クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
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2021年11月16日














富山県産ヒメオオクワガタ♂55.1mmが8月20日に羽化しました。

昨年秋に富山県のヒメオオのポイントで産卵用に採取してきたブナの天然カワラ材を10月10日に裁断したところ偶然材の中から出てきた幼虫を当店のカワラ菌糸ボトルで飼育していました。

幼虫時より大きいとは思っていたので若干期待していた部分もありますがほぼ想定していたサイズの成虫が羽化してくれました。

実は昨年も実質これよりも大きい56mmクラスを羽化させていたのですが羽化不全で死亡したため未完の記録だったので完品個体を羽化させることができてホッとしました。

10月現在、クワガタ専門誌ビークワ誌上では飼育ギネスは54.7mmとなっていますのでサイズとしては数字上は上回っていることになります。
ただし、ビークワの規定では生体の場合は0.5mm以上更新しなければ認定されないとのことですので仮にこのサイズで申請しても認定されないので申請せずに販売することにいたしました(11月14日現在で販売済み)。

大型化した要因ですが、今までも材割り採集で得たWILD幼虫(F0)を毎年飼育していますが、少なからず53mmオーバーは作出しています。
ただ、同じ兄弟幼虫と思われる個体でも成長にはかなりバラつきがあって40mm程度で羽化する個体もある等、必ずしも遺伝的な要因とは言えない部分があります。

一つ、飼育場の条件で言えることは当種は自然下ではほとんどが堅くて老朽化していないブナの腐朽材に産卵していますが幼虫の飼育においてはブナが絶対条件ではないことが経験則から分かっています。

以前、培地がブナ100%のオオヒラタケ菌床と培地がクヌギベースのカワラタケ菌床で飼育実験を行ったところオオヒラタケ菌床では幼虫時に複数の個体が死亡し羽化率が非常に悪かったのですがカワラタケ菌床では菌床の劣化による死亡個体を除けば全ての幼虫が羽化していることから
ヒメオオの幼虫飼育はブナありきではなくカワラタケの腐朽ありき
ということが判明いたしました。
ただし、材飼育の場合はカワラタケ菌に限らず、いわゆる総称で言うところのブナのカワラ材が望ましいと言えます。
2021年06月13日



↑ ‘21.1/9 富山市内の自宅。



↑ ‘21.1/10 同じく自宅前の道路。


お久しぶりです。
つい、こないだ年が明けたと思っていたらすでに今年も半分が終わろうとしています。
この間に公私ともに色々な出来事がありましたがなかなかこの店長日記を更新する暇がなくてないがしろになっておりました。
SNSあるあるですが、最初は勢いよく頻繁に更新していくのですがだんだん面倒になって気が付けば前回更新してから2年が経過してアカウントは塩漬け状態‥
なんてことがみなさんもありませんか?
もちろん自身は趣味ではなくビジネスでこのサイトを運営しているので面倒とか言っていたらバチが当たりそうですが、HPの充実にかまけていると店での業務や作業に支障をきたすのでどうしても後回しになってしまうのが本音です。
よって全ての情報を発信していくのは不可能ですが店長日記の代替えとしてインスタグラムによる発信を行っております。
現在はプライベートアカウントで個人的な趣味(虫関連を含む)や日常をアップしているだけですが、今後店のアカウントを設置して店長日記を完全に移行することも考えていますので良かったら覗いてみてください。
トップページにインスタのロゴが貼ってあるのでクリックしていただければ自身のプロフィールページにリンクしてあります。

さて、上半期の大きな出来事と言えば当地では35年ぶりの豪雪が挙げられるでしょう。
というか、自身が富山に移住してから最大の豪雪でした。
自身が富山に来た直前の冬まで豪雪が続いていたのですがそれからはずっと暖冬が続いており豪雪地帯というのは今は昔、名ばかりの遺産となっていたところへの突然の大雪でした。
当然、市民も小雪に慣れ切っていたので行政を始め全ての生活がストップしました。
自治体には除雪の依頼や苦情が相次ぎ知事が謝罪する顛末。
富山市内では最大積雪128㎝を記録しました。

今まで何回か大雪はありましたが、それで店を休んだことはなかったのですが今回はさすがに店にたどり着くことができないことと除雪する術(道具)がないことで臨時休業もやむなしの状況でした。
2枚目の写真は自宅前の道路の様子で雪が降り始めてから3日目の状況です。
一応除雪車が一度入ってはいますが、オペレーターが不慣れなせいで全く路面の固まった根雪を削れておらずワダチがひどくて普通車は亀状態になって上り坂になっているこの道を進むことができず近隣の住民は3日間缶詰状態となりました。
自身の車はデリカなのでこの悪路でも走破可能でしたが幹線道路で多くの車がスタックして乗り捨ててある状況でしたので全く無意味でした。
これだけインフラが整備された市街地でも大雪には歯が立たないことが改めて分かった経験でした。
ただ、これだけの豪雪が降ってもこの冬は統計上は暖冬ということになりました。
このまま温暖化が進むと降水は雪ではなく雨になるので数十年後には当地では大雪という言葉は無縁になるかもしれませんね。
2020年09月28日



↑ ‘20.8/10 富山市内の常願寺川。



↑ ‘20.9/1 富山市内の神通川。


いや~夏でしたね!
久しぶりの夏らしい夏。
自身は夏オトコなんで猛暑なほどイケイケになります。
夏を楽しむのに忙しくて日記の更新もなおざりになってしまいました。
もちろん遊びだけでなく店の業務や採集作業も含めての話です。

とは言え梅雨明けが記録的に遅く8月に入ってからの夏の到来だったので実質ちょうど1ヶ月の盛夏ということになります。
おまけに今年は新型コロナウィルスの影響で子供たちの夏休みも大幅削減でした。
自身は息子の夏休みが少なくなったことに息子以上に落胆していました。
子供が親と遊んでくれる夏休みなんてそう何年もあるわけじゃないんです。
休みは少なかったものの夏らしい天気だったことがまだ救いでした。

9月に入ってからは当初残暑が厳しいとの予想でしたが実際は順調に秋が見えてきています。
個人的にはもう1ヶ月くらい夏があっても良かったのですが、そうなるとその分秋が短くなってしまうのでいたしかたありません。
惜しむらくは梅雨明けがもっと早ければ7月から夏を堪能できたのですが…。
写真を見ながら去りゆく夏を惜しむとしましょう。




↑ ‘20.8/12 常願寺川。
分かりますか?
童話にも描かれる虹の出発点を見つけました!
コロナを考慮してキャンプ場ではなく山の河川敷でキャンプをしていた時で、車の中から撮影したものですが橋の欄干のすぐ向こう側、距離にして20~30mのところから虹が出ています(背景の木の手前側に虹が確認できます)。
知っての通り虹の出発点を探そうと近づいて行っても近づいた分だけ虹は離れて行って結局近づくことはできません。
今までの人生の中で最も虹に近づいた瞬間でした。




↑ ‘20.8/14 称名滝。
こちらは富山県が誇る景勝地の日本一の高さの称名滝です。
例年、観光シーズンには多くの観光客で賑わう(多い時は駐車場で2時間待ちとかになります)のですが今年のお盆はコロナのせいで県外からの観光客は少なかったものの逆に県外に出れない富山県民が涼を求めて多く来ていました。

そうそう、虫の話もしておきましょう。
夏と言えば当地ではまず初夏にヒラタでスタートします。
以前も書いていますが、温暖化の影響のせいか年々発生が早まっています。
以前は6月末からの発生でしたがここ近年は6月中旬になり今年は6月初めに発生が始まりました。
7月に入ると発生のピークを迎えるはずでしたが、今年は梅雨入りしていきなりの大雨で当地でも河川の増水でピークを前にして河川敷のポイントが水没してしまいました。
数年前にもありますが生息木であるヤナギは生長が早いので数年で再生してきますが、一旦水に浸かるとクワガタには大打撃ですしましてや今年は水没するだけでなくヤナギを含む河川敷や中洲そのものが流失して地形が変わってしまったほどです。
流失前にある程度採集はしていたもののお客様から依頼されていた60mmオーバーの個体は結局捕ることができませんでした。

あと経験則からですがこの時期に極端な大雨が降るとカブトムシの発生が激減します。
河川敷で発生する個体はもちろんですが他の場所でも蛹化前後の状態で雨による浸水で死亡すると考えられます。
今年も予想通り自然下でのカブトムシの発生はかなり少ないものとなりました。

他のノコギリやミヤマは発生数自体はさほど影響は受けなかったようですが梅雨明けが8月にずれ込んだせいで採集数はかなり少なく推移しました。

さて、9月と言えば自分にとってはヒメオオが代名詞のようなものですが、今年もお客様からの複数の希望の声を頂きながら精力的に採集に勤しんでおります。
しかしながら、猛暑の影響か採集圧か分かりませんが全国的に発生数がかなり減っているようで当地でも捕獲数が伸び悩んでいる状況で特にメスの採集数が少なくペア組ができないのでまだ販売できない状態です。
猛暑の影響なら例年より遅くまで発生が見られると思うので10月上旬までは採集を頑張って続けます。
ただ、お客様からの購入希望のお問い合わせにお応えできる数が期待できないので近日中に2~3ペア程度ですがオークションに出品する予定ですのでそちらもチェックしてみてください。



↑ ‘20.9/11 今季、唯一ルッキングで見つけたヒメオオクワガタのメス個体。
ルッキングで一度に複数が捕れたのはもう今は昔のできごとです。





↑ ‘20.9/24 ブナの大木に着生したエゾハリタケ。大きさは30㎝を超えます。
まだまだ葉は緑色ですが山の秋は急に訪れます。
晩夏のマイタケやトンビマイタケからすでにキノコのシーズンが始まっています。
ヒメオオが終われば本格的にキノコ狩りにシフトします。
今年は猛暑だったことから大量発生を期待しています。
結果はまた次回で。
2020年04月26日


とりあえず報告だけいたします。

世間はコロナ禍で大変な状況となっておりますが、当地富山県もお多分に漏れず休業の要請が発表されております。
ペットショップも対象とのことで関係方面に問い合わせたところ床面積が100㎡以上の店舗が要請の対象、および休業補償の対象になっているとのことでした。

当店は床面積が80㎡強ですので要請の対象ではなく、感染しないように注意をすればよいとのことで自粛はせずに通常営業を行っております。

ただし、感染予防のため複数組のお客様が同時に入店することを制限させていただきますので、先のお客様が店内にいらっしゃる場合は来店時にお車でお待ちいただけますようにお声がけさせていただくことがありますことをご了承ください。

また、コロナとは別にゴールデンウィーク中は私用にて臨時休業することがありますのでご来店の際は必ず営業カレンダーをご確認ください。
2020年03月08日



↑ ‘20.2/2

↑ ‘18.2/14
店の近くの撮影ポイントからの立山。
一昨年は大雪ならではの雪景色が見れましたが今季は一度も見ることができませんでした。


雪が降りません。
昨年も記録的な暖冬少雪でしたが今年はそれ以上です。
富山に移住して34年が経ちますがこんなことは初めてです。
今シーズン市街地で積雪を記録したのは15㎝ほどが2回だけ‥。
例年には積雪が2メートルを超えることも珍しくない豪雪地帯の県内の利賀村や岐阜県の白川郷辺りで2月に積雪がない景色を見たのは初めてで異様な感じがしました。
平地で雪が少ないことは生活にとっては楽なのですが山間部でも少ないのは死活問題となる人たちもいます。
冬のレジャー産業や観光業に従事する人がそうです。

自身は従事しているわけではありませんが、息子がスノボーをやっているので近くのスキー場が営業不可だと県外のスキー場まで遠征しなくてはならずコストや時間が数倍になり経済的なダメージが大きいです。
昨年、今年と2年連続の少雪で県内のスキー場の営業日数は数えるほどで果たして来シーズン開業できるだけの体力が残っているのか不安になります。
中部以西のスキー場では廃業となったスキー場が複数あります。
来シーズン以降も標高の低いスキー場は条件が厳しくなるでしょうね。



↑ ‘20.2/2 立山駅周辺
この時期なら河川敷には1m以上の積雪があり川に下りることは不可ですがこの日は前日に積もった雪がわずかにあるだけで、この日の前後には積雪はゼロでした。
奥に見えているのは雪の大谷でお馴染みの3000m級の立山連峰ですよ。
県外の人にはピンと来ないかもしれませんが北アルプスの麓でこれだけ雪がないのは異常です。
この日に市街地から撮ったのが一番上のパノラマ写真です。
山でこれだけの積雪なら平地は積もるはずがありません。



↑ ‘20.2/9 富山市牛岳スキー場
市内で15㎝積もった時の牛岳スキー場頂上からの富山湾方向のパノラマ眺望。
自身がホームにしているスキー場で雪が多い年なら毎週滑りに行くのですが今季は営業日数自体が数えるほどで、行けたのはたったの一日この日だけでした。
雪が積もった翌日の眺望はどこのスキー場にも負けないんですけど今季は1回しか拝むことができずに残念でした。



↑ ‘20.2/10 岐阜県郡上市高鷲スキー場近く
先日の牛岳の翌日に訪れた郡上市の高鷲スキー場。
ここは標高が高いこともあり今季は天然雪こそ富山県同様かなり少ないですが人工降雪機のおかげでほぼ全面滑走可能となっており他のスキー場が営業不可の中、東海・関西地区からの来客で連日混み合っていました。
寒い時には-10℃以下まで冷え込むので近くの国道沿いの小さい滝も全面結氷までもう少しの状態でした。
やはり冬は冬らしいのが一番いいです。




さて、そんなわけで雪がなくておちおちスノボーにも行けないし、かと言って山は林道が閉鎖されているので行けないので平地周りで材の補充のために正月早々エノキ材を探しに行ってきました。
昨年採取した大径のエノキ材がおかげさまで好評で完売したために早急に用意する必要がありました。



↑ ‘20.1/3
エノキが多く植生する雑木林。
雪が積もらずに下草が倒れていないため季節外れのヤブ漕ぎが必要です。



↑ ‘20.1/3
数年前から見つけて寝かしておいた大径のエノキの立ち枯れですが、そろそろ採取の頃合いかと思い倒してみると想定以上に腐朽が進んでおり内部はボロボロでカブトムシの幼虫の巣窟と化していました‥。
息子は喜んで採っていましたが今まで寝かしていたのが台無しです。
この材もそうですが、外見で判断していざ切ってみたらまだ若かったという時にその材をその場所に置いておいてもその後、いい状態に朽ちることはほとんどありません。
キノコ菌はデリケートなので環境や状態を変えてしまうとその後同様に腐朽しなくなります。
だからこそ裁断するのはタイミングを間違うわけにいかないのです。
こればっかりは20年以上経験を積んでも未だに完璧には分かりません。
よって寝かしすぎるとこの材のように使い物にならなくなります。



↑ ‘20.1/3
こちらはベストの状態だったエノキ材。
これくらいの太さの材が一番使い易いのですが一番見つけにくい太さです。
この日はそれなりに収穫はあったのですが春からのブリードシーズンの供給量にはまだ十分ではないので新たなポイントをこれから開拓しなければいけません。




さて、話は変わりますが今最も世間で気になるのが新型コロナウィルスでしょう!
連日メディアでも取り上げられており何が正しい情報かすらわからない状況です。
その中で個人的に腹立たしいのが報道番組ではない情報番組で司会が主観で政府の批判やバッシングばかりをしていることです。
具体的には書きませんが昼にやっている某ワイドショー的な番組ではMCが政府が打ち出した対策に文句ばかりを言っています。
「学校を休校にすると言うだけなら小学生でも言える。」
と、その司会者は批判していましたが、文句ばかり言ってじゃあどうすればいいのか明確な対案も述べずにひたすらコメンテーターに自分の意見に同意ばかり求めているのを見て、それこそ
「文句言うだけなら小学生でも言える。」
と思ったのは自身だけではないでしょう。
見ていると腹が立つのでこのMCの番組は見ないようにしています。
皆さんもこの現状の中で各々思うところがあると思いますが、批判ありきではなくやれることはやっていきましょう。
誰かのせいにしても誰かが助けてくれるわけではありませんし自分自身で守るようにするべきでしょう。

と、こんなところで愚痴を言っても始まりませんがとりあえず薬やワクチンがない以上感染しないようにするか感染しても軽い症状で済むようにするしかありません。
幸い重症化する可能性はそんなに高くないようですので自己免疫力を高めて防御するようにしましょう。

