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ホーム店長日記2010年10月
2010年10月
店長日記:4
2010年10月28日


今週は急に寒くなりましたね。紅葉の話題の前に雪の話題になっていました。だけど、この後は再び気温が上がり秋らしい過ごしやすい日が戻ってきそうです。自身は気温の変動のせいで風邪をひいてしまいひどくはないもののなかなか治りません。
ただ寒くなるのは悪いことばかりでなく自身にとっては材探しや材割りのしやすいシーズンの到来です(雪が降るまでの期間だけですが…)。
この一週間は休みの日も丸一日自由に使える日がなかったので午前中だけですが材割りに行ってきました。もちろん今季のオオクワポイントです。先週は割る材すら見つけることができなかったので今回からは枝分かれしている細かい林道も調べていくつもりです。
早速探し始めるもまだ下草が多く林床が見えないため見つかるのは木端やカチカチの堅い材ばかり…。



藪の中からやっと見つけた伐採して放置してあった材(↑画像)も状態は良くなくコクワとスジクワの幼虫が数頭採れただけでした。午前中だけだと一つの材を割っているとあっという間に時間が来てしまいます。あきらめムードで周りを見て歩くとクワガタは入っていないもののやたらと朽ち木に生えたキノコがあります。


↑のキノコですが最近やたらと見かけます。ナラタケ?じゃないかとは思うのですが、可食ですが自身は未食で似たようなかなりヤバイ毒キノコもあるので手を出せません。皆さんもキノコは必ず経験者に同定してもらってください。もちろん食べる食べないは自己責任です。
同じキノコばっかりですがふと目に入ったのは…ヒラタケじゃないですか!


まだシーズン始めなので小ぶりですが今季の初物です。ヒラタケは家族も喜んでたべるので晩ご飯のおかずにありがたく頂きました。材は幼虫が入っていそうに無かったのでまたヒラタケを採るためにも温存してきました。この日はヒラタケの収穫で終了。

2日後、この日も午前中だけですが同じ水系ですが地形図で目をつけていた別の林道沿いを調べに行きました。



早速出迎えてくれたのはサルの軍団です。総勢20頭以上はいます。最近ニュースではクマの出没ばかり取り上げられますが、サルの方が賢い分タチが悪く自身も過去に襲われかかった経験があるためにあまり近づきたくありません。なるべく距離を置こうと車を進めるとほどなくチェーンが張ってあり進入禁止に…。仕方なくそこからは徒歩で進みますが林道上にはあちこちにサルの糞が散らばっています。ここもサルのテリトリーのようです。サルの気配に注意を払いながら進むと横の斜面に良さげな倒木発見!


近づいて確認すると樹種はどうやらトチのようです。状態もかなり良いようですがかなり大きいのでこれを材割りしていると間違いなく時間がなくなるのでこれは次回以降の取り置きにして再び付近の散策です。
林道から横の斜面を登ってしばらく進むと遠目ではわかりませんでしたがかなり良い環境の雑木林が広がっていました(↓画像)。


トチが多いようですがケヤキやサワグルミやナラもあります。おまけに倒木や立ち枯れも多くあり材採りもできそうです。間違いなくここにはオオクワが生息しているという勘を持ちながらも時間がないためにこの日は少し手を付けただけで終了することに。

良い場所を見つけたと揚々と引き上げていくと道の上にサルの糞とは異なるさっきまで無かったはずの物体が…。


明らかにクマの糞です。それもつい今しがたしたばかりです。まるでここは俺の場所だと主張しているかのように道のど真ん中にしてあります。たぶん私が侵入したのを察知したのでしょうね。襲うつもりならその時点で襲うでしょうから警告なのでしょう。
ここはクマがいて当たり前の場所です。そこでクマが出たと騒いでもどうにもなりません。慢心したり極端に無礼なことをしたりしなければお互いに傷つくことはないと自身は信じています。
ただ、以前自身が見つけたオオクワのポイントでも地元の人がクマに襲われていたのでやはり用心は必要です。
2010年10月20日


