クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
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2014年8月
店長日記:1
2014年08月18日




↑ ‘14.8.15 有峰で遭遇したツキノワグマ。5~6mまで近づいて撮影。(詳細は文中にて)

 さて、本来ならお盆の頃なら暑さのピークを迎える頃ですが、エルニーニョが回避され猛暑予報に訂正されたと思ったら台風12号、11号と続けて襲来し大雨となりその後も秋雨前線が停滞して戻り梅雨のような不順な天気。
いつも書いていますが中~長期予報の間の悪さにはあきれるばかりです。
精度の悪さについては相手が自然ですのであえて批判は避けますがホントにあてになりませんね。
当地富山でも立秋までは夏らしかったのが一転して真夏の太陽はどこかに行ってしまいました。
この先、週間予報を見ても全国的に気温は平年より低めで降水量は多めの予報。
先月の予報では9月は残暑が厳しいとの予報でしたがどうなることやら…。
個人的にはこのまま夏が終息するのは残念至極です。
夏休みの宿題ではありませんが、まだまだやり残していることがあります。

それでは、今季の報告です。
前回日記を更新した翌日の7月11日は市内の某河川敷へ今季2度目のヒラタ採集へ。



一応ヒラタは採れるのですがまだ時期が早いのかピーク時ほどの発生は見られません。樹液はそれなりに出ているのですがその割りには個体数が少ないです。




↑ ヤナギの根元に潜んでいたノコギリクワガタ。
ノコギリが樹液で見られるようになるとヒラタも発生のピークを迎えます。




↑ 洞ではなく根元に隠れていたやや大型のヒラタ♂。
パッと見、65mmUPかと思いましたが計測すると62mmでした。
これがこの日の最大個体でしたが、大型の個体が洞に入っていないということはやはりまだ本格的に活動してないのかもしれません。
今季は数は必要ありませんが65mm超の大型個体を是非ゲットしたいです。

さて、翌週の7月18日は定休日を利用して前回の日記で予告した場所でのライトトラップをパートナーのS氏と共に行いました。
このポイントの下流では富山では最も多くのオオクワの採集記録がある水系だけに最近では採れなくて当たり前と言う流れの中でも期待がないといえばウソになります。
ただ、この日は夕方から富山市内は雷を伴った強雨に見舞われ次第にポイント付近でも雨脚が強まってきます。
しかし幸いなことに雷雲の中心は海の方に抜けていったために大雨になることは避けられました。
それでも小雨が降る中でのトラップですので半ばあきらめモードでの決行です。




雨は降っているものの気温はさほど低下していないので蛾やコガネムシ等の集まりは悪くありません。
しばらくしてわずかの間ですが雨が上がるとクワガタの姿も。



↑ ミヤマの♂、♀




↑ ノコギリの♂、♀

雨の止み間は30分ほどでしたがその後もクワガタの飛来はあり結果はミヤマの♀を中心に20頭弱の飛来が確認できました。
言うまでもなくオオクワの飛来はありませんでしたが悪条件の中でこれだけの飛来があればまだ次回へのモチベーションが維持できます。
その後、再び雨脚が強まってきたので11時頃には撤収となりました。
帰り際に下流側の樹液ポイントを見ていくつもりでしたが土砂降りとなってそれも中止にしました。
限られた採集日時で条件も整わなければいつになったらオオクワを見ることができるのでしょうか…。

さて、私事ですが今年は息子の保育所の役員を担当していることもあって毎週夏祭りの準備に勤しんでいたのですが、その夏祭りが7月25日行われました。
自身が虫屋ということで役員である今年限定でカブトムシの企画を提案して実行させていただきました。




↑ アウトドア用の簡易テントを防虫ネットで被い中に100頭余りのカブトムシを放し飼いにして自由に触れるようにしました。
男の子はもちろん、女の子も意外に多く楽しんでくれて幸いでした。
屋外で陽射しがある中での設置でしたので高温による生体へのリスクが少し不安でしたがカーテンで直射日光を遮ることで回避できました。
ただ虫よりも監視で中に常駐していた自身が熱中症になりそうでしたが…
はしゃぐ子供たちよりも2ヶ月かけて準備してきた役員の達成感のある表情の方が印象的です。
こうやって親としてのキャリアと思い出を作っていくのだと実感できました。

保育所の夏祭りが終わって1週間後の8月1日は毎年恒例の富山の花火大会です。



この日は丸一日子供の遊びに付き合い、その後自宅から歩いていける花火の打ち上げ場所に行って観覧しました。
やっと夏を満喫できる一日を過ごせた気がします。
ゆっくりできたのはいいのですが8月になったということは夏も正味、残り1ヶ月を切ったということです。
のんびりしているとやらなければいけないことが山積しています。

というわけで翌日の2日(土)は営業が終わった後でS氏と共に再び前回と同じポイントでライトトラップです。
条件的にはさほど悪くはなかったのですが結果は前回同様ミヤマを主に15頭前後の雑クワガタのみでした。
途中、期待しながら樹液ポイントを見に行きましたが、いたのはカブトのメスが1頭だけ…
この後は月齢や日程的な都合で月末までできそうにないのでやはり今季もオオクワの採集はかなり厳しそうですね。