自身は普段からキノコ(天然物を含めて)を多く摂取するようにしていますしサルノコシカケを煎じて飲んだりして免疫力を高めるようにしています。
過去の日記でも書きましたがサルノコシカケ科の多くのキノコには抗癌作用が認められており免疫力を高める効果が期待されております。
我田引水ではありませんが当方で販売している粉末のサルノコシカケの添加剤もクワガタ飼育用ではなく健康食品として煎じて飲むために自分用に購入される方が増えております。
デマに惑わされるのは避けたいですが、何が役に立つのか自分なりに取捨選択して見極める必要がありますね。

2019年11月23日



↑ ‘19.10/28 有峰林道にて撮影。

今年の紅葉の写真で一番のお気に入りです。
狙って撮ったものではありませんが結果的にとてもいいアングルになりました(自賛)。
PLフィルターのおかげでコンデジでもほぼ編集なしでここまでの写真が撮れます。
もちろんハイエンドの一眼レフに比べれば優劣は明らかですが、山で壊すリスクを考えると高価な機材は持っていけません‥。
最近は専らコンデジばかりですが自己満足の範囲であればこれくらいの写真が撮れれば十分でしょう。
ただ、一眼レフを持ち歩かなくなった分最近はアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)にハマっています。
高価なGoProは手が出ませんが中華製の安価版で楽しんでます。
パチモンと言っても馬鹿にはできなくそこそこのスペックを装備しており山の斜面でやぶ漕ぎをしながらキノコを探している様子が手振れ補正のおかげでそこそこ見れる映像になっています。
本来は冬場にスノボーで動画を撮るために購入したのですが山でもいい映像が撮れればいつかYouTubeにでもUPします。



↑ こちらも上の写真と同日に撮影した薬師岳の3段染めです。

今年は周知の通り暖かい秋が続き冷え込みが弱かったせいで標高の高いところでは紅葉が始まると同時に一気に進んであっと言う間に落葉した半面、中標高以下はほぼ同時進行的に紅葉が進んだため場所によっては山全体が一様に紅葉して近年では最もきれいな紅葉になったところもあるようです。
上の薬師岳も麓の色付きが遅かったせいか綺麗な3段に染まりました。
どれくらい今年の紅葉が遅かったか有峰のここ3年で比較をしてみました。



↑ ‘17.10/20

↑ ‘18.10/12

↑ ‘19.10/18
日付が同じではないので一概には言えませんが今年は完全に紅葉しておらず一部緑の葉も見受けられます。
昨年と一昨年はほぼ同じように見えますが撮影日に8日の違いがあるのでここ3年では昨年の紅葉が一番早かったことになります。
去年と比べると今年は2週間くらい遅いように見られます。
ちなみにもう少し標高を下げたポイントでも、


↑ ‘18.10/26

↑ ‘19.10/28
上は昨年の紅葉の写真で一番のお気に入りですが、今年もほぼ同時期に撮影しましたが、やはり去年ほどの色付きにはなっていませんでした。
このポイントは10月一杯で通行止めになってしまうため今年はベストのタイミングを撮ることはできませんでした。

おまけでもう一枚、

↑ ‘18.10/11
個人的に好きなアングルなので、ホントならきれいな青空の下で撮りたかったのですが、紅く色付いているのはブナの葉ではなくコフキサルノコシカケが着生して立ち枯れたブナに絡みついたツタが紅葉した風景です。




さて、残暑や暖秋の影響で遅れたのは紅葉だけではなく毎年恒例のヒメオオクワガタの発生にも影響しました。

↑ ‘19.10/11
発生のピークである9月に入っても上旬は発生が少なく中旬になってようやくそこそこ採れるようになったかと思ったら下旬にはメスはほとんど見かけなくなってしまいました。
ただ、その後もオスは活動をしていて写真のように10月11日にも数頭見ることができました。
これは当地の自己記録の10月4日を一週間も更新する遅さとなり秋が遅れていることを物語っています。

今年のヒメオオの発生状況ですが何とか例年並みの頭数を確保することができましたが(11月現在ほぼ完売です)、昨年まで採れていた鉄板のポイントが全く採れなかったり期待していなかったところで予想外に採れたり例年以上に変動が激しい状況でした。
ただ、期待していなかった場所で捕獲数が増加したということは採集圧が原因で減少の一途を辿っているわけではないということなので将来に少し明るさが見える材料となりました。





↑ ‘19.9/27 ブナ材を採取するため画像中の倒木を裁断したところ倒木の下から表れた産卵中のミヤマのメスと孵化したばかりの初齢幼虫。
写真でもわかるように自然下ではミヤマは倒木や腐朽木の根に直接生むのではなく、そこに接している土や腐葉土に産卵しています。
そして孵った幼虫は倒木の樹皮付近や根の表面近くを摂食し腐朽した辺材部に深く入り込むことはあまりありません。
いわゆる根食いと言われる所以ですね。

さて、10月中旬まで異例の成虫採集をしていたため程なくして幼虫の材割り採集に移行しました。
幼虫も成虫と同じように毎年のように採れるポイントが変動します。
まあ、成虫のポイントが変われば幼虫の分布も変わるのは当たり前と言えば当たり前なんですが‥。
以前から何度も書いていますがヒメオオの発生場所は材ありきなのでいくらヤナギが多く生えていていかにもいそうでも発生木がなければどんだけ探しても見つけるのは不可能です。
逆に言うと条件に合う発生木があればヤナギがなくとも幼虫を採ることができます。
いまだにそれらの幼虫が羽化してどこに行っているのかという謎が解明できません。
ヤナギで樹液採集できる成虫は近くに必ずブナの発生木があります。
つまり距離が離れたヤナギに行くということはかなり考え難いのです。
そのことから近くにヤナギがない場合はヤナギの代置種を利用していることになりますがそれが何かがわかりません。


↑ ‘18.10/18 ヒメオオのオス!と思いきやアカアシのオスでした‥。


↑ ‘18.10/18 こちらはヒメオオのメス。

今期、成虫が採れなかったポイントでは付近の発生木を割ってみても古い食痕は多く見つかりますが新しい食痕もしくは幼虫は見つかりません。
困惑しながら成虫のポイントとしては全く想定外の倒木や立ち枯れを割ってみたところ多くの幼虫、及び新成虫が見つかったという事例が2ヶ所でありました。
来年の夏にここで成虫を探しても近くにヤナギがないのでおそらく見つけることができないでしょう。
そういう意味では幼虫に特化したポイントとも言えますが発生木を必要以上に損なわないように節度を持って採集する意識が大事ですね。


↑ ‘19.10/28 
上述のように近くにヤナギがないので成虫を採ったことのないポイントで倒木を割って発見したヒメオオのメス。サイズは38mmと大型です。


↑ ‘18.10/28
上のメスと同じ材で見つけた幼虫。現地で見るとオオクワか?と思うくらいに大きく感じたオスの3齢幼虫です。

今年のヒメオオの材割り採集は予想外に発生木を見つけられたこともありブリード分の数を確保することができました。
また、当店のオリジナル商材である赤枯れマットの素材となるブナやミズナラの赤枯れ材も冬季閉鎖になる前に需要分を確保することができましたのでよほどご注文が集中しなければ春まで欠品することはないかと思われます。

ここまでは順調だったのですが、今秋は自身の楽しみであるコケ採り(キノコ狩り)が近年最低となる収量でした。
例年なら採れる採れないは別として晩夏のマイタケに始まりツキヨタケ(毒)、ブナハリタケ、モタセ(ナラタケ、ナラタケモドキ)、ナメコ、クリタケ、ムキタケ、ヒラタケと順に発生するのですが、今期はブナハリタケ以降が壊滅状態でした。
モタセに至っては豊作時には倒木だけでなく地面一杯にそこら中に発生するのですが今期は山中を歩き回っても持ち帰る分に満たない程度で結局口に入ることはありませんでした。



↑ ‘18.8/18
今年はマイタケを狙うべく例年よりかなり前倒ししてお盆過ぎに入山して見つけたトンビマイタケの成菌。
東北のある地域によっては珍重されている通称トビタケ、過去には老菌しか見つけたことがないので喜んで持ち帰って幾つかの調理法で食してみましたが段ボールをかじっているような食感と味に正直戸惑いました‥。



↑ ‘19.9/13
こちらも秋田県では通が好むといわれるエゾハリタケ、通称ヌケオチ。
腐って抜け落ちる頃に採ってきて腐った部分をそぎ落として塩漬けにして食べると珍味らしいのですが、持ち帰ると嫁に怒られそうなので写真で撮るだけにしておきます。



↑ ‘18.9/13 こちらは可食で美味なウスヒラタケ。季節を問わず時々発生しています。



↑ ‘19.10/11 見る分には色鮮やかなマスタケ。若いうちは可食でささ身のような食感ですので一度食べてみてください。



↑ ‘19.9/13 例年と同様に一斉に発生して倒木を埋め尽くすツキヨタケの群生。

また先述のように冷え込みが遅かったため全てにおいて発生が遅れて局所的にナメコが採れた以外は冬季閉鎖になる11月に入ってからムキタケやヒラタケの幼菌をわずかに見るくらいで採るには至りませんでした。



↑ ‘18.9/6

↑ ‘19.10/18

↑ ‘18.10/28
同じ倒木で3回にわたって発生したナメコ。しかしこの木以外ではほとんどナメコは採れませんでした。



↑ ‘19.10/28 今年に限らず美味だけど少量しか採れないブナシメジ。今年も一食分のみ。

また、他の採集者と話したところキノコだけでなく今期は全てのなり物が凶作だったようです。
確かにキノコ以外で山ブドウもほとんど見かけなかったしブナの実については統計上では凶作をさらに下回る「皆無」と発表されました。
おかげで当地富山では連日、集落や住宅地でのクマの目撃情報があり20人の人身被害(11月22日現在)が発生しています。
自身も今期は山で2度クマと遭遇していますが山のクマと里のクマでは気の荒さが違います。
山ではよほど刺激しないと向かっては来ませんが、里に下りてきているクマは危険を承知の上で下りてきてるので、ある意味「やられる前にやる」という覚悟を決めているので人間が複数いても全員に向かってきます。
気候の変動は台風のように直接的な災害だけでなく間接的にも人間の生活に影響してきます。



↑ ‘19.10/11 有峰林道で見かけたマムシ。
マムシ自体は夏に何回も見るので珍しくありませんが、標高1,400m付近でも普通に生息していることに驚きました。
この標高だとマムシはいないと思っていたのですが安心できませんね。
足でつつくと「シャーシャー」音を立てながら長靴に飛び掛かってきます。
知り合いが夏に捕まえようとして指を噛まれて救急搬送の後、入院になりましたので皆さんも気を付けてください(ヴァン君、キミのことだよ)。
山ではヘビは神様なのでイタズラしないようにしましょう。 



↑ ‘19.11/8 有峰にて。
この時期になると午後3時を回ると谷間は早くも暗闇が下りてきます。
山の斜面は日向と日陰のコントラストがきれいですが陰になっているところの暗さはこれから長い冬を迎える厳しさを物語っているようです。
この数日後にはここも閉鎖され次に訪れることができる来年の6月中旬まで眠りにつきます。
今期の恵みに感謝しながら今年最後の有峰を終えました。




↑ ‘19.11/15
おまけの写真ですがエノキ材を探しに行ったときに久しぶりに見つけた霊芝(マンネンタケ)

2019年06月13日



↑ ‘19.4/16 アルペンルート全線開通前の立山連峰。
例年、ゴールデンウィーク前後の時期が新緑と残雪のコントラストが一番きれいな時期なんですが、今年は雪が少ないせいですでにすそ野付近の残雪は無くなってきています。

雪が少ないといえば前回の日記でも書きましたが、2月でもスキー場の雪がなくなるくらいなので当然多雪地でも雪解けは早くなります。
雪解けとともに始まるのが、そう!山菜シーズンです。
この日記を読んでいただいている方には周知ですがまずは山葵(ワサビ)から。

ワサビは雪の下で葉っぱの状態で冬を過ごしているので当然雪が解ければ陽が当たり生長を始めるので雪が少なければ成長も早くなりそうなもんですが経験則から実は違います。
自身が採っているワサビは湧き水の沢の中で自生しているので仮に雪が解けても冷たい雪解け水の水温はほとんど変わらないのでそんなに急に生長しません。
一方、湧き水ではなく地面に自生している場所では雪が解けると急に地熱が高くなるので一気に成長が早まります。
同じポイントでも生えている場所によって2週間~1ヶ月くらい生長に差が生じます。

さて、毎年4月の第1週目には採れる採れないは別にして必ず訪れている利賀のポイント。
今年はスケジュールの都合で2週目にズレました。




↑ 上が今年の4月12日、下が一昨年の4月16日。
一昨年もさほど雪は多くありませんでしたが、それと比べても一段と今年は少ないのがわかります。
先述のように4月上旬では自身のポイントではワサビはまだ尚早で例年ゴールデンウィーク前くらいに改めて採りに来ることが常なので今年もとりあえず様子見という感じで向かいます。

いつものポイントはここ数年毎年続けて採っているし、近年他の採集者(地元の人?)も来ているようなので株も少なくなって肝心の根茎が小さいものばかりになっているので、あえてスルーして5年ぶりくらいに別のポイントへ移動します。



↑ 予想外に生長が進んでおり天然のワサビ田のようになっています。



↑ 一つ一つの株も大きくすでに花が咲き始めています。
写真でもわかるようにここは湧き水が広がって沢になっている環境なのですがこの時期にこれだけ生長しているということはかなり早い時期に残雪が解け切って気温も暖かい状態が続いていたと考えられます。
このまま温暖化が進むと植生や農業に影響が出るのは必至でしょうね。



↑ ここのポイントは5年間温存していただけのことはあって大型の根茎もそこそこ採れます。
センナ(葉ワサビ)だけでも上手に処理すれば辛みは出ますが、やはり大きな根をすり下して葉と一緒に醤油漬けにするのが最高です。
ワサビの根は抗菌作用があるのですり下して一緒に浸けると辛みは抜けていきますが1年間は持ちますよ。
以前は自分だけしか食べなかったので一回仕込めば1年楽しめたのですが、今年は兄弟家族にお裾分けしたので自家用は山菜ビン1本(2~3ヶ月分くらい)が自家用となります。

さて、その後はゴールデンウィークにかけて恒例のタケノコ、タラの芽、ワラビ、ウド、コシアブラと続きますが毎年書いていることなので割愛して、材採集の状況をお知らせします。

以前もこの店長日記で書いたことがありますが、富山県のオオクワガタの採集地でもある県東部のポイントにあるケヤキの様子を見に行きました。
7~8年前に二股の大木で片側が立ち枯れになっている状態で発見し、その後自重で倒れてから4年くらいが経過しています。
元々朽ちていた側は劣化して崩れてしまいほとんど残っていませんが、生木だった側がどの程度腐朽しているかを確認するのが目的です。
あわよくば状態が良い部位を採取できればいいのですが‥‥。






↑ チェーンソーの刃長が350mmですのでこのケヤキの胴径がどれくらいあるかおおよそ分るでしょう?
一部は腐って崩落しているので元々立っているときは胸高で径1m超はありました。
きれいに朽ちてくれればかなりの収穫を期待できるのですが。

この場所は日当たりがあまり良くなく近くに急な沢が流れ落ちているせいで一年を通して湿気が多く風通しも悪いので倒木になると水分を吸収する一方で乾燥しないため朽ちると言うより腐るといった方が近いかもしれません。
実際に裁断してみると全体に過水分気味で内部は生に近く堅いが辺材部は水分で腐っているような状態に近く使用に適しているのは部分的でそれも乾燥させてからじゃないと使えない状態です。

当店の一部のお客様はご存じですが、あまりこの業界でも知られていませんがケヤキはオオクワ系の産卵材としては他の樹種と比べて最も秀逸です。
理論的にはどんな広葉樹の樹種でも同じ状態で腐朽していれば同じ効能が期待できるはずですが、実際は樹種によって優劣があるのが現実です。
このことは改めて材のページで説明いたしますので省略しますが、それだけにこのケヤキに対する期待は大きなものです。

環境から推察するにこのまま放置していても全体が均一に適度に腐朽することはまず期待できないので使えそうな部分だけ試しに持ち帰ります。
乾燥して使えそうな部分は販売用に回したいと思います。



↑ 上記のケヤキの枝の一部ですがかなり偏った朽ち方をしていたため産卵用としては使えそうになかったのですが、食痕があったため材割りをしてみました。
もちろんこれだけの大木なのでそこかしこに食痕は入っていますが、ほぼコクワ。
まれにスジクワかアカアシが混じる程度なのですが、一応周辺ではオオクワの採集実績があるポイントなので全く無視するわけにもいきません。
過去にも数年にわたって何度となく材割り採集を行って結果が出ていないのですが、何となくこの幼虫は気になったので材ごと持ち帰ることにいたしました。

店に戻って菌糸カップに投入するため再び材を割って幼虫を取り出してよく見たところ、




「!!!」


な~ンと!


