見つからずに断念した場所ですが、今度は違う道から攻めてみます。
しばらくはあまり食指の動かない風景が続きましたがある程度の標高になると良さげな立ち枯れが目立ち始めました。




↑ 予想を超える立ち枯れの多さです。
やはり噂は本当で大当たりしそうな予感がします。
ちょっと気になったのはさっきまで雨模様で条件の良くない平日にもかかわらずコケ採りと(間違いなく)思われる3組の車と会ったことです。
どの程度のコケがあってどの程度採られているのか入ってみないとわかりません。
とりあえず見当をつけて突入します。




↑ 最初に見つかったのはクリタケの大群生。
クリタケは通常土と根際の境に生えるのですが、これは浮いた樹皮(このときは剥がれてしまっています)と本体の間に生えていました。
中には右画像のような手のひらより大きなサイズのクリタケもありましたが、ここまで大きいのは自身も初めてです。

クリタケの発見に幸先の良さを感じましたが、その後多くの立ち枯れを見るも肝心のナメコが見当たりません。




↑ 一本だけ生えたナメコ。
先客によって採った跡がありました。
先客がやったのかどうか定かではありませんが、画像のように樹皮が大きくめくれています。
ナメコは浮いた樹皮と本体の間にあったのでしょう。
このように樹皮が剥がれてしまうと翌年からほとんどナメコは発生しません。
ここはやたらと樹皮のなくなった丸裸の立ち枯れが多いので期待するほどのナメコは無いかもしれません。
ここは来訪者も多いみたいなのでこれが採集者の仕業なら残念なことですね…。
先客も多いようですが背丈を越える高さの強烈なヤブがあるため全てを採られていることはないでしょう。




↑ やはりヤブに覆われ樹皮の残っている立ち枯れにはナメコが出ています。
結構な量ですが幼菌のため全てスルーしました。

軽く一回り見ただけですが環境の割にはナメコは少なく採れたのは0.7kgだけで、まだ発生がピークになっていないのか先客が採り尽くしたのかは分かりませんが今ひとつの結果でした。

三日後の18日、この日は月曜日で午前中だけの入山になりますが風邪の具合も熱が下がったので8日に最高収穫記録を出した大当たりの新規ポイントを再度見ることに。
前回、日記でも書きましたが幼菌はほとんどスルーしているためそれらがどうなっているか楽しみです。
ただ、風邪で中10日も空いてしまったので機を失した可能性もあります。




↑ 斜面から突き出した立ち枯れに新たに発生していたナメコ。
斜面の下からもはっきり見えるのですが誰も訪れていないのでしょうね。




↑ 前回チェックしていなかった木に出たナメコの大群生。
というより前回は幼菌も出ていなくて新たに発生したのならやはり中10日は長すぎたということです。
早速、前回残しておいた幼菌を確認します。




↑ 樹幹の下から上までナメコが出ている様子は圧巻です。
やはり一部は老菌になっていましたが逆に新たに発生した幼菌もあり収穫量はあっという間に増えていきます。
ただ、幼菌や若い成菌はだいぶ木の上部に移行してきたのでこのポイントも採り頃のピークを越えつつあるのでしょう。寒さと共に発生部位は木の上に移行するので採れなくなります。
雪の状況にもよりますが今回が最後になる可能性も高いでしょう。

前回の教訓から今回はリュックを新調して今までの15リットルの容量から倍増して33リットル入りの容量に換えての入山でしたが、ポイントの半分を見た時点ですでに一杯の状態になっています。
前回同様に収穫物を分かりやすい立ち枯れの根元に取り置きして斜面上部の発生木を目指します。




↑ こちらは前回幼菌だったナメコがほぼ採り頃の成菌になっています。
斜面の上と下ではわずか50mほどの標高差ですが生長具合が異なり、上のほうが発生時期は早く生長速度はやや遅くなります。




↑ 上記の木よりやや下の斜面中部にある発生木。
やはり一部はやや老菌気味になっていますが大半は採り頃の成菌です。




↑上記の木の一部ですが画像右側が前回幼菌だったものが生長した成菌。
左側が前回来たとき以降に気温が低い状態で発生したもので傘表面の色が濃いのが特徴でこのようなナメコを自身は「冬ナメコ」として珍重しています。
冬ナメコは時期的に最終の発生で雪に被われる頃に出てくるのでなかなか量が採れませんが生長も遅く肉厚で旨みもギュッと凝縮されて格別です。




↑ 前回同様のコースを回っただけで時間的にも余裕を持って下山して来た割りには予想外に大漁でリュック以外に2袋を手で持ちながら下りてきました。
リュックの中には3袋が収納しておりパンパンに膨れています。

そして、この日の収穫は処理後の計量では予想外の
ナメコ22.96kg
と、先日更新したばかりの自己最高をさらに上回り一日当たりの総収穫量と共に自己最高記録を再更新することになりました。
定休日で一日採集できればこの1.5~2倍の30~40kgくらいは採れたと思いますが、その後の処理をする時間と収納する冷凍ストッカーの容量が足りないので現状ではこれが限界でしょう。
今季の総収穫量も現時点で74.27kgと12月を残しながら昨年越えの目標をすでに達成してしまいました。
山の神様への感謝の意に絶えません。
おかげで今後は気持ちに余裕を持って新規のポイント開拓やヒラタケ採集に時間を費やすことが出来ます。

ただ調子に乗って入山したせいか翌日から再び風邪を悪化させ気管支炎気味になり、5日間にわたりバイトも休む羽目になりました。
さすがにこの週は定休日も休肝日ならぬ休ナメコ日にして養生に努めることにしました。
これだけ大漁でなければおそらく気分的にゆっくり休養することはできなかったでしょうね。
今年の風邪がたちが悪いのか自身の身体が衰えてきたのかなかなか回復の兆しがないながらもバイトにも復帰できたので25日(月)は午前中のみ山の偵察に。
時間と身体を考えて先日訪れた近場の笹津方面に10日ぶりに出陣します。

この日はこの時期特有の冬の嵐の前日で前線が通過する前だったので南寄りの強風が吹き荒れ山を歩いていても立ち枯れが折れて頭を直撃するんじゃないかというくらい
すごい音を立てて揺れています。
とりあえず、先日幼菌をチェックしていた2本の木を確認すると、やはり先客に採られた後でした。
まあ想定内なので特にめげることもなく周辺を探すと、




↑ 状態の良いきれいなクリタケの群生がいくつか見つかりました。
ここの来訪者はナメコのみを採っているのか前回もそうですがクリタケは手付かずです。
こんな美味なコケを知らないのか、もったいないので全て採取しました。
クリタケは水分が少なく軽いキノコですがそれでも1kgほどの収量がありました。

ナメコが見当たらないので場所を変えて、あえて入り辛そうなところを選んで入山します。ヤブ漕ぎをしながら奥へ進むと、




↑ 少ないながらも小さい群生がポツポツと見つかります。
やはり競合者は多くても探している場所がかぶっているせいかちょっと移動すれば採り残しは結構あるみたいです。
ただし、体力の消耗の割りには収穫量が伸びません。
もっともこの日は全力で探したわけではありませんがナメコの収量は1.05kgと時間の対価としては少ないですね。
いくら近場で採りやすいポイントだといってもこれなら自身のホームグラウンドである八尾・利賀方面や新川地区の方が断然効率はいいです。
楽をして他の入山者と競合しながら採り残しのポイントを求めるよりも、苦労して開拓しないと結果は出ないということなのでしょう。
近郊のポイントとしては魅力はありますが自身との相性はあまり良くないようですので今後の入山は控えめにしたいと思います。
追記になりますが、ここで採れたナメコは乾燥状態で量こそ少なかったものの水に浸けて処理をすると全て特Aクラスの極上のナメコでした。

11月25日現在のナメコの総収穫量;75.32kg

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その6に続く】
2013年11月26日




↑ 庄川のヤナ場で選別されるサケ。
山の話題ばかりなのでちょっと余談に。
4日(祝)に子供を連れて庄川のサケ祭りに行ってきました。
\1,500でヤナ場で捕獲されたばかりのサケを横に設置された生け簀で掴み取りが出来ます。
息子は想像以上に大きな魚体にビビリ、戦意喪失して挑戦しませんでしたがテント小屋で獲れたてのサケ鍋(1杯\100)を食しました。

閑話休題、ナメコ大繁殖!!その4です。


 11月8日、5日前にB氏と訪れたポイントの全体像を調べるため先日よりもさらに斜面上部を目指します。




↑ 登り始めてすぐに先日通った時には目に入りませんでしたがブナの倒木に頃合のナメコが出ています。
ブナのナメコはここでは希少なので少量でも採取します。
気のせいかもしれませんがブナのナメコとミズナラのナメコでは食したときにかすかに香りが異なるように感じます。




↑ こちらもこの5日間に新たに発生した幼菌。
主観的にはもう少し待ちたいところですが1週間後の休みでは遅い感じなので採るなら
今でしょ!
というわけで傘が開いていないものを除いて採取しました。




↑ 少し進むと今度は大群生が!
やはりこのポイントは大当たりです。
このポイントではこんなのが当たり前のように見つかります。
贅沢ですが採り頃ののみ選別して採取し残りはスルーします。
採取するときに幼菌は次回の楽しみに採らずにおいておくのでそのせいもありますが、中5日間でこれだけの大群生が見つかるというのはそれだけ発生の勢いがあるということです。
ポイントの数より自制した採り方、そして状態の良い発生木をどれくらい確保しているかで収穫量が大きく変わってきます。
そしてここは状態の良い発生木が複数あるので収穫量が一気に伸びます。




↑ ポイント付近。
画像では尾根線上がなだらかな感じに見えますが斜面は蛇行しながら歩かないと登れないくらいの勾配です。
画像内に多くの立ち枯れが見えますが、この辺りはまさにキノコの山といったパラダイスです。
一部の木を拡大して撮って見ましょう。

 


↑ わかりますか?ムキタケにナメコ、そこら中に発生しています。
圧巻ですがこの木だけではなくあちこちの同様の立ち枯れがあります。
立ち枯れてから今まで誰にも触られずにいたのでしょうね。
誰かが手をつけた形跡が全くありませんので自然の状態が保たれています。
どこから手をつけていいのか分からないような状況で、このような神聖な場所へ招いてくれた山の神に感謝しつつ丁寧にナメコを採取していきます。




↑ ナメコのパラダイスです。
全面ナメコです。まだ幼菌も多くあるので無理に採取せず採り頃のものだけを採取しますがここまでの数本の木でコンビニ袋2袋分になりました。
半分以上は残してあるのでその幼菌が成菌になったらどれくらいの量になるのか?
大変なことになるでしょうね…。
とりあえず次へ進みますがリュックは早くも容量一杯近くになっています。
今から、前回は行かなかったさらに急な斜面を登ろうというときにこの収穫物はまるでハンデのように背中にのしかかりますのでとりあえず袋ごと木の根元にキープしておきます。
誰も来ないからできることですが、こないだ別のポイントでリュックごと置いといたらその場所が分からなくなって探すのに往生したのでいくら身軽だからといっても最低限リュックだけは必ず身に付けることにしました。




↑ 急斜面を登り始めて少しして見つけたブナの倒木。
ナメコは発生していませんが、手鎌でちょっと削ってみると食痕が確認できます。
そういえば八尾やこの周辺は元々オオクワガタの生息調査が目的で訪れた場所ですが、いつの間にか完全に趣旨が変わってしまいました。
この倒木を見た瞬間に過去の記憶を思い出したかのように材割りという本能が目覚めましたがあいにくナメコしか考えていなかったので手オノすら車に置きっぱなしです…。
次回改めて材割りしましょう。
万が一ナメコ採りでオオクワの幼虫が見つかった日にはまさに本末転倒なのでそれもどうかな?って感じですね。




↑ さらに登っていくと、やはりここにもありました。
ちょうどいい頃合の群生です。




↑ こちらは乾燥状態ですが、この房のまま水に浸ければまさに極上のナメコに変身します。持ち帰って下処理するまで痛まないので処理後はむしろこちらの方が最高級になります。

しばらく登ると一旦低木ばかりのなだらかな尾根に出ました。
その先へ進むともう一段高い山の斜面があるのですが、ヤブが強烈なのと今の斜面だけでも収穫が増え、さらに手をつけなかった幼菌の大群生もあるのでこれ以上探しても無駄になると思い引き返すことにしました。
帰りに先ほどキープしていた収穫物を忘れずに取りに行き車まで持ち帰りました。
これだけでも十分な収穫があったのですが、先日B氏と行った対面に見えるもう一つのポイントをまだ見ていません。
そちらの方が斜面がきつく登るのに苦労する上にB氏と訪れた5日前の帰り際に林道を歩いていた際、個人的にはクマよりも恐れているオオスズメバチの巣が近くにあったらしく大群に襲われそうになった(時期的には巣は解散していますが働きバチは残っていて暖かい日はまだ飛び回っている)ためあまり気が進みません。

想定外に時間的に余裕もあり、幸いなことに巣の場所はおおよそ見当がついているしこの日の気温なら活動も活発ではないと判断しリスクを必要以上に恐れずに向かうことにしました。
そのことが奏功したのか結果的にはそれなりの収穫を得ることが出来ました。

とりあえず寄り道をせずに尾根を目指します。




↑ 尾根の頂から見た風景。
画像中の隣の山も同様に新規ポイントとして候補になっており頂までの直線距離ではそんなに遠くはなく歩いて行けない距離ではありませんが、さすがにこの日は一旦下りてから行く気力、体力共にないので別の機会に攻めて見たいと思います。

ここの山は先日も紹介したように大径ではないものの立ち枯れの数は豊富なのですが、トラバースしながら調べると斜面の向きか位置の問題なのかコケが多く発生している場所とほとんど見つけることが出来ない場所とはっきり分かれています。
ただ過去の経験から斜面の向きに関わらずナメコは見つかっているのでおそらく立ち枯れた時期とその後の日照等が関係しているのではないかと推測しています。




↑ 尾根付近で見つけた今年初のヒラタケ。
標高をかせぐと気温も低いせいか発生し始めたようです。
まだ採るには及ばない大きさなのでスルーしましたがそろそろ冬の到来を感じさせます。




↑ 先ほどのポイントほどではありませんが採り頃の小さい群生がちらほら見つかります。




↑ 中にはこんな大群生も。
ここは低木やブッシュが多いため遠目で見えないので一本一本近くまで行って確認しなくてはいけないので本数はあまりかせげませんが、それだけに近くに行ってこんな群生があるとやはり嬉しいです。

何だかんだ言って結局ナメコでリュック一杯になっていました。
ここは斜面がきつく手で袋を持ちながら下山することが危険なのでそれ以上は収穫しようがありません。
下山途中も多くの採り頃の群生を見つけながらも泣く泣くスルーしていきます。
次回来てもその頃は老菌になってしまっていることを考えるともったいないと思いますが、これが今日神様から与えられた量なんだと素直にあきらめます。
逆に採るつもりなら車に行った後再度来ることもできますが体力の消耗によるケガのリスクもありますし採り過ぎて処理が間に合わず最悪捨てるなんてことになったらそれこそ罰当たりなのでこれで必要十分以上です。

時間に余裕を残して下山したので先の1日に見つけた大長谷の別の山のポイントを周ろうかと思いましたが、それも止めて早く終わった分帰ってナメコの下処理に費やすことにしました。
販売用に収穫したナメコは帰ってすぐに冷水で洗浄しながら一個一個柄を適度にカットして計量して袋詰め、残りは冷蔵、乾燥ナメコは流水で24時間水戻しを行い全てを48時間以内に処理するように心掛けています。
それ以上経ったものは自家用として食しています。

さて、この日の収穫は処理後の計量ではなんと、
ナメコ19.35kg、ムキタケ2kg
と、ナメコは昨年の自己最高の12.7kgを大きく上回り一日当たりの他のコケを含めた総収穫量と共に自己最高記録を更新することになりました。
現時点での今季のナメコ総収穫量は42.24kgと一気に躍進することとなり山の神様に感謝感謝です!

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その5は近日中にUPします。】
2013年11月23日




↑ 11月8日、コケ採りの帰りに撮影した夕日に染まる八尾の大長谷の紅葉。

さっそくナメコ大繁殖!!その3へ参りましょう。
さて、10月度は例年にない残暑の影響からか高標高のブナ林のコケの発生がモタセ以外は全くパッとせずナメコもほとんど収穫できなかったもののミズナラ帯のナメコの発生が予想外に早く既存のポイントが他の採集者と競合したものの新規ポイントではこの時期としては意外な豊作で今後に期待できる結果となりました。
10月末までの収穫量はナメコで7.5kgと25日の大漁のおかげでなんとか持ち直すことができました。
その新規ポイントの期待冷めやらぬ11月1日、待ち切れないように好天にも恵まれながら再度訪れました。
前回は悪天候のためにポイントの半分も見ずに撤収したので今日はポイントの全体像を把握するのが目的です。
もちろんナメコを見つければ採取しますが単純に採るだけでなくそこの環境や立ち枯れの数に対するナメコの発生率等を調べることで今後も継続して採集できる有望なポイントかその時だけの採集で終わりなのかを判断できます。
もちろん毎年状況は変化しますが、中には一年に一回だけの採集で終了というポイントがいくつかあります。
前回の結果から推測するに少なくとも一回で終了のポイントではなさそうです。
期待感と合羽を着ていない身軽さから意気揚々と斜面を登り始めます。




↑ 登ってまもなく見つけた幼菌の群生。
人によってはこれくらいのツブツブのナメコを好む人もいますがこれではスーパーの販売品と変わらないので自身は採りません。我慢して次回の楽しみに取っておきます。
次を探しましょう。




ほら、あった!
今期初のパラダイス級の大群生です。
全部採れば5~6kgになりそうですが右側半分くらいはやや老菌気味なのである程度選別して採取します。




↑ 上の画像の一部をアップで撮影したものですが下部に見えるのはナメコの成菌で、上部に写っている腐りかけたコケはモタセ(ナラタケ)です。
コケ採りの間ではモタセが終わるとナメコの時期だというならわしがありますが、まさにそのとおりモタセと入れ替わるようにナメコが出ているのが画像で分かると思います。




↑ 上の群生の一部ですが、これくらいの状態が主観的には好みで極上と判別している成菌です。
カサが開いたばかりで裏は白からややクリーム色で柄にはツバが残っている状態で、ツブ状の幼菌と異なり口に入れたときの香りや味の濃さが格別です。
これくらいの群生になると採取するだけでも結構時間がかかります。
採り終えて次を探します。




↑ すぐに別の木で見つかりました。
これは大ナメコです。手袋と比較してもその大きさが分かるでしょう。
一般に老菌になると開ききって見かけ上は大きくなりますが、これは違います。
まだ新鮮な成菌で肉厚で張りがあってプリプリです。
以前にも書いたことがありますが、大ナメコは通常のナメコの変種ではないと推測していますが生えている木には複数の大ナメコが発生していますので菌の変異で無いとすれば発生木の状態に要因があるのでしょう。
いずれにしろ人工栽培では現在の技術では絶対に出せないサイズですのでまさに天然ならではの醍醐味でしょう。




↑ 収穫量が増えてくると気持ちに余裕ができて周りの紅葉もいつもより綺麗に見えます。
山に入ったものだけが味わえる豊かなひと時です。




↑ 同一の木に競合するように発生するナメコとムキタケ。
ナメコの下から無理矢理ねじ込むようにムキタケが出てきています。
また、同じムキタケでも表面がウグイス色のものと紫がかったアズキ色のものがあるのが画像で分かると思います。




↑ ちょっと若いけど食べ頃のナメコ。ヌメリがあるように見えますが実は乾燥状態になっています。
逆にその方が劣化しませんし、採るときもバラバラにならずに房ごとゴソッと採れ軽く堅いので持ち運び時にも痛んだり潰れたりせずにすみます。
また一晩冷水に浸けておけばヌメリも復活して新鮮な極上ナメコに変身するのでこの状態で見つけられたのはラッキーです。




↑ 本日2度目の大ナメコ。
一つの房すべてが大ナメコです。こちらも乾燥状態だったので腐らずに採り頃の成菌の状態を保っていました。
持ち帰って水に浸けて戻したのが右の画像です。
以前採った径14cmの大物には及びませんでしたが径12.5cmでしたのでやはりキングサイズです。
味噌汁にこれが入っているのを想像してみて下さい。
まるでお椀のフタが浮いているような感じです。

何だかんだ言って、斜面を登りきる前にリュックが一杯になり一度車の戻り、再度登って何とか尾根近くまで登はんすることができました。
全部の立ち枯れはとてもじゃないけど確認することは出来ませんでしたが、それでもナメコが12kg、ムキタケ2kg(共に下処理後の計量)を採取することが出来ました。
ナメコは昨年11月22日の自己最高となる12.7kgには及ばなかったものの大漁なのに変わりはありません。
既存のポイントに手をつけていない状態で新規のポイントでこれだけ採れたのは大きいです。
あと、去年から思っていたのですがやはり現在愛用しているリュックは容量が15リットル程度なのでかなり物足りなさを感じます。
この日も結局斜面を2回登る羽目になったしデメリットが大きくなってきました。
今まではあまり大きな容器を用意すると欲張りだと山の神に思われて戒められるので謙虚に小さめのリュックを使用していたのですがさすがに昨年からは不自由で、いいかげん自身のスキルがUPしたと容認して大きなリュックが必要だと強く感じました。

さて、その二日後の3日(日)はブリーダーのB氏のコケ採りをしたいという希望で材採りは捨ててコケ狙い一本で八尾・利賀方面へ行きます。
ポイントは二日前に大当たりした新規ポイントの裏側斜面になります。
ここも新規ですが先日遠くから下調べをしているときに尾根線の立ち枯れにナメコが発生しているのを確認しているため外すことはないでしょう。
道中、もう一ヶ所以前から気になっていた場所に寄り道します。




↑ 入山してすぐにムキタケの大群生が見つかりました。
これだけあるとありがたみが薄くなりますね。
ムキタケも美味なのですがついついナメコを優先してしまいおざなりな扱いになってしまいがちです。
調子に乗って全部採るとそれだけでリュックが一杯になるのでB氏に譲り自身は写真を撮るだけにしました。




↑ こちらはクリタケの群生です。
やや虫食いがありますがこれだけあれば十分使えますしクセのない味で何の料理にでも合う使いやすさから嫁の受けも良いので採取しました。
ここではこれ以外にもクリタケを採取できました。
斜面を登っていくと立ち枯れは結構あるもののナメコの姿はありません。
ここは先日のポイントより標高で100m以上低いのでまだ発生していないのかナメコのない山なのでしょう。
不思議なことに同じような立ち枯れがある山でもほとんどナメコが出ない山が存在します。何かが違うのでしょうね…。
ナメコはありませんでしたが良さげな朽ちた倒木とワサビの群生を発見しました。
材はさすがにここから車まで運び出すのは厳しいですがワサビは来春の新たなポイントになりそうです。
ナメコに関しても時期をずらしてもう少し上部まで探してみたいと思います。

さて車に戻り本来の目的地へと向かいます。




↑ この日回ったポイント近く。3日前に行ったのは山の裏側になります。
とりあえず画像に写っていない部分から尾根線沿いにアプローチします。
画像では低く見える山ですが下から登っていくのは見た目以上にしんどいです。
ナメコは予想通りあるのですが不思議なことに先ほどのポイントと同様に登り口に近い標高の低い立ち枯れにはほとんど発生していません。
標高をかせぐのと比例して発生頻度が上がってきます。
見た目には繋がった一つの山なんですけど何かが違うのでしょうね。




↑ 遠目からやけに樹幹のコケが目に付いたミズナラの立ち枯れ。
近づいてみるとあちこちにコフキサルノコシカケが着生しています。
画像の裏側にもたくさん付いています。1本の木にこれだけ付いているのを見るのは初めてです。
この立ち枯れはコフキサルノコシカケ菌で占有されているのかそれ以外のキノコ類は全く出ていませんでした。
基本的にナメコが発生している木は必ずといっていいほど他のキノコ菌と共生しています。




↑ この辺りは標高的にもブナ帯ですので多くのブナが見られます。その中でも目立っていた極太の台場状になったブナ。耳をつけるとブナの鼓動が聴こえそうです。
ブナの立ち枯れはミズナラのそれと比べるとほとんどありませんが稀にブナの倒木に発生したナメコを見つけることができますが少量に限られます。

この日は自身は採集よりも案内人の役でしたのでここで採ったナメコはB氏に譲りましたがここだけで7~8kgは採れたと思います。
思ったよりも優秀なポイントで予想以上に採れたので途中で下山しました。
時間もあるので予定にはなかったそこの対面にある山も調べることにしました。
再びさっきのポイントよりも高い斜面を目指して登り始めました。




↑ 途中、林道横のミズナラの切り株上に発生していた複数のコケの株。
何だろう?とパッと見たところ一見マイタケのように見えましたが腐りかけているのでよく分かりません…。




↑ アップでよく観察すると色が抜けて白っぽくなっているもののカサに環紋状の模様がわずかに確認できることからトンビマイタケと判断しました。
もしそうなら来年は要チェックのポイントです。




↑ 斜面のモミジや低木の隙間から見え隠れする複数の立ち枯れ。
対面の先ほどのポイントから見てる分にはわかりませんでしたが、さっきと異なりかなり勾配がきつく何かにつかまりながらでないと登っていけません。