今週は定休日ではなく日曜日の午前中に懇意にしているブリーダーのB氏と共に先週も行った岐阜県のポイントに行きました。目的は材採りです。
行楽日和の日曜日ということで入山者が多いことを予想して富山をまだ暗い朝5時に出発して現地に6時過ぎに到着しました。さあ、一番乗りだ!と思いきやすでに3組の入山者が来ていました…。一体何時に来ているのだろう?
この日の富山は最高気温が24℃とほぼ夏日の予想でしたがさすがに現地は1,000mを超える高地なので着いた時は2~3℃と寒いくらいでした。他の入山者が増えてくると材を採っていると好奇の目で見られるため早速材探しです。
先週採った残りと去年見つけて放置してあった材を集めてほどなくトランクが一杯になったのですがイマイチ満足できる質ではなかったのでさらに藪の中へと足を延ばしてみると…、ありました!極上のブナの倒木が!
持てる大きさにカットして運んだのですが、藪のせいで方向が分からなくなったりして体力的にかなりしんどかったです。はっきり言って一人だったら途中であきらめたかもしれません。先に積んでいた材を全部下ろして新たに採った材を積み直して予定終了です。

天気もよく若干時間が余ったので付近を散策することにしました。



キノコ採りの入山者が多くいましたが藪の中で今週も旬のブナハリタケを見つけることができました。画像のブナハリタケはお土産に採取させていただきました。



↑ブナの倒木の傍で見つけたホコリタケ。図鑑では可食とありますが触ると頭の穴から煙のように胞子が飛び出し食べる気になれないのでそのままスルー。幼菌のときが食べ頃なのかもしれません。



去年来た時に見つけた大径のブナの立ち枯れが見当たらないので記憶違いかと思って藪の中に進入すると倒木になっていました。画像の右下に見えるワイヤーで幹を固定してあったのですが全く役に立たなかったようです。太さ1mくらいあるのでこんなワイヤーで固定できると思う方が安易だと思うのですが…。



上の画像の根っこを材割りしてみました。立地と環境からヒメオオの幼虫が入っていると思われたのですがやはりブナの根は堅くてスジクワの幼虫を1頭割り出しただけでやめました。オオクワ狙いじゃないとモチベーションが上がりません…。



再び散策していると幹全体にびっしりキノコの生えたブナの立ち枯れが!キノコ自体はツキヨタケなので非食ですがツリガネタケとツキヨタケできれいに朽ちた材は産卵材としては涎ものなのですが如何せん手の付けようがないので眺めるだけです。



別のブナの倒木に生えていたキノコ。先週見た時は生えていなかったのですが5日間で生長したようです。ブナはたくさん見てきていますが何のキノコか同定できません…。ツガサルノコシカケかツリガネタケ(大型タイプ)の幼菌にも見えますが数が多くキノコも柔らかく帰って図鑑を見ても分かりませんでした。今度行ったらまた確認してみます。

その日は満足できるだけの材が採れたので翌日の定休日は材採りではなく夏以来となるオオクワの採集ポイントへ材割りの下見に出掛けました。一通り見たつもりですがやはり割るような目ぼしい材は見つからずに終了。
フラストレーションが溜まったので付近の杉林で見つけたキノコを採集。↓


知っている方も多いと思いますがスギヒラタケです。今まで自身で採集したものを食べたことはなかったのですが図鑑では可食だったので採ってきました。キノコ鍋にしようと自宅に持って帰ると嫁がネットで調べて毒キノコだと注意されました。
図鑑では確かに可食なのですが‘04年以降複数の死者が出ています。どうやら場所や個体によって毒があるようで食べている人は今でも当たり前に食べているみたいです。しかし、当たると急性脳症で死亡する例が多いので家族がある身としてはいくら自分だけが食べるにしても万一の事態は避けたいのでやむなく控えることにしました。
食べるのは自己責任ですがみなさんも注意してください。

今週も店長日記というよりほとんどキノコ日記になってしまいました…。
2010年10月13日


さて、ヒメオオ採集は前回で今季最後の予定だったのですが予想外にほぼ完売してしまったので急きょ再度採集に行きました。
さすがにもういないかと思っていたのですがここのところ気温が平年より高く平地で25℃前後の日が続いていたせいかまだいました。



しかし完全にシーズン終盤で見事に♂ばかりです。♂は8頭確認できましたが♀はわずかに1頭小さい個体が見つかっただけでした。♂2頭と♀を採集して今度こそ終了です。来年もたくさん発生しますように…。
と、その時誰もいないはずの林道で不気味な音が近づいてきました。車に乗って様子を見ていると目の前に現れたのはショベルカー!