もしかしてオオクワ?じゃあ~りませんか



的な幼虫です。
2齢の割には大きく3齢のコクワにしては小さい頭部、顎の形状、頭楯の形状や色、今まで材割りで何千頭と幼虫を見てきた経験から第六感的に引っ掛かります。
これは数年ぶりの快挙か⁉と興奮したのも束の間、
割り出し時に幼虫の腹をドライバーで傷付けてしまいました。
翌日、そ~っと確認しましたが案の定、真っクロに変わり果てていました‥‥。
近年、オオクワらしき幼虫を発見しても立て続けに失敗しているためどうも運がないようですね。
まあ、まだケヤキは大半が残っているのでチャンスはまたあるでしょう。

さて、ゴールデンウィーク以降全国的に異常に暑い日が現れるようになりました。
そのせいで野外では下草が繁茂しだして材探しも難しくなってくる状況になってきました。
5月17日、今のうちに需要の高いレアなアカメガシワの腐朽材を探すため心当たりのある雑木林を訪れました。
ここは過去にも優れたエノキ材を複数見つけたポイントでアカメガシワの植生も確認しています。
ただ、アカメガシワ自体は珍しくもなく至る所で見ることはできるのですが、細い若木が多く径20㎝以上の成木は少なく、ましてやその径の立ち枯れとなると相当レアになります。
自身でさえこれだけ山に入っていても数年に一度くらいしか出会うことがありません。






↑ アカメガシワを探す道中で見つけたアズキナシのカワラ材。
黒カワラタケがびっしりと着生しており材も全体がきれいに朽ちており乾燥具合も適度な良さげな材です。
このアズキナシや近縁のウラジロノキは比較的状態の良いものが結構見つかります。
ただ、樹皮下の辺材部表面が硬化しているため樹皮と共に表面も少し削ってやると優れたオオクワ材に適用します。
この日は結局アカメガシワは採れなかったものの自身のオオクワのセット用にこのアズキナシをお持ち帰りしました。

さて、今年もおかげさまで4月より天然カワラ材のご注文が増えてまいりましたのでお客様のご要望に多くお応えできるように努めていきます。
材のことでご質問がある場合は在庫は常時変動していますのでお気軽にお電話でお問い合わせください。


2019年04月02日



↑ ‘19.4/2 「桜吹雪?」、いえ単なる雪景色です…。



↑ さくらのつぼみに積もった雪。

富山では先月28日に桜の開花の発表がありました。
4月の積雪は23年ぶりということで桜の花に積もった雪の画が撮れると思ったのですが、残念ながらこの樹はまだほとんどがつぼみでした。
東北以北では桜の開花後に雪が降るのはさほど珍しくはありませんが、当地では希少な事例です。



↑ 名残雪というわりにはしっかりと雪景色になってますね。
今年は当地は記録的な少雪だったので本当に名残惜しく感じます。



↑ ちなみにこちらは2月下旬の県内のスキー場の様子です。
2月下旬といえば本来なら山では一番積雪が多くなる時期ですが、このことからも今年の雪の少なさが分かると思います。

P.S.
冬の間、息子のスノボーの訓練に帯同して歳を考えずに跳んだり跳ねたりしていたらヘルニアを発症しました…。
ひどい時は起きた後、しばらく歩けず車の運転もできない時があるので図らずも開店が遅れることがあるかもしれません。
その時はゴメンなさい…。

2018年12月27日



↑ ‘18.10/26 有峰の黄金色に輝く錦秋。
普段使いのコンデジで撮影したものですがレンズにPL偏光フィルターを付けたところコントラストと彩度が明らかに明瞭になり画像処理なしでも綺麗な仕上がりになりました。
PLフィルターを今まで見くびっていたことを後悔しました。
たまたま撮った場所とタイミングも良かったのでしょうが、今まで撮った有峰の紅葉の中では一番の写真となりました。

同じ日に撮ったもう一枚。

↑ こちらも自画自賛ですが自分的にはお気に入りの一枚です。

さて、猛暑だった夏が過ぎて予想では厳しい残暑と言われていましたが、開けてみれば雨が多く一気にクールダウンした秋となりました。
例年のことですが秋といえば9月になればもちろんヒメオオの季節です。
ただ、台風の連続での襲来や天候不順でなかなかタイミングがあいません。
雨の合間をみてポイントを訪れますが天候のせいか採集圧のせいか、はたまた発生環境の変化のせいか年々採集数が減ってきています。


↑ 今年来襲した台風では当地富山でも平地で暴風が予想されるコースでしたが、いつも通り「立山さん」に守られてたいしたことなく過ぎましたが後日、山に行って驚きました。
上画像のような径1mに及ぶようなブナの大木がバタバタと倒れています。
市街地を守るために山の木々が犠牲になったようです。
樹齢で言えば300年超の大木が倒れたといういことは樹の健康状態にもよりますが、少なくとも数十年~数百年に一度というような暴風が吹いたと推察できます。
自然の摂理なので仕方のないことですが倒れた樹はヒメオオやナメコの新たな発生木となって再び恵みを与えてくれることでしょう。
画像の折り重なって倒れているブナは隣り合って立っていた大木で径から樹齢も同年代程度と思われますので勝手に夫婦ブナと名付けました。
状態から上部のブナが倒れて下のブナに寄りかかってその重みで共倒れになっていることから下の夫ブナが支えきれなかったのか、もしかしたら共に倒れることを望んだのかもしれません。
そう考えると自然の中にもドラマがありますよね。

先述しましたが今期のヒメオオ採集ですが昨年までのポイントは軒並み採集数が減少もしくはほぼ皆無という状況でしたが昨年までノーチェックだった場所で多少カバーすることができました。

↑ 今まで実績のない場所で見つけたヒメオオ成虫。
画像には写っていませんがこの枝の前後に4頭の個体がついていました。
10年以上前なら一本の樹に10頭近い個体がついていることもありましたが近年はそんな光景は全くお目にかかれません。
ただ今期は今までのポイントを見限って別の候補地を開拓することで新たなポイントを見つけることができたので来期からはそちらを中心に探そうと思います。

9月も末になるとヒメオオもめっきり姿が見えなくなり以前は行けば必ず姿を見ることができたポイントでも今期は最初の採集に見つけて以来見ることもなくなったので例年よりも早くヒメオオ採取は終了となりました。
例年だとヒメオオが終盤になるとキノコ狩りにシフトするのですが、今期は秋の雨が多かったことから豊作が期待された割りに思ったほど発生していません。
何も採らないのももったいないので他の訪問者が採っていたのを見て自分も山ブドウを採ってみることに。

↑ 今まではスルーしていましたがヒメオオのポイントでは探すと結構山ブドウの実がなっています。
山ブドウを採っている人に聞いたところその実を発酵させると自家製のワインができるし酒に漬けると山ブドウ酒ができるということです。
他の果実酒と同様に作れると考えて適量を採集して自宅で作り方をネットで検索するとブドウや山ブドウの類は酒税法の関係でアルコール発酵もしくはアルコールに漬けることも禁止されているそうです。
唯一、熱処理して発酵させずにブドウジュースにするのはOKのようです。
よって決して果実酒を作るなんてことを言うのはやめておきます。
自身もブドウジュースを作るべく自宅のキッチンに置いてあった透明な液体に中身を嫁に確認しないまま氷砂糖と共に漬け込みました。
1ヶ月ほどしてちょっと早いかなと思いつつ味見をしてみると、
「う…、美味い!」
思っていた味とは異なりとっても爽やかな味がします。
これは美味いと2~3杯飲んでいると気分が良くなってくる不思議なジュースです。
一回漬けるだけではもったいないので現在は2回目の漬け込みをしています。
来年のシーズンまで持ちそうにありません。
キノコ以外の楽しみをまた見つけてしまいました。

肝心なコケ採り(キノコ狩り)ですが、本来ならヒメオオが終わる頃にはモタセ(サワモダシ)、いわゆるナラタケが発生するはずなんですが世間の予想を裏切って豊作の兆候が見られません。
ナラタケは他のキノコの発生量とあまり相関がないのか他のキノコがダメでもナラタケだけは大発生したり、逆に全く出ないことがあったりします。


↑ これは可食ではありませんがザイモクタケが群生したブナ材。
まだ腐朽が若いですが来年もしくは再来年には最高の産卵材になりそうです。


↑ 10月始め、倒木にビッシリ着生したツキヨタケ(毒)とブナハリタケ(可食)。
これを見る限り予想より発生が遅れているようです。
周りを見てもそこら中ツキヨタケだらけで確かにツキヨタケだけ見れば大豊作ですが無意味です。
例年だと晩夏にツキヨタケが発生して次にブナハリタケ、そしてナラタケ、ナメコ、さらにクリタケになって最後にムキタケ、ヒラタケと移行していくのですが、今年はツキヨタケの発生が遅れていますので目的のキノコもこれからなのかもしれません。
今年は先んじて長野県辺りではキノコが豊作でキノコ狩り中の遭難死が相次いでいるようなので自分への戒めだと考えて気をつけないといけないですね。


↑ これも今年の台風で倒壊した立ち枯れ。
部分的にはザイモクタケ、ヤキフタケ、ブナハリタケによって良い状態に腐朽しており産卵材として最適で、また後日訪れた際にはナメコも発生しており恵みのブナ材となりました。


↑ 10月も中旬になると、このポイントも紅葉の最盛期となり冒頭の写真のように最も美しい季節となります。
今年はヒメオオの成虫採集は早々にあきらめているので山に行く目的は紅葉狩りもしくはコケ採り(キノコ狩り)とヒメオオの幼虫の材割り採集です。


↑ 一週間前までは時期尚早だったナラタケも予想ほどの大豊作ではないもののいい感じの群生が見つかりました。
ナラタケは採集時期が短く最適な期間が1週間もないのでこの日はまさにベストのタイミングでした。
画像のナラタケも一週遅れていたら老菌で食べるには不適だったでしょう。

↑ 同日に見つけたブナシメジ。
ブナシメジは群生しないためにあまり量が採れないキノコですが淡白で上品な味で高級キノコとして扱われます。
お吸い物にすると美味です。


↑ コケ採りの合間に目当ての倒木の株でヒメオオの幼虫の材割りをしていたら発見したオスの成虫。
毎年のように材割り時に新成虫を発見しますが材割りで見つける個体はあまり大きくない個体が多いですね。
ここのポイントでは夏には少なからず50mmUPが採れるのですが材割りで出てくるのは大半が40mm前半の小型オスです。
画像の個体は46.5mmで過去の材割り採集個体よりは多少ましなサイズでした。

さて、その後は再び台風や天候不順により改めて訪れたのは10月の下旬になってからです。
標高1,000m超では紅葉もほぼ終わって木々もほぼ葉っぱを落としています。
例年この時期に訪れるときは時雨模様が多く場合によっては雪が降ることが多いのですが、この日も朝まで冷たい雨で現地の気温は5℃まで下がっています。
ただ昼と共に晴れ間が出てきて気温も上がって山歩きにはちょうどいいくらいです。
山の冠雪も平年よりも遅れて暖かい秋でしたがここ近日の冷え込みでそろそろナメコも出てくるでしょう。

↑ ここ数年来、ほとんどこのポイントでは採れなくなったナメコですが採集者が来なくなった去年くらいから少しずつ復活の兆しが見えてきて今年も群生するナメコの幼菌を見つけました。
さすがに採るにはまだ若いですが、ここの林道も閉鎖間近で成菌になった頃には採りに来ることは不可でしょう。
あきらめて昨年ナメコが発生していた材を見に行きます。

↑ 期待通り出ていました。
やはり昨年よりやや遅れての発生です。
ただ、評判のような豊作には程遠い状況です。
当地では長野県のような豊作にはならないような感じですね。

それでも後日、さらに探すために前述した台風でバラバラに損壊した立ち枯れを見に行くと剥がれかけた樹皮裏に、まるで店頭に陳列しているかのように綺麗に揃って発生しているナメコを発見。

↑ この周辺からは多くはないものの非常に状態の良いナメコを採ることができました。
これだけのナメコを見つけられるのも以前のように採集圧で荒らされていない証拠でしょう。
下手に豊作になるとにわかキノコ採集者が多く来るのでこれくらいでちょうどいいのかもしれません。

月が進んで11月も中旬になると当地の主な林道の多くが冬期閉鎖となるため入山できるポイントも限られてきます。
近年では数年前までのナメコの大発生が完全に収束したため訪れる山も県南部のお馴染みの山を見る程度となりました。
ここも数年前には来たら必ずライバルの採集者と競合していましたが去年からはほとんど他の採集者の痕跡も見られなくなりました。
言い換えればそれだけキノコのポイントとしては魅力のない場所になってしまったのですが、キノコは採れなくても自然のブナ林を散策するだけでも癒されますし何も採るものがないということはまずありえません。
材の1本でも採れれば御の字でしょう。

一応、ナメコを目的に勝手知ったる山道を歩いていきます。

↑ 山道脇で見つけたクリタケ。
このキノコも旬が短くすぐに虫に喰われるので綺麗なベストの状態で採れるのは稀です。
また非常に脆く壊れやすいので丁寧に扱わないと持ち帰るまでにボロボロになってゴミと化してしまいますので袋にギュウギュウに詰め込まずに適量のみ採取しました。
そして先に進むと、

↑ 再びクリタケの群生です。
もし、ナメコが採れなければ帰りに採って行こうと、ひとまずスルーしてさらに前進。


↑ 三度クリタケです。
それもさっきから全てベストな状態のクリタケばかりです。
どうも今日はクリタケの日なのでしょう。
ならばあえて採らない手はないとガッツリ採って帰ることにします。
結局袋にすし詰め状態となり自宅で開けた時には無残な状態になっていたのですが…。

ちなみにクリタケはナメコの発生木としては適さなくなった老朽化した立ち枯れの根際に多く発生するのでこれだけクリタケが多いということはナメコの発生は今後期待できないことを物語っています。
まあ、クリタケが採れただけで良しとしてあきらめて帰路に着いたとき、

↑ ほんとに少数ですがナメコを見つけることができました。


↑ それも何年ぶりかに出会った手の平サイズの超大物です。
クリタケもうれしいですがやっぱり本命が採れたのは感無量です。

満足して、帰宅してから持ち帰ったキノコの処理ですがナメコはすぐに食べなくても最悪、冷凍すれば1年近くでも保存はできますが、問題はクリタケです。
さっきも書いたように非常に脆くそのままでは冷凍も適さないので一旦火を通してから茹で汁ごと小分けして冷凍するしかないのですが、そればっかりでは能がないので今年はオリーブオイルに漬けてみることにしました。

↑ こんな感じです。
後日、嫁にアヒージョにしてもらって食したのですが絶妙でした。
長期保存も可能なので来年からは躊躇せずにクリタケも採って来ようと思います。

さて、今日現在昨年の大雪と打って変わってスキー場すら雪もなく未だにスノボーにも行けない状況ですが平成最後の年末を無事に迎えられたことに感謝いたします。
新たな年も皆様のご多幸を祈って年越しの挨拶とさせていただきます。
本年もご愛顧いただきありがとうございました。

2018年09月13日



↑ ‘18.7/23 富山市内で撮影。
レコードジャケットになりそうな夏の青い空の風景です。

暑かったですね~、いや超暑かったですね!
40℃超を連発している関東、東海地方以外でも東北以南はどこも猛暑でしたね。
個人的には暑ければ暑いほどテンションが上がって小学生の息子以上にウキウキルンルンな気分で夏を遊びきれない日々を送っていました。
不謹慎かもしれませんが、もう少しの間夏を満喫させてもらえたらよかったのですが…。