↑ 急斜面ということもあって立ち枯れもさっきのポイントほど太い木はありませんが、ある程度登ったあたりからちょこちょこナメコも見られ始めました。画像はちょうどいい時期に乾燥した極上のナメコ。
さっきのポイントに比べて日当たりが良いせいか乾燥したナメコが目立ちます。
頂上付近まで調べたいですが予想外の急斜面で体力の消耗が大きいので途中で断念、またの機会に持ち越しとなりました。
一部しか見ていないのでどの程度採れそうか見当がつきませんが一応ここでは自身も3.3kg(下処理後の計量)ほど採取しました。
まあ、午前中だけで新規のポイントで二人でこれだけ採れれば上出来でしょう。
店があるのでこの日は撤収しましたが、ここのポイントは再度来る価値が十分あるでしょう。
近いうちにまた来たいと思います。

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その4は近日中にUPします。】
2013年11月21日






↑ ‘13.10.27 岐阜県飛騨地方の国立公園の紅葉。撮影カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS

毎年必ず訪れる紅葉の名所。自身が今まで見てきた中でもここは1、2位を争うブナ林です。
後方に3,000m級の高山を拝め、タイミングがいいと雪を被った峰から麓にかけての見事な三段染めが見れます。
この日も前日から高標高は雪だったため期待したのですが雲が晴れずにほんのわずかしか主峰は見えませんでしたが綺麗な錦秋を堪能できました。


さてナメコ大繁殖!!その2です。
前回、利賀の自身の恒例のポイントで他の採集者と競合したことを書きましたが、そうなると当該ポイントはあまり当てに出来なくなってきました。
もちろんその山でもおそらく足を延ばして車では行きようがない隣の山まで行けば他者が入っている可能性は低いでしょう。
新規開拓のつもりであればもちろんそれでも構いませんし自身の今のスキルから考えたらそこで採れないという事はないと自負していますが、要は効率の問題です。
ポイントまでの時間がかかればかかるだけ採取する時間と体力を消耗します。
道など無い所をヤブ漕ぎしながら傾斜のきつい斜面を上り下りするのは想像以上に疲れます。
下から見ていて
「あれくらいの尾根(実質の標高差で100~200m)なら楽勝で登れる。」
とタカをくくって登り始めると半分も登らないでバテてしまうことが往々にしてあります。
果たしてその先にナメコがどれくらいあるのかは未知です。
500gかもしれないしパラダイスがあるかもしれません。
行ったものだけがそれを知ることが出来るのです。
そうやってポイントは開拓していくものなんです。
他の採集者が入っていた場所をチェックして後を追うなど邪道だというのが自身の理念です。
そうなると当該ポイントはあくまでも自身の足で探し出したポイントですが競合者に後追い者扱いされるのもしゃくです。
その辺りもだいぶ人に知られてきたようです。
よって、その周辺は避けて離れた別の候補地を開拓することにしました。
今でこそカシナガの食害で立ち枯れは豊富にありますがこれもいつまでも続くわけではありません。
そのため、そこで採れるのは今だけかもしれないという危機感を持って常に次の候補地を考えるようにしています。

そんなわけで10月25日はあえて前回のポイントを外し八尾・利賀方面で以前からチェックしていた新規のポイントを開拓に行きました。
どんな採集者でもやはり車のアクセスがしやすい場所を好んで探します。
逆に言えば車で近くまで行けない場所や車からチェックしにくい場所は知られている可能性は低いと言えます。
また、有峰でもそうですが灯台下暗しで誰もが通る道路のすぐ近くの死角にパラダイスがあったりします。
とりあえずこの日は折からの台風の影響で雨が本降りの悪天候だったのであまり山中を奥まで行かなくていい場所を選びました。
それでも笹や下草が生い茂る斜面は濡れて足が滑る上に合羽を着ているので動きも制限されるし勾配も結構きついです。
何かにつかまっていないと滑落するくらいです。




↑ 斜面を登り始めてすぐに倒木に発生したナメコを発見!
折からの雨のおかげで水分を含んでツルツルです。
幸先の良さに期待感から登る足取りも力強くなります。
目に付く立ち枯れをチェックしていくと、




↑ 遠目からでも容易に見つけることが出来るムキタケ。
ここでも相当発生しています。
ムキタケは傘も大きく水分を含んで重さもあるので先に調子に乗って採るとリュックにナメコが入らなくなったり重さで体力を消耗するので本来帰り際に採取するのがベストです。
とりあえずスルーして上を目指します。




!!!
あった!今期初のナメコの大群生です。
画像下側はだいぶ老菌になっていますが画像には写り切らない左側まで採り頃の成菌がビッシリ生えています。
食べ頃の成菌のみを選別して採取しますがここだけで2~3kg分くらいありそうです。
新規ポイント開拓の労がねぎらわれたと同時に、いきなりこれだけの群生に出会えたことはこのポイントが当たりであることを示唆しています。
感謝して採取を終え周りを見渡します。




↑ 目線より下側は生い茂る下草や低木で見えませんが立ち枯れの樹幹には小さな群生があちらこちらに確認できます。
とりあえず見えるものから優先的に採っていきます。
斜面をトラバースしながらあっちへウロウロ、こっちへウロウロしているので全然上へ登って行けません。
そうこうしているうちにムキタケも同時採取していたためリュックがだいぶ一杯になっていました。おまけに雨のせいでリュックも水浸しです。
必需品のゴーグルも水滴や曇りのせいで前が見えません。
このポイントが当たりだったのは分かったのでこの日はこれで撤収することにしました。
天気の良い日に改めて上部を攻めることにします。
この日の収量はナメコ5kg、ムキタケ2kgでした。
まあ10月中にこれだけ採れれば上出来でしょう。
またこの雨でさらに生長が進むので次回が楽しみです。

さて、その二日後の27日は日曜日ですが早朝からブリーダーのB氏と岐阜県まで材採取に向かいます。もちろんコケ採りもしたいのですがおそらくそこまでの時間的余裕はないでしょう。
この日も前日からの冬型の気圧配置で時雨模様の天気となりました。
標高の高いところは雪だったと思われるため雪を被った霊峰と錦秋が観賞できると思ったのですが天気の回復が遅く雲がかかってトップに紹介した写真を撮るのが精一杯でした。




↑ 写真撮影に適した場所で撮影していると横を通っていく車が次々とそれを見て停車して、まるでどけと言わんばかりに自分のすぐ横に来てシャッターを切り始めます。
撮り鉄じゃあるまいし山は動かないのだからこっちが撮り終わるまでちょっとくらい待てんのか?と言いたくなることがあります。

以前も書きましたがここは登山やトレッキングを始め言うまでもなくコケ採りや紅葉の時期は県外からも多くの写真家たちがカメラを手に訪れます。
この日も車を駐車してブナ林の遊歩道へと向かうと早朝にもかかわらず早くも数人の写真愛好家と出会いました。

また、ここは雄大なブナ帯ということもあって10年ほど昔はほとんどいなかったのですがここ数年はヒメオオ目的の採集者が結構来るようになりました。
昨年来たときは見なかった材割りの跡が遊歩道横の大径のブナの立ち枯れに残っています。
一応、自身はプロですから見れば一目でヒメオオ目的の材割りだと分かります。
材割りの跡を確認していたら写真家の人に話しかけられました。
「おたくらはキノコ採りかい?」
「キノコももちろんあれば採るけどキノコより朽ちた倒木を探しとるが。」
「それはおたくらがキノコを採った跡かい?」
と言って材割りでえぐられた場所を指差していました。
別に非難しているような言い方ではありませんでしたが、何でえぐられているのか分からなかったんでしょうね。
「いや、これは俺らじゃなくてクワガタを探している人間が割って幼虫を採った跡だよ。」
痛くもない腹を探られたらかなわないので説明して否定しました。

自身も材やコケを採取しますし、ここではしていないものの材割りもしますから他人のことを言えた義理じゃないんですが一応国立公園内ですので管理者にその行為を見つかれば必ずとがめられます(以前、道路横に転がっている倒木の一部を持ち帰ろうとしただけでダメとは言われませんでしたが念のため注意されました)。
原則で言えば国立公園内では石一つ持ち帰っても罰せられるのです。
おそらくそれは認識していると思いますので、自身も同じ立場上するなとは言えませんがせめて目立たないようにするのがマナーでしょう。
紅葉の名所で誰もが散策する遊歩道横なら必ず目に入ります。
他のヒメオオ採集者が来ればここがポイントであることを教えるだけではなく同様の場所で材割りしないとも限りません。
そうやってポイントや景観が失われていくのです。
もしヒメオオ採集者でこれを読んでいたらお互い気をつけましょう。

ついでに書きますが前述のヒメオオ採集者もそうですがコケ採りの人間も相当マナーの悪い輩がいます。
キノコの場合、根こそぎ採ってもマナー違反ではありませんが翌年のことを考えず無理やり採ったり、コケ採り以外絶対に来ないような深山に空き缶やコンビニのゴミを捨てていく者がいます。
それを見ると自然の恵みを山から戴いておきながらその仕打ちはどういうつもりか?
といたたまれなくなります。
一応、手が空いているときは拾ってくるようにはしていますがいささか残念です。
断っておきますが偽善行為ではなく、人に対してではなく山の神に同類の人間だとは思われたくないんです。
そういう奴に限って山ほどコケを採っていたりするんですよね…。

以前にも書いたかもしれませんが、人から聞いた話では富山県人は上記のようなマナーの悪い山菜採りが多いと県外の人から非難されているそうです。
新潟の地主の人の話ですが山菜の時期に富山ナンバーの車が山に止めてあったらすぐに警察に通報するそうです。
富山県民として汚名を着せられないように気をつけたいものです。

話を戻しますがあられが降る中あちこち散策した結果、今日はダメかなとあきらめかけたときに何とか良さげなブナ材を採取することができました。
時間が無くてコケ採りはできませんでしたが見ている範囲では例年に無くコケは少なく感じましたし必ず出会うコケの採集者もほぼ見ませんでした。
今年はコケが不作なのをわかって来ていないのでしょうかね?
代わりに悪天候の割には写真愛好家が一段と多くなったと感じました。
中には女性だけの撮影ツアーみたいなグループもあり本格的な一眼レフを持った撮影者がブナ林の中まで入り込んでいるのはカルチャーショックでした。
壮大なブナ林はいつも癒しを与えてくれますが、豊かな自然に囲まれているときにあまり人間と出会うと少し興ざめしてしまいますね。
昔は誰もいない山に行くのは怖いと思いましたが今ではむしろ一人のほうが落ち着きます。

【ナメコ大繁殖!!その3は数日中にUPいたします。】
2013年11月19日


 さて、前回の更新から約1ヶ月強が経ちました。
日記のネタが貯まり過ぎて一気に書くと長文になってしまうのでいくつかに分けて時系列でUPいたします。

季節の移ろいは早いもので10月は3回も真夏日を観測し記録的な残暑となりましたが11月に入って急激に冷え込み13日には富山で初雪を観測しました。先月の12日に真夏日を観測しているのでわずか1ヶ月で季節が夏から冬になったことになります。
以前から春と秋が短く感じると書いてきましたが感覚的ではなく統計的にもそのことが指摘されているようです。
やはり日本は四季の国ですからその季節の趣を味わいたいですよね。

そんなわけで自身は一年で最も山に行くのが多くなるシーズンです。例年通り週に2~3回のペースでブナ帯へ通います。
主な目的はコケ(キノコ)採りですが、現在商品のカワラマットの在庫が尽きかけているので新ロット生産のためにカワラ材(主にブナ)を採るという目的も忘れられません。

さあ、今年もキノコ日記の始まりです。
興味のない方はスルーして下さい。
前回の日記でもだいぶコケの記事が多くなっていましたが今回はこの時期の大本命、ナメコの旬です。
昨年はシーズン収穫量が70kg(下処理後の計量)に達しましたが今年はどうでしょうか?
前回更新後の翌日の10月18日、早速ナメコを探すために有峰方面に向かいます。




↑ この日、早朝には前回に引き続き再び彩雲を目撃しました。この日のは幻日になりそこなった彩雲でした(画像はそれぞれ太陽の左右に現れた彩雲です)。もう少し雲の氷晶が多ければ幻日になったかもしれません。
今年3回目の目撃というのはかなり多い方でしょう。
良いことがある前触れとなることを期待しつつ有峰へ向かいます。

コケ採りも楽しみですがまずはブナ材採取が先決です。
この日は前回B氏と採りに行った産卵用の材ではなくマットにする粉砕用の材ですので菌さえ廻っていればあまり見た目にはこだわらないのでさほど難しくはないでしょう。
以前から気にかけていた場所を探索します。




↑ カワラタケがビッシリ着生したブナ材です。標高1,000m付近になると平地では普通に見られるカワラタケもあまり見かけなくなります。
レアなブナカワラ材をゲットできました。裁断すると朽ち方が一様ではないので粉砕用に回します。




↑ こちらはハカワラタケが着生したブナ材。一見シハイタケと言う方も多くいますが、より大型で乾燥すると下側に巻き込むことで区別できます。菌の特性はほとんど変わりませんのでどちらでもいいんですけどね…。
この材はやや芯があったものの綺麗に朽ちていたので産卵材として適用します。

首尾よく材を採取できたので残った時間はコケ探しに費やせます。
早速、いつものポイントを訪れてみます。
予想通りナメコの姿は見当たりません。
昨年でさえ発生が遅れたのに今年はさらに残暑の影響があるだろうと推測していましたが的中したようです。
しばらくヤブ漕ぎをしながらウロウロしていると、




↑ 辛うじてナメコの幼菌(左画像)がありました。また、ムキタケ(右画像)も見つかりましたがナメコも出ないうちからムキタケの成菌に会うのは違和感がありました。
ここらではいつもならナメコが出始めてからムキタケのはずなんですが…。




↑ 美味なブナシメジですが量が少ないのでスルーしました。
キノコ鍋等、ごった煮にするのであれば量より種類なんでしょうが個人的にはそのキノコ単品で食したいので少量すぎると調理が出来ないので画像くらいの房なら手をつけません。

散々歩きましたが食べるようなコケは採れません。
仕方なく背水の陣で昨年も唯一外さなかったとっておきのポイントを最後に見ることに。
ポイント付近に着くと明らかに誰かが入った後が…
おまけにブナの倒木にはついさっき採ったと思われるようなナメコの痕が…
去年採っているところを不覚にも何人かに見られてしまったしなぁ、と後悔してもあとのカーニバルです。
やはり山に来ている人間は泥棒か山賊だと思った方がいいかもしれません。
悔やみながらも斜面上部の隠れた倒木を見ると、




↑ ナメコの幼菌が出ています。この木は見つからなかったようです。幼菌なので手は出しませんでしたがおそらく1週間後には残ってないでしょうね。
ちなみにコケの周りに見える灰色の細かい粒が何か分かりますか?
そうです、トビムシの大群です。
この時期のコケには大体付いています。場合によっては傘の裏がトビムシでグレーになっています。
これが一番の厄介者で水に浸けても流しても取り切れません。ちょっとぐらい食べたってどうってことはありませんが細かいことが気になる方は初物のナメコは食べない方がいいでしょう。

さて、さらに沢を渡って対岸の隠れた倒木を見ると、




↑ ありました!
今期初のナメコです。やや開ききっていますが初物なので上等です。
ただ、上記のようにトビムシだらけだったのでこれを嫁に渡すと目を三角にされるので自分で処理して醤油漬けにしました。2kgの収量で山菜ビン4本分になりました。


続いて3日後の21日、この日は店の営業があるため午前中のみの行動です。
やはり材集めが優先なのでついでにコケ採りもできることも考慮してヒメオオのポイントでもある利賀方面に向かうことに。




↑ 遅れていた紅葉もやっとそれらしくなりました。

途中、慢性的に置いてある通行止めの看板を尻目に進んでいくと1台の車が…。
近くにはコケ採りの装備をした2人の男性がいました。
やはり来る人は来るんですね。
それを追い越して行き止まりまで行くと、そこから材の目星はついているので材の採取はとどこおりなく終わりました。
この辺りは標高で1,200mを越えていますが有峰でダメならここでもナメコは期待できないでしょう。
ここではナメコ以外の雑キノコ狙いです。
以前モタセ(ナラタケ)の大きな株を見つけた立ち枯れを見に行くと、
「あれ?木がない…。」
倒れてバラバラになっていました。
今年のブナ帯はどうもモタセ以外のコケはハズレ年のようです。
例年なら嫌でも目に付くブナハリタケもほとんど見かけません。
シーズンが終わってみたら今期はモタセだけだった…なんてことにならないか不安です。




↑ それでも昨年と同じブナの倒木でシロタモギタケの株を見つけました。
このコケは以前、天ぷらにしたところ油を吸ってかなりギトギトで胃にズッシリきたのでそれから採取していません。
美味しい調理方法があればいいんですけどね…。

どうもパッとしないのでブナの純林のこのポイントを早々にあきらめて次期本命ポイントであるミズナラ帯に移動することに。
ブナ帯でダメなのに標高を落としたらなおさらダメなような気がしますが、それで昨年裏をかかれたので今年は同じ轍を踏まぬように念のために確認しに行きます。
まあ、見つかればラッキーかな?くらいの余裕の気持ちで向かいましたが、
自身のポイントの手前の道路際に県外ナンバーの車が止まって横でオヤジが二人で弁当を食べています。
そしてその横には採ったコケを入れてあると思われる籠が数個置いてあります。
その瞬間さっきまでの余裕はどこかにスッ飛びました。
「やられた…。」
にこやかに弁当を食べながらこちらを見ている視線が妙に勝ち誇っているように思えるのは自分だけでしょうか?
ましてや普通なら他人に見られるのを嫌って収穫物は車のトランクに隠すものをあえて見えるようにしているのは何でか?
さらに県外(石川)ナンバーというのが火に油を注ぎます。
ここまで来なくても地元で探せば良かろうに。
急に焦って自身のポイントへと林道へ進入しいつもの場所に車を止めようとすると、
なんと先客の車が。
「いったいどうなってんだ…。」
以前はここは春の山菜以外は独壇場でのびのび採取できたのに、今年は妙に競争率が高そうです。
完全に遅れを取った感に敗北感を味わいながらもあえてその車に横付けして止めて準備にかかります。
読者には
「自分の山でもないのにもうちょっと心を広く持って分け合うくらいの気持ちが持てないのか?」
と批判されそうですが自分の山じゃないからなおさらです。
どんだけ自分が先に見つけようが目を付けていようが取ったモン勝ちです。
先に採りに来た人間の一人勝ちです。
お人好しに後から来る人のために分け前を残しておく採集者など皆無です。
クワガタ採集でも山菜採りでも釣りでも同じでしょう?
仮に自分が必要な分だけ採って後は残しておいてもこれだけ採集者がいれば他の採集者が採るか誰かが採らない限りいずれ腐って落ちるのです。
昆虫や山菜は来シーズン以降の発生に影響するため自身も節度を持って採取しますが、それと違いキノコは採り尽しても菌が廻っている朽ち木を損壊(樹皮や表面を削る等)しない限りまた生えてくるのです。
ただ、次はいつ生えてくるのかそれは分からないので先客に採られたから次を待とうなどと悠長に構えているとシーズンが終わってしまいます。
コケ採りはのんびりしたイメージがあるかもしれませんが、こんな山奥にリスクを覚悟で通ってくる一癖も二癖もある人間たちですから簡単に先んじることは困難です。
山に入れば情け無用の仁義なき戦いが繰り広げられているのです。

準備もそこそこにクマ除けの鈴を振り回しながら山の斜面に突入します。
この場合はクマ除けではなく採集者除けです。
存在をアピールすることで無用な遭遇を避けるためです。
中にはそれでもこちらの様子を伺いに来たり、自分の縄張りを主張するかのようにあえて近づいてくるクマよりも面の皮の厚い人間も多々います。
反面、むやみに鈴を鳴らすと良いポイントを見つけたときに他者に悟られる(鈴が鳴らなくなったらコケを見つけたとき)可能性もあるので諸刃の剣です。
とりあえず、どの程度やられているのかを確認するためざっと見て回ります。
全滅を覚悟していましたが自身のポイントはほとんど手を付けられた形跡はありませんでした。
だとしたら鈴を鳴らすのは逆効果なので鈴をしまいます(完全に本来の使い方を忘れています)。
少し気持ちが落ち着いたところでじっくり探し始めます。




↑ やっぱり出てました!それでもかなりしなびた老菌があるということはもっと以前に発生しているということです。
この時期はまだ気温が高いのでコケの生長も早いですが仮に10日くらい前に発生したと考えると平地で真夏日を観測していた頃に出始めたと推測できます。
この後で確信を持ちましたがナメコの発生は絶対的な冷え込み(低温)が必要なわけではなく相対的に一時的な気温の低下があればスイッチが入り、むしろその後の降水の方が生長に大きな影響があることが経験的に分かりました。
この時期は秋晴れの好天が続きやすくせっかく発生しても降水が無く生長できずに幼菌のまま乾燥したり腐ってしまったりしたものを結構目にします。
今年は紅葉がイマイチだったように冷え込みも少なく比較的雨の日が多かったことからこの高温傾向の中でも生長出来たのでしょう。




↑ 降水のおかげでツヤツヤの旬なナメコが見つかりました。
ただ気温が高いので採りごろの期間は短いです。
数日遅れたらもう腐り始めるでしょう。
幸い有峰の初物と違ってここのナメコは早生の割にはトビムシがほとんど付いていません。




↑ やはりここでも例年より早くムキタケが出ています。せっかくなので採取します。
ナメコも成菌を中心に500gほど採ったところでタイムアウトです。
他のライバルがいる中、先に撤収しなければいけない事実に後ろ髪を引かれながらもこのポイントはもう捨てるつもりで帰途に着きました。
ここも今期のナメコポイントとして皮算用をしていたので計画を考え直す必要が出てきました。
果たして今期のナメコシーズンは暗雲が立ち込めたスタートとなりました。
21日現在ナメコの総収量は2.5kg。その他、11.5kg

【数日中に続きの日記(その2)を更新します。しばらくお待ちください】
2013年10月17日




↑ 2013.10.11 富山市有峰にて。カメラ;OLYMPUS E-510、露出時間;1/200、絞り;f/8、焦点距離;14mm(35mm換算で26mm)、ISO-400




↑ 2013.9.27 岐阜県飛騨市。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/500、絞り;f/4.2、焦点距離;5mm、ISO-100

改めて言いますが秋の空って何でこんなに高くて青いんですかね。
気象学的に言えば空の高さ(圏界面)は夏の方が高いのですが、空気中の塵や水蒸気が多くどちらかというと白っぽくくすんでしまいます。
今年酷暑に見舞われた地域は特にこの傾向が顕著だったので空が白かったのに気づいた方もいるでしょう。
秋は大陸からの乾いた塵の少ない空気に被われるので澄んだ青い空になります。
どこまでも青い空を見ていると、そんなことはどうでもよく只々気持ちが洗われるようです。
この色をスカイブルーなんて言葉ではあまりにも陳腐すぎて適当な表現が見当たりませんが、空の色だけではなく周りの景色を含めて独特のコントラストの深い青を創り出しているんでしょうね。

ついでに今季の紅葉をもう一枚、


↑ 2013.10.11 富山市有峰にて。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/125、絞り;f/3.5、焦点距離;5mm、ISO-80
ソフトで編集していますが、コンデジでも結構綺麗に撮れます。要はカメラではなくて被写体(シチュエーション)次第でそれなりの写真は撮れます。つまり有名ポイントへ行けば素人でも今のコンデジなら綺麗な紅葉が撮れます。

ただ、写真ではそこそこ綺麗に見えても残念なことに今年の当地の紅葉はあまり綺麗ではありません。
昨年は10年に一度の当たり年と言われ遅れ気味ではありましたが見事な紅葉が見れましたが、今季は9月下旬以降の異常な高温によって葉が綺麗に色付かずブナも黄色ではなく茶色になって落葉し始めている状況です。
今年は夏の猛暑も記録的でしたが最近の高温も記録的です。富山でも10月に入ってから3回も真夏日を観測しています。平年なら写真の高地では霜が降りるくらいにまで冷え込む日もあるのですが今年は5℃前後まで冷え込んだのが一度あるだけで他は日中は半袖で過ごせるような異常な気温です。
昨年といい、年々秋の訪れが遅くなっている気がします。
色々な秋の楽しみを見つけてからは秋が遅いのは残念でなりません。

さて、秋の訪れは遅れても自身は例年通り精力的に山に訪れています。
画像や日記ももっと多く紹介したいのですがPCに向かっている時間がなくて更新できません…。
画像ばかりがどんどん溜まっていきます。
とりあえず紹介できる範囲で載せていきましょう。

前回は20日のヒメオオ採集まで書きましたが、今期は岐阜県のポイントでの結果が思わしくありません。前回も書きましたが大雨のせいかそれに伴う林道周辺の補修による環境変化のせいなのかはっきりはしませんが採れるべき時期に採れるべき場所で採れません。
9月も下旬になれば発生もほぼ終わりを迎え確認できるのはヤモメの♂ばかりというのが通例ですがとりあえず行かないとわからないので27日にそこは今期最後のつもりで行ってきました。
この日も林道の工事のため重機が入っていたため車ではなくかなり手前から徒歩での探索となりました。