当店はお盆も関係なく営業していましたが定休日の15日(金)はS氏と有峰にヒメオオクワガタがメインの目的で行ってきました。
毎年ヒメオオ採集は9月に入ってから本格化するのですが利賀方面では問題なく採れるのですが、ここ有峰では近年ほとんどと言っていいくらい姿を見なくなってしまいました。
原因として採集圧があることは否めませんが、それ以外にも発生時期が他のポイントより早いのではないかと想定して調査する予定でした。
ところが当日はバイト明けの早朝からレーダーを見ると相当な雨雲が近づきつつありました。
天気予報では昼過ぎから雨の予報。自身の予想では昼まで持ちそうにないという感じでした。
幸いにも目的地方面はまだ青空ものぞいているのでわずかな望みを持って向かいました。
近づくごとに青空はなくなり標高1,000mを超える辺りから雨が降り出し、ヒメオオのポイントに着いて車から降りた直後には土砂降りに…
完全にアウトです。
カッパを着て周辺を見たもののクワガタの姿は全く確認できず、強行軍でヤブの中に突進したところでまずヒメオオが見つかるとは思えません。
かと言ってここまで来て何も出来ずに帰るのももったいないので材探しにシフトします。
しかし、土砂降りの中チェーンソーを振り回すのも材を持ってぬかるんだ斜面を歩くのも危険なので小降りになるまでは車から見える範囲で材を探すことに。




↑ しばらく走っていくと今年倒れたばかりのブナ材が。
ハカワラタケがビッシリ着生しており見た目はイイ感じです。
小降りになったのを見計らって裁断してみるとやや堅い部位はあるもののオオクワ用としては適材です。
本来ならもう少し寝かした方がいいのですが倒れてしまった立ち枯れはそれまでのような有効な朽ち方をしないので現状で採取した方が得策です。
使える部位で3mほど採取できました。




↑ 同じ材の続きですがこちらはカイガラタケが全面に着生しています。
見た目は綺麗でイイ感じなのですがこのキノコ菌はあまり材内部まで浸潤しないので朽ちているのは表面付近にとどまることが多いです。
裁断すると案の定、中はまだ堅いのでそのまま取り置きにしてきました。

再び車で走っていくと今度は横のなだらかな斜面に巨大な倒木が。




「アッ、これは御神木だったミズナラ…!」
そう、この木は以前から自身が御神木として崇めていた根元に巨大なほこら状の洞を携えたミズナラの巨木です。
根元付近の径は2m以上、想定では樹齢はゆうに300年を超えていると思われます。




↑ 2006年10月に撮影した在りし日の御神木。(左は洞部分、右は全体画像)
当時、洞の中には訪問者が置いていったと思われるお賽銭もありました。
誰もが畏敬の念を抱く御神木だっただけに残念です。
輪廻転生、原生林の悠久の歴史を感じさせる風景ですね。

さて、雨も止む気配がなく道路周辺の沢も水かさが急激に増え濁流になってきています。
これではやはり森に入るのは危険なので来る道中で本道上に倒れて重機によって谷側に撤去されたと思われる倒木の残骸を拾うことに。
この倒木も昨年までいつか採取したいと思って目を付けていた大径の立ち枯れですが、手をつけられないために自然に倒れるのを待っていた木です。
希望通り倒れたのですが、10年以上をかけて程よく朽ちた本体は倒れた衝撃で木っ端微塵となりほとんどが道路を挟んだ谷側斜面を落ちて行ったようです。
仕方なく拾える範囲で使えそうな木片を集めて持ち帰りました。
拾う際、木片を見ていると多くのクワガタの食痕が確認できます。
里山の雑木林の朽ち木と比べても引けをとらないくらいの数です。
それだけ多くのクワガタが生息している証です。
多くはアカアシのそれですがあわよくばヒメオオの幼虫が見つからないかと材割りを試みましたが雨が酷く断念し次回に再度調べることにします。




↑ 付近の林床で見つけたキノコ。
記憶にないので初見のキノコですが傘を切ってみてすぐに何のキノコか分かりました。
切断面や傘の表面に染み出した乳白色の液体が確認できると思います。
その名もチチタケ。
この乳白色の液体が特徴です。これならすぐに覚えられるでしょう。
参考までに可食です(この日は採りませんでしたが)。

なんだかんだで時間も15時を回ったので撤収しようと車で引き返しているとヒメオオのポイント付近で
「クマ!!」
とS氏が叫んだので見ると道路横の斜面に2頭のツキノワグマが!




↑ 親子ではなく成獣のペアのようです。
オスと思われる個体はすぐに斜面に隠れてしまいましたが、もう一頭は道路脇をウロウロしています。
前脚のすぐ後ろに乳首が見えることからもメスの成獣であるのが分かります。
車内からでは上手く撮影できないので意を決して車を降りて接近します。
クマにはほぼ毎年遭遇していますが、これまで見た中でも最大クラスのメスで体長1mは超えています。
道路を挟んで5~6mくらいまで近づいて撮影したのが冒頭と上の画像です。
帰宅してから嫁に報告すると、
「そういう人間がクマに襲われるんだ。」と忠告されました。
お叱りはもっともなのですが、ここのクマは何回遭っても攻撃的な気を感じません。
もちろん刺激したら論外ですが、基本的に飢えて里に下りてくる危機感のあるクマと違って豊かな自然に囲まれているここの生息個体はある程度の距離を保っていればむやみに人間に敵意をあらわにしないように感じます。
この時もたまに視線をこちらに向けますが威嚇することもなくウロウロしています。
やがてオスの後を追うようにヤブの中へと入っていきました。
その後、会話をしているかのような声を発していました。

この日はあいにくの雨で思ったような収穫はありませんでしたが帰り際に貴重な体験と画像が手に入りました。
やはりブナの森は来るたびに何かを与えてくれます。
今日はこの辺で。
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