ただ、7月上旬の西日本豪雨で被害に遭われた方にはお悔やみ又はお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧、復興を祈っております。
今年は豪雪に始まって豪雨、酷暑とどうも気候が極端になっている印象がありますね。
雨が降らなくても降っても災害になるし、暑くて夏らしくても熱中症が多発するしで自然は人間が希望するような気候にはなってくれないので、自分自身が災害が起きやすい国や地域に住んでいることを自覚して行政や自治体の責任ばかりを責め立てるのではなく、まずは自分で防げることを考えるべきでしょうね。
個人的なことですが、自身が家を購入する時に子供の学校のことや生活のしやすさだけでなく、以前は1級河川のすぐそばに住んでいたので浸水や津波等の水害に遭いにくい丘陵地を選択しました。
ただし直下型地震には対応できませんが…。
先日も北海道で大きな地震が起きたばかりですが自宅も断層のすぐ近くなのでいくら地震の少ない富山であっても楽観はできないです。
全てのリスクを回避するのは現実問題難しいですよね。

さて、記録的な猛暑の長い夏も終わり代わって台風ラッシュ、そして秋の長雨と猫の目のように天気の振れ幅が大きく変わります。
今年の天気は激しく変化するのが特徴ですね。

店長日記も長らく更新しない間に様々なことがありました。
いつも言い訳ばかりですが別にやる気がないわけではありません。
いい意味でやることが多く更新する時間がなかなか取れません。
さすがに夏季は店も繁忙期になるので営業や通販の注文の発送作業等でPCには触れるものの更新するほどの余裕はありませんでした。
それでも今年から息子が手伝ってくれるようになっただけだいぶ助かるようにはなったのですが、できれば子供にはこの仕事は継がせたくありません。
そんなわけで正直、店が忙しいというよりも野外作業やプライベートが忙しくてHPは放ったらかしの状態でしたが、ちゃんと営業も通販の受注も行っております。

話は変わってすでに過去形になりますが、今季の当地のヒラタクワガタは自身の経験から言えば昨年の過去最速の採集時期を上回りさらに早い6月上旬を記録しました。
以前も書きましたが自然界の生物の生態サイクルはその年だけのような短期的な変動ではさほど影響を受けないものですが、さすがに継続的な温暖化のせいか発生時期が前倒しになっている観が否めません。
単純にヒラタだけのことを考えれば温暖化はプラスのセンスに働く可能性があります。




↑ 3枚ともH30.7/2 撮影。
60mmUPを含む大型のオスが複数ゲットできる新たなポイントを開拓しました。
他の採集者の痕跡もないので更なる大型個体を期待して再び同じポイントを7月11日に訪れると、


↑ 「…。」
絶句です。
ポイントごと無くなっています。
例の西日本豪雨の影響で富山でも市内を流れる川の水位が2004年の台風襲来時以来の高さとなり河川敷まで洪水になったのは確認していましたが、まさか根こそぎやられるとは思いませんでした。
まあ、ヤナギは生長が早いので再生することを期待しましょう。

話は変わってこの夏は昨年末に欠品となったカワラマットの生産のため初夏から材集めのために入山していたのですが真夏の野外作業は体力的にキツイのと材採集や生産作業と繁忙期の店舗の営業を一人でこなすのは時間的に無理があるのでどうしても店の営業に影響が出るから避けたいところでしたが、主だったブナ林は林道が通行できるのが6月になってからですし、当てにしていたポイントは7月じゃないと開通しないため時間との戦いです。
場合によっては雨でも入山やむなしという姿勢ですがさすがに命にかかわるリスクを負うわけにはいかないので臨時休業等の措置を取らざるを得ないことをご理解ください。


↑ 6月22日林道開通後、満を持してポイントへ向かうも道路の崩落で今期通行不可で唖然…。
徒歩では通行できるものの材を抱えて運ぶには限界があります。
別のポイントに換えざるを得ません。


↑ このような大径の倒木を裁断して山から運び出して歩いて数百メートルも車まで持っていくのは体力的に不可能です。
また、この場所よりもさらに奥に赤枯れマットの素材となる赤枯れ材があるのですがそれも今期は採取困難となってしまったので注文の量によっては欠品となる恐れも出てきました。


↑ とりあえず持てる分だけでも運ぶつもりで裁断しているとヒメオオらしき幼虫を発見。
この辺りでは成虫は見たことがないのですがちゃんと生息しているようです。


↑ 新たな材を求めて周辺を探している時に見つけたブナに生えたウスヒラタケ。
同じヒラタケでもこちらは夏でも発生します。
もちろん持ち帰って味噌汁にしました。

7月に入ってヒラタやノコギリクワガタの本格的な発生時期になり採集に行きながらも時間を作って山に材採集に通います。
カワラマットを作るには自身の車に満タン(約300~400kg)に積載したブナを4~5杯分は最低集めなければ1ロットになりません。
1日に一回分しか運べないので来るたびに満タンに採取できたとしても4~5回は通わないといけないと言うことです。
結構労力と時間がかかるのをわかっていただけるでしょうか?


↑ 7月9日、有峰にて
天気が良くても山はリスクが避けられません。
毎年必ず遭遇するヤツ、そうクマです。
今回のはさほど大きな個体ではなく蹴とばせば勝てそうな相手でしたが、結構フレンドリーな感じで威嚇や嫌悪を表すこともなく撮影に応じてくれました。


↑ 悠久の原生林は疲れた身体と心に癒しを与えてくれます。
特に初夏のそこからはエネルギッシュな波動を感じることができます。
こういう景色を見ることができるので山に来るのはやめられません。

この後さらに通って何とか8月上旬に予定より1ヶ月ほど遅れてカワラマットが出来上がり再販にこぎつけることができました。
全国で唯一無二のオリジナルマットと自負している商品ですので皆様のご注文をお待ちしております。
2018年03月21日



↑ H30.2/14 大雪の翌日、青空に映える北アルプスの立山連峰。
大雪直後の晴天時限定で見ることができる見事な「立山さん」。
雪国ならではのこの景色を見ると除雪の疲れも一時忘れさせてくれます。



↑ 同日、フォトレター風に編集してみました。

雪国にお住まいの方には特別な景色ではありませんが、そうでない方のためにさらにもう少し雪景色をご覧ください。






↑ 2枚ともH30.1/14 撮影。

いや~、この冬は大雪でしたね。
当地富山では、最深積雪こそ85cmと6年前の95cmには届かなかったものの福井では145cmと昭和56年の56豪雪以来の大雪となりました。
もともと雪国ですからここ30年ほど豪雪というほどの大雪はありませんでしたが年に数回はまとまった雪が降ることは珍しくはないものの、今冬は6回ほどまとまった降雪期があり降雪量としては富山でも自身が移住してきた昭和61年以来ではないでしょうか?
特に1月中旬からは毎週のように大雪となりその度の除雪作業で疲労困憊でした。



↑ H30.2/13 富山で最深積雪85cmを記録したときの店の前の様子。
除雪した雪が高さ2メートル超の看板に届きそうになっています。
降雪が多いときは延べで4時間近くも除雪を行うときもありました。

週末に降雪があるとみんな自分の家の除雪作業に必死で趣味の虫どころではなくなるので結果、店は開店休業状態となります。
かと言って、もしかしたら大雪の中を来てくれるかもしれない奇特なお客様のために店を休むわけには行かないので誰も来ない店の駐車場の雪かきだけを空しく行う日々が続きました。
一応言っておきますが、HP上で臨時休業のお知らせをしてなければ基本的には営業はしております。(諸事情でたまに開店が遅延することがありますが…)

そんなオオクワの成虫と共に冬眠状態にあった当店もこよみの啓蟄の声と共に何とか目覚めの時を迎えようとしています。
大雪だった冬とは打って変わって雪解けは早く最近は初夏のような陽気に包まれる日も出てきました。
予想外にスキー場が早く閉鎖になり趣味のスノボーができなくなるのは残念ですがこれからは山菜や本業の材採集等のフィールド活動にシフトして行こうと思っています。

今冬は先述の通り、積雪のために全くフィールドに行くことができなかったために特にネタになるようなこともないのですが、唯一新年に実家の北関東に帰省したときに材採取をしたことを報告しておきます。
以前にも帰省時の材採取について筆記したことはありますが、北関東に位置する実家の周辺には未だに雑木林が多く点在しています。
自身の拠点である富山とは違う植生があるのは魅力の一つです。
また、降雪がないので冬でも、いや冬だからフィールドに行けるのは好都合です。



↑ 今回訪れた辺りの雑木林。
田畑の周りに雑木林が広がっています。
入りやすいように見えますが雪が降らないために下草(下草といっても背丈以上)が倒れずに繁茂しているので入っていけない上に田畑に無断で侵入することもはばかられますし場所によっては放置された荒地でさえ立ち入り禁止の看板があるために中々自由には行きません。



↑ 小高い丘陵状になっている雑木林の斜面の様子。
下草がなければ視界も開けていて探しやすい。
植生はクヌギ、コナラの落葉樹のほかシイやカシの常緑樹も同程度見られます。



↑ 富山と違って写真のようなクヌギの立ち枯れはさほど珍しくはありません。



↑ 色虫にも適用十分なきれいに朽ちたクヌギ材。
北陸とは異なり太平洋側ではネンドタケやラッコタケが着生したクヌギ材が多く見つかります。



↑ こちらはオオクワ系にはもってこいのサクラのカワラタケ材。
心が堅いサクラですが写真のような状態の材は希少で優良です。

この日はどちらかというと富山ではあまり多くないシイやカシの腐朽材が狙いです。
それもW・ウッディやH・ボーリン等の表面産みに適した柔らかめを探しています。
植生は多いものの思うような腐朽材となるとやはり簡単には見つかりません。



↑ 帰り際になってやっと思しきシラカシの立ち枯れを発見しました。
さすがに立ち枯れ1本は持ち帰れないので先端の折れて落ちている半分程度を裁断してみました。



↑ 倒木なので一部は崩れたり食痕で不適な部位もありましたが何とか画像の部分を持ち帰ることができました。
こちらの材は販売いたしますが柔らかく朽ちているということで若干の食痕の混入は致し方ありませんことをご了承ください。
参考までにシイやカシのウッディやボーリンの適性の実績は優秀です。
自己ブリード用としても使用しております。

これらの材の在庫はHPの商品欄にはUPしておりませんので詳細はお電話でお問い合わせください。

さて、話題は全く変わりますが今期は降雪が多かった割には里雪型で山は思ったほど積雪は多くなくてスノボーをしにスキー場に行った時も結構晴天に恵まれました。
スキー場で晴天のときに良く見られるのが下記の雲。



↑ 巻層雲や高層雲による彩雲や日傘、アークなどの大気光学現象です。
山にいるから目に付きやすいのか地理的に発生しやすいのか日常生活の時より明らかに高頻度で見ることができます。
きれいな雲を見るとなんか得した気分になりますね。
2017年11月20日



↑ ‘17.10月27日、有峰で見つけたナメコ。ここでは2kgの収量がありました。
3年前から有峰ではほぼほぼ獲れなくなっていたナメコですが採集者が少なくなってきたこともあり、一部では復活の兆しが見えてきました。
異常発生して大量に獲れたときまでとは行かなくても少なくともそれ以前の水準まで戻ってほしいですね。

さて秋も深まる中、毎年恒例のコケ採り(キノコ狩り)の時期が今年もやってきました。
と、言っても数年前までのナメコの大発生が終息した今では以前ほどの情熱や高い頻度での採集はしていませんので自身が食する程度に楽しんでおります。
専らコケ採りだけではなく、キノコと材や紅葉狩りを兼ねて山に行っています。



↑ 9月25日、この日はヒメオオ採集のために行った立山方面で見つけたモタセ(ナラタケ)。
このキノコはあまりメジャーな扱いはされていませんが素晴らしい出汁が取れます。
年によって大量に発生することがありますが、見たところ今年は当たり年ではなさそうです。
自身の中ではこのキノコかヌメリスギタケモドキが見つかると秋の始まりとなります。



↑ 9月29日、大沢野地区で取り置きしているエノキの立ち枯れです。
キノコを採るのが目的ではありません。もちろん材が目的です。
画像ではよく状況がわからないと思いますが、高さ15mほどの急斜面に斜めに生えていたエノキで腐朽のために根元付近で折れたのですがツタが絡み付いて別の生木に乗っかっているために下に落ちずに保っています。
下に落としてから回収してもいいのですが、落ちたときの衝撃で崩壊するのを避けたいのと、落とすとその後に速やかに回収しないと材の状態が悪くなるためできれば少しずつ持ち帰りたいのが本音です。
よって、この日は折れている寝際付近のみカットしてみることに。



↑ 径40~50cmの根上部付近。
チェーンソーでカットしてみると本体は残したままカットした部位のみ斜面下に転がっていきました。
急斜面なので持って上ることは不可能なので大回りして斜面下に行って見ると思っていた以上に良い状態です。
立ち枯れの場合、根部のほうが朽ちている場合と上部の方が朽ちている場合のふた通りありますが、この木は上部の方が朽ちているのが分かっています。
それでいて根部付近で堅さこそしっかりしているものの生部もなく均一に腐朽しているということは上部はさらに柔らかくなっていることが期待できます。
ウッディやボーリン等の色虫に適した材であることが予想できますので本体は来期まで温存する予定です。

続いては10月13日ですが、この日は市内に程近い呉羽丘陵のポイントへ向かいます。
何故、そんな近場へ行くかというと昨年の店長日記でも書きましたが人生初のマイタケを採った場所を見に行くためです。
ワクワクしながらポイントに着くと昨年とは異なりマイタケの影すら見当たりません。
まあ、マイタケは必ずしも毎年発生するわけではないのでまた来年に期待しましょう。
本気でマイタケを狙うなら晩夏から深山のブナ~ミズナラ帯を攻めるべきですが今年はそこまでの気力がないので今期のマイタケはあきらめます。
せっかく来たので材探しにシフトして温存している木の様子を見に行きます。



↑ 途中で見つけた地上に生えたキホコリタケ。
いわゆるキツネノチャブクロ(ホコリタケ)と似ていますがこちらは前種。
ホコリタケは幼菌なら可食ですが、こちらはほとんど食さないようです。



↑ そしてこちらは温存しているカシ(アラカシ)の立ち枯れ。
上部の折れた部分はウッディやボーリン(自己ブリード)にてかなりの反応が実証されました。
ただ写真の部位が使えるようになるのは早くても来年の夏以降と思われます。



↑ 上記アラカシの近くで見つけたアナタケ菌の類が着生したウラジロノキ。
アナタケの腐朽材はさほど多くはありませんがミズナラではかなり柔らかく朽ちた材が稀に見つかりレアな色虫の産卵材に適用することからこの材も将来的には期待できるかもしれません。
いずれにせよ現段階ではまだ腐朽が若いのでこのまま温存します。
結局、この日は新たな材は見つからないまま終了となりました。

翌週の10月20日は再び紅葉狩りとヒメオオの材割りを兼ねて立山方面へ。
毎年10月の第2週もしくは第3週はちょうど紅葉のピークとなるので撮影に訪れるのが恒例です。
紅葉の写真は改めて別の日記で紹介します。



↑ まず手始めに目当てのヒメオオの産卵用のブナ材をチェーンソーでカットして車に積み込んだ後で付近の斜面を下りて行くと、雨上がりでヌメリがあり一見ナメコと見間違えたクリタケを見つけました。
採取しようと思ったのですが傘の裏面にトビムシが大量に付着していたのでやめました。

この日のメインはヒメオオの材割りなのでコケ探しは後回しにして目的のブナ材を目指します。
予定通りに材に到着して昨夜砥石で研いだ手オノで割っていきます。
毎年必ず採れる木なのでそのつもりで割っていきますが、古い食痕は多くあるものの幼虫は見つかりません。



↑ あちこち割った末にやっと見つけたヒメオオの幼虫。



↑ さらに見つかった羽化したてのヒメオオのオス個体。
この時期に材割りすると必ず羽化したばかりの新成虫が見つかることからヒメオオは雪が降る直前の時期に羽化して越冬することがわかります。
ただ、この後ひたすら割っても全く幼虫が見つかりません。
ブナ材は皆さんが想像している以上に非常に堅いため手オノで割れる範囲などはたかが知れているため、さらに内部や地表下には当然生息しているのでしょうが手オノ1本では歯が立ちません。
この木から数メートル離れた所には以前毎年割っていた株があるのですがその材もある年から全く幼虫が採れなくなりました。
いつも言っていますが、自身は毎年材割りをしていますが採集圧を考慮して必要な数、もしくは決まった範囲に限って採集を行っています。
よってその年によって極端に採集圧が掛かったとは考えにくいのです。
どうもヒメオオは食痕が多くなりすぎた材や風雨にさらされて水分が多くなった材には産卵しなくなる傾向があるようです。
すなわち立ち枯れであれば比較的材の状態を維持できますが樹幹下部で折れたり根ごと倒れると水分が浸入して徐々に産卵に適さなくなると思われます。
となると、この材も自身が材割りをしようがしまいが来年以降ヒメオオが発生する数は激減するでしょうから新たな発生木を探す必要があります。