↑ この日も時期外れに暑い日でしたがトップに紹介した画像を見てもわかるように見事な青空でむしろ徒歩で行けたのが気分的にも最高でした。
風のささやき以外ほとんど音のしないブナ林で頭の中でAORの音楽がBGMのように鳴っています。



↑ ブナ林で真っ先に色付いたヤマウルシが鮮やかに映りプチ紅葉が楽しめます。ヤマウルシは残暑が厳しくても9月中には必ず紅く染まります。これで秋の訪れを実感できます。



↑ 生息木を何本か見て回って最初に見つけたクワガタの影。
残念ながらアカアシでした。
今日もヒメオオはおあずけなのかと嫌な予感がよぎります。
やはりいつもの木を見て回るだけでは見つかりそうにないのでいつもは下りない斜面を半ばヤケクソ気味に突入します。



↑ 画像では入りやすそうなヤナギの群生ですが、強烈な下草で進めない上に下手にヤナギの木に当ったり揺らしたりするとせっかくのヒメオオが落下してしまい見つからなくなるので大胆かつ慎重に進みます。
かと言ってあまりに静かに行動すると気配がしないのでクマとばったり!とういうことにもなりかねないので(昨年それでニアミスしました)色々と気を遣います。



↑ 今度は間違いなくヒメオオです。誰も入っていない処女ポイントだったようでこの時期にもかかわらず複数のペアが採れました。例年ならいくら処女ポイントとはいえこの時期にペアで確認できるのはそう多くはないのでやはり今年はおかしいです。

おまけにその後他の場所を見て回るもヒメオオの影は皆無で結局この場所で採れた個体のみでした。この場所には複数の個体がいるので他も単に採集圧でいないとは考えられないので今期の発生状況の要因は来期の様子を見てから再び考察しようと思います。
主観的には来年は昨年までの状況に戻ることを期待したいと思います。





↑ ヒメオオ採集を終了したので今度は頭をコケ(キノコ)採りモードに切り替えます。
すると途端に数々のコケたちが目に入ってきます。
上画像は今期初となるナメコ。まさかこんなに早く見つかるとは思ってもいませんでしたがこれだけ採っても仕方ないのでスルー。
下画像はこの時期おなじみの毒キノコのツキヨタケ。これが全部食べられれば喜ぶのですが、見るだけにしておきましょう。
コケのシーズンには入りましたがまだまだ採るには足らない時期なので軽く流します。

帰りしな別の林道を走行中、コケ採りとおぼしき富山ナンバーの車が止まっていました。
マイタケを探すには遅いし見た感じ何かを採ったという感じではありませんでした。
そういえば今年はマイタケの採集者とあまり会わなかったのですがやはり不作だったんですかね?自身は時間の無駄になるのでマイタケ探しはしませんでした。
いずれにしろ巷のコケ採り人たちもそろそろ動き出したようです。
今年も山の中での仁義なき戦いが始まろうとしています。
気合を入れながら周りを見ながら走っていくと、



↑ 林道横の沢の対岸のヤナギの木にコケらしいものを発見!
ズームで写真を撮るもののはっきり分かりませんがヤナギということで色合いからもおそらくヌメリスギタケモドキでしょう。
早速、沢を渡ってその木に向かい確認すると、



思ったとおりヌメリスギタケモドキです。それもちょうど採り頃です。
このキノコも一昨年まではノーマークだったのですがナメコと同じモエギタケ科の優良な可食のキノコです。
昨年まではたまたま見つけたものを採っていただけでしたがヤナギに生えるというのは知っていたのでついでに周辺のヤナギを見て回ります。



↑ やはりありました。この時期にヒメオオのポイント近くでこのコケが採れるというのは新たな発見です。来年から採集の行程に組み込むことになりそうです。
このコケはヤナギならどこでも見つかるというわけではなく一定のシロがあるところでそこそこの大きさのヤナギに点在して生えるようです。この時期に標高700~1000mくらいなら平地では12月頃でしょうか。下流域の河川敷でも今度探してみます。



↑ 手のひらほどある立派なコケです。一食分に余るほど採れました。



↑ 翌日、煮付けて大根おろしと和えて食しました。歯ごたえもあり美味です。

さて、岐阜に続いて富山でもヒメオオ採集も終盤を向かえこちらも採集こそするつもりはありませんが最後の挨拶がてら月末の30日に行ってきました。
採集が本命ではないので道中も気が散りついつい他に寄り道してしまいます。




↑ 林道横のヤナギ林を見ると狙いどうり先日も採取したヌメリスギタケモドキがありました。
グラスファイバーの捕虫網用の竿を使って高いところに生えているコケを叩き落している自身を工事関係者のダンプが通る度に止まって見て行きますが構わず採ります。ナメコなら横取りされる可能性が高いため極力目に付かないように採りますがこのコケはまず採ろうとしないでしょう。
コンビニ袋に一杯採れたところでヒメオオポイントに再度向かいます。



↑ 黄色くなり始めたヤナギにヒメオオの姿を確認できました。
さすがに個体数も少ないですが岐阜と同様にやはりこの時期でもペアが確認でき、♀もかなりの大型の個体がまだ後食をしており産卵行動が遅れていることを示唆しているようです。
この時期には珍しいやや大型の♀個体を1ペアだけ採取して今期のヒメオオ採集の幕を下ろしました。

ヒメオオの成虫採集が終わるといよいよ本格的なコケ採りです。
ポイントも毎年のように有峰へと移行します。
10月に入って第一週の4日、紅葉の様子を見がてらヒメオオの材割り採集とブナ材探しに行ってきました。



↑ まずは例年通りブナの折れた株の根際を材割り。
問題なく幼虫を採取できましたが、ヒメオオの材割りはオオクワのそれとは比較にならないほど疲れます。1回の材割りで手オノの刃は潰れてなくなります。
それくらいブナの生に近い材は堅いのです。
過去に材割りで腱鞘炎になって手術をした自身としては何回も行うのは控えたいです。



↑ 今日昨日に羽化したと思われる腹の真っ赤な♀の新成虫が出てきました。

ひとしきり材割りして手オノを持つ手の握力もなくなったので終了してコケ採りに移行です。
周りは紅葉の進み具合もここ数年では最も遅くまだ写真に収めるほどでもないのでコケもあまり期待はできません。
まあ、せいぜい早生のブナハリタケくらいだろうと思っていましたが、逆にそのブナハリタケがわずかに腐ったものがある程度で予想外に出ていません。
季節は毎年同じように繰り返しますが進み方や質は決して同じではないというのをコケ採りを始めてから実感します。



↑ 左はおなじみのブナハリタケ。例年なら幹にビッシリ着生しますが今年は一部にしか発生していません。右はチャナメツムタケ。ナメコに似た可食のコケですが量が少なくスルー。



↑ 左はこの時期には珍しい早生のナメコ、右はクリタケですがどちらも少量なのでスルー。
どのコケにしても発生量が採取するほどではない中で唯一例外なのがこれ。↓



↑ モタセ(サワモダシ)いわゆるナラタケです。
このキノコは大量に発生する雑キノコとして知られていますが年による変動が激しく、ここまで大発生しているのはこのポイントに通い始めてからは初めてのことです。



↑ ブナの朽ち木だけでなく倒木の周りの地面からも出ています。
以前、立山周辺では軽トラに山盛りモタセを採っている採集者がいると聞いたことがありますがこうやって見るとまんざらウソではないようです。
以前も書きましたがこのコケは大量に見つかるのと壊れやすく日持ちもしないので雑キノコ扱いですが出汁はとても美味しく汁物にすると最高です。

このキノコは旬が短くすぐに老菌になって腐ってしまいますが2次3次発生があるのでしばらくは楽しめます。
ひと通り採ってコンビニ袋3袋ほどになったところで手を止めて次は材探しです。
立山は奥深い山で自然のブナ林が広がっているのでブナの立ち枯れや倒木は至る所にありますが物理的にそれを持ち出すことに限界があります。
持ち出しやすい場所で産卵材用として優良な材となるといくら手付かずの深山といえどそうそう簡単には見つかりません。

幸いにも昨年見つけた倒れたばかりの大木があるのでそれを採取するべくその場所へ。



↑ 付近で数年前からチェックしている倒木。これだけの標高にしては珍しいカワラタケの着生した材。いかにもといった感じですがまだ若いです。



↑ 昨年倒れた倒木の本体部分。胸高部の径は1m50cm以上あり樹齢はゆうに300年を超えるでしょう。内部は朽ちて抜けて空洞になっておりまるで縄文杉の株のようです。

その倒れている部分に着くと昨年はなかった別の倒木が重なるように横たわっています。こちらも前述の倒木に負けず劣らずの大木で昨年の冬から今年の春にかけて倒れたものと思われます。



↑ 根部から高さ5~6m部分にあたる二股になっている片方の枝部です。枝でも径60cmあります。樹幹部は1mを超えているためチェーンソーでも裁断不可です。
裁断面を見るとやや変色部位が混入していますが全体に菌は廻っており生部はありません。これだけの径のブナとしては優良な腐朽具合です。
質的にはオオクワ系全般に適した感じです。
もちろん倒木全体にわたって同様に朽ちているわけではなく部位によってはヒメオオ用のようなかなりの堅さだったり手で崩せそうな色虫用の柔材であったりしますが、この手のブナの倒木では色虫用の部位は大トロに当たりほんのわずか採れる程度で全く採れないこともあります。
ちなみにこの日はこの画像の部位を調達したのですが、厚さ20cm程度に輪切りしたものを3カット持ち帰るのがやっとでした。
実際に行ったことがある者でないと分からないと思いますが材を採ってくるのは目当ての材を探して持ち帰る時間と労力が相当かかるのです。



↑ 先ほどの材を車に積んで帰る途中、斜面の下草に隠れていた倒木(落ちてきた枝部)。裁断面を見てください。上述した大トロ材でクワガタブリーダーにはW・ウッディやボーリン等のレアな色虫用として重宝されます。
この材みたいに手で崩せるくらいの極上の柔材は部分的というよりはその材全体が同一に朽ちていることが多く、これも長さ1m余りのさほど大きくない材でしたが全部が均一に朽ちていました。
ただ、この折れた部分と続きだったと思われる、より大きな倒木は残念ながら採るには及ばない質でした。
よほど条件が恵まれない限りここまで綺麗に朽ちる前に水分過多等で腐ってボロボロになってしまうことがほとんどなのです。

続いて翌週の11日ですが毎年だいたいこの日の前後は紅葉の写真撮影のために有峰を訪れています。
それが冒頭の紅葉の写真ですが、昨年、一昨年の当日記の記事を読み直してみても載せてある画像と比較して今年の紅葉が遅れているのとイマイチの色合いであるのが分かります。
例年、この時期には紅葉狩りや写真撮影の観光客が多く訪れるのですがこの日は平地で悪天候(山では晴れ間がありました)せいか工事関係者とコケ採りらしき数台の車以外、紅葉を撮影しているのは自身一人だけでした。



↑ 秋らしいショットを。ブナの立ち枯れをバックにしたヤマウルシです。

ヤマウルシこそ紅いですが他の木々はまだ緑が主体なのが分かるでしょう。
一般に紅葉は最低気温が8℃(綺麗に染まるには5℃)を下回ると始まると言われており昼間との寒暖差が大きい(天気がいい)ほど美しくなりますが、今年はこの日の段階で5℃を下回ったのはこの標高1,000m以上のポイントでも分かっている範囲では9月27日のたった一日で昼間も夏を思わせる気温のため色付きはさっぱりでカエデの綺麗な朱色の錦秋は今年はお目にかかれないかもしれませんね。

さて、この日は翌12日にブリーダーのB氏と材採りに訪れる予定でしたのでそのための段取り(翌日運ぶだけでいいように倒木の裁断と新たな材の調査)が目的でした。





↑ これは以前から目をつけている材で一昨年倒れたブナですがそれより何年も前からすでに立ち枯れていたのを見ていたのでおそらく朽ち始めてから10年は経過していると思われます。
そろそろかな?と思い折れ口を裁断してみました。
とりあえず生部がないくらいまで朽ちてはいて使えないことはありませんが少し堅いのであと1~2年待ったほうがいいでしょう。
当店の天然カワラ材の在庫はこのような取り置きの材の場所や状態をどれだけ把握、記憶しているかにかかっているのです。
結局この材は手を付けず、先週持ち帰った材の続きを数カット裁断して段取りは終了、余った時間と体力(バイト明けで徹夜なので…)でコケ探しです。



↑ ナラタケとモミジ。
秋らしい1ショットですが個人的にはナメコとモミジの組み合わせの方が好きです。

この画像でも分かるように先週同様この日もモタセ(ナラタケ)が豊作でした。
先週は結構老菌が多かったのですが2次発生でさらに大量になっています。



↑ 画像で見るより実際はもっと多く、この木だけでコンビニ袋一杯採れました。
このような木があちこちにあります。



↑ 昨年も同じコケを見つけて結局分からずじまいだったのですが今年は根元にきれいにツボ状の袋が残っていること、柄にツバがない、ヒダが肉色であることからオオフクロタケという可食のキノコであると同定しました。
大きさも10cmほどあり食べるにもちょうどいいのですが、テングタケ科の毒キノコとの同定ミスが怖いので今回はパスしました。
キノコに冒険は禁物です。

翌日、B氏と共に先日裁断済みの材を運びさらに他で別のブナ材を追加して持ち帰りました。
連日の材採りでさすがに腰が痛くそれ以上欲を出すとろくなことがないのでおとなしくB氏のモタセを採って終了です。



↑ 今期は少ないカノカ(ブナハリタケ)ですが綺麗な成菌を見つけたので一食分のみ採取しました。
調理のパターンが限られており食感もイマイチですが季節物として1回は食べておかないといけないコケですが嫁には「また採ってきたのか」という顔をされます…。

今年は紅葉もコケもまだまだ盛り上がってきませんが、13日には立山で初雪を観測するなどここにきて冷え込んできたのでこれからの秋の深まりに期待しましょう。


P.S.



↑ 10/9.早朝、バイト帰りに発見した彩雲。
最初は虹かと思ったのですが、撮影方向で降水がないことと空中ではなく雲自体が色付いていることから彩雲と判断しました。
早朝や夕方というのはレアな光の現象が起きやすいので出勤や帰宅で焦っている気持ちも分かりますが、運転中は危ないですがちょっと空を見上げて殺気立った気分を落ち着けてみてはいかがですか?
と、自分に言い聞かせてみます…。
2013年09月22日




↑ 9/20、岐阜県某所のポイントにて。秋晴れの空が気持ち良い。

前回書いたように8月下旬から9月上旬まで続いた雨天から開放され最近はやっと秋晴れが続くようになってきました。
気温こそまだ真夏日になることがありますが空気はカラッとした秋の空気で空も高く気持ちが落ち着きます。
ただ、先日は台風18号の影響で各地に被害が発生し当地ではたいしたことないと思っていたのですが県南部を中心にかなりの総雨量があったらしく八尾では橋脚が基礎から削り取られ損壊しトンネルで土砂崩れが発生し通行止めになりました。
世間はちょうど3連休で自身も盆の代休で臨時休業し関東に帰省中だった為、もろに影響を受け15日はディズニーランドに行くはずが折からの大雨で予定変更しました。





↑ 9/20、ヒメオオ採集に行った帰り通った時の八尾ダムの様子。
台風通過から5日たった今でも水量は多く水は完全に濁りまるで泥の海の様相を呈しており流木やゴミも多く漂流しています。
今までも大雨時、部分的や一時的に濁ることはありましたが今回は今までとはレベルが違いました。H16年の台風23号のような大きな被害がなかったのが幸いです。
あの時は神通川水系が未曾有の洪水となり特に上流部ではJR高山線があちこちで寸断され最悪廃線の危機になるくらいの大被害となりました。
今回の台風でも近畿を中心にかなりの水害がありましたが被災された地域にはお見舞い申し上げます。

さて、個人的なことですが上記の帰省で日を変更して無事ディズニーランドに子供を連れて行くことは出来たのですが混雑でおなじみのハロウィーン期間中ということもあり平日でも移動もままならないほどの混雑振りで疲労困ぱいとなり日程的に強行軍だったせいもあり運転手を務めなければいけないお父さんである自身は疲労から途中で発熱し、その後40℃近くまで上がったのを最高に22日現在、ずっと上がり下がりを繰り返しながらも微熱が続いています。
歳のせいもあるかもしれませんが、子供が出来てからはあきらかに風邪をひく頻度が増えています。昔は年に1回軽い風邪をひくかひかないかくらいでしたが、最近では年4~5回は熱を出している気がします。
まあ、子供の身代わりになっていると思えば辛抱できますがそれにしても今回のはしつこいです。久しぶりに意識が朦朧となる状態を味わいました。

ちょっと余談になりますが、皆さんは周りに風邪をひいている人間がいるとき、そのことを知らなくても風邪をひいている人間がいることが分かりますか?もちろんその人の症状とかを見ずにです。
変な質問だと思われますが、自身は風邪を患っている独特の匂いで判別することが出来ます。子供や嫁も風邪をひくとその匂いでわかります(自分の場合はわかりません)。
自身の後輩や嫁は近くに風邪を引いている人間がいると後頭部から首にかけてや肩が痛くなったり重くなったりして分かるといいます。
このような感覚は多くの人が持ち合わせていると思うのですがどうなんですかね?
よく昔から「悪い気に当たる」と言いますがこれもそうなのかもしれません。
そう考えると「病は気から」というのもまんざら嘘ではないと言えるでしょう。

気合が足りないのか長引く発熱の体調の中、20日(金)だけは気合が入ったのか朝から熱も下がっていたので満を持して岐阜のポイントへ。
天気も申し分ないので過度に負担がかからないように体力を温存しながらポイントを見て回ります。
ところが、歩き始めて例年ならいるはずの木を数本見ても気配がありません。
おかしいな?富山の利賀ではほぼピークになっている状況ですので例年なら数日遅れで多くの発生が見られるはずです。
数に変動はあっても全くいないことは過去ありません。
まあ、もう少し標高の高いところならいるだろう、と山を上がっていきます。
それでもヒメオオは確認できません。
代わりにいつもならこの辺では少ないアカアシがやたらいます。



↑ 発生木のすぐ近くのヤナギでヒメオオかと思ったらアカアシでした…。

このヤナギは林道から斜面を少し下りた所にあり当然周りの状況から先客が来た形跡はありません。発生木のすぐ近くということでシーズンで今まで外したことはありません。
今回初めて空振りとなりました。
この時にだいぶ不穏な空気を感じていました。





↑の2枚は林道上の水たまりです。
もちろん水たまりにヒメオオがいるわけではありません。
水たまりの濁り具合やワダチの跡を見ているのです。
他の採集者や森林管理者が車両でここを通れば水は濁り水中にワダチが残ります。残ったワダチは水の流れや新たなワダチができない限り残っています。
そしてこの水たまりはここ一両日中は降水が無かったため少なくとも2日以上前(おそらく台風18号の通過時)にできたものです。
そう考えると最低でも昨日、今日は誰も車では入っていないでしょう。

採集と言うのは虫がいる木をどれだけ探すかということばかりではありません。
五感をフルに使って探すというのはこういう技術も不可欠なのです。
誰も先行者がいない(少なくともここ2日間は入っていない)のならば、それで見つからないということはヒメオオが発生していない(発生はしているがここで活動していない)か、自身の目が節穴であるかのどちらかです。
自賛するつもりはありませんが利賀では問題なく見つかっている以上、自身の能力のせいではなく本当に個体がいないのでしょう。

販売個体はほぼ確保できているので今回は採集だけが目的ではないので採れなくてもいいのですが、採れて持ち帰らないのと全く見つからないのでは精神的な満足感が全く異なります。
フラストレーションが溜まる中、気持ちが焦り始めました…。



↑ 採集者が以前入った跡。

車だけではなく採集者は徒歩でも来訪します。ワダチはなくとも道路横の笹ヤブにはヤナギに向かって進入した形跡がはっきりと残っています。
ただ、笹の倒れ具合から見てせいぜい一人二人が確認しに見に入ったくらいで採集したような感じはありません。



↑ こちらは綺麗に笹が倒れているので繰り返し入ったのでしょう。踏まれた下草が茶色に枯れていることからかなり以前から入っているのでしょう。ただ、ここもヤナギの手前だけでありこの木で採集したような形跡がありません。
もちろん、この日もいませんでしたし、かじり痕もほとんど確認できません。
これは先行者もかなり苦労しただろうな…と思いつつ足を進めると、たまたま休憩して水分を補給しようとしゃがんだ時に通常なら完全にスルーする下草に隠れた背の低いヤナギに1ペアのヒメオオを見つけました。



↑ 標高は1170mと高くもなく低くもなく…。時間も問題ないし…。

利賀でもそうですが例年のポイントで見つからないときは得てしていつもはスルーする木で結構見付かったりするもんですね。
自身はこれは偶然ではなく先ほども書きましたが発生はしているが何らかの理由があっていつもとは違うポイントで活動していると考えています。
いくら虫に予知能力があったとしても羽化時期を自分の意思で変更することは不可能なのですから天気が悪くても新成虫は必ず本能的に活動しなければいけないのです。
では、何らかの理由というのは何でしょうか?



↑ これを見て下さい。林道横の清水で極めて透明な水はそのまま飲むことも出来ます。
写真なので高低感が分かりにくいと思いますが林道から水面まで5~6mの高さがあります。
池の周りの下草が白っぽく変色しているのが分かるでしょう?
おそらく先月の豪雨時に洪水でこの高さまで濁流が溜まったのです。
通常なら林道の下の配管を通って反対側の谷側へ排水されるのですが流量の限界を超えたため天然のダムとなって深さ3~4mくらいまで水が溜まったのです。
下手をしたら林道ごと谷に押し流されるところでした。
実際、今季は例年になく森林管理者の重機が何日も入り林道を補修した箇所が幾つもありました。
ヒメオオはその危険を察知して土砂崩れがおきそうな斜面のヤナギを回避している可能性があるのではないかと推測しています。
これは過去に利賀の林道でも同様の事例を観察しています。
生息標高を厳密に厳守している本種ですからそれくらいのリスク回避能力を持っているのかもしれません。

能書きはともかく結局この1ペアを採ったところでこれ以上ここでの採集はあきらめました。
そして気分を切り替えて再度利賀のポイントへ向かうことにしました。
途中、行けたはずの林道が通行不可でものすごい大回りをしなければいけないという紆余曲折があったものの何とか辿り着きました。
ただ、時計を見ると採集に許される時間は30分だけです。
そこまでして利賀に行ったのはもしかしたらさっきの岐阜のポイントは発生が終わったのか(それはないと思うのですが)を確認したかったからです。
岐阜で終わっているなら利賀でもそれに先行して終わっている可能性が高いからです。

早速足早に流しながら見て行きますが、やはり利賀でも毎年外さないポイントで今季はほとんど見つかりません。
やはり終わったのか?と思いながら別のポイントに行くと、



いました!
ピントが合っていませんが大型(40mm超)の♀です。
これだけの♀が単独で樹液を吸っているということはまだ活動は終わっていません。



↑ ♂も大型の個体がいました!残念ながらフセツが1本欠けていましたが今期最大の55.0mmでした(予約済み)。自身3年ぶりの55mmオーバーです。

ざっと見た感じ個体数は少ないですが大型の♀が多く発生が終わっている観はありません。大型の個体をいくつか採集し終了。ただ、ここもポイントによってバラつきがあり、また例年ならヒメオオしか見つからない木でアカアシが複数見つかったりしました。
気候の変動はアカアシの行動にも影響を与えている可能性があります。
とりあえず発生のシーズンが終わっていないことが分かったので一安心です。
あと、1~2回岐阜を訪れて生体の動向を確認できれば満足です。
あわよくば55.0mm以上の♂が見つかることを期待したいですがさすがにこの時期ではそれは難しいでしょうね。




↑ 岐阜のポイントで今年初めて確認できたブナハリタケ?の幼菌。
距離があってよく見えませんでしたが他の木でもツキヨタケが観察できキノコのシーズン到来を予期させる景色です。

結局この翌日再び風邪をぶり返しました…。
2013年09月12日




9月9日、8月下旬の大雨以降ずっとぐずついた天気が続いていましたが久しぶりに青空が広がったブナの森。

イライラします。
ヤキモキします。
空を見てはため息が出ます…。
あの連日の晴天と猛暑をもたらした夏はどこに行ったのでしょう?
前回の日記でも書きましたが8月23日の豪雨とともに季節が急変して気温は下がり雨の降る日々が続いています。
この時期にこんな天候が続くと稲刈りをひかえた農家とヒメオオの採集者は気が気ではありません。
どちらも適した期間が短くタイミングが重要なのです。
当地はローカルなので周りで「稲刈りどうしよう?」という声をよく聞きます。
間違っても「ヒメオオどうしよう?」という世間話は聞きません。
しかし自身にとっては稲刈り以上に重要なことなのです。
それ以上にヒメオオ自身が困惑していることでしょう。
生死がかかっているので天気が悪いからといって繁殖活動を後回しにするわけにはいかないのです。
過去の観察からも雨天でも少なからず活動はしていますが、採集効率が悪いだけでなく最悪こちらの命の危険に関わることもあります。
先月23日の豪雨時も早朝の段階で山には降雨域がかかっていなかったため嫁の制止を無視して行こうとしたのですが、自宅周辺のあまりに激しい降り方に外に出るのをためらって行かなかったのですが、その後の訪問で当日の昼には山間部も激しい豪雨となり林道のあちこちで出水して土砂に埋まり通行不可となったことがわかったので、強行していたら山から帰って来れなかっただけでなく最悪、車ごと転落ということも無きにしも非ずという状況でした。

何故そんなに焦っているかというとヒメオオの採集はもちろん、もう一つ理由があります。
それは昨年の日記で書きましたが、利賀のポイントにあるブナの立ち枯れの根元で老菌になって腐りかけたトンビマイタケの巨大な株を数株見つけたからです。総量では20kg超になると思われます。
その時は完全にタイミングが遅かったため採取できませんでしたが今年はその雪辱を果たすべく時期を伺っていたのです。
トンビマイタケはマイタケほどの高級キノコではないもののそれに勝るくらいの希少種で東北の一部では珍重されています。
それに他のキノコは秋以降が旬なのに対し、トンビマイタケは盛夏から初秋が旬なのです。
あまり早まって採れないのも嫌なのでヒメオオの発生時期に併せて採取しようと考えていたのです。
さらにこのキノコは猛暑で雨が少ないほうが発生しやすいとも聞いていたので今年は条件に合致しているという期待があっただけに雨続きで腐っていないか心配で仕方ありませんでした。
それだけに前回の日記でも26日に採集に行って林道が通行止めだった時にはがく然としました。
ヒメオオは予備のポイントがいくつかあるのでそこがダメでも他に逃げ道はありますが、キノコはそこだけにしかありませんし、ましてやそのポイントは林道の最奥地で他の迂回路は皆無です。せめて近くまででも行ければ徒歩で向かうのですがあまりにもガンダーラの地は遠かったです…。
無念のうちに引き返し、トンビマイタケは半ばあきらめてヒメオオのポイントの再考をしました。もし近隣のポイントも大雨の影響がある場合は最悪新規のポイントにかけるしかありません。外せば間違いなく今期の採集数に影響が出ます。

そんな不安の中、大雨から1週間後の8月30日、再び山へ行くつもりが早朝の段階で能登半島に強雨域がかかり記録的な大雨になっていることがレーダーから確認できました。思案のしどころですが、広範囲を対象とした天気予報よりも局所的には自身の経験則と知識から予報した、昼までは大丈夫という予報の方が当たると信じていざ出陣!