なんでこんなとこを自走してるのか?
もちろん積載車が入れないからだろうが、ここから林道のふもとまで自走していくのだろうか?結構時間がかかるだろうに…。
と思いながらショベルカーが来た方向に向かっていくと、「なんてこった…。」道幅の狭い部分ではヒメオオの生息木のヤナギが踏み倒されている…。まあヤナギは生長が早いから来年にはすぐ別の木が伸びるでしょう。

次は先週見つけた岐阜県のブナ材のポイントへ。早く着かないとまた先週のように作業時間が短くなると思いながらもついつい途中で余計な道に入っていってしまいます。得てしてそういうときに良いポイントが見つかったりするのですが、この日は見つからず。ただ景色は良かったのでとりあえず写真をパチリ。



目的地には先週より1時間早く到着。ただしここからは徒歩です。今回は目当ての材を切り出して最低2往復はするつもりでした。
早速向かおうと歩き出すと前から先客のおじさんが二人降りてきました。見ると手にキノコの入ったコンビニ袋を持っています。
「キノコけ?」と声をかけると「うん、なんてキノコかわからんけど…。」というので「さ、ブナハリタケやわ。」と教えるとこちらをマジマジと見て「あんちゃん、プロの人かい?」と言われました。たしかにプロだけどキノコのプロではないのでその旨説明して先へと進みます。
やっと材の場所へ到着して材を手ノコで切っていると何やら物音が…!ハッと見ると今度は籠を担いだおじさんが二人やってきました。平日なのにどうもこの日は入山者が多くて落ち着かない。変に怪しまれないようにこちらから「コケ採りけ?」と声をかけると、
おじさん「おう?そうだけど…。」
私「何探しとんがけ?」
おじさん「ナラタケとブナハリタケかな。」
私「そいがけ、先週はまだあんまり出てなかったなぁ。」
おじさん「あんちゃんもキノコかい?」
私「なんやちゃ、コケじゃなてコケが生えとる材を探しとるがいちゃ。」
おじさん「……あんちゃんどこの人?」
どうも普通に富山弁で話したので面食らったようでした。
しばらく話をして再び材の裁断へ。



画像ではよくわからないかもしれませんが、今季見つけたブナの中では最高の逸材です。これは何としても持ち帰らねばと欲張って少し大きめにカットしました。大丈夫!なんとか持てるだろうと大きい袋に入れて担いで歩き出すと…腰が抜けそうです!おまけに小さくカットした材をリュックに詰めて背中ではなく腹側に背負っています。合計で50kgほどの材を担いで500mほどの道のりを30分近くかけて運びました。もう1回往復する気力は完全に無くなりました…。

続きはまた今度ということでせっかくだからキノコも採って行こうと再び山の中へ。
さすがに秋はキノコのシーズンなので多くのキノコが見つかります。ただ去年までと違って今年はブナハリタケの人気が高いようです。来る途中でも道端で車を止めて何袋もブナハリタケの入った袋を並べている採集者もいました。
林道や歩道沿いのブナハリタケは手の届く範囲は採りつくされていました。去年まではそんなに手を付けられていなかったのですが。
仕方なく道を外れケモノ道に進入すると何やら木の幹に機械のようなものが付いています。何だろうと思い近づくと「緑のなんとかプロジェクト」やら書いてあって突然フラッシュが光りました!どうも動物の自動感知カメラのようです。間抜けな顔を撮られてしまいました…。
それを避けるようにさらに藪へと入るとびっしりとキノコの生えた立ち枯れが!



残念なことに毒キノコのツキヨタケです。一見美味しそうですが…。参考までに見分け方を書いておきましょう。下の画像のようにキノコの基部の断面を調べて黒っぽいシミがあるのがツキヨタケです。これから季節が進むとヒラタケやムキタケに混じって生えることもあるので注意しましょう。






↑なんとか一袋分のブナハリタケを確保できました。今回のは先週のと違って傘も大きく新鮮でプリプリです。煮物やおでんにして食べたら最高です!
ちょうど日暮れになり本日は終了。
ちなみに↓はブナ林の林床に多く生えるベニテングタケで言うまでもなく毒キノコです。
手出し無用です。