とりあえず思い当たる倒木や立ち枯れのポイントを片っ端から調べていくしかありません。
かと言って折りしも雨が降り出した中で合羽を着て材割りをするのもしんどいので躊躇しながら車を走らせていると、今まで下草や藪で見えなかった道路から少し下りた斜面に比較的新しい倒木があるのを見つけました。



↑ 左右それぞれ別の木で左の木は画像の根部を上にして倒れており長さは20m以上、最大径で1m近くに及ぶ大木です。
一昨年まで立ち枯れだった木が倒れたものと思われますが樹幹部は腐朽がまだ浅いものの根部はヒメオオの発生木として適していると思われます。
さっそく割ってみると、



↑ 予想通り、すでに野太い食痕が多く走っていますが状態的には若く非常に堅いため水分も多くなくいい感じです。



↑ まもなくヒメオオの2齢幼虫が見つかりました。
割っていくと2齢だけでなく初齢幼虫も出てきました。
若齢の幼虫が見つかるということは今期産卵された個体であるためこの材は発生木として適していることを表しています。



↑ さらに、初齢幼虫の近くからはなんと卵まで見つかりました。
ヒメオオは狭い部位に複数の卵を固め産みするのを以前発見していますから間違いなくヒメオオの卵でしょう。
卵の発見は自身も初のことです(この卵は持ち帰りましたが残念ながら孵化はしませんでした)。

数頭採集できたところで雨も強くなってきたのでひとまず材割りは終了しました。
ただ、上部画像の右に写っている倒木が気になります。
先述のように左の木とは別の木なのですがここに倒れている5mほどの樹幹以外の部位が周囲に見当たりません。
道路を挟んでかなり上部からこの部位だけが転がってきたとしか思えません。
そして表面のキノコや幹を叩いた感触から左の材よりもかなり腐朽は進んでいるようです。
気になるので折れ口の部分をチェーンソーでカットしてみることに。



↑ 最大径で70~80cmあり、右下の黒っぽく変色している部位は水分が多く腐り気味ですが、それ以外は均一に朽ちており水分も少なく予想以上に極上の材です。
一年ぶりに見つけたブナの良材でなおかつ大きさから十分来期以降までの量が取れることが期待できます。
この日は欲張らずに1ホールだけのカットにとどめて残りの予定の赤枯れ材の採取をこなしてから帰途に着きましたが、天気が悪い中で全ての予定をこなした上にヒメオオの新たな発生木と極上の腐朽木を見つけたのは大きな収穫でした。

そして一週間後の10月27日、この日も同じく立山方面へ。
ここ有峰林道も閉鎖が近いため可能な限り通います。
この日は朝から快晴でまさに山日和です。
平日にもかかわらず好天で紅葉狩りにきている観光客が多く入山しています。
この日は特に目的を決めてはいませんが、葉が落ちて見通しが利く林内で新たな材を探し、あわよくばナメコでも見つかればと思っていますが、ここ数年有峰ではナメコは壊滅状態でキノコの採集者自体も激減しました。
先週と異なり天気がいいため目に入る立ち枯れや倒木の場所まで昇り降りして状態を確認していきます。
前回素晴らしい材を見つけているだけにそれに勝る材は見つかりませんが材割りをするとかなりの材から多くはないもののヒメオオの幼虫を得ることができました。
ここは予想以上に広範囲に生息しているということが改めて分かりました。



↑ 倒木の根部で見つかったヒメオオの幼虫。
やはり非常に堅いので広範囲に割るのは不可能です。
材割りをしつつ先週カットしたブナの極上材に向かいます。
今回はその材がどこから転がってきたのか?他の部位はどこにあるのか?という疑問を解明しようと思っています。
改めてその材の周りを見て廻りましたがやはりそれ以外の部位はありません。
となると斜面の上部しか考えられないので斜面を登っていきます。
この周辺は下草や藪で立ち枯れや倒木が確認できなかったためノーチェックだった場所です。
すると林道からは想像できないほど未確認の倒木が見つかりました。
ざっと見ただけでも樹齢200~300年級の大木が4、5本確認できます。



↑ 紅葉を撮影したわけではありません。
隣接していた立ち枯れが倒れた際にこの木の股の部分にぶつかった衝撃で折れて上部が挟まったまま残った珍しい光景です。
挟まっているところでも径が50cm以上ある大木です。



↑ こちらも倒れて1~2年の若い倒木ですが、この部位だけでもツリガネタケ、ブナハリタケ、ナメコの菌が共生しているのが分かります。
来年以降、ナメコが採れることを期待します。
ナメコが出ているということは周辺にもあるのではないかと探してみるとこの倒木の先の細い枝部に。



↑ ありました!冒頭でも紹介した画像です。
久しぶりにブナに生えたナメコの群生です。
採集者が少なくなったので徐々にナメコも復活の兆しが見えてきたようです。
この場所で2kgの収量がありました。

結局、斜面下の倒木の本体は定かには判明しませんでしたが多くの倒木やナメコが見つかったことで結果オーライとなりました。
この日も帰り際に再び赤枯れ材を採取して終了となりました。
この時期は日没が早く、かつ山間部なので15時を回ると日陰は薄暗くなるので活動時間は限られてしまいます。



↑ 余談ですが道中で見かけたキツネ。
ここの林道では毎年クマとは遭遇(今年は2回)しますが、キツネを見たのは初めてです。
こちらに興味があったのか警戒しながらも車の周りをグルグルと回っていました。

27日が今期最後の有峰だと思っていましたが翌週の11月3日、この日は祝日で家族も休みだったため時期は遅いですが家族を連れて紅葉狩りに再び有峰へ。
さすがに有峰湖畔も落葉していましたが、里に近い道中ではまだ綺麗な色付きを見ることができました。
せっかく有峰まで来たのだからと息子に手伝わせて赤枯れ材を採取します。
下草もほぼ枯れているので足元とクマさえ気をつければ子供でもある程度は同行できます。



ついでに子供に材割りの様子を見せてやろうと近くのブナの株を割ったところ偶然にもヒメオオの幼虫が出てきました。
さほど生息密度は高くなさそうですが、このポイントにも生息していることが分かりました。
これで今年の有峰での採集も全て終了です。
来年の6月中旬まで半年超の閉鎖期間を迎えます。

有峰が冬季閉鎖になる頃には他の主な林道もほとんどが閉鎖となります。
そうなると行けるところは閉鎖になっていない林道でコケ採りをするくらいになってしまいます。
と言っても数年前のようなナメコの大発生は収束して今では山中歩いても自分が食する分くらいしか採れなくなってしまいイマイチ山に行こうというモチベーションが低くなってしまいました。
それでもやはりこの季節は山に入らないと秋を迎えた気にならないので馴染みのポイントへ行って来ました。
有峰ではありませんが立山方面のポイントへ行くと、ここも数年前までそこらじゅうに停まっていた採集者の車も全く見なくなりましたが数台の車とすれ違ったので少なからずキノコ狩りに来ている採集者がいるようです。
マイポイントに着いていざ斜面のヤブに突入して行きます。
誰も入った形跡はありませんが、キノコらしいものはほとんど見当たりません。
ナメコだけでなく他のコケも不作のようですね。



↑ それでもしつこく探していると、やっとクリタケを見つけました。
比較的温暖な気温と直射日光のため乾燥して干しクリタケの状態でしたが、以外にもいつもより濃厚な出汁が出て嫁にも好評でした。
ナメコでも乾燥しているものを水戻しすると極上の状態になりますし干しシイタケの方が生シイタケよりアミノ酸の含有量が多いことからも干された物の方が食用にはいいのかもしれません。



↑ 大きな群生ではありませんがムキタケと共生しているナメコを発見。
今の状態を考えればこれが精一杯かもしれません。



↑ こちらは先ほどのクリタケ同様に乾燥した干しナメコ。
何回も言いますが傘裏が茶色に変色していなければ水戻しで極上のナメコになります。



↑ この日一番の収穫だったヒラタケ。
ヒラタケにはまだ時期的にやや早いですが良い状態のものが見つかりました。
雪が降ればヒラタケの旬を迎えます。
結局この日の収穫はナメコ、ヒラタケ、ムキタケが1kgほどとクリタケが少々と数年前とは比較にならないくらい少ないですが家族で食べる分にはちょうどです。
少しだけでも採れればやはりコケ採りは楽しいです。

林道もほとんどが閉鎖になり、またぐずついた天気が続いたりとその後は山に行くタイミングが合いませんでしたが、11月17日に久しぶりに南砺市方面にナメコ狩りに向かいました。
このポイントも数年前まではナメコが大発生して日記でも頻繁に書いていましたがピークには年間100kg超もの収量がありましたが、発生木であるカシナガの食害で立ち枯れたミズナラが老朽化してナメコの発生には不適になったり倒れたりしてほとんどがダメになってしまいました。
ゆえに大量収穫など望むべくもありませんが、どうしても行きたくなるのが性なのでしょう。



↑ この日は前日からの寒気のせいで山沿いでは今季初の積雪となっておりすっかり雪景色で積雪は想定していたので車がノーマルタイヤのため林道に進入できるか不安でしたが、行って見ると林道に先に進入した車のわだちが残っています。
地元の林業関係者かな?と思いながら同じ道を進んで行くと自分の行く道と同じ方向にずっと続いています。
まさかな…と思いながらもポイントまでたどり着くと、いつも自分が車を止めるスペースに先客の車が止まっています。
さらに先の行き止まりにももう一台の軽トラがあります。
なにも平日の雪の朝から山に来なくてもいいのに…と思いながらも「オレもか。」と自分自身に言いながら山に入りました。



↑ 先客とポイントがかぶると嫌なので幸い積雪のため足跡が残っているため足跡の付いていない方向へあえて進みます。
マイポイントへ向かう登山道はカモシカの足跡があるだけです。



↑ まず最初に目に入ったのは小粒のヒラタケ。
積雪のせいか元々ないのかナメコは全く見つかりません。
ムダ足だったかな…と半ばあきらめていると、



↑ やっと雪を被った採り頃のナメコを発見しました。
やはり発生量は激減していますね。
それだけに見つけたときは安堵と嬉しさがあります。



↑ さらに進んで行くと今度はムキタケと共生したナメコの群生が。
以前に採られた形跡がないので幸い雪が降る前も他の採集者は来ていなかったのでしょう。
雪の中、来た甲斐がありました。
積雪のために根元が見えないために立ち枯れの近くまで行って一本一本確認していると、



↑ 山に入って3時間以上たってやっと群生といえるナメコを発見しました。
このような群生をまた来年も見ることができるのでしょうか?
ひとしきり眺めてから採集して帰途につきました。
この日はナメコで3.5kgほどの収量があったので現状の発生を考えたら十分満足です。
この後、根雪になるようだとここでのコケ採りも今期は終了となります。
2017年09月22日



↑ '17.9/10早朝に撮影した「ろっこつ雲」(巻雲の一種)。
子供の夏休み中に自由研究で一緒に雲を調べていたら以前にもまして空を見るのが習慣になってしまいました。
今年の夏も北陸に関しては気象庁の予想を裏切って昨年同様、8月下旬から涼しくなり9月に入ってもほとんど残暑がないまますっかり秋めいてきました。
空の状況もそれを表すかのように秋を代表する巻雲や巻層雲が目立ってきて空の高さを感じられます。

さて、秋と言えば自身にとっては山のシーズンです。
ヒメオオに材採取にキノコにとやりたいことが目白押しです。
まずはヒメオオですが、昨年までの動向から年々個体数が減少しているため、今期は8月中の採集は見送って9月に入ってからの行動です。
まずは下見がてら9月1日にいつもの呉西地区のポイントへ。



↑ 今年の2月に大規模な土砂崩れを起こして崩壊した山の斜面。
工事は現在進行形で継続しており迂回路も完成していますが、崩れた斜面自体はもちろん進入禁止で近づくことが出来ない為、ここでの材採集とコケ採りは絶望的です。



↑ こちらは7月の豪雨で登山道の入り口に掛かっていた簡易の橋が周囲の地面ごと流された現場。
ここはまだ復旧しておらず登山道へは別のルートが設けられています。
この場所は水源からそんなに距離もなく水量もさほど多いわけではないのですが、これほどの規模で決壊するということはよほどの豪雨だったことが想像できます。
ここに限らず山間地は自然災害の影響を受けやすいため年間を通じて安定して訪れることが出来る年の方が少ないくらいです。

久しぶりにポイントへやってきて変わりがないことを確認して早速ヤナギを見ていくと、



↑ 幸先よくすぐにペアでいる個体を発見。
例年ならこの時期はまだオスのみやメスのみの単体で見つかることが多いのですが、気温が低めに推移しているのが影響しているのかも知れません。
更に進んでいくと、



↑ 今度はオスのみですが50mmUPと思われる大型個体を発見。
この日はさすがに個体数は少なかったものの、ヒメオオが今期もちゃんと生息していることが確認できただけで安心できました。

帰宅途中、通り道の八尾の街で見かけた光景。

↑ この時期行われている全国的にも有名な八尾の「おわら風の盆」の町流しの風景です。
自身は富山に来て30年以上経ちますが未だにこの「おわら」は生で見たことがありません。
このときは交通規制が行われている町外れを通った時に偶然、踊り衆が観光客を引き連れて歩いているのを見かけて車中より撮影できました。
この祭りは悲恋の物語だけあって派手さはありませんが熱烈なファンが全国から集まります。
この時期に富山に来られることがあれば是非訪れてみて下さい。

そして次は9月5日、再度同じポイントを訪れます。




↑ この日も前回と同じ木で順調に見つかりました。
画像の個体は今のところ今期最大個体となる53.2mmのオスです。
この日は他にも53.0mmと3年ぶりにこのポイントで53mmUPが2頭も採れました。
前回も50mmUPが2頭採れているので今期はサイズから言えば上出来です。
時期的に大型のオスが採れるのはこの頃がピークと思われるので結果が出せて一安心しました。
この日は店の営業があるためわずか1時間半程度の採集でそれなりの個体数を採集できましたが、やはりひと昔前に比べると明らかに発生数は減少の一途を辿っています。
これは採集圧だけでなく新たな発生木が少ないことも大きな要因でしょう。
この種は環境の変化や採集圧に非常に敏感なデリケートな種ですが、逆に人の手が入らずに発生木が人為的に作られないと発生数の増加は見込めない難しい生態です。



↑ 子供の学校行事で定休日の8日(金)は山に行けなかったため代わりに11日に三たびポイントを訪れました。
週明けということで土日に他の採集者が入っていることを想定して個体数は少ないことを覚悟していましたが、意外にもそんなに酷い状況ではありませんでした。
前回から1週間経過しただけですが、ヒメオオにとっての1週間は短くありません。
この日はペアでいる個体がほとんどでした。
この後はメスの割合が増えてきてヒメオオのシーズンは早くも終盤を迎えます。



↑ オスはさすがにこの日は50mmUPこそ採れませんでしたが、メスでおそらく自己最高と思われる41mmUPが採れました。
画像がそのメスですが、一緒に写っているオスも45mmと決して小さくはないのですがメスが大きいために小さく見えてしまいます。

9月15日、いつものポイントは3回連続で行っているためこの日は別にブナ材の採取と赤枯れマットの素材採取の目的もあるので立山方面のポイントに向かいました。



↑ 順路からいうとまずはブナ材の採取からになります。
ブナ材といってもこの日はヒメオオ用のブナ材狙いです。
ブナ材でも柔らかい色虫用、しっかりした堅さのオオクワ用、かなり堅いヒメオオ用と用途に応じて採取する目的の材を分けています。
幸いヒメオオ用はすぐに採取できる適材の心当たりがあったのでまずは最初に片付けます。
とは言っても70cm超の大径で堅いためチェーンソーを使っても2ホール裁断するのがやっとです。
首尾よく済んだため次はヒメオオのポイントへ向かいます。

ここも採集数が激減したためここ5年以上前から特定の場所で材割り採集する以外は成虫採集をある程度控えていたのですが、久しぶりにまじめに探してみることにしました。



↑ ヒメオオの生息しているポイント。
気合を入れて探してみるとさすがにパッと見てルッキングで見つかるほどではありませんが、斜面を下りて地道に探すと一つのポイントで数頭単位で採ることが出来ました。
ここのエリアは生息ポイントも広く点在しており発生木であるブナの朽木も多数散見できるので少なくとも今すぐ存続が危ぶまれることは無いでしょう。