行程から考えるとまずヒメオオのポイントから経由することになります。
ただ、時間的な猶予からじっくり採集している場合ではありません。
下手をすると天候不順からまだ発生していないことも考えられます。
見慣れたポイントに着いて早速ヤナギを見て回るも不安が的中し、いつもいるはずの木に姿が見えないどころかカジリ痕も確認できません。
ここでいないとなるとほぼ期待できません。
「やっぱり早かったか…?」
とあきらめ気分でそれでも良く探すと、



いました!
1年ぶりの再会です。
発生初期の割りには擦れておらず綺麗な新成虫です。それにサイズもそこそこです。
例年なら最初は越冬したボロ♀が見つかるのですがやはり最近の天候の影響があるのかもしれません。
その後、時間の関係で軽く流す程度に探したところそれでも4ペアほど採取できました。
なかでも1頭の♂が大型で帰宅後の計測では54.2mmあり当たり年を期待させるようなサイズでした。
本来ならしつこく探すところですがこの日はトンビマイタケの確認があるので気分的に落ち着かないので先を急ぎます。
時折にわか雨が降る中、通行止めの不安を抱えながらも強烈なブッシュに被われた林道を進んでいくと(この時点で車の塗装は擦り傷だらけになります)なんとか最奥部のポイントへと到着しました。



↑ 気温は下がったといってもまだまだ夏の装いのうっそうとしたブナの林床。

早速徒歩でトンビマイタケのポイントを目指しますが本来あるはずの尾根上の歩道は下草でほとんどどこにあるのかわかりません。
勘を頼りに進んでいくとヤブの向こうに見覚えのあるブナの立ち枯れが、
「たしかあの木のはずだ。」と近づくと、



↑ どちらも同じ立ち枯れの画像です。
なんか記憶と異なる感じがするのと、トンビマイタケのかけらも確認できません。



↑ 昨年見つけたときのトンビマイタケの老菌。

よく思い出すとキノコが生えていた根部に昨年はなかった倒木が!
近くの別の立ち枯れがよりによってキノコのあった場所に倒れて直撃しています。
これでは生えていたとしても木っ端微塵でしょう…。
自身の期待も木っ端微塵に…。
来年に期待しましょう。

夢破れて山河あり…、
仕方ないので切り替えてヒメオオの材割りをすることに。
ここはヤナギもなく成虫は見つからないものの幼虫は採集できる不思議なポイントです。



↑ 割り始めてほどなく現れたヒメオオの食痕。
アカアシとの違いは食痕の色と食べている部位で判別できます。
アカアシの食痕は色が濃くオレンジがかっておりヒメオオほど堅い部位には入りません。



↑ 食痕の先から出てきたヒメオオの3齢幼虫。



↑ ほぼ生に近いようなカチカチの材に入っているのがわかるでしょうか?



↑ 断面から確認できるヒメオオの幼虫。「昆虫フィールド」の寄稿でも書きましたがヒメオオは自然下ではほぼ間違いなく画像のように拮抗線が混入している見た目には優れない堅い材に産卵します。今回材割りしたこの材の続きの部分をヒメオオの産卵材として限定で販売します(生体保護を考慮した上で生息木の採取には十分注意を払っています)。



↑ 近くの大径のブナの倒木の柔らかい部位から出てきたオニクワガタの♂個体。

さて日を改め9月4日、定休日でもない通常の平日ですがバイトが終わった早朝、久しぶりに一部に青空が出ていました。
この機会を逃すわけにはいかないと帰宅後そのまま山へと出発です。



↑ 久しぶりの晴れ間を楽しむように舞うミヤマカラスアゲハ。何回見ても美しいです。

しかし山を上がるにつれて雲が低く垂れ込めてきてポイントに着くと小雨混じりの曇り空に逆戻り。
それだけでなくこの日は折からの台風崩れの低気圧の接近で東海地方で豪雨となり雨域が北上している状況でポイント付近は嵐を思わせる強風に。



↑ 雲の動きも早く嵐を予感させる薄暗い空。

これだけ風が強いと雨よりもヒメオオの活動に悪影響があります。
ヒメオオが付いている細いヤナギは右に左に大きく揺れてつかまっているどころではありません。
案の定、いつもいるはずの生息木にはほぼいません。
ボウズで帰るわけにもいかないので普段はスルーする採取したことのないヤナギを見て回ると不思議なことに複数の個体が見つかりました。



↑ 揺れるヤナギの枝に必死でしがみ付くヒメオオの♀。



↑ どうしようか躊躇しているかのようにヤナギとは関係ない雑木で呆然としている♀。

さらに不思議なことにこの日は強風のせいで♀の場所を♂が確認できないのか、そのような場所では♀単独でいることが多く見られた。



↑ 比較的風の弱い場所ではペアの姿も。

途中で雨も本格的に降ってきたので早々に撤収すると、午後からは市内で時間雨量50mmに達する大雨となり店の前の幹線道路や向かいの店舗では浸水するありさまとなりました。一時的には店も停電となり焦りました。
つくづく不順な天気です…。

懲りずに2日後の9月6日もイマイチの天気の中、友人のM氏とヒメオオ採集に。
この日は新規ポイントの開拓予定です。



↑ まずはいつものポイントへ。ガスがかかる中、なんとか1ペア(中央やや右側の枝)を発見。



↑ 上のペアを近くで見るとペアの下に極小の♀がもう1頭いました。面白い構図です。
♂もあまり大型には見えませんが採ってみると真ん中の♀が異常に大きかったです。
帰って測定すると40mmを超えていました。
そういえば一昨日も採れたのは大型の♀ばかりでした。
この日も結果的にはメスの割合が多く大型のものが大半でした。
今期の発生の仕方の特徴でしょうか?
この後大型の♂が採れる事を期待します。



材割りしたポイントで前回はなかったはずのキノコが発生していました。
ムササビタケで可食ですがこの日はスルー。
先述のようにここは幼虫はいても成虫が見つからないのですが、この日はしつこく探しているとやや離れた深いヤブに被われた1本のヤナギで1ペアの成虫を見つけることが出来ました。これでここに成虫がいることも証明できました。

続いて全く未開のポイントへ向かう予定が林道の崩壊のため断念せざるを得なくなったため岐阜県の別の山系のポイントを開拓に向かいました。
一応採れた実績はあるのですが少数なのでもしかしたら隠れた多産地が見つかるかもと期待して徒歩でひたすら探すも全くかじり痕も気配もなし…



↑ いないとあきらめたところで辛うじて見つけた1ペア。
逆に全く見つからない方があきらめがついて良かったのですが…。
どっちにしろ再度訪れることはないでしょう。
結局この日のポイント開拓は外れとなりました。

このままでは今年の販売個体が十分確保できないのではないかと心配になり、9日に4度目の採集に。
この日は冒頭の写真のように朝から久しぶりの青空に。
まさに採集日和ですが、逆にそれが仇となって放射冷却のためにポイントについた時点では気温が13℃まで下がりヒメオオはまだ出ていませんでした。



↑ 気の早い♂が日差しを求めて木を登っていく所です。

ひと通り見たときはわずかだけでしたが再度帰りにもう一度確認してみるとそれなりに見つかってこの日は合計で7~8ペア捕獲できました。
これで今期の販売個体もほぼめどが付いたので今後は他産地の採集に移行していきます。
販売個体は徐々にUPしていきます。

※追伸
最近お問い合わせをメールで戴くのですが中にはセキュリティの関係からか返信しても戻ってきてしまい連絡が取れない方がいらっしゃいます。
お問い合わせには遅くなっても必ず返信していますので返答がない方は再度受信可能なアドレスでメールをいただくかお電話にてご連絡いただけますようお願いいたします。
2013年08月27日


‘13.7.8 店から撮影した雄大積雲。

まさにタイトルどおり時間が過ぎるのは早いものでそろそろ夏の到来かと思っていたらもう8月も終末でそろそろ秋の声が聞こえてきそうな時期になってしまいました。
今夏は全国的にかなりの猛暑で当地富山でも梅雨明けの発表が8月にずれ込んだものの実質7月上旬からほぼ梅雨明け同様の天気でした。
ただ、ここにきて天候が不順で先日も当地で豪雨となり被害も発生いたしました。
豪雨の後は秋雨前線が南下して一転して秋の空気になっています。
大局的な気圧配置から今年は日本海側(西からの湿舌が流入する地域)で豪雨被害が発生しやすい傾向があるようです。
個人的には暑い夏が好きなので猛暑は気になりませんが大雨はいただけませんね…。

シーズン中は良い天気が続いたので仕事にプライベートに忙殺され店長日記及び商品欄を更新する暇がありませんでしたが、営業は問題なく行っていますのでご心配頂いたお客様には申し訳ありませんでした。
バイトをしながら仕事に遊びに採集に子供の相手にと、とてもじゃないけど全てをこなすのは不可能であと2ヶ月くらいは盛夏が続いてほしいです。
ただ、あれもやりたいこれもやりたいと思いながら何も出来ないよりはやれる範囲で出来るように努力したつもりなのでこれ以上欲を出さない方がいいのかもしれません。
と言うもののライトトラップがほとんどできずオオクワの調査がなおざりになったことは悔いが残ります。

これを書いているのが8月末ですのでこれからは自身はヒメオオ、カワラ材採集そしてキノコ採りへとシフトしてフィールド活動が最も充実する季節へと変わっていきます。
その前に夏の間の日記を書いておきましょう。

上述のようにオオクワの調査は思うようにできませんでしたが6月にはポイントの林道が冬期閉鎖から通行可能になったので材割り採集のポイント開拓に数回訪れました。
ただ、何回行っても特に変わったこともなく調査は進展しないままです…。



↑ 6/21 標高は750mほどですが未だに雪渓が残っています。この時点ではまさか今年がここまでの記録的猛暑になるとは思いませんでした。



↑ 余談ですが上の画像の道路脇にある窓のあるコンクリートの壁が何かわかりますか?
この画像はオオクワ調査のため水系の横の林道で撮影したものですが、当地では珍しくなく山間地では水系の上流付近でよく見かけます。
自身も富山に来るまでは知らなかったのですが、これは冬の積雪時に上流にあるダムの管理に行くために電力会社が設営した、人ひとりがやっと通れるトンネルです。
黒部ダムに向かうトロッコ電車は全国的に観光としても有名ですが、それも冬期は動かないため線路脇のトンネルを徒歩でひたすらダムまで行くそうです。
トンネル内に入ったことはありませんが厳冬期に灯りもないトンネル内を歩いて行くのは任務というより冒険に近いですね。

さて、今夏はオオクワ採集はほとんど出来ませんでしたが6月から問い合わせが多かったヒラタを中心に採集に行っていました。
例年なら梅雨明け前後に1~2回行く程度ですが今期はイベントでの需要もあり他のクワガタの採集も兼ねて真面目に週1~2回のペースで通いました。
ポイントは例年なら県東部の川ですが遠いので今期は地元の神通川水系(支流も含む)がメインです。
近年河川敷のヤナギも多くが伐採され採集者も競合するためあまり期待はしていなかったのですが結果的には予想外に生息数も多く確認でき自身だけでヒラタの♂で100頭以上は採れました。もちろん大型個体以外のほとんどはリリースしていますが数の割りにはサイズはイマイチでした。
以前は毎年当地で言うところの「化けヒラ」と呼ばれる65mmUP、常願寺川水系では70mmUPも採集され75mmUPという記録もあるようですが近年では60mmというのが精一杯です…。
環境が戻れば必ず大型個体もまた採れるでしょう。



↑ 7月の始め、この時期の河川敷ではやたら成長して巨大化した毒々しい女郎グモが多くいます。うかつにヤブに入ると顔面にこのクモが張り付くことも…。
あまり好ましい出来事ではありませんね。



↑ クモといいスズメバチといい、この日は新規のポイントを視察するためだったのでTシャツ、短パン、サンダル履きという格好で、足元のマムシも多くいるのでとてもじゃないけどポイントに進入するのは自殺行為です。
上の画像だけ撮って帰りましたが、後で画像を確認したらスズメバチの上にヒラタの♂のアゴの一部が見えています。後々この洞は毎回大型の♂が採れたポイントになるのでこの時採取しなかったことが悔やまれます。



↑ 3日後に改めて採りに行くとやはり洞の中にはすし詰め状態のヒラタが。



↑ 同じヤナギの根元には洞に入れないオスや争いに敗れたと思われる遺骸も多く確認できました。径は10cm余りの小さいヤナギですが行けば必ずヒラタやノコギリが採れるご神木です。



さらに3日後の7月12日、別の木ですが洞にいた樹液まみれで汚れた越冬個体と思われる個体。夏休み前の時期はメスを含め比較的多くの越冬個体が見つかります。



↑ 河川敷には珍しい大型のカブトムシ。



↑ 南国のやしの実を彷彿させますがこちらはオニグルミの実。
採って帰ろうかと思ったのですが皮剥き時の強烈な灰汁が嫌でやめました。



7月19日、この頃は梅雨明けを思わせる晴天続きで猛暑の始まりでした。
河川敷も下草が繁茂して見通しが利きません。カメラの目線の高さからヤブの深さが分かると思います。



いたるところでヒラタが確認できます。おそらく発生のピークでしょう。
調子に乗ってヤブ深く入り込み、より奥のヤナギを探して歩きますが、ふと気づくと完全防備の服装ゆえ汗だくで体力は消耗し呼吸も苦しくめまいもしてきます。
水分は常に補給していますが完全に熱中症の症状です。
息は上がって足が上がらず10歩進んではしばらく休んでというような状態です。
河川敷と入っても雑木林ではないので直接陽が照りつけ風も全くありません。
真昼間なので気温は35℃を超えていてクワガタでさえ根元の砂地に潜って涼を求めている状況です。
いざとなれば周りの川に飛び込めば何とかなると思いますがヤブが深くて来た方向も分からなければ川にも辿り着けない上に流れが急でいきなり深みもあり釣り人が水死することもあるので、うかつに飛び込むとそのままドザエモンになりかねません。
以前も同じようなことをこの日記で書いていますが冷静な自制心が必要だと実感しますね。



採集時の熱中症にも懲りずに翌週も採集におもむくとご神木近くのヤナギの葉がなくなり丸裸状態です。先週は葉が生い茂りヒラタも採れたのに…と思いながら近づくと、枝に点々と何かが付いています。



「しなんたろう」です!
しなんたろうとは富山や石川での俗称でいわゆるイラガの幼虫です。
見た目にも棘が毒々しく皮膚に触ると激痛が走ります。
これが枝のいたるところに付いており100匹以上います。
うかつに木を蹴ると上からこの毛虫が降ってきます。

そういえば先週もイラガではないものの正体不明の植物(ウルシ?)か毛虫にやられて服で被われていたにもかかわらず腕や足の外側部分にジンマシンの様な痒みを伴う発疹が大量に出ました。自身は皮膚が弱いわけではなく採集時は虫除けにキンチョールを直接服や皮膚にかけても(通常の虫除けスプレーはほぼ期待できないので)大丈夫なくらいですから皮膚が弱い人はむやみにヤブに入らない方がいいでしょう。



↑ 8月の入るとさらにヤブは勢いを増して「これが河川敷か?」と思うほどの景色へ変貌を遂げます。ここまで来ると数メートル先のヤナギでさえ到達が困難になので必然的に多くの採集者が訪れるヤナギは限定的になりそれらの木に向かう採集者のための道がくっきりと出来ています。



↑ ヤナギにつくシロスジカミキリ。カミキリがいるとクワガタが少ないといったジンクスがあるのであまり会いたくありません。
8月中旬にはヒラタの発生は少なくなり度重なる採集者のために個体数はかなり少なくなります。
特にメスは産卵のために洞にはほとんどいなくなります。
念入りに探せばまだ見つかりますが次世代の繁殖のためにもこの時期のメスは温存したいところです。採集して店に残っていた一部のメスも再びリリースします。
こうして夏のヒラタ採集は終了しました。

さて、話は変わりますが今年の春に車を買い替えました。



↑ これが先代のクワヒン号のパジェロ。



↑ そしてこれが4代目クワヒン号のデリカスペースギア(H17年式)。
本来、次もパジェロの中古車の予定だったのですが家族の要望でファミリーユースにも適したデリカにしました。今流行の他メーカーのミニバンも魅力ですがパジェロ譲りのミニバンらしからぬ走破性能を持ったデリカ(現行は不適)、それも先代のスペースギアに決めました。2代目クワヒン号もデリカスターワゴンだったのですがディーゼルでトルクが太かったせいもあり一輪脱輪したくらいなら何もなかったように脱出するツワモノでした。
クロカン用の車は多くありますがミニバンでこれだけの車はこれ以外ないでしょう。
またあまり高価な車(T社のラン○ル等)だと走行性能はすばらしくても塗装が傷だらけになるような林道を走ることはメンタル的に無理でしょう。
山を走れない高価なクロカン車は実用的ではないのでこれくらいの車で身分相応というか必要十分です。
ただ、リッター6kmという劣悪な燃費には閉口しますが…。

先代パジェロのボンネットに乗っているのは3歳になった愚息?いや愛息です。
詳しいことは割愛しますが実は一緒に暮らしてはなかったものの自身には19歳になる息子がいます。
今は県外の学校に行っていますが先日、12年ぶりに会うことが出来て感無量でしたがその息子が幼少だった頃に一緒に虫捕りやキャンプに行ったことを覚えていました。彼の場合は3歳の頃には山デビューをして材割り採集にも同行させており小学校に入る頃には一部の立ち枯れの樹種が分かるくらいになっていました。
以前も書きましたが虫屋を継いで欲しいとは全く思っていませんが虫捕りというイベントや技術が記憶として残って、また次世代にそれを受け継いで行ってくれることは嬉しいことです。
3歳になった息子もそろそろ山デビューをする時期を迎えていますが新生クワヒン号で記憶に残るような時間が過ごせることを願っています。

子供繋がりの話ですが、7月末に高岡で富山新聞主催のクワガタ教室を行いました。



↑ 富山新聞文化センターでのクワガタ教室の様子。
マイナーなイベントなので受講者がいるのか不安でしたがそれなりの集客がありました。
途中、小学生や保護者の方には退屈な専門的な話も結構しましたが、有料だったせいもあるのか最後まで拝聴いただきました。
このイベントでも話したことを理解することは無理でも、子供たちが親と一緒にこのようなレクレーションに参加したという思い出になってくれれば幸いです。

さて、9月に入るとヒメオオやキノコ採りで日記の更新の頻度も上がると思います。
ちなみに8月26日にはヒメオオ採集に行ったのですが先週の当地を襲った豪雨の影響で林道が迂回路を含めいたる所で寸断され通行止めで完全にポイントが遮断されてしまいました。
今期は新規のポイントを開拓する予定ではいますがもしかすると販売数に影響があるかもしれません。


↑ 大雨の被害で封鎖された林道。主要な林道が通行止めということはさらに奥の一般利用のない道は下手すると今期は復旧しない可能性も…。

オマケ↓



↑ 以前日記で幻日を紹介しましたがこちらは8月18日に店から撮影した環水平アークとよばれる虹のような現象でいわゆる彩雲とは別の現象です。
今年は不謹慎ですが夜の雷が少なく壮大な大気のドキュメンタリーが観察できず残念です。
2013年05月23日




↑ ’13.5.3 県東部の山間地に山菜採りに出かけたときにポイント付近から撮影した富山湾と能登半島。



日記の更新が遅れがちで申し訳ありません。
フィールドにも行ってはいるのですが、ブリードシーズンに入り店での作業が押しておりなかなかPCに向かう時間が取れません。
今回もまとめての紹介です。
4月になってからは本格的な山菜のシーズン到来で例年のごとく例年のポイントに訪れているもののタイトルにあるように今年の春は天候不順のためタイミングが合わずに苦戦しています。
3月中は暖かく一気に雪解けも進みましたが4月は強烈な寒の戻りもあり雪が降ることもあり寒暖の差が激しく同様の状態がゴールデンウィーク明けまで続き5月中旬からは一転して暑い日が続いています。
このため山菜も早春のものは早くなり逆に晩春のものは平年並みと種類によってバラバラでタイミングを外されました…。

4月に入るとまず第一週には毎年恒例の山葵(ワサビ)採取に利賀のポイントへ。



↑ 左は今年4月5日、右は昨年4月13日の様子。2月には昨年よりも積雪量は多かったにもかかわらず、昨年よりも1週早い時期でも雪解けが進んでいるのがわかるでしょう。
雪が少ないほうが山葵のポイントに辿り着きやすく楽なので安心です。



山葵のポイントにつくと例年と変わらずたくさんの山葵の株が確認できます。
雪解けが早い割りにはほとんど花が咲いていないのが意外でした。



↑ 今年もこのポイントでは天然山葵としては特大クラスのものが採れましたが、今回は葉ワサビをメインに採取しました。一昨年までは根が主だったのですが昨年からは葉ワサビの美味さに路線変更しています。
葉ワサビは花が咲いた後も初夏くらいまで楽しめますが根のワサビ本体は花が咲いた後は辛味が抜けてしまうので早春のものがベストです。
山葵はポイントさえ知っていれば採取はすぐに終わります。
時間もあるので寄り道してついでの山菜を採取します。



↑ アサツキを採るつもりだったのですが近くにツクシもあったので一緒に採取しました。



↑ ツクシの玉子とじ。ツクシはどこでも当たり前にあるので今まであえて採っていなかったので今回が初めてです。まず下処理で袴を一本ずつ取らなくてはいけないのでえらい面倒なわりには無味無臭のような味覚で歯ざわりを楽しむ程度でした…。

翌週12日は定休日を利用して県東部のオオクワポイントで材割り採集です。


3年前から毎年調べている木を今回も割って見ます。ほど良く朽ちている部分はほとんど食痕も入っていません(右上)。



表面付近からはアカアシは多く出ますが、裏側の方まで割ってやっとノコギリらしき3齢幼虫が出ました。やはりオオクワの気配はないようです。早々にあきらめました。
帰り道の途中で別のポイントでカブトムシの幼虫を採りに寄ると、


↑ カワラタケのビッシリ生えたシデ材を発見。裁断してみると断面も均一に朽ちて非常に綺麗です。オオクワ系の産卵材にぴったりです。この日はこれが収穫でした。

さて、4日後の16日は定休日ではないですが午前中を利用して平地近郊の里山に山菜採集へ。
例年ならゴ-ルデンウィーク前くらいなのですが先週の採集時にチラッと見た感じ今年は早いと見越して前倒しして行きました。



↑ しかし、それでも遅かったようです。タラの芽のポイントに着くとごらんの有り様。すでに伸びきっています…。



↑ ただ、ここは多くのタラが生えているためまだまだ採り頃の2番芽が採れました。



↑ この日採れたタラの芽。
旬を過ぎたものの何とか採れて安心して下を見ると、



今度は採り頃の独活(ウド)が!
ちょうどこの後近くの独活のポイント行くところだったのでまずはここで採取した後にそちらへ向かいました。



↑ 別のポイントで独活とタケノコを収穫。十分な量です。
あとは、別のポイントの一番気になるハリギリの芽ですが例年ここでタラの芽を採ったときに同時に採るのですがタラの芽で遅れを取っただけに不安です。



