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2016年10月
店長日記:1
2016年10月27日




↑ ‘16.10.21.富山市有峰。
毎年恒例のポイントでの紅葉です。
今年は例年よりも冷え込みが少なく撮影も一週間遅らせたのですが、ブナの葉がだいぶ茶色くなってしまいタイミング的には数日遅かったようです。
ただ、ブナの色付きは時期だけでなく気温の要因もあるのでもしかしたら冷え込みが弱いせいかもしれません。




↑ 同上。雄山、立山カルデラ方面を望む。
今年はまだ初冠雪の便りが届いておらず残念ながら三段染めは拝めそうにありません。


さて、しばらく日記の更新をさぼっておりましたがやっと再開しました。
この場を借りて報告させていただきますが、実は身内が大病を患っているため見舞いと看病のために店をちょくちょく臨時休業させていただきます。
見舞いも店の営業も代役では務まらないため何卒ご理解をお願いいたします。

さて、この時期と言えば毎年一番話のネタが多いシーズンです。
ただ、やることが多すぎて欲張るとどれも中途半端になってしまうために優先順位を考えるのに一苦労です。
本来、紅葉の時期は写真撮影とキノコ狩りを兼ねて行うのですが、今年は有峰の回数を減らすためにこの日はヒメオオの材割り採集を行いました。








↑ 例年通り、昨年と同じ立ち枯れより複数の新成虫と幼虫を得ることができましたが、生息密度が低下していることが懸念されます。
発生木が古くなってきたこともありますが、同じ面積の範囲を削っても得られる個体数が減っています。
採集圧の影響が否めない状況です。

必要分だけ採集した後は、いつも通りキノコを物色して歩きます。
以前にも書いていますが、数年前にナメコの大発生があって以来、採集者がわんさか押し寄せて根こそぎ剥ぎ取られてしまったせいか昨年来、ほとんどナメコは見られなくなってしまいました。
そのせいか採集者もほとんど姿を見なくなったのでまた数年後に発生することを期待しています。








↑ ほとんどキノコが見つからない中で、ブナの倒木の幹の下側で隠れているヤマブシタケを偶然見つけました。
過去に3回ほど天然のものを見たことがありますがこれだけ立派に群生しているのは初めてです。
状態的にも採り頃の成菌でしたのでもちろん持ち帰ります。
見た感じよりも結構ずっしりとしており、炒め物と鍋や味噌汁で食しましたがわずかな香りと独特の食感が美味でした。




↑ その後場所を変えてここ2年ほどチェックしていなかったカンバの倒木を見てみるとわずかですがナメコが採れました。
やはり採集者がいないと少しは発生しているようです。

時間がなくなってきた中で取り置きしてあるブナの倒木の状態を確認しようと向かっている最中に、ふと数年前に見つけた立ち枯れに目をやると、




↑ 見事にコフキサルノコシカケが繋がって生えています。
6個くらいの個体が合体して長径で1mを超える大きさに生長しています。
これらのサルノコシカケ科のキノコは昔から漢方で重宝されるだけでなく最新の医学でも抗癌作用や免疫増強効果が認められており(このコフキサルノコシカケはAランク)補完医療としても注目されています。

山に入っていると度々偶然とは思えないような発見や体験をします。
山の神様は、私欲に走らず真摯に努めていればそのときに必要な恩恵を授けてくれるものです。
実母が癌に侵されている自身にとってはまさに自然からのプレゼントです。
しかしながら、あまりにも量が多くこれだけしっかり着生していると自身が座っても落ちないくらいですので剥がすのに大変な苦労をします。
現状まだ店に以前から保管しているサルノコシカケが残っているので無理に採らずに、この下に単独で生えていたものを二つだけいただいていくことにしました。




と言っても一個で40~50cmほどもある大物です。
これを細かく砕いた後に粉砕して煎じて、煮汁をさらに煮詰めたものをお茶や飲み物で割って服用します。
生えていたブナの大木に効果があることを願って手を合わせずにはいられません。


さて、日は変わって10月23日ですが、この日は仕事のパートナーのS氏に付き合ってもらい利賀に取り置きのミズナラを見に行きました。
発見したときは立ち枯れでしたが昨年根際から折れて倒れ掛かっています。
以前にも日記で紹介したことがありますが幹に20個以上のコフキサルノコシカケが着生している立ち枯れでしたのでかなり柔らかく腐朽していると推測しています。
先日、有峰でサルノコシカケは入手しているので今回は材に期待します。