↑ ヒメオオを想定外に採集できたので後は赤枯れマットの素材を採取するだけです。
ポイントをさらに奥に進み取り置きの場所へと向かいます。
ここでは1ヶ所で複数の赤枯れ材を確認できているので手オノで崩して土のう袋に詰めて運び出すだけです。
と、書けば簡単に思われるかもしれませんが実際は運び出すのがかなり大変です。
水分が多い素材だけに大きい土のう袋に詰めると重量は40~50㎏近くになります。
それを高低差のある斜面をヤブ漕ぎしながら引きずり上げると1袋だけでもうグロッキーです。
まあ、今日の目的は全て果たしたので欲は出さずにこれで引き上げることにしました。



↑ 母なるブナの巨木。
樹齢数百年になる巨木が多く生きているこの環境を守らないといけないですね。



↑ 帰り際に遭遇したサルの群れ。
ある意味クマなんかよりも厄介なのでうかつに近寄ると攻撃されます。
皆さんも山で逢った時は気を付けてください。


2017年06月22日



↑ '17.5.19.富山県利賀村。

またまたお久しぶりです。
日記といっても少し前からの回顧録になりますが、一応来年度の参考にするためにあえて書かせていただきます。
トップの写真を撮影した5月19日は絵にかいたような五月晴れで画像ではわかりにくいですが天頂の空は青というより群青色に近いくらいに濃い色でした。
濃い青色をバックに新緑が鮮やかで訪れていて一番気持ちが癒される季節です。
何も採取できなくてもこの空間にいるだけで十分という満足感があります。

さて、話が前後しますが去る4月27日ですが、以前も日記で書きましたが諸事情により実家のある茨城県に帰省しておりました。
遊びに来ているわけではありませんが、時間の合間を見て近隣の雑木林で材探しをしました。
以前は帰省するたびにオオクワの材割り採集(ここ周辺はオオクワの生息地です)をしていましたが、近年はもっぱら材探しがメインになりました。



↑ 照葉樹と落葉樹が混生する雑木林。シイやカシ、クヌギなどの大木が多く見られます。
この辺りは昔に比べて開発はされているとは言え、田畑や河川の周辺には比較的多く雑木林が残っています。
それも県北みたいな山地ではなくほとんど平地に近い地形です。



↑ 林内で見つけたスダジイの腐朽材。
シイやカシの仲間は腐朽の具合によってオオクワ系から色虫まで広く産卵材として適用できる優秀な材です。
写真の材はスダジイ特異の朽ち方で内部のほうが柔らかく腐朽しているのでオオクワ系もしくはW・ウッディ(原名亜種)あたりに適しているでしょう。



↑ 林内を探索していると作業服を通して何かのトゲに触れました。
タラの木かと思って見てみると、自身が山菜として珍重しているハリギリ(センノキ)ではありませんか。
近くには親と思われる成木もありますし周辺には別のハリギリの木も見えます。
どうやらこの地域では富山と異なりハリギリは珍しい木ではないようですね。
むしろこちらではタラの木が富山よりかなり少なく感じます。
ただ、この時はすでにハリギリの葉は開いてしまっていたので若芽で採るときは4月初旬~中旬くらいに来ないとだめですね。
やはり所変われば時期も違います。

さて話は変わってゴールデンウィーク明けの5月10日ですが地元富山の利賀村に恒例の山菜取りに向かいます。
前回ゴールデンウィーク前は残雪で通行止めになっているような状況でした。
例年ゴールデンウィークでも開通していないことが多いので多雪だった今年はなおのこと厳しいとは思っていたのですが、以外にも林道は除雪されていて通行は可能でした。



↑ 沢沿いにはまだ多くの雪渓が残っています。



↑ この日はウドを期待していたのですがウドが生えている斜面は雪の下でお呼びじゃない状態です。
山菜をあきらめて材を探します。



↑ 倒木に発生したヒラタケを発見。
通の中には雪解け時のヒラタケが最も美味しいと言う人もいますが採るほどの量ではなかったのでこの時はスルー。



↑ カワラタケが密生した倒木。
画像でも折れた先端が鳥の巣だったことがわかりますが立ち枯れ時に鳥の巣だった周辺はきれいに腐朽しているという経験則からも、この時点ではまだ少し腐朽が未熟でしたがもう少し寝かせればかなり良い材になることが期待できます。



↑ すっかり山菜はあきらめていましたが日当たりのよい斜面では大ぶりのタラの芽がちょうど採り頃を迎えていました。
通行止めでゴールデンウィーク期間中も採集者が少なかったせいか例年以上にいい状態で残っています。
市街地近郊ではとっくに採集時期は過ぎていて今季は採り逃していたのでこの日は持ち帰り天ぷらで胃もたれがするほど食べました。

続いてはその2日後の5月12日、利賀ではタラの芽以外山菜は惨敗だったので改めて平野部近郊の山菜のポイントを回ってみることに。
ただ、時期的に利賀とは逆に終わっている可能性が高く、例年山菜を採りに行く上市付近のポイントへ着くと案の定タラの芽、ウド、タケノコは完全に旬を逸していました。



↑ 山菜はダメですが偶然にもミズキのカワラ材を発見しました。
ここでは数年前にW・ウッディ御用達のアカメガシワのカワラ材を見つけた実績があり毎年必ず訪れていますが、この材は見落としていました。
この時は山菜目的であいにく手ノコを持参していませんでしたがカマで感触を確認しただけでかなり優良なカワラ材であることが確認できました。
日を改めて採取しに行くつもりですが、W・ウッディに適用できることが期待できます。
予想通り山菜は遅すぎたので次にやや標高の高い山地部に移動することにしました。
もちろん例年山菜を採りに行っている実績のあるポイントです。



↑ 狙い通り一つのポイントではワラビがちょうどいい時期でした。
ワラビは発がん性物質が含まれているということで多食はお勧めできませんが旬の醤油漬けはやはり食べないと気が済みません。
さらに移動してウドのポイントを目指します。
個人的には春の山菜の中で最も外せないのがウドですが今季はまだ口に入ってないので何とか採りたいところです。
しかし、林道を進んでいくとあるところで土砂崩れにつき通行止めの標識が。
ポイントはすぐ先なのでそのまま進んでいくと間もなく工事関係者がの車が止まっており作業員が数人車の横で弁当を食べています。
土木関係ではなく電力関係の業者らしく通行をとがめられることはありませんでしたが、挨拶を交わしているときにふと作業車の荷台に目をやるとまさしく今採ったと思われる山ウドの束が寝かせてあります。
きっと仕事で何回もここを訪れている人間なのでしょう。
「やられた…。」
と内心思いましたが平静を装ってそのことには触れずにそのままやり過ごしましたが、きっと100mほど先の自身のポイントもやられているだろうと半ばあきらめながら先に進みました。
作業者たちがいた場所から直接は見えないポイントに到着すると、



↑ ありました!
運良く見つかっていませんでした。
山ウドは80cmほどに生長していますが、ここのは環境がいいせいか極太でここまで大きくなっていても繊維は柔軟で十分可食です。
ましてや天然とは思えない極太の根元は生食にはうってつけです。
我慢できずにその場でカマで皮を剥いてそのままかじります。
興味がない人には理解できないかもしれませんが、こんなことができるのも山菜を採りに行く醍醐味です。



↑ たまたま岩陰に生えていて栽培物のように根際が徒長してとぐろを巻いていたような山ウド。

ウドは何回食べても飽きません。
嫁にいやな顔をされても採ってくるのは止められません。
そんなわけで12日に続いて19日には前週のリベンジで利賀へ向かいました。
この日はトップの写真でも紹介いたしましたが、快晴の天気の下での訪問です。
真っ先にウドの発生場所を確認すると目視できる範囲では全て採取された跡が残っているだけでした。
想定内とは言えやはり口惜しい気持ちは否めません。
あきらめきれずに周辺を探していると、ふと目に入ったのは、




↑ 先ほども紹介したハリギリです。
3週間前に茨城県で見つけたハリギリはすでに葉が開き切っていましたが、ここは豪雪地帯の利賀村。
今がちょうど若芽のシーズンです。
自身のホームグラウンドとしている当地でも2本しか確認していないハリギリですので新たな木が見つかったのは大きな収穫です。
おまけに採りやすい若木で新芽の生長もまさにベストタイミング!
嫁の顔が脳裏をよぎりますが、気にせず今夜の天ぷらにすべく採取します。

その後、ここでも土砂崩れのため車両通行止めになっていた林道沿いのポイントに徒歩で行くと道路沿いであるにも関わらず手付かずの山ウドが残っていました。



目的のウドだけでなくハリギリも採れてこの日は満足でした。

さて、山菜の時期も早々と過ぎてこの日記でも本業のクワガタの話題が増えてきます。
6月も中旬となればフィールドでは当地ではヒラタクワガタが活動を始める時期です。
以前まではある程度採集できるのは7月になってからでしたが昨年は自身の経験上最早で6月半ばにそこそこのサイズのオス個体を採集できたので今年も6月上旬から様子を伺っていました。



↑ 市内の、とある河川敷にあるヒラタの生息地のヤナギの木。
画像右手の樹幹の上部にある洞を確認すると、



↑ 上の洞の拡大写真が左の写真です。
この時期、ボクトウガの幼虫が穿孔している洞はまだ削りカスによってフタをされるように塞がれていることがほとんどですが、画像の洞はそれが半ば取れかかっており、そこにクワガタが潜入している状況です。
左画像のクワガタはコクワガタのペアでしたが、右画像の別の木では幹の間の樹液にいる小型のヒラタクワガタも見つかっているので洞に入り込むのも時間の問題でしょう。
ボクトウガの食痕が落ちて洞が解放されるからヒラタが活動するのかヒラタが活動して強制的に洞の食痕を除去するのかは定かではありませんが、いずれにしろ活動が早くなっているような気がするのは温暖化の影響も無関係ではないかもしれません。



↑ この日、同じ河川沿いの斜面上にある取り置きのエノキの立ち枯れの様子を見に行ったら根元で折れて倒れ掛かっているところを下側の木に引っかかって踏みとどまっている状態でした。
数年前に発見してから採る時期を見計らっていましたが根が折れたことから今年中には処置をしないとタイミングを逸するでしょう。
この斜面は高さは高くないものの崖状で下は河川敷になっており増水時は水に浸かる可能性もあるので、もし下まで木が落下して水没するとせっかくの材が台無しになることもあり得ます。
画像からもシハイタケが全面に密生しており内部を確認しなくても優れた腐朽材であることが予想できるので確実に採取しなければなりません。

それから1週間後の6月16日に同じ河川の別のポイントへ行ってみると、



↑ 毎年採っているお馴染みのヤナギの木ですが、この木はヤナギとしては比較的大型の成木で洞もあることから毎年大型のオスが採れるご神木です。
ただ、近年は周辺の木が整備のために伐採されたことから全体的に昔に比べるとオスも小型化が顕著で近年は60mmオーバーを採るのが精一杯というレベルです。
この日この木では樹液がほとんど出ていなかったため洞ではなく根元を調べたら画像のようにオスが2頭同時に見つかりました。



↑ 持ち帰ってサイズを測ると57mmと61mmでいきなりこのポイントとしては大型の個体が採集できました。
このサイズのオスが2頭同じ場所にそろっていたということは、活動を始めて洞に入る前の状態だったのでしょう。
活動を始めれば競合する大型のオス同士が争わずに同じ場所にいることはありえません。
メスが活動を始めて樹液に来るのを待っていると思われます。
経験則から例年本格的に活動を始めた初期に大型の個体が見つかることが多いので、このポイントではこの先これより大型の個体は採れないかもしれませんね。



↑ 別の木の洞に潜入しているヒラタクワガタ。
まだボクトウガの幼虫によって塞がっている洞が多いですが解放された洞ではだいぶ空き家が少なくなっていますので、大きい洞が解放されればさらに大型の個体が潜入を始めると思われます。



↑ この洞は大型で樹液も出ていることから近日中にヒラタクワガタが入ると予想されます。
今後はヒラタクワガタの競合ではなく他の採集者との競合になってきます。

2017年04月25日




↑ 4月の中旬に雪の大谷でお馴染みのアルペンルートが開通した立山連峰。
今年の雪の壁は最大19mで昨年より3m高いようです。
平地は例年より積雪は少なかったですが山間部は多いみたいですね。
写真は2月25日に撮影したものです。

さて、今シーズンも雪が少なく年が明けるまでスキー場も開店休業でしたが、それ以降順調に雪が積もって珍しく予定営業終了日までスノボを楽しむことができました。
県内のスキー場は遅くとも3月下旬でだいたい終了しますが、隣の岐阜県高鷲スキー場は今季は4月23日まで営業していたので14日に最後の滑りを楽しみに行ってきました。
最後ということで、調子に乗ってキッカーで跳んでいたところ着地に失敗して手を着いたところ、
「バキッ!」
という音と共に左手に激痛が…。
突き指だと思い、かばいながらその後も滑っていましたが帰る頃には手の平まで内出血し指まで浮腫んで腫れてきました。
翌日にかかりつけの整形外科に行くつもりでしたが、我慢できずに救急に行ったところ、
「中手骨の骨折です。」
と言われレントゲンを見せられました。
翌日、かかりつけの病院に行きギプスで固定、バイトも長期欠勤が確定し本業でも不自由を強いられることになりました。
嫁からは「ダラぶち!」(富山弁?でバカ者、たわけ者の意)と言われてます。

というわけで何かと不自由はしていますが何とか営業はやっております。
ただ、左手で物を持てないので野外での作業や材のカット作業は限界があります。
せっかくの山菜のシーズンだというのにこれは痛い…。
だけど行きます。
右手が使えれば何とかなるでしょう!
いざ、山菜採りへ。
4月16日、ギプスをした翌日ですがブリーダーのB氏と共に例年通り利賀に山葵を採りに。






↑ 上が今年の4月16日、下が昨年の4月10日、いかに昨年が暖冬だったかが分かります。
今年が大雪だったわけではなくこれで平年並みです。
同時期でもこれだけ積雪が違うと山菜のタイミングも見極めが難しく行ってみないと分かりません。
ただ、昨年も雪がないからと前倒しして10日に行ったにもかかわらず尚早で出直した記憶があるので残雪が多い今年はなおのこと早い気が。




↑ 山葵のポイントへ向かう道中ですが、この雪では望み薄でしょう。
案の定、ポイントでは湧き水で雪は解けて山葵が出ていましたが、まだ葉も生長してない状況で早々に切り上げました。

このまま、帰るのももったいないので自身の別のポイントを見に行くことに。
途中、なにげに横の百瀬川に目をやると、




↑ 例年なら雪解けで澄んだ水が増量している清流がまるで泥水のように濁っています。
なんか工事でもしているのかと上流を見て理解しました。
去る2月に全国ニュースでも報じられましたが、上流の元スキー場跡で大規模な土砂崩れが発生したのです。
長さ800mに渡って崩れたということで土砂崩れというよりはほぼ山腹の崩壊ですよね。




↑ これです。
写真では距離感が良く分かりませんが、リフト跡を含むゲレンデが丸ごと無くなっていることからその規模がわかります。
ここは、この日記でも何回も登場している山菜やナメコ、材の有力なポイントでしたが再崩落の可能性があるとのことで今期の入山は無理でしょうね。

さて、自身の山葵のポイントを数ヶ所見るもやはりまだ早く、




↑ 山葵の生長はいまひとつです。




↑ 最後のポイントで日当たりの良い一部が何とか採取に適したくらいに育っていました。




↑ なかなか良い型の山葵も採れました。
ただ、残念なことに採ることはできても不自由な左手は水に濡らすこともできないので山葵の処理や調理ができないため(当然、嫁はしてくれない)、全てB氏に授けました。
まあ、自分の手で採ることができただけで良しとしましょう。

週が変わって翌週の21日、利賀の入山は残雪で無理なので近場の郊外の里山に材探しに。
行きなれた細いダートの林道の行き止まりに着くと何かイベントがあるような多くの車が…。
そういえばこの時期はここはタケノコ採取で有名な場所。
自身は他の採集者とかぶるのが嫌で時期をずらして他の山にタケノコを採りに行っているので忘れてました。
まあ、せっかく来たんだからついでにタケノコも採っていこうといざ山中へ。




↑ ここは元々里山でしたが近年は放置され竹が繁茂して雑木林が荒れてきているため市を挙げて里山再生プロジェクトの対象になっている地域です。
山中にはこの地域には珍しくクヌギも多くあり昆虫も豊かなところですが竹の繁殖力は想像以上です。
手を打たないとあっという間に竹に駆逐されてしまうでしょうね。
竹があっていいのはタケノコの季節だけです。
それもある程度、竹林床を整備しないと放置してある竹林ではタケノコも貧相です。

多くのタケノコ採集者が来ていますが、初心者は放置された竹が薄暗くなるほど繁茂している竹林を探しますが、先述のようにむしろ広葉樹が混在している少し開けた場所のほうがいいタケノコは見つかります。




↑ ほどなくタケノコ発見。
穂先が薄い黄色で採り頃のタケノコです。
採るときは地上に頭を少しだけ出して穂先が黄色いものを選ぶといいでしょう。
大きくなって穂先が緑のものは繊維が強くてエグみも増してきます。




↑ 良い型のタケノコです。
こうなると完全にタケノコの目になってしまい材探しはどこかに行ってしまいます。
とりあえず自家用の分だけ採るまではタケノコに集中します。
いつもなら知人に配る分まで採るのですがこの日は節制して食べられる分だけにしました。
一応タケノコは嫁にも喜ばれるので躊躇せずに持ち帰れます。

タケノコを採った後は再び材を探して林床を歩きます。
今の時期に探しておかないと、あと1ヶ月もすると下草や低床の木の葉が生い茂り入れなくなります。
右手で持てる分だけ拾って帰途につこうと遊歩道に出ようとしていると、




↑ 前方に良さげなコナラの立ち枯れを発見。
樹幹基部全体にチャアナタケモドキが広く着生し折れ口の上下にはコフキサルノコシカケも発生しています。
折れたのは中心部まで腐朽が進んで心材部もスポンジ状になって脆くなったためと思われます。
現段階ではまだ他の部位は生や心材部が多いでしょうがこの状態が維持できれば数年後が楽しみな立ち枯れです。
それまでは手を付けずに取り置きにします。

そしてその立ち枯れから少し離れた場所で、




↑ シハイタケが全面に着生したなかなかの倒木を発見!