やっぱり遅かった…!
すでに芽は開ききって葉になっていました。
それでも口惜しくて若いものを選んで摘んだのですが天ぷらで食したところ筋が固くてダメでした。唯一の採取木だっただけに悔しいです。



↑ 独活は通常天ぷらかきんぴらで食べるのですが新鮮な根部は生でも美味なので(自身は採りながら食べています)この日は酢の物にしました。生の方が独特の風味があり好きです。

天候の関係やプライベートな我が家のイベント(キャンプ)もあり月の明けたゴールデンウィークの5月3日にS氏と共に再び山菜採りに。
5月に入ると平地でのシーズンは終わっているため標高を上げながら山間部のポイントへ移行します。
標高が上がればまだまだタラの芽も採れますがこの日のメインは何といってもコシアブラ!近年ではタラの芽の人気を抜いてキング・オブ・山菜と称されるほどの人気です。
まあ、コシアブラは簡単にたくさん採取できる上に繁殖率が高いのでタラノキと違って場所によってはある程度採って間引きをしてやらないと他の植生に影響が出かねません。



↑ ポイントに行ってまず目に付いた切り倒されたタラノキ。
直径10cm近くあるタラノキにしては大木です。枝先にあるいくつかの芽を採る為だけに切られたようですが、これだけの太さになるのは稀で貴重なのを考えないのでしょうか?
自身の所有ではありませんが地主の仕業でない限り、現場を見つけていたら怒鳴りつけていたでしょう。採らせてもらっている立場上、最低限のマナーを守れない輩は来るべきではないですね。



↑ 青空に映えるコシアブラ独特の白い肌と若芽の新緑。



↑ 採り頃のコシアブラの芽(左)と倒れたばかりのコシアブラの木(右)。通常コシアブラを採るときは手が届かないため高さ1~2mの若木の芽を摘むのですが、この倒木は芽を付けた状態で倒れたためこの一本で必要量を採取できました。



↑ 同じポイントで見つけたワラビ。
このポイントは平野部と違って例年通りのタイミングで採れました。



↑ ここで採れたコシアブラとワラビの収穫。オマケで後ろに写っている極上のコナラのカワラ材も採取できました。

このポイントからやや離れてさらに標高を上げて秘密のタラの芽のポイントへ向かいます。
先ほどのポイントはマナー知らずの採取者も来る知られた場所ですが、こちらは知る人ぞ知るポイントで競合者はいますが、それでも採りきれないほどのタラノキがある場所です。
以前までは悪路の林道があるだけでしたが近年道路も整備されたのでいずれここも多くの採取者が来ることでしょう。



↑ ここは標高は400~500mほどですが多雪なのと南斜面ではないため雪解けが遅くこの日でも残雪がありタラの芽もまだツボミの方が多いくらいですが十分収穫できました。
ここは5月下旬まで採取可能です。



↑ 山菜採りの合間にオオクワのポイントに寄って材割りしました。



↑ 意外にも結構朽ちた切り株が散在しており明らかにコクワではない(おそらくノコ)2齢幼虫が確保できました。
機会を見て改めて真面目に材割りしてきます。

翌週は久しぶりに「昆虫フィールド」の原稿の執筆のためにほとんど出歩けなかったのですが、11日には友人のM氏の希望で八尾へ山葵採りに。
時期的に少し遅いのですがここは除雪の入らない林道なので雪が完全に解けるまでは入山できません。



↑ 沢の周りに群生する山葵。
ここの山葵は利賀のポイントと違って水流が少なくほぼ土に生えているので根であるワサビ本体はあまり大きくありません(一般的にはこれが普通で利賀が特別大きい)。



↑ 花が咲いている山葵の群生。
M氏は葉ワサビではなく根が欲しかったらしいのですがあいにく大きくても親指くらいしかないので数でカバーしました。
利賀に行けば大きい山葵は採れるのですが花が咲き終わって時期が遅いのであえてこちらに来ました(後日談でここの根ワサビも辛味が抜けていたようです)。



↑ 自身は葉ワサビを採取します。時期的なものなのか土に生えているせいか利賀のものよりも葉はかなり大きいです。手のひらよりはるかに大きく茎も50cm以上に成長しています。まだ花が咲き始めた時期の割りには大きいです。

この後、渓流沿いの林道を走っていて対岸にこことは比べ物にならないほどの山葵の大群落を見つけました。雨がひどかったため直接は確認しませんでしたが来期が楽しみです。

翌々日の13日には昨年より2週間前倒しして利賀へ山菜採りと材割りに。



↑ 雪解けが早いことを想定して行ったのですがごらんの有様でした。
林道はまだ雪渓の状態です。
仕方なくここからポイントまで往復2~3kmを徒歩で向かおうと歩き出して雪渓を越えたところで路上にタイヤの跡がありました。ということは反対側からアプローチすればここまで来れるということです。ならば車でポイントまで行けるはずと、引き返して再び車で山を周って反対側から進入しました。
すると結構入山者があるのか道路際のタラの芽はほぼ採られています。
これは自身のポイントもやられたかな?と思いながら取りこぼしのタラの芽を摘んでいると斜面下方の木が目に付きました。



ん?…ハリギリだ!!
先日、採り損なって今期はあきらめたハリギリです。こんなところで見つけるとは。



↑ だいぶ葉は生長していますが枝先には新芽も見られます。
幸い高枝切りバサミを持参していたので何とか低い枝の新芽を採ることができました。
小さい若木と違って同じ新芽でも房が大きいです。
この日の晩に渋る嫁に頼み込んで天ぷらにしてもらい食したところ味、食感共に絶品でした。

その後、自身のポイントに着くとやはりタラの芽はほとんどありません。
やっぱりやられたか、と思いよく見ると採られたのではなく、まだツボミの状態でした。
やはり2週間の前倒しは尚早だったようです。
一番の目的である極太の山独活も



↑ こんな状態でとても採取できる大きさではありません。
ワラビも全く出ていないのでコゴミとコシアブラを代わりに収穫して材割りする時間が無くなったので終了しました。

一週間空いて20日にはバイト明けでそのまま富山近郊のエノキポイントにカブトムシの幼虫を調達に行きました。
近年はたかがカブトムシと侮れないほど幼虫が採集できるポイントが減ってきています。



↑ カブトの幼虫が生息している場所にあるエノキの倒木。
以前に日記でも紹介しましたが、近郊で採取したエノキからオオクワガタが羽化しているのでこのエノキも可能性では無視できません。
根部付近からはノコやヒラタは多く採れるのですが本体部分から見つかるのはほぼコクワです。


↑ 上の画像で二股になっている部分からコクワではない2齢幼虫が見つかりました。
周辺から同等の幼虫が出てこない(コクワは複数出た)ため念のため持ち帰り飼育して見ます。
まあ、ノコが羽化してご苦労さん、ってなると思いますが…。
2013年04月21日


知らない間に前回の日記のUPからだいぶ期間が空いてしまいましたね…。
何も活動をしていなかったわけではありません。
雪解けと共にフィールドには出かけていたのですが、自家用車の買い替えを行っていたので色々そちらの方に手がかかってしまい、そうこうしているうちに今年のブリードの産卵セットの時期が来てしまい作業に時間が取られなかなかUPが出来ませんでした。

さて、今年は2月までは当地では積雪は少ないものの平均気温としては例年より低く推移していたものの3月からは一転して全国的に平均気温を上回る日が多くなり早い春の訪れとなったところが多いようです。
サクラの開花も記録的な早さの地域が多々あるようで当地富山も当初の開花予想日よりも前倒しの3月末には開花が発表されました。
自身も予想外の早い春に戸惑いながらも慌ててフィールドでの活動を再開しました。

まずは、例年通り最初はエノキの天然カワラ材採取と材割り採集からです。
3月11日に前回の日記で書いたエノキとヒラタの材割りポイントとは別の富山市郊外の里山に行ってきました。
ここは、昔から馴染みの場所で近いこともあり付近はよく車で通ります。
ポイントとしては見尽くした観がありますが3年ほど前に大きなエノキが伐採され放置されているのを発見しました。
まだ、腐朽には尚早かと思いますが部分的には使えるだろうと予想して見に行くことに。




↑ こちらはエノキではなく、以前も紹介したケンポナシの立ち枯れ。画像の左右の木が立ち枯れています。立ち枯れになってだいぶ経つのでそろそろ倒れるかな?と思っていましたがまだまだしっかり立っています。
一部は折れて地上に落ちているのですが、それでも径が太くまだ内部は朽ち方が若く手ノコで切るのはかなりしんどいためスルーしました。
斜面を降りると上画像の左側の立ち枯れの一部がだいぶ下のほうに落ちていて太さ的にはちょうど適当です。


↑ シハイタケもビッシリ生えていて見た目はイイ感じですが…
径は20cm強で裁断してみると菌は廻っていますが若干若くオオクワ系には使えるかな?という感じでした。斜面を抱えて登るのが大変なのでとりあえず1カットだけ持ち帰ります。
ケンポナシはケヤキと同様に生だととても堅く朽ちると急激に柔らかくなるので採取のタイミングが重要です。朽ち木は優良な産卵材になります。
この木はまだ数年先でしょうね…。

さて、ケンポナシを後にして目当てのエノキを見に行きます。




↑ これが切り株。裁断面の径は1メートルほどの大木です。
案の定、部分的にシハイタケが着生しており良さげな感じです。
しかし、根部は形状的に手ノコでは切りようがなく今日は見るだけに。




↑ これが本体です。夏場は強烈なブッシュに覆われ姿が全く見えなくなります。
樹上にはサルノコシカケを始め複数のキノコが発生していますが径が径だけにまだまだ生です。綺麗に朽ちることを願います。




↑ 本体上に発生していたチリメンタケとエノキタケの子実体。

枝の一部で使えそうなものがないか物色して太さが10cm前後のものを折ってみると、


↑ まだ少し堅そうですが均一に朽ちており採り頃でしょう。
色虫にはちょっと堅めですがオオクワ系にはベストな感じです。ちょうど今から自家用でオオクワ系の材は多用するので助かります(ちなみに自身は天然材しか使用しません)。
これ以外にもいくつか色虫用の柔らかめの材も採取してこの日は終了。




↑ こちらはすぐ近くで伐採されたケヤキ。エノキと違ってケヤキは使えるまで10年くらいかかるでしょう。




↑ さすがにまだ堅いツボミのタラの芽。でも、今年は例年より早そうな感じです。

それから4日後の3月15日。この日は定休日なので先日見てきたエノキの根部を改めて裁断しに行きました。




↑ 上でも紹介したエノキの切り株。覆っていた枯れ草を取り除くとシハイタケが生えている様子がハッキリ分かるでしょう。
画像中の右側の根部が目的です。




↑ 左が裁断前、右が裁断後。画像では裁断面が見難いですが全体に菌が廻っているのが分かるでしょうか?ただ、質はやや堅めなのでオオクワ用ですがオオクワ用としてはこれ以上はないくらいのまさに最高の生カワラ材です。
裁断面には幸い雑虫の食痕もほとんど見当たりませんが、安心は出来ません。地中部の根の裏側はほとんど腐朽していなくてもノコギリやミヤマが産卵します。




裁断した根部の裏側の樹皮を少しめくって見ると、「やっぱり、いた!」
部位から考えてほぼノコギリで確定でしょうが、ここも十数年前にオオクワが採取された記録(新聞掲載)があるポイントなので念のため持ち帰り飼育します。
現段階でノコギリの幼虫が確認できたということはおそらく来年以降は産卵材として使用するのは難しいでしょう。
これだけの大きさの切り株なら多い年には200頭以上のノコギリの幼虫が巣食うこともあります。来年以降はノコギリの採集木となります。




↑ 材も採取して付近を散策しているとさすがに標高の低い里山では日当たりのいい場所はフキノトウがすでに花開いていました。
やはり今年は少し早いです。フキノトウも山に行かないともう遅いようですね。

続いてさらに1週間後の3月22日、この日は材割りを兼ねて過去に自身がオオクワを発見した水系の河川敷のエノキを見に行きました。
ここも先述の里山同様、エノキが伐採されて放置してあります。






↑ 倒木の周りに多く見られる低木はタラノキです。ここは優良なタラの芽のポイントでもありますが近年業者が茎ごと切断して採っていき採取量が激減しています。
さてエノキの倒木ですが、このように地面に半ばめり込んだ状態だと、まず綺麗に朽ちることは期待できません。接地面や周りがボロボロに朽ちていき内部は生部が残ります。また、コクワやタマムシが多く巣食うため産卵材には使用不可となります。
エノキはあっても綺麗な朽ち木はこれだけの倒木からほんの数カットしか採れません。




↑ 何とか見つけた使えそうなエノキ材。結局この日採取した材はこの画像の1カットのみでした。

材採りはあきらめて材割りにスイッチします。
過去にはオオクワが採れた実績のある場所なので期待しますが…




↑ いかんせん材の状態が良くありません。
赤っぽく朽ちた部分を割っていくとやっとノコギリらしい幼虫の食痕が出てきました。
これではオオクワは期待薄です。




↑ 別の立ち枯れを割ると、堅いですが良い感じの食痕が。
オオクワの2齢かと思いきやコクワの3齢でした…。




↑ さらに別の切り株の根部から見つかったノコギリもしくはヒラタです。
こんな細い根部に複数頭も潜んでいました。
この後、手オノのオノ部が再びスッポ抜けて材割りも終了。

仕方ないので帰り際に少し山を上がってフキノトウを採りに。




↑ ここは先日の里山と違いまだフキノトウも小ぶりのものが出てきたばかりでした。



↑ それでも何とか食べられる量をゲット!
もちろんその日の晩に天ぷらで初物を食しました。
やはり春はここから始まります。

だいぶ日記がご無沙汰になりましたがとりあえず3月分をUPしました。
近日中には4月分もUPしますのでしばしお待ち下さい。
商品の方も近日UPします。
2013年02月12日


↑ 2月8日、牛岳スキー場山頂部より呉羽丘陵を挟んで富山平野(画像右手)と砺波平野(画像左手)を望む。
この日はプライベートでボードをしに行きあいにくの吹雪模様でしたが、たまたま雲の切れ間で下界が見渡せたときに撮影しました。

さて、立春も過ぎて冬も終盤となってきました。
今のところ12月初めに異例の大雪が降って以来、当初の予想に反して累積積雪量は大雪だった昨年に及ばないどころか平均値をも下回っています。
これから大雪が降ることは考えにくいので今冬は少雪傾向のまま終わりを迎えそうです。
少なくとも当地に限って言えば降雪量の長期予報に関しては当たっていたとは言えないですね。
ただ、寒暖の差が大きい冬という自身の予想は当たっていたので気象庁のスパコンよりも経験則で予想した方が現実に近いというのもどうなんでしょうね?
いち気象マニアとしては気象庁に苦言を呈したいところです。

さすがに雪が少ないと言っても積雪が少ないだけで降雪日は結構あるので前回の日記でも書きましたが雪が溶けたと思ったらまた雪が積もるという繰り返しで結局はなかなかフィールドに出れません。
ましてや山は平年並みに積雪があるので平地で雪がないからといっても到底入山は不可です。
山に行けるとしたらせいぜいスキー場くらいのもんでしょう。
というわけで、この仕事を始めてからは山に行くのはほぼ仕事絡みだったのですが、年末に子供をソリ遊びにスキー場に連れて行ったのをきっかけにスノボを再び始めました。
さすがにゲレンデを離れて山中に入ることはできませんが、間近で雑木林の様子を見ることができるだけでも気持ちが安らぎます。




↑ 1月25日、牛岳スキー場のリフトから。
この辺りは優良な山菜やコケのポイントなのでリフトから必死に立ち枯れをチェックするものの距離があって見つかりません。
おまけにこの日は最悪の天候でリフトの運行も断続的で時折強風によってホワイトアウトになるブリザードが吹き荒れ早々に切り上げました。
こんな中、下手に入山したら間違いなく遭難するでしょうね…。

さて、1月下旬には市街地ではすっかり雪も無くなったので標高が低いポイントならば入山できるだろうと思い、毎年この時期に材採り、材割り、ヒラタケ採り目的で必ず訪れる市内の里山に行くことにしました。
昨年まではここは材割りといってもヒラタとノコギリ狙いでしたが昨年の日記でも書きましたが天然オオクワガタが混入していたエノキ材を採取した可能性が高いポイントなのでモチベーションが異なります。



↑ ゲンを担ぐため昨年末に奇跡的に手元に戻ってきた手オノを持っていくことにしました。左は見つけた時の状態。刃は一面錆びて赤茶色に変色していましたが砥石で研いで何とか右の状態まで戻しました。
工具のサンダーを使用すればすぐ錆びは落とせるのですが気持ちがこもらないのであえて手で研ぎました。まだ、黒サビが所々にありますが繰り返し研げば取れてくるので問題ないでしょう。
これでオオクワガタの幼虫を採るべく2月1日に材割りに行きました。




↑ ポイントの雑木林内。まだ20~30cmの積雪があります。

まずは取り置きしてあるエノキの立ち枯れの具合を確認します。
この木は昨年上部が折れて落下した立ち枯れで日記でも紹介しましたが極上の腐朽具合でした。
根部付近はまだ若そうだったのでとりあえず手を付けずに保存中です。




↑ 根部付近です。画像上部にコフキサルノコシカケの子実体が確認できると思いますが、このエノキはコフキサルノコシカケとマンネンタケ(霊芝)によって腐朽しています。
根部付近にオノを入れると完全に腐朽が進んでいて力を入れなくても崩れます。




↑ UPにした画像。材の縦の繊維に沿って崩れているのが分かると思います。オノを使わずとも手で簡単にむしれます。
これは上記2種のキノコ菌の腐朽の特徴でキノコ菌が繊維に沿って上下方向に侵攻していくためにこのような朽ち方をします。
あまりにも腐朽が進んで柔らかいのと菌の勢いが強いためこのような部分ではクワガタの幼虫を発見することは少ないです。
根部がこれだけ腐朽していると言うことは本体が倒れるのも時間の問題でしょう。
倒れる前に雪が溶けてある程度含水量が少なくなった頃に裁断して採取することにしました。
産卵材として利用するためにこれ以上の材割りをせずに次に進みます。




↑ 少し移動したところで倒木に生える凍りついたヒラタケを発見。
雪割りのヒラタケは旨みが凝縮されていて美味ですので早速採取しました。
ヒラタケを見つけたので本命のヒラタケ材を見てみることに。
着いてみるとつい最近付いたと思われる足跡が…。
やはりやられました。
足跡を見ると道路の方からこの材の場所に向かって歩いてきているので明らかにヒラタケ狙いでしょう。
それでも倒木の裏側に多少の採りこぼしがあったので採取して先ほどのヒラタケと合わせてコンビニ袋一杯分になったので良しとしましょう。

続いては貴重なヒラタケ材を必要以上に損壊させないように気をつけながら根部付近を材割りします。
まもなく、




↑ ノコギリと思われる2齢幼虫が出てきました。




↑ 続いて3齢幼虫が現れましたが、こちらはコクワ。
表皮近くの割りやすい部分は大半がコクワなので深部に潜むヒラタを狙います。




↑ 堅い部分からそれなりの3齢幼虫が顔を出しました。オッ!?と思いましたがどうもノコギリのようですね。
その後も出てくるのはコクワとノコギリばかりなのでそれ以上割るのを止めて撤収しました。
縁起を担いだ手オノでも良い結果は得られませんでした。
やはり落として見つけたポイントじゃないと効力を発揮してくれないのでしょうか?

2月4日には先日のポイントから1~2km離れた同一エリア内の別のポイントに行きました。
ここも取り置きのエノキ材がある場所です。




↑ 複数のエノキの倒木群です。
ただこのような状況ではなかなか均一には腐朽せず部分的に腐り落ちたりクワガタやカミキリの幼虫、アリ等でボロボロになってしまうことが多々あります。
状態を見るため一通り外見を観察していると、




ここにもヒラタケが生えていました。エノキ材とヒラタケはやはりセットで見つかることが多いですね。
老菌に近かったので採取はしませんでした。




↑ 見事に生えたシハイタケ。良い材に見えますが裁断したら腐朽具合の差が極端で使える部分は一部だけでしょう。
地面に接地している付近はやはりボロボロになって食痕も多く確認できるので手オノで材割りをしてみると、なんと手オノのクサビが取れて刃がすっぽ抜けました…。
メンテが十分でなかったようです。
材割りをあきらめて材を裁断しようと手ノコで挑みましたが径が太くて堅い部分があったので早々に断念、撤収となりました。




↑ 近くで見かけた杉の木。
この日は冬の嵐の前触れで気温が高く雨を伴った強風が吹き荒れていて花粉を溜め込んだ大きなツボミが今にも開きそうでした。
自身は大丈夫ですがアレルギーの方は今年は昨年以上の飛散量が予想されているので事前に万全の対処をしましょう。

2月8日は定休日でしたが先日来の嵐のためフィールドに行くのはあきらめて再びスノボに行ってきました。
この日も吹雪に見舞われましたが時折晴れ間も見えて記事TOP画像の綺麗な景色も拝むことができました。

また、祝日の11日には全くのプライベートですが冬のイベントが催されている利賀の蕎麦祭りに行ってきました。
シーズン中はホームグラウンドにしているお馴染みの場所だけに一度は行きたいと思っていたので良い機会でした。
まずは嫁と子供を連れてスキー場のスノーバレー利賀へ。
吹雪で視界が悪い中、子供のソリ遊びをしました。
自身も1本だけリフトに乗ってボードをしましたがイベントをしている割りにはスキー場は人も少なくほとんど貸切のような状態です。
残念ながらこのスキー場も今期限りで閉鎖が決まっているようですがしかたありませんね。
その後、昼食代わりに蕎麦を食べに祭りのイベント会場へ。




↑ 会場付近の風景。
あわよくば山に入れないかと思いましたが、夏場見慣れた風景とはうって変わって積雪2m50cm超の厳しい環境は一歩も踏み入ることは不可能です。




↑ イベント会場の入り口の雪像モニュメント。
言われるまでわかりませんでしたが東京駅をあしらっているそうです。
このイベントは3日間で3万人の来場者があるそうです。
場所と環境を考えたらかなり大規模なイベントと言えるでしょう。

肝心の蕎麦ですが大きなロッジ風の建物の中に複数の店が出店していますが、店によって人気はマチマチですね。
ただ、昼時には各店行列となっていますし、いかんせん座る所が少な過ぎです。
並んでやっと蕎麦を買ったはいいが食べることができません。
仕方なく屋外の簡易テント内で食べましたが、3万人という来場者があるのは分かっているのだし土地も空いているのだからせめて簡易テントだけでも増設して欲しいです。




↑ どの店の蕎麦を食べるか迷いましたが、無難によく店舗の方にも食べに行く「なかじまや」さんで注文しました。
あくまでイベントということで雰囲気を楽しむなら十分ですが、本当に蕎麦を味わいたいならイベント時以外に当地の専門店を訪れることをお勧めします。

このイベントに訪れた方のブログを見ていたら利賀の蕎麦は平打ちが特徴と紹介してありましたが、確かに細麺ではなくどちらかというと太麺ですが顕著な平打ちが特徴というわけではないと解釈しています。
会場には県外の出店もあったので混同されたのかもしれませんね。
利賀蕎麦はつなぎのない十割蕎麦というのが特徴なのです。
ささいなことですが蕎麦好きとしてはきちんとウンチクを、いや評価をしてもらいたいです。




↑ 会場ではイワナの唐揚げと塩焼きも販売されていて塩焼きを食べて見ました。
養殖物だと思いますが、炭火で焼いている割りには身は少しパサパサ気味でした。
初めて食べた人は「こんなもんか…。」と思う方もいるかもしれませんが、天然物の炭火焼きは全く別物で絶品です。
利賀の愛好家として言わせてもらえば、利賀はイワナも山菜もキノコも旬には最高級の天然物が採れます(味わえます)ので違う機会にも是非訪れて見て下さい。




↑ 会場の雪像群は札幌の雪祭り等と比べると見劣りはしますが、会場警備の臨時の派出所が雪で作られていたのが一番雰囲気を感じました。

イベントが終了すれば再び雪に閉ざされた空間になってしまいますが1ヵ月半ほどでフキノトウやワサビ採りの時期が訪れます。
そのときを楽しみに会場を後にしました。




↑ 話は全く変わりますが上の画像は自宅に保管してある菌糸ビンからキノコが発生している様子です。
それも一昨年から放置してあるボトルです。
おそらく投入した幼虫は成長途中で死んでしまったものと思われますが、丸一年以上経過してもキノコを発生させる能力を有しています。
見て分かるようにヒラタケなのにエリンギ状に柄が徒長して傘が極端に小さいのが力強さを自慢をしている腕のようにも見えますが、逆に培地の分解が進んで栄養価が乏しいことを物語っています。
ヒラタケに限らずこのような貧栄養価の環境では柄だけが伸びやすいことを覚えておきましょう。
全く触らずに水分さえ与えていない状況で子実体を発生させる生命力には驚くものがありますね。
2013年01月16日