追伸;
連日当地でもクマの出没がニュースになっています。
この日もブナハリタケを探す時は目視だけでなく独特の甘い匂いを頼りに嗅覚も使うのですが、明らかに2ヶ所で動物のマーキングもしくは体臭と思われる匂いを感知しました。これだけ強烈な臭いはカモシカかクマぐらいですが馴染みのあるカモシカのそれとは違いました。1ヶ所では近づいた時に藪の奥で動物が走り去って行きましたのでおそらくクマだったのでしょう。(当然自身は鈴をつけて声も出します。)
確かにクマは怖いですがニュースになるような危険を覚悟で人里に下りてくるクマと違い本来、山のクマは人を恐れるため好んで人を襲うことはありません。いくら空腹でも人を襲って食べることはないのです。もっとも食べ物を持っていればどうかわかりませんが…。
きちんとこちらの存在を認知させれば襲われることは少ないでしょう。ただしそれは昼間の話で夕方や夜間は逆にテリトリーに入ったのが分かると襲われることもありますので注意しましょう。
2010年10月07日


ついこの前まで夏だと思っていたらもう10月なんですね…。
よく考えたらブナ林へ入れるのもあと2ヶ月もなくなっていました。
クマじゃないですが冬になる前に材を取り貯めしておかないとなりません。今年は山の木の実が不作でクマが里に下りてきて例年になく目撃されているようですが、それと同様に今年の当店もブナの良材がなかなか見つからず他の樹種へ代替せざるを得ない状況です。
先週は幸い良いブナ材を見つけることができたので今週もそのポイントへ行きたかったのですが朝から雨模様であきらめました。
かと言って休みの日を無駄に過ごすわけにはいかないので近場のポイントへ行くことにしました。近くは近くでいつでも行けるという思いから逆になかなか行かないことが多いので良い機会です。
今回の目的はヤナギです。数年前に良さげな立ち枯れを数本見つけて取り置きしてあった材を回収しに行くつもりでした。よく行く河川敷なので何も考えずに行ったのですが着いてみると、あららら…道が雑草で埋まって無くなっています。強引に車で進入を試みたのですが10mくらいで断念しました。仕方なくカマを振り回して下草と格闘しながら歩いて進んでいくと、「あれ?木が無い…。」人の手が入った気配は無いのでどうやら川が増水した時に流されたようです。
もっと早く回収しておけば良かったと悔やんでも後の祭りです。ただこの辺りはヤナギは多く生えているので探せば新たな立ち枯れが見つかるだろうと少し離れた場所に移動したのですが…




ごらんのように繁茂した葛などの下草のせいで生木か朽ち木かの区別もできない有様です。もちろん雨も降っているので歩いて入るのは困難です。こんなところに夏の名残を感じました。やはり冬になって一回雪が積もって草が倒れてくれないと無理なようです。
とっととあきらめて次はかなり傾斜の急な斜面の林道を走っているとシハイタケがびっしりと生えたコナラの立ち枯れが!




おそらくカシナガの食害にあった立ち枯れでしょう。こんな感じの材は結構見つかるのですが見た目とは違って結構心材部がゴリゴリに残っていて使い物にならないことがほとんどです。確かめようにも斜面は崖に近く雨で足を滑らせたらそのまま崖下へさようならになりかねないのでこの日は見送りました。
結局何もないまま帰途へとつくと道の横には見慣れた「クマ出没!」の看板が…。普通にスルーしてふと右に目を向けると木の股の部分に「クマ!?」いや「ネコ?…」




野良猫が雨宿りをしていました。それにしてもクマよりも目つきの悪いネコでした。

話は変わって先週と今週に1回ずつ近くの小学校の授業の一環で2年生の生徒たちが店に見学に訪れました。仕事について色々質問されるのかなと思っていたら質問されたのは虫のことばかりでした。子供にしてみればビジネスのことなんかよりクワガタやカブトの方に興味があるのは当然ですね。とりあえず何らかの貢献ができたのであればそれでいいのですが…。



ちなみに当店は事情により小中学生は保護者同伴でないと入店禁止なので良い機会にはなったかもしれないですね。


追伸(10月10日)。後日見学に来た一の生徒から手書きのお礼の文集をいただきました。
同じ子供を持つ親として心が和む気遣いでした。ローカル店ならではの出来事ですね。



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