このミズナラは自身のナメコのポイントでもあるのでナメコ狩りも兼ねています。
ところが、ポイントに着いてみるとどの木を見てもナメコは見当たりません。
タイミングが悪かったのかとも思いましたが、幼菌や老菌でさえも全く生えていません。
2年前までは一本で10kg近く発生していた御神木でさえ見る影もありません。
昨年くらいから出が悪くなっていたので発生木の劣化が進んできているのはわかっていましたが、こんなに急激に出なくなるとは想定外でした。
数年来、大量のナメコ狩りを楽しませてもらいましたが、これからは以前のように天然ナメコは貴重なキノコに戻ったようです。




↑ ナメコは出てませんでしたが、ブナの倒木にヒラタケの群生を見つけました。
まだ冷え込みが弱いので、それほど肉厚ではありませんが全部で4kgくらいにはなりそうです。




↑ ミズナラの根際に生えるモタセ(ナラタケ)。
このコケが出てるということはまだナメコには早いのかもしれません。
これが黒い老菌になって果てると入れ替わりでナメコが出てきます。
ただ早生のナメコはナラタケに先んじて発生するのでそれが見当たらないと言うことはやはりこの後も期待薄でしょうね。




↑ ナラタケの横に落ちていたミヤマクワガタのメスの遺骸。
他にもオスを含めて複数の遺骸があったのでこの立ち枯れの根にはミヤマの幼虫が入っているのでしょう。

さて、目当てのミズナラですが部分的にはいい状態で裁断できたのですが、本体の一番良い部位はチェーンソーが必要なのと現状では危険が伴うので結局来年まで寝かすことにしました。
雨も降ってきたので山を降り、別のポイントで赤枯れ材を採取して帰途に着きました。




↑ 赤枯れ材に発生した新鮮なマスタケの成菌。
褐色腐朽菌のマスタケが生えているのだから赤枯れなのは当然ですが、マスタケは劣化しやすいのでなかなかいい状態ではお目にかかれません。
この状態なら可食で、鶏肉のような食感を味わえます。


日付の順番が前後して上記の前になる10月18日ですが、近郊の呉羽山系に行ってきました。
地元の人なら分かると思いますが、ここは富山市街地に隣接している標高100~200mほどの山地の末端で城跡や公園や遊歩道もある身近な山です。
もともと豊かな雑木林でしたが、近年は放置され竹が繁茂して環境問題にもなっています。
逆に強引な開発もされずに残っているので春のタケノコ狩りや秋の自然薯掘り、夏はカブトムシ採集に多くの人が訪れます。

自身もちょくちょく行っては山中を歩きつつ息子と一緒に材探しをしたりもするのですが、先日偶然かなり良好なエノキの立ち枯れを発見したので早速採取するために訪れました。
発見時に手ノコで一部裁断したのですが、均一に朽ちていて柔らかいのですが長径で50cmほどあるのでこの日はチェーンソーで一気に片付けました。
一本の立ち枯れといっても使える部分は4ホールくらいです。




↑ 断面を見れば綺麗に朽ちているのが分かると思います。
この材はもちろんHPの販売用のエノキ材の在庫となります。

エノキの採取の作業が終わった後で、さらに他の材を探して歩いていると、道から外れた藪の中の地面にひとかたまりのキノコを見つけました。
当初は倒木に密生したシハイタケかと思ったのですが、近づいてみるとどうも違うようです。




↑ これです。木ではなく地上に生えています。
近づいてみると、




「ん?、・・・・・。」
「マ、マイタケっ!!!!!」
「いやいや、そんなはずない!落ち着け、落ち着け!」
と自分をなだめながらじっくり考えてみます。
まず、こんな場所でマイタケが見つかるはずもないし見つけたという話も聞いたことがありません。
標高も低いし、ましてや生えている木はミズナラでもブナでもなく似ても似つかぬウワミズザクラです。
きっと勘違いで実は違うキノコだと思い、まずトンビマイタケを疑います。
しかしキズを付けると裏が黒変するという特性が見られません。
次にカラスタケを考えますがやはり色や香りが一致しません。
とりあえず採取して持ち帰り、店に行ってから色んな資料で調べました。
チョレイマイタケが近いようにも思いましたが、ネットで画像を調べるとやはり微妙に違います。
結局、間違えるキノコが存在しないという結論に至りながらも半信半疑で自宅に持っていって嫁に見せると、やはり
「マイタケじゃない?」
と言います。

こうなったら間違う毒キノコがないので食べてみるしかないと、調理してもらいました。




↑ とりあえず少量を炒めて食してみます。
「うん・・・マイタケ!」
やっとマイタケであることを確信しました。
いままでブナやミズナラの森で散々探して発見できなかったマイタケがこんな形で見つかったのでいまいち感動がありませんでしたが、これも山の神様が作った一期一会なのかもしれませんね。
翌日は残りを天ぷらにして堪能させていただきました。




初マイタケ、ごちそうさまでした。
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