年も明けてもう年号を書く際に2012年もしくはH24年と間違うことも少なくなり慣れてきたこのごろです。
ところであるWebサイトで読んだのですが、新年の挨拶で
「新年あけましておめでとうございます。」
という文章を日常的に使っていますが、これは
「旧年明けまして、新年おめでとうございます。」
というのが正しいらしいですね。
今までこの歳になるまで新年が明けるという意味で解釈していました…。
同様に思っていた人も多くいるのではないでしょうか?
とりあえず今年もよろしくお付き合い下さい。

富山では年末から積雪しては溶けて、積雪しては溶けての繰り返しで溶けた頃を見計らって山にコケ採りの続きか材割り採集をしに行こうかと思っているのですが、そのときには新たに雪が積もって結局前回の日記更新以来フィールドには行けずじまいです。
まあ、毎年のことなので仕方ないとあきらめて地道に店でブリード作業をこなしていますが…。
この時期、大手を除く小売店や用品メーカーは大半が開店休業や冬眠状態に陥ります。
当店も同様に経済的な不足を補うためというよりは店を維持するためにアルバイトをするというような状況になります。
度々お客様から、
「高い虫とかを売って丸もうけやろ?」
あるいは、
「こんなもん商売になるがけ?もうからんやろ?」
という質問を受けますが、あきらかに後者の質問が正しいことは言うまでもありません。
「好きだからこんな仕事できるがやろねぇ。」
とも言われますが、もちろん好きですが好きだけでは商売はできません。
自身は商売という行為自体はむしろ好きではありません。
どちらかというと虫の生態を調べたり優れた飼育用品の開発、天然素材の採取が好きでやっています。
残念ながら世論では「所詮、虫。」という位置付けなので専門の研究機関や民間企業があるわけではなくそれを生業にすることが不可能なので小売店という業態をとっているまでです。
よって利益だけを追求して商売をしているわけではなく情熱があるからやっているのです。

毎年、この業界では多くの新規業者が起業しますが近年はそれ以上に廃業する業者が多くなっています。
中でもビジネスとしてこの商売を考えている業者ほど短期間で辞めてしまいます。
やはりビジネスベースでは経営的に難しいということなのでしょう。
長く続いている業者は経営的な要素もあるでしょうがやはり何らかの情熱があるから続けられるのでしょう。
当店も今年で開業15年、直販店も開店12周年を迎えます。
我ながら良く続いたなぁという思いと情熱があったからこそできたのだという思いがあります。
ただ、この時期のように本業が暇で時間があると色々ネガティブな考えも浮かんできます。
時に経済的な苦難は心も貧しくして情熱をも駆逐してしまいかねません。
自身もこれまでに何度も心が折れています。
情熱を失ったことも何度となくありますが、それでも続けてきたのは他に心の支えがあったからです。
それは家族の理解と子供に対する思いです。
父親としての背中を見せたいという思いからでした。
別にイイ格好をしようというのではなく、情熱を持って一生懸命やっているということを理解して欲しいのです。
子供にしてみれば
「お金も稼げないのに夢ばっかり追ってバカみたい。」
と思うかもしれません。
それならそれで構いません。子供は同じ轍を踏まずにもっと賢い選択をしてくれるでしょう。
ちなみに子供にこの仕事を継いで欲しいという思いは全くありません。むしろして欲しくないと思っています。
ただこの仕事のキャリアと知識、情熱だけは他の人間に絶対負けないという自負があることを理解してもらいたいと思っています。
とは言うものの現実には生活がかかっているので見栄を張ってばかりいるわけにはいきません。
自身でもいつまでやっていられるか分からないので不安ではありますが逆に楽しみでもあります。
まあ、他にできることがあるわけではないのですが…。
基本的にはライフワークだと思っています。

情熱と心の支えがある限り今年もがんばっていきますのでご愛顧と応援よろしくお願いします。
新年最初の日記がちょっとヘビーになり申し訳ありません。

※ 310へ、
「それでも俺は1日のために10年を生きる。」
パイレーツ オブ カリビアン『デッドマンズ・チェスト』より引用。

一般の読者はスルーして下さい。
2012年12月29日




↑ 12月10日、店の屋上から北西方向の市街地の景色。
積雪は40cmを超え、断続的に雪が降り続きました。

ついに積雪です。
予想通り当地富山では12月初旬としては異例の大雪となり一時積雪は43cmに達しました。H18豪雪のようにその後も継続して寒波が襲来することはなかったので平地では根雪になることはなく数日後には溶けましたが山は完全に根雪で利賀のナメコポイントも1mを超える積雪となり入山不可となりました。
今季の天候は自身の予想では寒暖の差が大きく寒波の襲来はあるものの長期にわたって豪雪になることはないと思っています。ただ寒暖の差が大きい冬は一発寒波で大雪になることが多く油断は禁物です。

予想外というか予想通りの早い積雪で今季のコケ採りもほぼ終了となりました。
利賀ではまだ回ってなかった手付かずのポイントもあっただけに残念です。
それでも今月に入って一応早期の積雪を想定してポイントの選別を行ってきたのでこれ以上望むべきではないでしょう。

11月までのペースではないものの12月も最終のコケ採りに勤しみました。
先述のように利賀に有望なポイントを残してあったのですが12月に入って平地にも雪が下りてくるといよいよナメコも里山近辺の標高的に最下方のポイントが旬になってきます。
利賀も気になるのですが山間部は積雪のためにだいぶ入山が厳しくなってきていますのであえてリスクを冒すよりも確実なポイントを選択した方が利口でしょう。
そんなわけで先月末にコケの発生を確認した県東部方面に移行しました。
里山とは言うものの先月下旬に降った雪が根雪状態になっているため車での進入が懸念されます。
今月始めの3日(月)は予報では気温が10℃以上まで上昇する予定だったのでチャンスを逃さず山に行ってきました。



↑ この日のポイント付近。やはり山は根雪になっています。
このポイントは昨年も採っている実績のある場所なのでナメコ、ヒラタケ共に期待が持てます。
地面は雪で覆われていますが山道を歩いていると暑いくらいです。やはりコケ採りは気温5~6℃くらいがベストですね。



↑ 早速、ほど良い大きさのヒラタケを発見。



↑ 雪が積もってからのヒラタケは生長が遅くなるものの肉質も厚く締まっていて色つやも最高です。

幸先の良さを予感しながら早速採取して次を探します。
急斜面の横の尾根線を歩いていると斜面下の立ち枯れの樹幹にコケらしきものが見えます。はっきりとは見えませんが遠くからでも樹皮からボコボコと出っ張っているのが分かるということはヒラタケで間違いないでしょう。↓


デジカメのズームで撮影するとやはりヒラタケです。


↑ 近づいて見ると傘幅20cm超の大物を含め予想以上の群生ですが斜面上から見下ろしているのと異なって足元からは発生部位が高すぎて手が届きません。
こんなときは付近で適当な2~3mの枝を拾い先をカマで削ってヘラ状に加工してコケをこそぎ落とします。
ナメコと違ってヒラタケは石付きががっちりと樹皮に張り付いているため結構大変です。
大物は落下の衝撃で割れたりしましたが拾い集めると届いた範囲のものだけでも5kgくらいになりました。もう少し生長を待って全て採れば10kgオーバーも見込めたでしょう。

早くもデイパックがヒラタケで占められた状態になりましたが、そのままナメコを探します。材割り採集時は小型のデイパックで十分ですが山菜やコケ採り時には現在の容量15リットル程度では小さすぎます。
本格的な山師だと20~30kg近くもの収穫物を担ぐらしいので自身はまだまだ及びません。

元の尾根道に戻り昨年もナメコを採集した木を探します。



↑ 予想通りナメコは出ていましたが昨年ほどの群生ではありませんでした。
気を取り直して別の取り置きの発生木を見に行きます。



↑ こちらは期待通りの大群生。ヒラタケも出ていますがまだ小ぶりです。



↑ 裏側の根際付近。まさに採り頃のナメコとヒラタケが共生しています。




さすがに根雪の山では陽の当たらない木の裏側に生えているナメコの表面はシャーベット状に凍っており雫もツララになっています。
この木に今季再度来れるかどうかわかりませんが幼菌はとりあえず残して状態の良いものだけを採取しましたが、それでもナメコだけで3kgくらいはありました。

一通り取り置きの木を見て回ったので少し足を伸ばして奥の斜面の方も見てみることにしました。
さすがに利賀のような標高の高いポイントではないのでナメコの発生木は多くありませんがカシナガによる立ち枯れが多くある以上、数をこなせば必ず見つかります。あとは時間と体力の問題ですね。
しばらくウロウロして戻ろうかとしたときにやはり見つかりました。
遠目にはたいした群生には見えませんでしたが近くで改めて見ると驚きです。



↑ 画像だけでは伝わりにくいですが、出ている全てのナメコが極上です!一部が極上というのは良くありますが全てです。


↑ 左画像は10cm級の大型で若いナメコの群れ、右画像はマツタケのように柄が10cmほどに伸びた肉厚の株。どれにしても古くなって開いたり徒長したものと違ってまさに肉厚でベストの状態です。
それもこれだけバラバラに発生していれば幼菌や老菌が混生しているものですがほぼ同時期に発生したのか全てが採り頃です。
以前、五箇山方面のポイントで見つけた超大型ナメコと同様にこの木のナメコは周辺で採れるナメコとはまるで異質の菌種のように思えます。
今まで何百本という発生木を見てきましたがこれだけ粒揃いの木は唯一無二です。
この木で2.5kgほど採れ一部をその日に食しましたが、やっぱり他のものとはひと味違いました。


↑ 径10cm級の肉厚のナメコはひと傘で64gもあります。これが2つで市販のナメコの1パック以上の重量があります。どれくらい食べ応えがあるか想像できますか?

ブナ帯で採れる早生のナメコもそれはそれで山の香りがして味わいがありますが、冬期に採れる晩生のナメコは雪や低い気温にさらされるため旨みが凝縮して絶品ですね。
ヒラタケも同様に冬場のものは寒茸と呼ぶ地方もあり早生のものと区別されるくらい見た目も味も異なります。



↑ 極上ナメコに満足して帰路の途中に見つけた別のナメコの群生。やや老菌気味で極上ナメコを採った後では食指が動かずスルーしました。
この日の収穫はナメコ6kg、ヒラタケ7kgでした。

さて、3日後の6日は定休日の前日で天気もイマイチでしたが翌日からさらに天気が荒れそうでしたので前倒ししてコケ採りに県東部のポイントへ。
この時期になると常にこの日が今期最後の採集になるかもしれないという覚悟があるので惨敗するわけにはいきません。
そんな思いもありこの日は確実にナメコが発生している取り置きの立ち枯れを見に行きます。
じつは、この木は昨年オオクワの材割り調査時に偶然発見したナメコの発生木で大群生でしたが発生時期が遅く成菌になりきる前に採取してしまいその後は雪に閉ざされて訪れることができなかった木です。
今期は同じ轍を踏まないように発生が早まっていることを願いながら向かいました。
幸いにも3日前に残っていた雪もだいぶ溶けています。


着いて見ると期待もむなしく発生はしていますがまだまだ幼菌です…。



↑ 左が今年の12月6日、右が昨年の12月7日の様子。このところの冷え込みで残暑の影響による発生の遅れは取り戻しましたがやはり昨年と変わりません。
あきらめて他の木を探しますがこのポイントは広葉樹の面積が少ないためあまり期待できません。



↑ それでも程なく少量のヒラタケをゲット。

さらに急斜面を歩いていると、


↑ 細い立ち枯れの上部にプリプリのナメコを発見。
しかし画像でも分かるようにこの木は急斜面に斜めに突き出した状態で、木に辿り着くのもやっとです。木の下は高さ30mほどの崖に近い急斜面でつかまる低木もなく滑ったら間違いなく下まで転がっていくでしょう。
以前の利賀のパラダイスを見つけたときよりさらに危険です。
あきらめきれずにとりあえずカマと拾った枝で木にしがみつきながらなんとかナメコを落とします。
その後、地面に露出した雑木の根につかまりながら拾い集めました。こんなことなら車から安全帯(命綱)を持ってくるんだったと思いながら手が滑って滑落したら「キノコ採集の男性死亡」という記事で載るんだろうか?せめて職業上、昆虫採集の方がマシかななどと考え、命を懸けてまで採らなければいけないものでもないのでこれからはリスキーな行動は慎もうと心に決めて慎重に採り終えることができました。



その後、近くでさらにナメコを発見。


↑ 左は上部画像の木の裏側の群生。やはりシハイタケと共生しています。右はアップの画像。ツヤツヤで非常に状態も良好です。
狙っていた木では採れなかったものの別の木で代わりの収穫がありこのポイントを後にしました。後日、機会があればもう一度訪れるつもりです。

時間があったので3日前に訪れた場所の近くの別のポイントへ行くことに。
ここはちょうど一年前に材割り調査で訪れ結局コケ採りをしたポイントです。
じつはその時に愛着のあった大事な手オノを紛失してしまい春に雪が解けたら探しに来ようと思いながら結局来ずじまいで一年が経過してしまいました。
そのことを忘れていたわけではありませんが現場について改めて思い出しました。
しかし起伏の多い広い斜面の雑木林のどこで落としたとも分からない手オノを探すことは不可能だと探すことはほぼあきらめていました。
そこで着くなり早速コケ探しです。
昨年も何本かでナメコとヒラタケを採っているので多少は採れるでしょう。



↑ 当日のポイントの様子。時折吹雪となる天候でした。そういえば昨年、一昨年の同時期に来たときも同様の天気でした。
これがその年で最後のチャンスという天候が荒れる直前に来るので当たり前といえば当たり前ですが…。



↑ すぐに昨年と同じ発生木でやや開いたナメコをゲット。



↑ 昨年は出ていなかった木にもナメコを発見。高すぎて一部のみの採取。

一通りウロウロしましたが思うような量のコケは見つかりません。
アラレ混じりの吹雪も時折ひどくなるのでもう撤収しようと車に戻っているときに良さげなコナラの朽ち木の落ちた枝を見つけて裁断し持ち帰ろうとして、ふと上を見ると前方の木にヒラタケが。


↑ 今日一番の大きな株が2株あります。大きなものは20cmくらいありこれだけで3kg超はあるでしょう。
高さが3mほどの所なので木が二股になっているところに登って手を伸ばしてカマで切り落とすことにしました。


↑ 二股になっている部分に登りました。
首尾よくヒラタケを落としてこれで良し!と、股の部分から地面に飛び降りると靴のすぐ横に何やら木製の柄が…。



↑ この状態です。なんか見覚えがあるな…。
「あっ!!!俺のオノだ!」
思わず声が出ました。


↑ 他人にはたいして感動的なことではないでしょうが自身にはまさに奇跡でした。
どこで落としたとも分からない手オノがこんな形で見つかったのは偶然ではなく必然としか思えませんでした。
画像を見ても分かるように雪に覆われているところも多くあり、ましてや丸一年も放置されていたのだから雑草や落ち葉に覆われていても不思議ではありません。
残念ながら金のオノではなくサビだらけのオノになっていましたがわざと目立つようなヒラタケで自身を呼び寄せて山の神が見つけさせた粋な計らいだと思わざるを得ません。

昨年も新潟の妙高で落とした携帯電話を3日後に発見(みぞれや雪の中で水の浸入もなくバッテリーも残っていました)できた不思議体験がありましたが、そのときは大体の場所は推測できましたが今回は落とした場所自体記憶にありませんでしたのでまさに奇跡でした。
縁があって一年ぶりに戻ってきた手オノですのでしっかり研いでメンテナンスして来期からまた活躍してもらいます。
最後に思いがけない出会いが会ったことに山の神に手を合わせてこの日は帰途につきました。
この日の収穫はナメコ6kg、ヒラタケ4kgと値千金の手オノでした。

さて、その翌日からは予想通り冬型の気圧配置が強まりこの時期としては異例の寒波となり富山市内でも10日には一時43cmを記録する大雪となりました。
市街地はじきに溶けるからいいのですが里山でも完全に根雪ですので下手をすると今期はこのまま終了になることを覚悟しました。
しかし冒頭でも書いたように今冬は一発寒波の傾向があるためその後は寒波が継続せずに1週間後には平地ではほとんど雪も溶けたので、今度こそおそらく最後の入山になるだろうと17日に再び先日のナメコポイントに行きました。
前回は幼菌だったためにそのまま取り置きしましたが今回採取しなければもう入ることさえできなくなるでしょう。
ポイント近くの林道に入るとやはり相当の残雪というより根雪になっています。



↑ 誰も入っていない崖の横の林道は積雪30~40cmほどでカモシカの足跡が残っているだけです。
これだけ積雪があると、もう1回降れば完全にアウトでしょう。
林道横が急斜面になっているので所々小規模な雪崩も起きています。気温が上がったときは注意が必要です。



↑ 取り置きの立ち枯れに着くと、やや小ぶりながらも成菌に生長したナメコが迎えてくれました。右の画像では凍って解けてを繰り返したために表面がシワになっているのが確認できます。
全て採取した後、もう一ヶ所のポイントへ行くためにすぐに車に戻りました。

もう一ヶ所といっても新規のポイントなのでまだ見たこともありません。地形図でだいたいの様子の見当はついているので行ければ少なからずコケは採れるでしょう。
しかし、この時期の新規開拓はやや無謀だった観があり案の定、林道は積雪で通行不可でした。
仕方なく先日行ったポイントの周辺で新たなポイントを探すことにしましたが、こちらも林道上には積雪が…。
車のギアをスーパーLOWにして行けるところまで行ってスタックしたところで誰も来ないだろうから路上に乗り捨ててあとは徒歩で向かいました。



↑ この日周ったポイント。雪は膝近くまであり歩くことさえ難儀ですが、視界は良好なのでコケ探しにはもってこいです。
細い木が多いですが所々に大径のだいぶ朽ちた木があるポイントです。



歩き始めて間もなく雪の重みで落下したばかりのヒラタケの生えた枝を発見。枝自体も断面を見る限り産卵材として良さげな感じですが裁断しても車まで運べそうにないのでコケだけ採取。

さらに進むと、



↑ ナメコの群生です。左右の画像共に同じ木の裏表です。全部で7~8kgくらいにはなりそうな大群生ですが残念なことにやや老菌気味なので、しょう油漬け用に一部を採取しただけで大半は手をつけませんでした。
前回、ここを探さなかったことを後悔しましたが来年の楽しみにしておきましょう。



↑ 偶然一部が雪の上に出ていたので発見できた雪に埋没した倒木上のナメコ。掘り起こすと出てきた文字通り絶品の雪割りナメコ!



↑ 斜めに倒れかかったコナラの朽ち木の裏面にビッシリ生えたヒラタケの群生。
もう少し生長すれば全部で10kg以上になるでしょう。ヒラタケはこのような採れ方をするので一気に収量が増えます。



↑ 別のヒラタケの群生。さすがにこれだけ冷え込んでくるとヒラタケの発生もピークになってきます。

コケを入れる袋もなくなったので撤収することに。
この日もナメコ6.5kg、ヒラタケ8kgの収穫でした。今年も春の山菜から今まで多くの恵みをありがとうございました。
また、来期もお邪魔させてもらいます。

さて、この後は案の定クリスマス寒波の到来で富山でも12月としては45年ぶりという様な最低気温を記録するなどさらに冷え込みが増したため入山は自粛することにしましたが、先月店長日記にも書きましたがB氏とともに採取してきて倉庫に保管していたケヤキ材を見たところ見事なヒラタケが発生していました。





↑ 裁断した物理的なショックで一斉に発生したのでしょう。見事な株で下画像ではコケの柄がエリンギのように極太なのが分かりますか?
屋内で雨や雪にさらされていないため水分は多く含んでいない状態でも6kgほど収穫できました。コケもさることながら、このケヤキ材がいかに優れたヒラタケ材であるかが分かると思います。
ヒラタケ材は人工培養でもほとんど販売されていないので貴重です。

さて、今期を振り返って結局コケの総収量は
ナメコが69.7kg、ヒラタケ・ムキタケ・ナラタケ等の雑キノコが約50kg
と、大豊作でした。
要因としては、カシナガの食害による立ち枯れの発症が確認されてから7~8年(ピークから3~5年)経過して腐朽が進みコケの発生木が増えたこともありますが、今期はタイミングを外さなかったことが一番でしょう。
残暑の影響で発生自体は遅れたので心配でしたが、そのことを考慮したポイントの選択がまさにベストだった(自画自賛)ので無駄足になることが少なく収量を稼ぐことができました。
キノコに興味のない読者には退屈な日記が続きましたことをお詫び申し上げます。
来年も日記に関しては乱筆雑文となりますが、その辺はご愛嬌にてご承諾いただけると幸いです。

それでは2013年の皆様のご多幸と当店の商売繁盛を願いまして今年の日記の締めとさせていただきます。
今年も一年ご愛顧いただきましてありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。
2012年12月01日




↑ 11月16日利賀から立山連峰(雄山から薬師岳周辺)を望む。

寒くなりましたね!
師走の声を聞く前に冬の到来です。
当地富山でも27日に初雪を観測しました。冬期予報でもエルニーニョの収束に伴い暖冬予報から寒冬予報にシフトしてきたようです。
自身の経験則から言っても当地で11月にブリ起こしと呼ばれる大きな雷が発生したときは12月の降雪量が増える傾向が見られ、今年は1日としては異常なほど多く発生した日もあり大雪が懸念されます。
毎年書いていますが自身は雪が嫌いではなくむしろ好きですが、あまり早く雪が積もるとナメコとヒラタケを採りに行けなくなるのでもうしばらくは勘弁してほしいです。

そんなわけで11月はナメコのピークとなりました。
11月末現在でナメコの総収量は目標をはるかに超える51.2kgに達し軽く昨年の収量を上回りました。採ろうと思えば雪が積もらなければまだまだ採れます。
店や自宅の冷凍庫はナメコだらけになりそれでも足りないので仕方なく小型の冷凍ストッカーまで購入しました。
身内で相当量は処理できますが必要以上にあるので当HPで販売することにしました。
詳細は商品欄をご覧ください。

さて前回の日記は11月4日までの内容でしたが9日は定休日だったので偶然休みだった嫁を説き伏せて4日と同じ五箇山周辺のポイントにナメコ狩りに同伴させました。
と言っても嫁は車中で待っているだけで自身が一人で採取しているのですが…。
とりあえず4日にまだ幼菌で採らずに残しておいたナメコを見て行きます。



まず最初のポイントで、まだ少し早いツボミのものが多いですが数日後には林道が閉鎖になり採りに来れなくなるので待っている訳にもいかずある程度の大きさのものは採取していきます。右上の画像のものくらいが多いです。



↑ こちらはまさにベストです。ツボミが好きだという人もいますが個人的にはツボミよりもちょうど開いたばかりか少し経ったくらいの方が好きです。



こちらもあと1週間すれば自分としてはベストのタイミングですが採取します。残暑の影響によるわずか1週間のズレがこういう時には大きな差となります。
自身は元々夏オトコでいつまでも夏を名残惜しむタイプでしたがコケ採りに興じてからは秋が来るのが待ち遠しくてなりません。
残暑で秋の訪れが遅いときに限って冬の訪れが早かったりして秋が短くなったりするんですよね…。

最初のポイントで4日の採り残しにもかかわらず3kg超と予想外に採れました。
次は本命です。前回の日記でも写真を載せましたが根部近くから身長以上の高さまでビッシリと幼菌が発生していた立ち枯れです。
計算どおり生長していれば大量収穫になるはずです。
到着して期待しながら見てみると、


あれ…?幼菌はほとんど生長しておらず代わりに側面に新たにビッシリと幼菌が発生しています。↑
マイタケなどではキノコに触ったり息を吹きかけただけで生長が止まり腐ってしまうと言われています。ナメコにも当てはまるかどうかは定かではありませんが過去にも同じようなことが何回もあります。
先週自身が見てしまったことがストレスになったのかもしれません。
さすがにスーパーで売っているサイズでは満足できないし処理も面倒くさいのである程度の大きさのものだけ選別して採りました。
1週間後には大群生になっていることでしょう…残念!