↑ 見た目と持った感じで切らなくても使えそうなのが分かる優良な材です。
横にある本体の樹幹からアカガシだと判別できました。
当地でカシやシイの類のカワラ材が採取できるのは稀ですのでラッキーです。
しかし、この腕では持ち帰れません…。
右手で持てる分だけ裁断して、それまで拾った分を合わせて2往復して運び残りは後日に回すことにしました。
カットしたところ本体はオオクワ系に最適な具合でした。
主観ではオオクワ系にはケヤキとカシは抜群の相性です。

そして、その2日後の23日にちょうどパートナーのS氏のスケジュールが合ったため同行してもらい先日のアカガシの取り置きの回収に向かいました。
この日もまずはS氏のタケノコの採集から始めます。
日曜日ということもあり先日以上に採集者が多く来ています。
早朝にもかかわらず狭い林道にまで車が止まっていました。
自身はタケノコはもういいので、今期最初のコシアブラを採集します。




↑ ちょうど採り頃のコシアブラ。
タケノコばかりに目が行っているせいか、一部の採集者を除いて他の山菜はスルーされていてコシアブラも採り放題です。
自身にとってはありがたいことです。
S氏に手伝ってもらい先日のアカガシの回収も終えてさらに他に別のコナラ材も見つけました。




↑ まるでツリガネタケのように積み重なって生長したコフキサルノコシカケ。
このキノコ菌で腐朽した材は心材が少なく優れたものが多いです。




↑ こちらは立ち枯れが倒れた後も子実体が生長を続けたため垂直に交わったようになっています。
さすがに倒木の太い樹幹部は心材部が多くて使えませんが、立った状態で残っていた基部は非常に柔らかく朽ちていたので日を改めてまた確認したいと思います。
手は不自由ですが、これからシーズンを迎えるに当たって需要が高まる天然カワラ材を何とか確保できるようにがんばります。

追記;
全く話は変わりますが、珍しい雲(大気現象)を見つけたので紹介します。




↑ これは3月24日に岐阜のスキー場にスノボをしに行った帰りの北陸自動車道で撮ったものです。
上空の雲が渦を巻きながら地上まで降りてきている様子がわかります。
この日は北陸上空に寒気が流れ込んで富山市内でも雪が降るなど一時的に冬型の気圧配置となり、この時間もレーダーでは富山湾から発達した雪雲が流入しており、雲の様子からかなり激しい擾乱が起きて地上では竜巻を含むような嵐になっていると思われましたが、調べてみるとこの時間はさほど天気が荒れた形跡はなく、むしろ積乱雲が崩れて下降気流が卓越した状態になり雲が乱れて写真のようになったと思われます。
2017年02月12日


お久しぶりです。
いつも読んでいただいている皆さんには更新が滞り申し訳ありません。
トップページのコメントでも記していますように、実母が昨秋より膵臓がんを患い闘病生活を送っているため店の営業に支障はきたしますが極力帰省をして一緒に過ごせる時間を優先させていただいております。
この姿勢には賛否両論あるかとは思いますが、どれが正解と言えない以上、自身の感覚的なものに正直でいようと判断いたしました。

プライベートなことですのであえてこのような場で公表する必要もないのですが、自分の家族が癌で余命宣告を受けることになって初めて真剣に真摯に死に瀕する病気やその家族の気持ちを理解するにいたりました。
そして、ネットの投稿や資料が治療やそれを支える家族の気持ちや努力に様々な助けとなりましたので自分も同様の人たちにほんのわずかでも役に立てればと少しだけ書かせてもらいます。

現在日本では2人に1人は癌になると言われています。
それぐらい身近な病気なんです。
自分もいずれ癌になるのかな?なんて漠然と覚悟をしているような気でいましたが、家族がなったらどうなるかなんてほとんど想定していなかっただけに当初はかなりショックを受けました。
親もそれなりの歳なのでいつまでも元気でというわけにはいかないでしょうが、いずれそういう時が来るということからは逃避するように考えることを避けていました。

そんな矢先の昨秋、お腹の調子が悪いと2ヶ月近く通院していた町医者の判断の遅れもあって、総合病院でCT検査を受けた時には膵臓がんでステージ3、血管に浸潤しているため手術は適用不可、おまけに余命は1年と言われました。
まさに寝耳に水で最初は何のことか理解できませんでした。
町医者には便秘だと言われずっと便秘の薬を処方されていたのですから…。
診断を受けた総合病院では手術は不可ということで「いわゆる標準治療以外は何もできないし、どこの病院に行っても同じですよ。」的なことを言われ兄弟とも話し合ってこの病院だけは絶対やめようとセカンドオピニオンで国立がんセンターを受診することに。
癌に特化した国内ではトップクラスの病院の診断を受けるもさらに悪いことにステージは4(転移が認められ手術も不可)で余命は半年、何もしなければ翌春にはここにいないでしょうとはっきりと言われました。

慰めにあいまいな余命を言われるよりもマシですが、この病院で打つ手なしと言われるということはほぼ死の宣告をされたも同然ですからやはり素直には受け入れることはできません。
そこで家族総出でネットで先端医療や民間療法について調べました。
厚生省が認可している先端治療からクチコミでも散々叩かれている怪しげな民間療法まで色々可能性を探り、これなら有効なのではというのを見つけては主治医の先生に所見を伺いましたが、臨床の前線で活躍している先生に言わせればどれにしても
「効果があるのならどこでもやっています。」
と軽くあしらわれるのがオチでした。
先端医療や民間療法ではネットで公開されている資料はあくまでも成功例だけ、もしくは最悪偽造された事例を公開しているだけで宣伝に不都合な事実は一切表示されていません。
つまりワラを掴んではいけませんよ!ということなのでしょうが、家族にしてみればやはりワラを掴みたいのは事実です。
ただ、どんな治療法にしろ物理的に効果があれば当然反作用、つまり副作用があるのが自然の摂理ですよと言われ、当然だと納得すると共にリスクを覚悟で高額で効果があるかどうかわからない保険適用外の医療を受ける責任を考えたらそれを自分以外の身体に施術するという判断はできないでしょう。

結局は、抗がん剤を投与して経過観察ということになったのですが、90年代より効果的な抗がん剤と言われるゲムシタビン(ジェムザール)ですが、膵臓がん自体は抗がん剤が効かない癌と言われゲムシタビン単独では奏功の期待が低く、現在ではナブパクリタキセル(アブラキサン)との併用で2年生存率が単独使用よりも奏功しているとのことでこちらが膵臓がんに対する有効な治療とされていますがこの抗がん剤自体が認可されて2年程度しか経っていないのでその効果は未知数とも言われています。
膵臓がんは手術可能なステージでも2年生存率は50%以下でステージ4以上だと抗がん剤を投与しても30%に満たないと言われています。
その厳しい状況の中でも1%でも可能性が高いほうがいいと思うのは当然のことであり、家族としては2種の抗がん剤の併用を希望しますが、前述したように効果があればあるほど副作用の発現も高く、誰にでもできるわけではないと釘を刺されました。
当初、胆管ステントを挿入したり食欲がほとんどない状態で入院をしていたせいもあり体力も落ちており血液検査も不良な数値があったため結局はゲムシタビン単独で様子を見ることに。
しかし投与後、想定以上に副作用があったため翌週からゲムシタビンも定量から減量しての投与になりました。

その後、退院して筑波大学付属病院に転院し通院にて抗がん剤の投与を継続するも1クールの6回投与を終えると同時に今度は胆のう炎を併発して再入院。
とりあえず回復に向かうも抗がん剤の効果がなければ次回の2クール目の投与は中止となり残すは緩和ケアのみということになります。
正直、元々期待の薄いゲムシタビン単独な上に通常より減量しての投与なので効果にはかなり懐疑的でした。

その結果の前に、自身も抗がん剤以外に何もできないという治療に納得もできなければ過大な期待もできないでいたので、何とか抗がん剤と併用できる民間療法はないものかと模索しておりました。
もっとも可能性が高いと思われたのが免疫療法ですが、ひと言に免疫療法といってもピンからキリまであって民間のがん保険も適用するものから完全に自己負担というものまであり費用は総じてだいたい数百万円に及びます。
費用も高額な上に、施術を行っているクリニック自体が都内という場合が多く通院自体が癌に侵されている身体ではかなり厳しいものです。
それでも副作用が少なく抗がん剤と併用可能なのであればとも思いましたが効果についてはやはり決断するには及びませんでした。

病院に行かなくてもできるものとして食事療法も考慮しましたが、食欲も落ちて必要なカロリーを摂取するのも精一杯で胆のう炎のために成分制限もある中で食事に条件を付けるのはさらに困難なことです。

何もできずにいる中で自身が気休め?に癌と診断されたときから母に摂取を勧めていたものがあります。
何を隠そう当店が扱っているサルノコシカケです。
以前からこの店長日記でも何度となく紹介してきましたがサルノコシカケは古くからその薬効から漢方薬として珍重されてきた歴史があります。
効果に関してはにわかには信用できないと思われる方が大半だとは思いますが意外にもきちんと研究されています。
筆者も以前、しいたけ業者にシイタケ農家で癌になるやつはいないと言われたことがありますが、まんざらウソでもないようです。
過去には国立がんセンターや国立大学の付属病院等でも研究されており事実、カワラタケから抽出した成分から抗腫瘍効果のある制がん剤も開発されております。
現在は残念ながら抗がん剤としてのウェイトは大きくありませんが効能としては立派に証明されているのです。
参考までに下の表をご覧ください。


これは実際に研究されたキノコの”サルコーマ180”(移植ガン細胞)に対する抗腫瘍効果を表したものです。
ただし、数値に関しては効果が認められた事例の確率であって効能の高さではありません。
場合によっては確率は低くても抜群に効能が高いということも考えられます。
ですから数値が100である食用のブナシメジが単純に一番良いというわけでは必ずしもありません。
参考までに他の研究機関において食用キノコ以外のサルノコシカケ科のキノコで研究した結果では、
ハツカネズミに対する”サルコーマ180”(移植ガン細胞)の実験結果に基づきサルノコシカケをAからDの4段階に分類しています。
それによると、最も効き目のある「Aグループ」に、入るのは、コフキサルノコシカケ、カワラタケ、チャカイガラタケ、メシマコブ、キコブタケの5つである。以下「B」は、アラゲカワラタケ、ツガサルノコシカケ「C」は、カイガラタケ「D」はツリガネタケということです。

キノコが癌に効くというのはその成分であるβ‐グルカンに要因があるようです。
要約するとβ‐グルカンが身体のガン細胞を攻撃する免疫機能を高めることによって結果的に癌を縮小するということです。
β‐グルカンは抗腫瘍効果だけでなく他の症状にも効果があることからキノコは万能の漢方薬と言われています。
ただ、その作用の仕組みは完全に解明されてはおらず、多糖類で高分子のβ‐グルカンは人間の腸壁から吸収するには分子量が大きすぎるため経口摂取したからと言ってそれが体内に取り込まれるとは考えにくく腸内の免役機構に作用することで結果的に身体全体の免役を高めるのではと考えられています。
つまり人間の免疫機能は腸が司っていると言っても過言ではないようです。
近年、やたらと腸内環境に注目されているのはそのせいなのでしょう。

さて、上記の表のキノコですがいわゆる食用のキノコであれば調理して食べることは可能ですが、マツタケは高価ですしブナシメジにしてもそればかりを大量に摂取することは現実的ではありません。
また、どのキノコをどれくらい食べればどのくらいの効果があるのかということは具体的なデータとしては表せません。
さらに、いわゆるサルノコシカケと呼ばれる硬質のキノコは調理して食べることは不可能です(木をかじっている様な感じです)。
ですからサルノコシカケを利用する場合は煎じたエキスを飲用するのです。
これによって固体としてキノコの子実体を経口摂取するよりも効率的に体内に吸収もしくは腸壁での利用が可能になると思われます。
この方法に関しても研究機関ではどのキノコをどの程度煎じてどれくらい飲用するといった明確な指標は示されていませんので、実際はかなり感覚的、経験則に頼ることは否めません。
食用のキノコにしても基本、キノコは難消化性の食物です。
大量に食べてもどのくらい利用されるのかもわからなければ食べ過ぎればむしろ消化不良でお腹を壊しかねません。
その点でも煎じたエキスを利用する方法では量や飲用頻度を個人によって調節することが可能なのがメリットと言えるでしょう。

その配合や配分量は自身が今までに抗癌用ではなく日頃の健康維持や漢方薬的な使用によって体感的に培ってきた経験を基に行っています。
我田引水になりますが、自身は医学に関しては専門外ですが、キノコそれも食用ではないサルノコシカケに関してはクワガタとの関連においてプロであることを自負しております。
過去の店長日記をご覧になればご理解いただけると思いますが、実際に山に入ってこの目で見て採取して調べております。
医学的な具体的な統計や数値が分からない以上、頼れるのは経験とキノコの知識だと考えています。
上記の表に示しているキノコは効果があった一部のものを選別して掲載したらしいので、他にも研究されてはいないけれど効果が期待できるキノコも多数存在すると思われます。
また、自然食品や漢方薬をうたって販売しているサイトでもキノコ名を間違って同定しているところや何を使用しているか分からないところもあります。

話は変わりますが一般的に「霊芝(レイシ)」と言われるマンネンタケも広義ではサルノコシカケの仲間ですが、漢方薬としてはメジャーで最もポピュラーですが、その素材はほぼ100%が人工栽培によるものです。
クワガタ飼育用と同様、菌床によって栽培されているものです。
もちろんそれにしてもマンネンタケであることに間違いありませんし見た目も成分的にも自然由来のものと比較しても変わりないかもしれません。
ただ、自身にはそれを天然と同一と扱うことに違和感を感じてなりません。
漢方とはすべからく東洋医学の象徴であり、総じて気の医学と言えると思われます。
「気」に関して言えば中国では広く知られて日常生活にも取り入れられている歴史の古いものですが、西洋医学が主たる日本では数値や物質として証明できない「気」は未だに胡散臭いものとして捕らえられています。
その「気」を考えたときに樹齢数十~数百年にも及ぶ大木に自生するサルノコシカケと機械詰めされた添加剤を含んだ菌床で栽培されたものをどうしても同列には考えられません。
例えばここでも毎年紹介している天然ナメコですが菌床飼育のものとは見た目も味も別格です。
人工の技術では天然のものを再現することが今でも不可能なのです。
「気」が存在するものであればそれこそが漢方の真髄であり天然のサルノコシカケと人工栽培のものとでは効能に違いが生じると考えるのが自然ではないでしょうか?
故に、自身は飲用に用いるものは100%天然のもの以外使っておりません。