予定ではこの木で大量に収穫してこの日は終了のはずだったのですが期待外れだったのでさらに別のポイントを探さなければならなくなりました。
とは言うものの嫁を待たせている身ではゆっくりと新規ポイントを開拓している余裕はないので先日探した場所を拡大して念入りに見て回ります。
去年はそうでもありませんでしたが、やはりここも競争が激化しているようで最近他の採集者が入った形跡があります。
しかしここの採集者は適度に生長したコケしか採らないので採り残した幼菌が成菌になっておこぼれでもそれなりの収穫ができます。



↑ この日ベストの状態の極上ナメコ!近くには他者の採集跡があったにもかかわらず残っていました。
さらに丹念に立ち枯れを見てみると木の上部や崖際の少しリスクのある場所には相当数のナメコが確認できます。
大きな群生は1~2本だけでしたが一段落した頃にはかなりの収量となっていました。
その時はそんなにたくさん採った実感がなかったのですが帰宅後に下処理して計量したところ10.5kgありました。
この収量は1日のナメコの収量としては自己最高記録となりました。

さて、車に戻ると昼時はとうに過ぎています。文句を言わずに待っていてくれた嫁にお詫びのつもりで遅い昼ごはんを食べに行きました。
行ったところは今日のもう一つの目的である飛騨牛の焼肉店である白川郷近くの「てんから」です。
以前もこの日記で紹介したことがあるお気に入りの店です。
以前は飛騨牛の漬け丼を紹介しましたが現在は生肉の提供が禁止されたためメニューからなくなっていましたが代替メニューとして新たに「ローストビーフ丼」なるものが出ていました。



↑ これです。
漬け丼が美味しかっただけにそんなに期待していなかったのですが食べてビックリ!!
山歩きをした後でお腹が空いていたせいもあるかもしれませんが、漬け丼を凌ぐ美味しさです。
ローストビーフ自体は珍しい料理ではありませんが、通常レストラン等で食べるそれとは素材のせいか調理が上手いのか全く異なる味わいです。
これには嫁も満足してくれました。
ちなみにホルモンが好きな人にはここの自家製牛ホルモンもお勧めです。
車で来ているのでビールが飲めないのが非常に残念でした。

9日にナメコが大量に採れたため少し採集は控えめにしようと思い翌月曜日の12日は今までナメコ採集はしたことがない山田村牛岳周辺に様子を見に行くことにしました。
この日は採ることよりもナメコポイントがどの程度あるのか確認することが目的です。
記憶ではかなり立ち枯れは多いので有望だと思っていたのですが立ち枯れはあるものの、かたまっている場所が少なく期待できるポイントは限られているようです。
ありそうな場所に入ってみるとわずかに見つかりますが先方の採集者に採られています。やはりコケ採りの人間が考えることは同じようです。



↑ それでもヤブ漕ぎをして何とか数本の群生を見つけることが出来ました。
結局この日も3.5kgほど収穫できましたがここのポイントは再度来ても新たな発生は期待できそうもないのでこの1回限りで終わりでしょう。
そう考えると利賀や五箇山のポイントがいかに恵まれているかよく分かります。

そんな訳で16日には満を持して今期初となる利賀の本命ポイントへ。
この日は前日までポイント付近では降雪があったため雪中強行軍を覚悟していました。
まだ根雪には早いですがポイント近くに行くと幹線道路でも除雪をした跡が…。
林道に入ると誰も入山していないようでタイヤの走行後はなく、一番乗りであることに安心しながら処女雪の上を走っていきます。
標高が上がるにつれて見る間に積雪は増えておまけに朝方の冷え込みで表面はカチカチに凍っています。
車のギアをスーパーLOWに入れて進みますがノーマルタイヤということもあって積雪が20cmを超える登り坂でそれ以上の走行を断念。
あとは歩きで進むしかありません。



↑ こんな感じです。天気が良いのが幸いです。



雪の上に散らばったモミジが秋の終わりを物語っています。
歩いていくと日陰では多いところで30cm近く積もっており歩くだけで暑くなってきます。



早速道脇の切り株でナメコを発見。クワガタの産卵痕も確認できます。せっかくのナメコの発生木なので材割りはしません。
道からすぐ見える場所でナメコが見つかるということはさほど他の採集者が入ってないことが推測できます。



滑落しないように斜面を少し降りると採り頃のムキタケもボチボチ見つかりました。
ムキタケを採りつつナメコの発生木に向かうと出てはいるもののわずかに採られた跡とまだ幼菌です。やはりここも発生が遅れているようで積雪前に来た他の採集者も多くは採っていないようです。
しかし、ここのポイントは広いので期待しつつ斜面を探します。積雪があるので登るのはキツイので下斜面に降りて行きます。結局帰りは登って来なければいけないので一緒なんですが…。

雪が積もっているおかげで背丈以上ある笹が倒れていて、さらに背景が白いので樹幹に生えた黄金色のコケが目だって見つけ易いです。


根部付近からは雪に覆われたナメコの群生や樹幹部分の成菌もあちこちに確認できます。



↑ 樹皮のめくれた部分に所狭しとひしめくように群生するナメコ。このような場所を好んで発生するので採取するときは極力樹皮を剥がさないように採らなければなりません。



↑ 寒くなってから発生した晩生のナメコは傘の色がより濃い茶色をしています。生長は遅いですが引き締まった身は格別です。



↑ 発生後に乾燥で一時生長が止まったが降水や降雪で水分を吸収してヌメリが復活したナメコ。十字に割れた傘とボコボコとした表面のヌメリが一度乾燥したことの名残です。もちろん風味に問題はありません。



↑ 周り中、立ち枯れだらけのポイント。全て見て回るのは困難です。



↑ この日の収穫。ナメコが8.5kg、ムキタケ10kgと1日総合計の収量では18.5kgで1日の最高記録を更新しました。
やっぱり本命。期待通りでした。
ただこれだけの量のコケを背負って手にも持っていたので斜面でバランスを崩し谷に滑り落ちて岩で膝を打ちつけました。その瞬間は膝の皿が割れたと思ったのですが幸いわずかにずれて多少腫れただけで済みました。浮かれていると痛い目を見ますので気をつけましょう。

16日に大量収穫があったので19日は再び新たなポイント探しに細入村から八尾にかけて巡回しました。
この辺りはクワガタ採集でも数回訪れていますがあまり良かった例がありません。
コケ採りではどうかと思ったのですが全くこの日は見つかりません。途中、県外ナンバーのコケ採りと思われる車がかなり山奥で止まっていましたがおそらく車中で泊まり徒歩で相当な奥まで入っているものと思われます。
ここは自身とは気が合わないと判断して早々にあきらめました。自然を相手にする時は第六感のような感覚的な判断が正しいときもあります。野生の本能を磨きましょう。

若干フラストレーションが溜まったので22日は再度利賀の本命ポイントへ。
前週は林道下部の斜面を探したのでこの日は上部を攻める予定です。
目的地に着いてみると前週の雪はほとんど解けて所々陽の当たらないところに残っている程度です。
雪の重みから開放された猛烈な笹ヤブを掻き分けて斜面を登り進むと残雪の上に足跡が。
この1週間に誰か採集に来ているようです。
それも結構奥まで入っているようで手強い先客です。
しかしナメコの出ている木を発見して見てみると確かに採ってはいるのですが採り方が雑だし中途半端です。あまり上級者ではないようですね。


↑ 乾燥で生長が止まった早生の幼菌から採り頃の成菌、晩生の幼菌と様々なステージのナメコが生えているも先客は見つけなかったのか残っていました。



近くの別の木で見つけた美味なヤマブシタケ。珍しいキノコですが残念ながら老菌で緑色に変色していました。新鮮な成菌では真っ白で最近では栽培ものが流通しています。



↑ 先客が訪れたときにはまだ発生していなかったのか晩生の幼菌がビッシリと出ています。次回に期待をして触らずに残しておきます。



先客がナメコを採った跡がある木の根部に生えていたクリタケの株。残念ながらこの時はやや老菌になっていたので採取しませんでしたが先客が来たときは採り頃だったと思われるのでクリタケには興味がなかったのか残していったのはもったいないです。

なかなか手付かずの群生が見つからないまま斜面をウロウロしていると谷筋を挟んだ対岸の斜面に幹が黄金色の立ち枯れが見えます。
コケが生えているようにも見えますが肉眼ではイマイチはっきりしません。
デジカメの望遠で撮影してみると、


↑ ムキタケではなくどうやらナメコのようです。
これは期待できると斜面を一旦上に向かってトラバースして谷を渡りさらに今度は横にトラバースして目的の立ち枯れへ向かいました。



着いて見ると確かに大群生です!
しかし画像では分かりにくいですが、この立ち枯れは斜面に向かって突き出すように生えていてナメコの生えている部位まで行こうと思えば行けますが、その地点で地面から高さ5~7mくらいあり落ちたら無事では済まないでしょう。
昔はこれくらい何とも思わなかったのですが子供ができて以来、やや高所恐怖症のきらいがあり画像で見る以上に実際は怖いです。
他人が行くといったら間違いなく止めた方が良いと忠告するでしょう。
だけど大群生を目前に敵前逃亡は恥だと思い採ることを決意しました。



↑ ついに辿り着いた今期一番のナメコのパラダイス。
全部採ればゆうに15kg以上はあるでしょうがさすがに上部はよじ登って採る勇気はありませんので画像に移っている範囲で採ることに。
やや老菌になっているのもあり前週この木を見つけなかったのを後悔しましたが、当時は雪を被っていて見つけられたかどうかわかりませんしここに辿り着くこともできなかったでしょう。
老菌以外のナメコを回収しましたがそれでもこの木だけで10kg近くの収量がありました。
これだけの群生は過去にも1本しか見つけことがありません。
先客に採られなかったことに感謝しました。
これで撤収してもよかったのですがまだ少し時間があったので前週見た林道下部の斜面の残しておいた幼菌の様子を見てくることに。



こちらも落ち葉に覆われたベストの状態のナメコが見つかりました。



上の画像のナメコのアップ。落ち葉に覆われて雪が直接触れていなかったため傘の表面のヌメリは少なめですがタイミング的にはちょうどです。

まだまだ探せば見つかりますが入れる袋がなくなり又、調子に乗って時間もオーバーしてしまったので切り上げることにしました。



↑ この日の収穫。下処理後の計量でナメコは12.7kg、ムキタケ1.5kgでナメコに関しては先日更新した1日あたりの収穫量の自己記録を再度更新いたしました。
ちなみに帰り際、車の近くから林道横の深い谷を挟んで対岸の斜面やや下部に幹の色が変わって見えるほどナメコの発生した立ち枯れを見つけました。
おそらくこの日見つけたパラダイスと同等かもしくはそれ以上と思われます。
ただ、そこに行くには往復で30~40分、ナメコの採取で1時間はかかるでしょうから時間的にもバイトで徹夜明けの体力的にも無理なので断腸の思いであきらめました。
他の採集者に採られなければ次回採ることはできますが1~2日以内でなければタイミング的に採り頃を過ぎてしまうでしょう。

続いて23日金曜日は本来定休日ですが祝日なので営業のため山には行けず、代わって25日(日)にバイト明け徹夜でブリーダーのB氏と魚津方面に以前から狙っているケヤキ材の採取に行きました。
このケヤキは2年以上前に自身が部分的な立ち枯れの状態で見つけたものの腐朽部が地上3mより上部で攻めあぐねていて今年の夏前にB氏と共に挑戦したのですがやはり裁断できずに今回はリベンジとなります。
この日は折りたたみの脚立、チェーンソー、荷重5トン対応の油圧ジャッキと準備万端です。前回チェーンソーで裁断を試みたのですが腐朽部の径が太いところで70~80cmあり倒すことができなかったため裁断面にジャッキをかませて倒す計画です。
かなり危ない荒仕事ですがこうでもしないと優良な材は手にできません。
さて現場に到着すると、
「あれ?木がない…!」
改めて見ると根部から本体もろとも倒れています。



↑ 左が2年前の状態。向かって右側から出ている枝が腐朽している部分で二股になっている部位で地上高3mくらいです。右がこの日の状態。倒れているものの腐朽している枝部分が前回チェーンソーを入れたところからなくなっています。
倒れた衝撃で折れて画像手前に転がっていました。



↑ 腐朽した枝部分。長さは3m弱ありますが予想外に腐朽が進んでいてかなり柔らかい部分があり又、一部食痕が多く入っていて正味使えるのは2m弱くらいでしょうか。
倒す手間は省けたものの水分が多く重たいためカットして足場の悪い登山道を1カット20kg以上の材を標高差70~80mくらい運ぶのは文章で読む以上に大変です。
運び終わった頃には二人ともクタクタでしたが、せっかく山に着たのでコケ採りのポイントを少し見て行きます。



↑ 倒れたケヤキの株に生えていたヒラタケ。今期初収穫です。
そういえば、上記のケヤキはサルノコシカケではなくヒラタケ菌で腐朽していました。よって厳密にはカワラ材ではなくヒラタケ材になります。優良な天然ヒラタケ材はカワラ材以上に希少でクワガタの産卵材としては極めて優れており柔らかさによって色虫、オオクワ系ともに最適です。詳しくは商品欄をご覧ください。



↑ 林道から見た僧ヶ岳。だいぶ雪も下りてきました。予報から1週間もすれば手前の山も雪化粧してこの林道にも積雪するでしょう。ここに入山できるのもあとわずかです。

この辺りのポイントは立ち枯れはあるものの利賀ほどナメコは見つかりません。
標高がやや低いのでどちらかというとヒラタケ狙いです。



↑ ナメコが少し出ていたシハイタケに覆われたナラの立ち枯れ。ナメコとシハイタケは共生することが多くシハイタケが弱体化したところにナメコが発生します。
クワガタ用に使えそうでしたが落下した枝も心材部が残っておりイマイチでした。



この日も林道をコケ採りらしい車が数台通っていったので他にも採集者はいるらしく、ナメコも採取した跡があるものの見落としや採り残しも多くあり、あまり真剣には採ってないようです。
↑のヒラタケもナメコを採った跡がある木の近くで見つけましたが手付かずでした。
ただ、まだ小さいので今回はパスです。



↑ 昨年ナメコを採った木を見に行くと、期待通り採り頃の極上のナメコが出ていました。
上部にはやや幼菌のものがさらに多く生えているのでそれは次回に残しておきます。
時間もなかったので軽く流して見た程度だったのでコケの収穫はヒラタケ0.5kg、ナメコ2.0kgほどでB氏と分けました。

ということで30日(金)は定休日なので再び嫌がる嫁を同伴して25日に取り置きしてきたナメコとヒラタケの回収に魚津へ。
予想通り、この5日間の間に積雪して路面には雪が残っていますが通行は可能です。



↑ 残しておいたヒラタケはやや小ぶりでしたが無事収穫してこちらも前回残しておいた立ち枯れ上部のナメコ。タイミングはバッチリですこぶる極上です。
この日は脚立持参だったので高さ3m付近のナメコも首尾よくゲットできました。



↑ 嫁の機嫌を伺いながら他の立ち枯れを見て回っているとナメコとヒラタケの共生木です。ナメコは2回にわたって発生したようですがあいにくどちらも時期を過ぎており老菌でした。画像より下に3回目に発生した成菌があり多少採れました。
上部のヒラタケはちょうど採り頃ですが手が届きません。脚立はありましたが車から離れたヤブの向こうなので持ってこれません。
残念ですがあきらめました。
この日の収穫はナメコ3kg、ヒラタケ4kgとボチボチでした。

コケ採りに関しては絶好調ですが、この日記をUPした12月1日は平地でも積雪となり、自身の予想通り雪の訪れは早く、入山も厳しくなりそうです。
2012年11月06日




10月19日、有峰にて。
今年は10年に一度の紅葉と言われているだけあって見事な紅葉が見れました。


さて、ついこの前まで残暑と言っていた気がするのですが山では紅葉の見頃も過ぎて初冬の景色へと変わってきました。
毎年書いていますが春と秋は季節の進行がとても早く感じます。
前回の日記の更新以降も週2回のペースで山に行っているのでだいぶネタが溜まっています。よって画像を中心に紹介していきましょう。
タイトルにもあるようにこの時期はほぼ紅葉の撮影とコケ採りに専念しています。
前回も書きましたが例年ならヒメオオの季節が終わると同時にコケ採りのシーズンなのですが、今年は残暑の影響が未だに残っていて全体的に1週間~10日くらい遅れています。
10月に入ってもブナハリタケでさえまばらな発生です。

そんな中、15日には利賀のヒメオオポイントより奥の前回ヒメオオらしき幼虫を割り出したブナ林にコケ採りと材探しに行きました。


↑ まず目に入ってきたのがサワモダシ(ナラタケ)。本来ブナ帯では晩夏~初秋のキノコですが気候に左右されやすく雨が少ないとほとんど発生しない年もあるようです。去年と同様に今年も少なく、また発生時期も遅れています。



今期初のサワモダシの群生を発見。
ただ、雨が少なく成菌に生長しないまま止まってしまったようです。一瞬、猛毒のニガクリタケかと思いましたが口に入れて味見してナラタケであることを確認。一株のみ採取。

ここのブナ林はあまり広くなくマツと混生したりまばらにしか生えていなかったりするので目ぼしい倒木や立ち枯れは少ないです。
林内はものすごいクマザサと低木のヤブなので尾根線を歩いて探します。



続いて見つけたのは林床に少数でかたまって生えていたシロナメツムタケ。
ナメコの仲間で美味なキノコなので採取。一食分でしたが味噌汁にして食べました。



だいぶ朽ち果てたブナの倒木に発生してしていた白いキノコの群生↑。同定できないまま採取しましたが帰ってシロタモギタケと判断しました。100%の自信はありませんでしたが似たような毒キノコはないので天ぷらで食べました。


味は少し土臭い感じで油を吸いやすく結構胃にズッシリときますが、そんなにクセもないので汁物には合います。



次は立ち枯れに着生していた見事なサンゴハリタケ。綺麗な形から遠目にはヤマブシタケかと思いました。先日も採取して味噌汁で食べたところ苦かった旨を書きましたが、あえて採取。今回は炒め物で食べましたが若い成菌だったからか食べ方の違いのせいかは分かりませんが苦味もなく美味でした。

そこからすぐ近くで見つけた別の立ち枯れ↓。あいにく幹にはキノコらしきものは確認できません。


近づいて観察すると、


↑ なにやらでっかいキノコのなれの果てを発見!
一瞬、マイタケか!?と思いましたがよくよく見るとトンビマイタケのようです。画像は2株分で一株50cm近くあります。これ以外にも3株くらいありました。
マイタケほど珍重されてはいませんがレアなコケなので来年は9月始め頃に来てゲットしようと思います。
このポイントでは材はほとんど見つかりませんでしたがコケは普段あまり採れないものも見つけることが出来て上々でした。
店の営業があるため午前中で切り上げたのですが、利賀にどうしても気になるポイントがあったので帰途に寄りました。
そこは毎年春の山菜を採るポイントでブナ材も採ったことのある場所で近年カシナガによるミズナラの立ち枯れが目立つ雑木林です。
今までナメコを見つけたことはありませんが昨年はその近くの斜面で見つけているだけにいずれここも発生するだろうと期待しているポイントです。
まあ、本場である標高の高い有峰でさえほとんど発生していないので当然ここでも時期尚早だと思いましたが予兆だけでも発見できればと思い寄りました。

現場に着いて早速日当たりの良い場所で立ち枯れを見て回るも何にも見つかりません。
ブナハリタケはおろかツキヨタケも出ていません。
これはダメだとあきらめて以前から目を付けていた近くのブナ材を採取しに変更。
が、この材も見当外れで期待していたほどの質ではなくあきらめました。
何も手にできないまま薄暗い北側斜面の林の中を歩いていると隣の斜面の立ち枯れに何か見えます。
コケが生えているように見えるので確認しに向かうと、



↑ えっ!?ナメコ?
間違いなくナメコです!それも幼菌ではなく生長した成菌もあります。ただ、昼間の暖かさと雨が少ないせいか生長途中で乾燥ナメコになっています。
しかし乾燥したせいで腐るのを逃れて鮮度は保っているので水戻しすれば十分食べられます。
まさか有峰ではなく、こんな里山に近いところで今季初のナメコを採取できるとは思いもしませんでした。



一部はみずみずしさを保っているものの幼菌も乾燥状態になっています。雨が降って生長を再開することを期待して残しておきます。
店に遅刻しながらも慌てて採ったにもかかわらず、店に着いてナメコを洗いながら水で戻すと収量としては3kgありました。最初の収穫としては豊作を期待させるのに十分です。
だけど、気温の低い有峰では全く発生していないのになぜ利賀では発生していたのでしょうか?
毎年、利賀では11月の初旬に最初のナメコを採るのですがその時にすでに老菌になって腐っているナメコを必ず見つけます。
実はナメコは最低気温が5℃以下くらいになると発生し始めますが、それ以前に急に気温が下がったときにも早生の子実体を発生させます。標高の高いところでは気温が下がるのは珍しくないのでそれほど早生の一次発生は見られませんが、むしろ中山間地の方が冷え込みの温度ショックがあるのか早いときには9月でも発生することがあるようです。
例年、自身が訪れる時期が一次発生には遅いため見つけられなかっただけで今年は残暑の影響で一次発生が遅れた上に自身の訪問がいつもより早かったおかげでタイミングが合って見つけることが出来て新たなポイントを開拓できました。

4日後の19日は再び有峰へ。
この日も朝はガスがかかっていましたが昼には快晴の天気に。トップに紹介した見事な紅葉が拝めました。道々、車を止めて写真を撮りながらのコケ採りです。
まずは一通りいつものポイントを見て回ります。



↑ ガスがかかる森で上を見上げるとモミジが淡い色に見えました。



やはり最初に見つかったのはサワモダシ。もちろんお持ち帰り。
本命のナメコはどうかな?と1週間前には何もなかった倒木を見に行くと、



残念、出てはいますがまだ幼菌です。また1週間のおあずけです。
仕方なくヤブこぎをしながら斜面を探していると、



倒木に鮮やかなオレンジ色をしたマスタケの複数の株を発見。
マスタケは褐色腐朽菌であるため腐朽材をクワガタ飼育には利用できませんがコケ自体は若いうちは可食です。このコケは大型で劣化も早いため旬を逃すとすぐにボソボソになって腐ってしまいます。
画像はまさに採り頃の状態ですので自身も初チャレンジで食べて見ようと右画像の一株を持ち帰りました。一株で2kg以上あります。



↑ 自宅でスライスしたものを天ぷらにして塩で食べました。
味も食感も見た目もキノコだと言わなければまさに鶏肉です。珍味ですね。
話のネタにはもってこいですが淡白でクセもないため逆に多く食べると飽きます。一株の4分の1も食べたらイヤになりました。

マスタケの場所から少し移動して秘蔵のナメコポイントへ。
ここは道路のすぐ横ですがヤブで死角になっているため昨年は誰にも見つかっていません。期待して谷に下ります。



↑ 沢の流れに浸かった倒木には何も出ていませんでした…。
それならと、この倒木のやや上にある昨年、大群生を見つけた倒木を見ると、



採り頃のナメコじゃあ~りませんか!
ただ、この一株だけで昨年の大群生には到底及びません。
とりあえず採取して本命のポイントへ移動。
さっそく順番に倒木を見て回りますがやはりほとんど発生していません。



↑ ようやく見つけるもまだ幼菌なので採れません。
あきらめて新たなポイントの開拓のためにさらに斜面の下側もしくは上側の奥へと足を進めます。



先日、利賀でも見つけたトンビマイタケのなれの果て。



↑ ブナの倒木の側面に群生するタマウラベニタケ(可食)。塊状のものはナラタケ菌が寄生して変形した子実体。



↑ ススケヤマドリタケ(可食)。ヨーロッパでは好まれるらしいがイマイチ自信がないためスルー。



↑ 径10cmくらいあるキノコ。アブラシメジかと思ったのですが帰って改めて調べても同定できませんでした。



↑ 直径1m50cmくらいはあるブナの巨木。その迫力からコケが発生していることを期待したのですがツリガネタケとツキヨタケだけでした。



↑ 人が入った形跡のない原生林を奥へと進んでいきます。



↑ ナラタケだと思ったら柄にツバがないのでナラタケモドキ(可食)でしょう。通称サワモダシ(ナラタケ)とはこれら数種を総称して呼んでいるようです。



↑ ナラタケとナメコの幼菌。さすがに奥地は見つかっていないのかコケも採られた痕がありません。しかし期待していたナメコのパラダイスは見つからず…。

誰かに採られて見つからないわけではなく発生していないのだからどんだけ探しても大量に採れるはずありません。
また来週まで待つしかありません。というわけでこの日の収穫は500gほどで撤収。

有峰でフラストレーションが溜まったので22日は確実に採るために前回、早生のナメコにタイミングよく出会えた利賀へ。



まだ紅葉もピーク前でモミジも赤と緑のツートンです。
ポイント近くに行くと石川ナンバーの車が止まっています。直感でコケ採りだと分かりました。ここも目をつけられているようです。
遅れを取るわけにはいかないので早速、ブッシュを掻き分けて突入しました。



ナメコ以外のコケがないのでひと目でナメコだと分かります。





乾燥して表面のヌメリが無くなっていますが立派な成菌が見つかりました。



2次発生した幼菌もありますが、やはり乾燥で成長が鈍いようです。
この後、さらに冷え込んで雨が降ればいよいよ本格的に発生するでしょう。
この日も乾燥ナメコがほとんどでしたが店に戻って水戻しをした後の計量では3kgありました。この時期にしてはまずまずです。

そして定休日の26日には満を持して有峰へ。一部は10月末で閉鎖なので今回が今年最後となるでしょう。



この日は朝から良い天気で紅葉狩りや写真撮影の行楽客が多く人目が気になり車をポイントから離して止める等のシミュレーションで他の採集者にポイントをばれないように細心の注意を払ったにもかかわらず肝心のポイントに別の車が止まっていて先を越されてテンションが一気に下がります。
去年まで誰にも採られなかったポイントがことごとく荒らされています。それも採り頃の成菌だけでなくまだ早い幼菌まで根こそぎやられています。
他の採集者が全て泥棒に思えてきます(お互い様ですが…)。

幸いにも一番ばれそうで先週幼菌を取り置きしていたポイントで生長したナメコと会えました。↓





すぐ近くの先週確認しなかった倒木を見ると、


ラッキーにも群生を発見。



モミジとナメコのランデブー。
ホクホクしながら採っていたのですがこの倒木は沢を挟んで道路から丸見えで不覚にも数台の車に採取しているところを見られてしまいました。
来年は誰かに採られるでしょう…。
ここだけで2kgの収穫でした。

その後、有峰湖周辺で標高差200mくらいの沢登りをしてポイントを探すもナメコは全く見つからず。採れない所は全く採れません。
今期の有峰はナメコの発生が遅れて最後まで遅れを取り戻すことができずトータルの収量は昨年より少なかったものの感謝しつつ山を後にしました。来年はさらに競争が激化しそうなのでさらに奥地へ入らないと採れないでしょう。
コケを採られるのは仕方ありませんがゴミを捨てるのはやめてもらいたいものです。
山の恵みを頂いた上に汚して帰るとは言語道断です。泥棒にもとる行為でしょう。
人の痕跡の無い奥地でペットボトルや空き缶を見つけるとコケを先取りされている以上に気分が悪いです。

29日は新川地区で採り置きをしてあるアカメガシワのカワラ材を採取しに。
首尾よく一部を採取できたものの近くの切り株の根部にオオスズメバチの巣があって、時折パトロールの働きバチが警告するかのように迫ってきます。おそらくギリギリの距離だったのでしょう。どこぞの国のように当たり前のように領海侵犯するかのように彼らのテリトリーに踏み込む勇気は自身にはありません。
警告に素直に従って早々に撤収しました…。



↑ 採取したアカメガシワに発生していたヌメリスギタケモドキ。可食でちょうど一食分の株だったので採取して味噌汁に。ほぼナメコのような食感で美味です。
このキノコはよくヤナギに発生してわかりやすいので機会があれば探して見て下さい。

さて11月に入ると有峰だけでなく県内の山間の林道は閉鎖の時期を迎えます。
中旬には相次いで閉鎖になるので限りある時間で効率的にポイントを攻めなければなりません。
この時期にポイント選びを失敗するのは大きなロスになるのでついつい安全パイで過去に実績のあるところへ行きがちですが今期は発生が遅れているのでそれも当てになりません。
2日は前夜から荒天で山は雪の可能性もありましたが、あえて未開拓の岐阜県境のポイントを攻めることに。
一路、雨の中を車で走っている途中、八尾近辺の林道で横目で立ち枯れを見ているとコケらしきものが。すぐにバックして車を降りてアラレが降る中を確認に行きます。



案の定、ナメコです。
いわゆる早生のナメコですが予想外の場所で見つかるとはラッキーです。
早速採取してさらに周辺を探して見ます。



ナメコはその木だけでしたが隣接する木でサワモダシの群生を発見。
樹幹の上のほうは手が届きませんがそれでもコンビニ袋にギュウギュウに一杯3kgほど採れました。



↑ ナメコと見間違うほどツヤツヤで新鮮なナラタケの極上品。



↑ さらには今季初のムキタケも。



↑ 天然のアケビ。せっかくなのでその場で食しました。

行きがけの駄賃どころかほぼ一日分の収穫が思いがけず得ることができました。
この日は新たなポイント開拓が当たったようです。
気を良くしてさらに道路の反対側の斜面に登ってみると、



↑ コケはありませんでしたが極上のコナラ材を発見。
どうやら今日は山の神様が味方についているようです。

材も手に入ったし帰ってもよかったのですがせっかくツキがあるのにもったいないと思い、未踏のブナ林を目指して前進しました。
しかし、標高が上がるにつれて気温はどんどん下がっていき、900mくらいからは予想通り雪に変わってきました。
ここまで来て引き返すのも悔いが残るのでとりあえず行けるところまで行くつもりで進みます。なんとか標高1100m超の予定地に到着するも



↑ こんな感じです。路面も5~10cmの積雪で銀世界です。
さすがにこの雪の中、訪れている車はないので人目を気にせずコケ探しができます。
装備を整えいざ出陣。



↑ 視界も悪いくらいの雪中強行軍。
積雪で足は取られるし滑るしで思うように進めない上、肝心の倒木が埋まっていて一苦労です。
何本か倒木を見ましたが発見できないかあっても幼菌です。
大量の幼菌を見つけて喜びましたが横を見ると成菌を切り取った痕が…。
やはり他にも採集者が狙っているようです。



↑ 雪に覆われて危うく見逃しかけた倒木上部に発生したナメコの成菌。
通常ナメコは側面や裏側に先に発生するのですがこの木は上側だけでした。
どのくらい歩いたか雪の中なのでよく分かりませんが気がつくと疲れて足取りがかなり重くなってきたので終了。
結局、先に寄った八尾での収穫を併せてナメコは2kgの収量でした。まあ、こんなもんでしょう。

さらに2日後の11月4日はバイトを早上がりして早朝からブリーダーのB氏と五箇山方面に。B氏は材探しがメインですが自身はナメコ狙いが9割です。
勝手知ったるポイントなので順番に見て行きます。
この日は平野部はこの秋一番の冷え込みで凍結が怖かったのですが現場に着くとガスがかかっていて思ったほど気温は低くありません。



標高が上がるとガスが晴れて眼下には見事な雲海と紅く染まった山肌が。
しばし景色を楽しみつつポイントへ向かいました。

昨年も採取した場所を訪れると期待外れにもナメコの姿はほとんどありません。
幼菌は多少見られますが、誰かに取られた形跡もないのでここも時期的に早かったようです。



↑ 例年ならとっくに終わっているはずのツキヨタケがムキタケと一緒に生えています。
毎年ムキタケやヒラタケと間違えてツキヨタケを採取して中毒する人が少なからずいますがよく見れば違いが分かると思います。
ただ、群生の中に一株だけ混じっていたりするので慎重に確認は必要です。



↑ 道路のすぐ近くですが裏側なので誰も気づいていなさそうなナメコの幼菌の大群生。
1週間後が楽しみです。





↑ こちらも道路脇の切り株で他の採集者が取り残したクリタケの群生。
採取するには十分な量で何の料理にも合う美味なキノコです。猛毒のニガクリタケとの混同に要注意。

去年発生していた木を見て回るも目ぼしい発生はありません。
新たな場所を探すも山中でバッタリ他の採集者と鉢合わせになりすでに取り尽くされた後でした。
今日はダメかなとあきらめ気味でしたが少量ずつでも見つけては採り貯めていったら結構な収量になりました。



↑ この日一番の大群生。この木だけで3kg以上採れました。
何だかんだでこの日の収量は二人合わせてナメコだけで6kg超でした。



↑ 巨大なナメコ!それも開ききった老菌ではなく採り頃の成菌です。昨年もこの木で巨大ナメコが採れているのでこの木のナメコ菌は変種なんでしょうか?
どれくらい巨大か、


大きいもので径14cmほどありました。
自己最大記録です。
今回は素焼きにして塩で食しました。
スーパーのナメコでは絶対できない食べ方です。

さて、今回の更新もキノコづくしでしたがまだまだ採集します。
今期は11月4日現在でナメコの総収量は11.5kg、サワモダシ等の雑キノコで10kg強。
めざすは昨年越えです。
2012年10月16日




雨中でかすむ中でも紅葉が目立つようになってきました。
暗い影と紅葉のコントラストが上手く表現できました。(自画自賛失礼)
10月12日(金)有峰県立自然公園、天気 雨後晴れ、気温6℃



厳しかった残暑も収まりやっと季節も秋へと向かいちらほらと紅葉の便りも耳にするようになりました。当地の立山でも11日に平年よりだいぶ遅れて初雪を観測しました。
今年は秋の訪れが遅かったものの急に気温が下がったため山の紅葉は10年に一度の美しさだと言われています。本格的な紅葉が楽しみですね。

とは言うものの平地では秋らしさはまだまだで10月も半ばだというのに夏日を観測する暖かさです。
残暑が長引いたのでヒメオオも例年よりも遅くまで発生するだろうと思い10月始めまで観察を続けました。
ただ、もう採集はしませんのでどちらかというとブナカワラ材の採取のほうがメインになってきています。例年この時期に採取するブナカワラ材は優良な新材が多いので気合が入ります。
そんなわけで9月22日はブリーダーのB氏と共に岐阜の白山山系のブナ帯のポイントへと向かいました。ここへ来るのは2年ぶりで以前採取せずに取り置きしてきた材を持ち帰ることと新たな材を見つけるのが目的です。
このポイントは観光林道沿いにあるため人の出入りも多いので夜が明けるのと同時に入山を開始します。さすがに紅葉もまだしていないので観光客も少ないだろうと思っていたのですが予想外に我々のすぐ後に続々と県外の車がやってきます。キノコ採りでもなさそうだし何だろう?と思っていたら後に登山者やハイカーであることが分かりました。

さて2年前の記憶を頼りに当時の取り置きした材を探しますが道路横にあったはずの材がありません。ここだったはずだと思い車を降りて確認すると整地のために重機に踏み潰されて粉々になっていました…。
あきらめて別の取り置き材を探しに行くとまた見つかりません。道路から離れた水の流れていない巨石が転がる沢に倒れていたはずなんですが目当ての場所も見つかりません。車で何往復かしてここで間違いないだろうと思うのですが記憶と地形が合致しない上にあるべき倒木もありません。
おそらく地形が変わるくらいの大水のせいで流されたのだろうという結論であきらめました。
仕方なく新たな材を探しますがそんな簡単に良材は見つかりません。
幸い2年前に見つけた極上の材の折れた一部が斜面の下に落ちているのを見つけて運び上げることが出来ました。



↑ 左が見つけたザイモクタケの発生したブナ材、右は断面です。非常に綺麗な朽ち方でオオクワ系にはやや柔らかいですが、色虫の産卵難関種にはまさに最適な極上材です。
B氏はどちらかというとオオクワ系に使える材を求めていたようですが他で数本適当な材をゲットできたのでこの日は昼から店も営業なのでこれで撤収しました。



↑ 観光林道の終点近くにある沢。あきらかに水の色が不自然に青いのが分かるでしょう。この林道は何十回も訪れていますがこんな色だったという記憶がありません。
光のせいではないので温泉か噴気孔からの熱水成分の混入によるものでしょう。
余談ですがここの温泉の源泉は温度が98℃前後と高く自身もお気に入りの温泉です。

あと付近を散策していて分かったのですが道路脇のヤナギの近くが踏み荒らされていたのでおそらく複数のヒメオオの採集者が来ているものと思われますがここは幼虫は採れるので生息はしているものの林道周りでは成虫はなかなか採れません。採るなら徒歩でポイントを探した方がいいでしょう。
自身はここは材探しとコケ採りと写真撮影と温泉入浴という位置付けで、これからはコケ採りのシーズンですが如何せんかなり知られた地なので競争率はハンパなく高いです。そのため最近はコケ採りにはほとんど来ていないので今期もこの日が最後でしょう。
ただここの紅葉は見事なので写真を撮るだけでも来る価値はあります。紅葉時は観光客も一番多くなりますがキノコと違っていくら入山者が多くても景色は採っていかれることはないのでゆっくり楽しめるでしょう。

さて翌週27日は富山のヒメオオポイントへ今期最後のつもりで観察に行きました。
予想通りポイントではペアは少なくヤモメの♂個体が目立っていたので発生ももう終わりでしょう。
そうなると大型の♂もほとんど見つからないので採集はせずに写真だけ撮って終了としました。


↑ メスを探しているのかウロウロと歩き回るオス。

今シーズンは発生が遅れたのでもうしばらくは大丈夫かと思いましたが例年通り10月初頭には見られなくなりそうです。
今期も楽しませてもらいました。来年もよろしくお願いします。
帰りはいつもと違いかなり遠回りをして別の林道を通って帰りました。
その途中で1ペアのヒメオオを確認できたので生息数はあまり期待できそうにありませんが来期からの予備のポイントを見つけることが出来てラッキーでした。

続いて翌日28日は定休日なので一日かけて立山の有峰県立自然公園に行ってきました。
目的はヒメオオ幼虫の材割り採集、新たなヒメオオのポイント開拓、ブナカワラ材の採取、コケの様子見と、盛りだくさんですが全て行うのは無理でしょうね…。
昨シーズン以来久しぶりの訪問となりましたが当日は朝から快晴でまさに山日和です!
とりあえず毎年紅葉の写真を撮るポイントを訪れました。


↑ ご覧の通りわずかにヤマウルシが赤くなっている程度でほとんどが緑のままです。



入山して見ると頭上の木々もまだまだ夏の装いです。

そういえば道中標高800m付近でミンミンゼミの鳴き声を聞きました。
意識して確認したことはありませんがこの時期にその辺りでミンミンゼミの鳴き声を聞いたことはなかったと思います。
今年は夏の到来が遅かったわけではないのにセミの発生が遅かった分、後にブレているのがあきらかに感じられます。残暑が長引くのを分かっていたのですかね?

下草や低木が夏の勢いのまま繁茂していて陽が遮られ薄暗い林床を歩いて目的地に着くと、


残暑が厳しい中でもブナハリタケだけはまだ少ないですがいつも通り出始めていました。
必要量だけ採取して次はすぐ近くの朽ちた株でヒメオオの幼虫採集です。

昨年も材割りしているせいか手オノが入りやすい部位はほとんどなく露出している食痕も全て過去の残骸で割っても食痕は消えてほとんど生に近い堅さです。
樹皮が付いている部分は逆に柔らかすぎて食痕すらありません。
この株で材割りはもう無理かな、と思いながら半ばヤケクソ気味に堅い部分を割っていくと表面から10cmくらいはあろうかという内部に食痕が現れました。


食痕の色や様子からアカアシかヒメオオのものであることは分かりますが材の堅さや昨年の実績から考えるとヒメオオであると推測されます。
ただ過去の食痕か今年のものかは分からないので慎重に割り進めていくと、


一斉に幼虫が現れてきました。↑画像の中だけで4頭写っています。
昨年の採集でヒメオオの♀親は材に穿孔せずに乾燥気味の表面の狭い範囲に固め産みすることが確認できましたが、孵化した幼虫は極寒の冬とキツツキの捕食から逃れるように堅い内部へと穿孔していくのでしょう。



食痕の一部を割り進めていくと羽化して間もないオスの新成虫が出てきました。
やはりこれらの個体群はヒメオオのようです。



朽ち木自体は表面からだんだんボロボロになって行きますがこれだけの太さの株ならまだ何年も発生木として役立つでしょう。
表面の穴はキツツキがあけたものだと思っていましたが、それだけではなくヒメオオの脱出痕も結構あるようです。

さて、ある程度の幼虫を採集したところで次は周辺のキノコの発生具合を見てみます。
状況から考えて期待はできませんが、予想通り全く出ていません。
昨年ナメコを採った材も何も生えていません。ナメコどころかこの時期全盛のはずのツキヨタケも少なく、サワモダシ(ナラタケ)も姿がありません。



↑ この時期ブナ林の林床でよく見かけるドクベニタケ。毒キノコです。

このポイントは切り上げて次のポイントへ向かいます。
次は材採取です。数年前に見つけて一部裁断して持ち帰った材ですが残りの部分の朽ち具合を確認しに行きます。



↑ この材はブナハリタケとツリガネタケ菌によって朽ちていますがツリガネタケ側はまだ若いので今回も状態良く腐朽している部分のみをカットすることにしました。
言葉で表すのは簡単ですが裁断するのはチェーンソーをもってしても一苦労です。
労力と時間の割りには使えるのは2~3カットのみです。

その後すぐ近くのナメコポイントへ移動して様子を確認するも主たるキノコは見当たらず。



↑ ヌメリツバタケモドキ。可食ですが量が少ないのであえて採取はせず。



↑ サンゴハリタケ(可食)。ブナハリタケは普通にありますが当種は珍しいので採取。帰宅後、味噌汁にして食すも苦味が出てはっきり言って美味しくありません。このキノコは汁物との相性は良くないようです。



↑ この時期全盛を誇るツキヨタケ。もちろん毒キノコですから手出し無用です。

雑キノコを観察しながら散策していると昨年倒れたばかりのブナの巨木と巻き添えを食って倒れた別の立ち枯れの枝部分にキツネカワラタケ、シハイタケ、クジラタケ、ブナハリタケが大量に付いています。
昨年は倒れたばかりでまだ若いと思い手を付けなかったのですが部分的には立ち枯れ時にだいぶ腐朽していたようです。
一部裁断してみると超優良材です。ただ運び上げるのが大変なのでこの日は1カットのみを裁断して持ち帰ることにし、残りは後日改めて調べることにしました。

この時点でだいぶ時間が経過しており新たなヒメオオポイントの候補地まで行けそうにありません。
今の時期は日も短くなりおまけに山岳地なので15時くらいには太陽は隠れてしまいます。焦りながらも何とか1ヶ所だけでも見ておきたくてそこから一番近い候補地だけを見ておくことに。



先日訪れたここより標高の低い利賀でもヒメオオは発生末期だったのでおそらく当地ではもう発生はほぼ終わっているでしょう。そんな中でも1頭だけ♂個体を確認することが出来ました。↑
これで一応新たなポイントを一つ発見することができたので来期の発生時期に改めて訪れて見ようと思います。
ただ、この辺りは生息に適している環境が広範囲に及ぶため他のポイントのように1ヶ所で多頭数を捕獲するのは難しそうです。



↑ 道中撮影した薬師岳と有峰ダム。立山の室堂付近は紅葉が見頃のようでしたが、この山は標高3000m近いのですが紅葉の気配はありません。
有峰湖周辺が紅葉すると雪を被った頂上付近からの見事な三段染めが見られることもあります。

さて月が明けて10月に入り最初の定休日である5日は前週有峰に行ってキノコがまだまだでしたので、この週は有峰は回避して岐阜のヒメオオポイントにお礼参りを兼ねて最後の観察に行きました。



↑ こちらもやっとヤマウルシが色付きました。

10月と言っても残暑の影響でこちらも紅葉には程遠く木々はまだ緑色です。
景観的には夏のそれとそんなに変わらないのですが、それでも何かが違います。
確かに秋の気配を感じるのです。
自分でも以前から不思議に思っていたのですが何でだと思います?
それは音がしないんです。
聞こえるのはたまに落ちる葉の音と沢の流れだけです。
エネルギッシュな夏独特のセミ、ハチ、アブ、さらには象徴的な秋の虫の鳴き声や飛ぶ音がありません。
写真だけでは分からない感覚的な秋が現地にはあります。

とりあえずヒメオオはどうなっているか一通りポイント見て回ります。
予想通り姿は全く見えません。
しかしたくさんのヤナギが生えている場所で1本の木にポツンとたたずんでいるオス個体を発見しました。メスを探しているような感じでもなく寂しげです。
手にとって「無事に越冬しろよ。」と声を掛けリリースしました。
やはりヒメオオは残暑が長引いてもこの時期には姿を消してしまいます。
逆に秋の訪れが早くこの時期に霜が降りるくらい冷え込んでも日が昇ると活動しています。体感的な季節感というよりもカレンダー通りに活動している観があります。

さて次はスイッチを切り替えてコケ探しです。
ただここのポイントは斜面が急で林道から下りるのはリスクが高いので本気で探すなら沢を登って行くしかありません。今回はまだ発生は期待薄ですのでそこまでするつもりもなく以前見つけた倒木を数ヶ所見て回るだけです。



↑ 前回来たとき幼菌だったブナハリタケが成菌になっていましたが今回はスルーしました。

やはりコケらしいコケは見つからないのでいい加減に切り上げました。
帰り際には忘れずに山の神様に手を合わせ今年の無事と収穫に感謝いたしました。
ここもまた来年お目にかかりましょう。
まだ時間があったので場所を移動してカワラ材のポイントへ行きます。
そこは数年前に優良なカエデのブナハリタケ材を採取したところで当時残しておいた材の様子を見ることに。



↑ タイミング的にブナハリタケの発生がピークの目当ての材。



↑ 期待通り極上材に仕上がっていたカエデの断面。柔らかくて色虫に最適です。

このポイントはブナ林も深く、緩斜面もあるのでコケ探しにはうってつけなので改めてじっくり攻めて見たいのですが北斜面なのがちょっと気になります。
そういえばコケ採りに来訪した人と会ったことがありません。大当たりは厳しいかもしれませんね…。
近くのミズナラの巨木をちらっと見ましたがやはりマイタケは見つかりませんでした。

翌週の10月12日には2週間ぶりに有峰です。
間隔を空けての来訪なので今回は収穫は出来なくてもコケの発生に期待です。



↑ 雨の中のいつものポイントです。急激に冷え込み紅葉は進みましたがまだまだ遅れています。



↑ ちなみに昨年10月11日の同ポイントの様子です。
1日違いですが今年の紅葉が遅れているのが一目瞭然です。

昨年の店長日記を見てみるとちょうどこの頃ナメコが出始めた頃なので紅葉が遅れている今年はまだ期待できないかもしれませんね…。
この日は平地では晴れていたものの林道の入り口では雨が降り出しポイント付近では本降りで時折ガスもかかるあいにくの天気でした。気温も5~6℃と結構冷え込んでいます。
冷え込みと雨はキノコの発生を促すので必要不可欠ですが入山するには歓迎できる状況ではありません。
天気図とレーダーから昼からは晴れるという自身の予報を信じて、こんな時のために先日新調したアウトドア用の合羽とスパイク付きの長靴を履いていざ入山です。



↑ まず目に入ったのが発生のピークを迎えているブナハリタケ。
旬のブナハリタケは初期のものに比べて肉厚でプリプリです。このキノコはあまり生長すると繊維質でパサパサの食感になってしまいますが今がちょうど良さげな状態なので友人のお土産にする分だけ持ち帰ります。





続いて周りの倒木を見てみるとあちらこちらにサワモダシ(ナラタケ、当地ではモタセと言うこともあります)が出ています。
このキノコはこの辺りでは9月が旬のはずです。2週間前には出ていなかったので最近出たのでしょう。
昨年も不作でほとんど見ませんでしたし今年も晩夏からの少雨の影響で発生は多くないでしょう。当たり年には軽トラ一杯分採っていく人もいるとのことです。
自身は今までほとんど手を出さなかったコケですが味には定評があるので今期は喜んで採取します。
クセがなく、とても良い出汁とシャキシャキした食感は美味で汁物や煮物はもちろん炒め物等、何にでも合う素材です。
当地ではあまり好んで食されることはなく雑キノコ扱いですが一度食べたら見方が変わるでしょう。自身も昨年まで食わず嫌いだったのを悔やみました。
ただこのコケは発生期間が短く採り頃はわずか数日と言われているので見つけたらすぐに採らないと次回は腐ってしまうでしょう。
とりあえず老菌以外をコンビニ袋で1杯分(2~3kg)採取できました。



↑ ブナハリタケとタヌキノチャブクロ(ホコリタケ)。



↑ ブナの倒木のキノコの競演。ツキヨタケ、ナラタケ、コフキサルノコシカケ、オツネンタケモドキ?、ムラサキゴムタケ。



↑ 折れた株の表面に生えていたのでナメコかと思ったのですが傘の廻りや裏をよく見ると地上生のチャナメツムタケ(可食)のようです。

一通り周辺を見て回りましたが昨年ナメコを採取した材にはまだ幼菌すら確認できませんでした。ということはこのポイントでナメコを採るにはまだ2週間近くかかるということです。ここは11月始めには通行止めになるので気持ちばかりが焦ります。

このポイントを切り上げて次は前回1カットだけ材を採取したポイントへ。


↑ 上記でも紹介した今年倒れた立ち枯れでシハイタケのビッシリ発生しているブナの倒木。



↑ 下側になっているのが昨年倒れたブナの巨木。自身が立っている所から根元まででも20m以上はある大木です。
上に重なっている今年倒れた倒木と違い樹幹にキノコが確認できないのでまだ腐朽が浅いと思っていましたが前回この木の枝部分で極上のクジラタケ材を採取しました。
今回もシハイタケ材を2カット持ち帰りました。車まで運び上げるのが大変なのでそれが限界です。
車に運んだ際、コケ採りに来ていた2人のオッチャンが車で通りかかり、その材を見て
「あんた、そのコケ食べるんけ!?さ、なんちゅうコケながけ?」(注、富山弁のまま表記します。)と聞いてくるので、
「なーんやちゃ、食べるがでなてクワガタ飼うがに使うがいちゃ。」
と答えると興味津々の様子で色々質問されしばし雑談を交わしました。
その人たちは久しぶりに有峰に来たとのことでコケ採りといってもカラマツモタセ、スギノキモタセ(スギヒラタケ)を採ってきたとのこと。
念のためにスギヒラタケは毒キノコに指定されていることを忠告したら若干驚いたもののあまり気にしていないようでした。
今でも全国的に結構食べられているようですが健康被害がないことを祈ります。

その後、近くで昨年ナメコの群生を見つけるも取り置きしていたら翌週わずかの差で横取りされて悔しい思いをしたナメコポイントの確認へ。
何本か見て回るもまだブナハリタケが全盛でやはり幼菌も見られません。
ここもダメか…とあきらめてたときに、やっと見つけました!



今期初物のナメコです!
ただ、まだわずかでそれも幼菌です。来週まで無事に取り置きできたとしてもせいぜい1食分程度でしょう。それでも次回に期待して今日のところはそのまま残しておきました。



↑ 同じ木で見つけたブナシメジの幼菌。ブナシメジはたくさん採れることは少なく味も上品なためブナ林のキノコの中でも一級品扱いです。
こちらも来週の楽しみにとっておきました。

ナメコの姿を見れただけで一気にモチベーションが上がってきました。
いよいよ本格的なコケ採りの開幕です。
今月、来月はアルバイトがあるので山に行くときは徹夜になるので体力的な不安はありますが無理をしない程度にがんばろうと思います。
これからしばらくはコケ採りの話がメインになり読者には退屈かもしれませんがご了承願います。
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