話が長くなりましたが、そんなわけで母には抗がん剤と併用して可能な限り毎日サルノコシカケの飲用を勧めてきました。
そして、胆のう炎が回復に向かい確認のために撮影したCTの画像にて主治医より原発の膵臓がん本体が縮小しているという事実を知らされました。
先述のように、抗がん剤にはあまり期待を抱いていなかっただけに耳を疑いましたが改めて2クール目の抗がん剤の投与継続を告げられてやっと実感できました。
手術不可のがん患者にしてみれば抗がん剤の継続は単なる延命措置ではなく生きていることの証なのです。
自身は母にも言っていますが、「癌は闘っても絶対に勝てないよ。」と、
癌をどれだけ憎んでも、元々は自分の細胞や遺伝子から生まれたものであり癌自体も自分自身に他ならないのだから癌を憎むことは自分をも否定することになります。
ならば癌も自分の一部だと受け入れて共存することがベターなのではないかと?
これも「気」に関することですが、癌を憎むということは負のエネルギーを癌に与えていることになります。
気の世界では正のエネルギーも負のエネルギーも同じエネルギーとして扱われます。
分かりやすくいえば電気の+(プラス)と-(マイナス)ではどちらかが正義でどちらかが悪なのでしょうか?
単に便宜上プラスとマイナスという言い方をされているに過ぎません。
そういう意味では癌に負の意識を持てば持つほどエネルギーを与えガン細胞を活性化させている可能性があるのです。
嫌いな人に会いたくないと思えば思うほどバッタリ会うような偶然を経験したことはありませんか?
嫌だと思うことも好きだと思うことも同様に念を送っていることに変わりません。

その上で、抗がん剤を継続できるというのは単に生きている期間を延ばすだけではなく癌と共存しながら、生きていることを実感できることなんだということが理解できました。
そのことが嬉しいのは言うまでもありませんが、果たしてゲムシタビン単独でそれも定量よりも減量した投与で抗がん剤が奏功したのかという疑問は残りました。
それに関しては抗がん剤のおかげなのかサルノコシカケの効果なのか、もしくは常用しているR-1(ヨーグルト)のおかげなのか証明する術はありません。
しかし、本人や家族にとって結果が全てであり何のおかげであろうが癌が縮小したという事実が全てなのです。
これからも抗がん剤と共にサルノコシカケやR-1を継続していくでしょう。

ここではあくまでもクワガタ屋の店長日記ですからサルノコシカケが癌に効きますよというような主旨ではありませんが、同じような境遇の患者さんや家族の方にこんな考え方もあるんだよと少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに、当店ではサルノコシカケを扱っておりますがあくまでも自然食品もしくはクワガタ飼育用ですので癌の治療用(薬事法違反になりますので)ではありませんことをご了承ください。
もちろん試してみたいという方には飲用方法等はアドバイスはさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。

全ての癌患者様や家族の方たちに癌の寛解を願ってここに記します。
2016年10月27日




↑ ‘16.10.21.富山市有峰。
毎年恒例のポイントでの紅葉です。
今年は例年よりも冷え込みが少なく撮影も一週間遅らせたのですが、ブナの葉がだいぶ茶色くなってしまいタイミング的には数日遅かったようです。
ただ、ブナの色付きは時期だけでなく気温の要因もあるのでもしかしたら冷え込みが弱いせいかもしれません。




↑ 同上。雄山、立山カルデラ方面を望む。
今年はまだ初冠雪の便りが届いておらず残念ながら三段染めは拝めそうにありません。


さて、しばらく日記の更新をさぼっておりましたがやっと再開しました。
この場を借りて報告させていただきますが、実は身内が大病を患っているため見舞いと看病のために店をちょくちょく臨時休業させていただきます。
見舞いも店の営業も代役では務まらないため何卒ご理解をお願いいたします。

さて、この時期と言えば毎年一番話のネタが多いシーズンです。
ただ、やることが多すぎて欲張るとどれも中途半端になってしまうために優先順位を考えるのに一苦労です。
本来、紅葉の時期は写真撮影とキノコ狩りを兼ねて行うのですが、今年は有峰の回数を減らすためにこの日はヒメオオの材割り採集を行いました。








↑ 例年通り、昨年と同じ立ち枯れより複数の新成虫と幼虫を得ることができましたが、生息密度が低下していることが懸念されます。
発生木が古くなってきたこともありますが、同じ面積の範囲を削っても得られる個体数が減っています。
採集圧の影響が否めない状況です。

必要分だけ採集した後は、いつも通りキノコを物色して歩きます。
以前にも書いていますが、数年前にナメコの大発生があって以来、採集者がわんさか押し寄せて根こそぎ剥ぎ取られてしまったせいか昨年来、ほとんどナメコは見られなくなってしまいました。
そのせいか採集者もほとんど姿を見なくなったのでまた数年後に発生することを期待しています。








↑ ほとんどキノコが見つからない中で、ブナの倒木の幹の下側で隠れているヤマブシタケを偶然見つけました。
過去に3回ほど天然のものを見たことがありますがこれだけ立派に群生しているのは初めてです。
状態的にも採り頃の成菌でしたのでもちろん持ち帰ります。
見た感じよりも結構ずっしりとしており、炒め物と鍋や味噌汁で食しましたがわずかな香りと独特の食感が美味でした。




↑ その後場所を変えてここ2年ほどチェックしていなかったカンバの倒木を見てみるとわずかですがナメコが採れました。
やはり採集者がいないと少しは発生しているようです。

時間がなくなってきた中で取り置きしてあるブナの倒木の状態を確認しようと向かっている最中に、ふと数年前に見つけた立ち枯れに目をやると、




↑ 見事にコフキサルノコシカケが繋がって生えています。
6個くらいの個体が合体して長径で1mを超える大きさに生長しています。
これらのサルノコシカケ科のキノコは昔から漢方で重宝されるだけでなく最新の医学でも抗癌作用や免疫増強効果が認められており(このコフキサルノコシカケはAランク)補完医療としても注目されています。

山に入っていると度々偶然とは思えないような発見や体験をします。
山の神様は、私欲に走らず真摯に努めていればそのときに必要な恩恵を授けてくれるものです。
実母が癌に侵されている自身にとってはまさに自然からのプレゼントです。
しかしながら、あまりにも量が多くこれだけしっかり着生していると自身が座っても落ちないくらいですので剥がすのに大変な苦労をします。
現状まだ店に以前から保管しているサルノコシカケが残っているので無理に採らずに、この下に単独で生えていたものを二つだけいただいていくことにしました。




と言っても一個で40~50cmほどもある大物です。
これを細かく砕いた後に粉砕して煎じて、煮汁をさらに煮詰めたものをお茶や飲み物で割って服用します。
生えていたブナの大木に効果があることを願って手を合わせずにはいられません。


さて、日は変わって10月23日ですが、この日は仕事のパートナーのS氏に付き合ってもらい利賀に取り置きのミズナラを見に行きました。
発見したときは立ち枯れでしたが昨年根際から折れて倒れ掛かっています。
以前にも日記で紹介したことがありますが幹に20個以上のコフキサルノコシカケが着生している立ち枯れでしたのでかなり柔らかく腐朽していると推測しています。
先日、有峰でサルノコシカケは入手しているので今回は材に期待します。

このミズナラは自身のナメコのポイントでもあるのでナメコ狩りも兼ねています。
ところが、ポイントに着いてみるとどの木を見てもナメコは見当たりません。
タイミングが悪かったのかとも思いましたが、幼菌や老菌でさえも全く生えていません。
2年前までは一本で10kg近く発生していた御神木でさえ見る影もありません。
昨年くらいから出が悪くなっていたので発生木の劣化が進んできているのはわかっていましたが、こんなに急激に出なくなるとは想定外でした。
数年来、大量のナメコ狩りを楽しませてもらいましたが、これからは以前のように天然ナメコは貴重なキノコに戻ったようです。




↑ ナメコは出てませんでしたが、ブナの倒木にヒラタケの群生を見つけました。
まだ冷え込みが弱いので、それほど肉厚ではありませんが全部で4kgくらいにはなりそうです。




↑ ミズナラの根際に生えるモタセ(ナラタケ)。
このコケが出てるということはまだナメコには早いのかもしれません。
これが黒い老菌になって果てると入れ替わりでナメコが出てきます。
ただ早生のナメコはナラタケに先んじて発生するのでそれが見当たらないと言うことはやはりこの後も期待薄でしょうね。




↑ ナラタケの横に落ちていたミヤマクワガタのメスの遺骸。
他にもオスを含めて複数の遺骸があったのでこの立ち枯れの根にはミヤマの幼虫が入っているのでしょう。

さて、目当てのミズナラですが部分的にはいい状態で裁断できたのですが、本体の一番良い部位はチェーンソーが必要なのと現状では危険が伴うので結局来年まで寝かすことにしました。
雨も降ってきたので山を降り、別のポイントで赤枯れ材を採取して帰途に着きました。




↑ 赤枯れ材に発生した新鮮なマスタケの成菌。
褐色腐朽菌のマスタケが生えているのだから赤枯れなのは当然ですが、マスタケは劣化しやすいのでなかなかいい状態ではお目にかかれません。
この状態なら可食で、鶏肉のような食感を味わえます。


日付の順番が前後して上記の前になる10月18日ですが、近郊の呉羽山系に行ってきました。
地元の人なら分かると思いますが、ここは富山市街地に隣接している標高100~200mほどの山地の末端で城跡や公園や遊歩道もある身近な山です。
もともと豊かな雑木林でしたが、近年は放置され竹が繁茂して環境問題にもなっています。
逆に強引な開発もされずに残っているので春のタケノコ狩りや秋の自然薯掘り、夏はカブトムシ採集に多くの人が訪れます。

自身もちょくちょく行っては山中を歩きつつ息子と一緒に材探しをしたりもするのですが、先日偶然かなり良好なエノキの立ち枯れを発見したので早速採取するために訪れました。
発見時に手ノコで一部裁断したのですが、均一に朽ちていて柔らかいのですが長径で50cmほどあるのでこの日はチェーンソーで一気に片付けました。
一本の立ち枯れといっても使える部分は4ホールくらいです。




↑ 断面を見れば綺麗に朽ちているのが分かると思います。
この材はもちろんHPの販売用のエノキ材の在庫となります。

エノキの採取の作業が終わった後で、さらに他の材を探して歩いていると、道から外れた藪の中の地面にひとかたまりのキノコを見つけました。
当初は倒木に密生したシハイタケかと思ったのですが、近づいてみるとどうも違うようです。




↑ これです。木ではなく地上に生えています。
近づいてみると、




「ん?、・・・・・。」
「マ、マイタケっ!!!!!」
「いやいや、そんなはずない!落ち着け、落ち着け!」
と自分をなだめながらじっくり考えてみます。
まず、こんな場所でマイタケが見つかるはずもないし見つけたという話も聞いたことがありません。
標高も低いし、ましてや生えている木はミズナラでもブナでもなく似ても似つかぬウワミズザクラです。
きっと勘違いで実は違うキノコだと思い、まずトンビマイタケを疑います。
しかしキズを付けると裏が黒変するという特性が見られません。
次にカラスタケを考えますがやはり色や香りが一致しません。
とりあえず採取して持ち帰り、店に行ってから色んな資料で調べました。
チョレイマイタケが近いようにも思いましたが、ネットで画像を調べるとやはり微妙に違います。
結局、間違えるキノコが存在しないという結論に至りながらも半信半疑で自宅に持っていって嫁に見せると、やはり
「マイタケじゃない?」
と言います。

こうなったら間違う毒キノコがないので食べてみるしかないと、調理してもらいました。




↑ とりあえず少量を炒めて食してみます。
「うん・・・マイタケ!」
やっとマイタケであることを確信しました。
いままでブナやミズナラの森で散々探して発見できなかったマイタケがこんな形で見つかったのでいまいち感動がありませんでしたが、これも山の神様が作った一期一会なのかもしれませんね。
翌日は残りを天ぷらにして堪能させていただきました。




初マイタケ、ごちそうさまでした。
2016年03月03日




↑ 3月1日、店の近くで撮影。
3月の幕開けは暖冬とは裏腹に積雪の寒い一日でした。
結局、今冬の積雪は1回大雪があっただけでそれ以外は根雪になる積雪は皆無でした。
また、寒暖の差が激しく2月に20℃近くになったり今週末の3月6日頃には20℃以上になる予報が出ています。
昨日まで雪が舞っていたのにわずか3日で15℃以上気温が上がるのだから体調も崩すでしょう。

自身は2月の月末よりインフルエンザB型に感染いたしました。
バイト先で一気に4~5人同じ部署から発症したので間違いなくそこからもらってきたのでしょう。
発熱して12~15時間ほどで救急センターでイナビル(吸引型のインフル処方薬)を処方されたので、これでひどくならずに済むと安心していたのですが、今日で5日目になりますが未だに熱が引きません。
かかりつけの内科で再診も受けたのですが特に打つ手があるわけでもありませんでした。
仕方がないので少しでも免疫力を付けるために自身はサルノコシカケ茶を飲用しています。




↑ 自身が山で採ってきた複数の種類のサルノコシカケ、正確に言うとサルノコシカケ科やマンネンタケ科のキノコを粉砕してブレンドしたもので、当店のクワガタ用のオリジナル添加剤として販売しているものです。
以前も日記で書いたことがありますが自身はこれをクワガタ用ではなく自身の健康維持のために飲用しています。
基本的にキノコは全般に免疫力向上の効果があると言われていますが、わけの分からんキノコもあるので何でもかんでも口にするのは避けましょう。




↑ 上記の粉砕したキノコをティーパックに適量を詰めます。




↑ それを市販の梅昆布茶(別にどんな飲み物でもいいのですがこれが一番飲み易い)の粉と共にコップに入れて熱湯を注ぎスプーンでティーパックを押してエキスを出す。




↑ 梅昆布茶だけなら薄緑色なんですがキノコのリグニン質や他の成分によって褐色化してほぼコーヒーのような色になります。
慣れると他の飲み物で割らなくても白湯を注いだだけで飲めますが、最初は独特の苦味とキノコ臭さで飲めない人もいるでしょう。
まあ薬理効果を謳うと薬事法違反になるので効果がありますとは書けませんがクワガタ飼育において実際にデータ上は効果が見受けられますし人間においてもキノコのせいかは立証できませんが悪性腫瘍が治ったという報告もあります。
本来なら常日頃から飲んでいればいいのでしょうがなかなかいつもは飲めませんが、食当たりの時などは主観ではかなり重宝しています。
さすがにインフルエンザウィルスを封じ込めるのは無理かもしれませんが…。
みなさんもインフルエンザには気をつけてください。

話は変わりますが、店舗を移転して1年近く経ってやっと袖看板を付けました。




反対側も↓




店の入り口の上には看板を付けていたのですが道路を走っているとなかなか気づかないのでお客さんが分からずに素通りしていくことが多かったのでこれで少なくとも分かるようにはなったと思います。

P.S.
今季も雪が少ない中なんとか数回スノボに行くことができたのですが、その中で2月12日に牛岳温泉スキー場に行ったときに久しぶりに光彩現象が見れました。




ケータイのカメラで撮ったのではっきりとは分かりませんが太陽の周りにかかった薄い雲が虹色に光っているのが分かるかと思います。
この日はフェーンで最高気温が20℃近くにまで上がりまるで春スキーのようでした。




↑ スキー場最上部から見た富山市街方面。
本来ならこの時期なら平野部でも雪で白いはずですが眼下の山間部でもだいぶ地面が見えていることからも今季の雪の少なさが分かります。
2016年01月26日




↑ ‘16年1月26日、店舗から車で1~2分ほどの場所から眺めた立山連峰。
店は住宅街の周辺ですがちょっと移動しただけで素敵な眺めが見れる場所を見つけました。

遅ればせながらあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて店長日記も更新を怠っている間に越年してしまいました。
昨年のキノコ日記の続きは順序が後先になりますがこのあと順次UPしていきますのでよろしかったら目を通していただければ幸いです。

暖冬暖冬と言われて当地でも18日までの降雪量が0.5cmと史上最小を記録していましたがやっと雪らしい雪が降りました。
雪を待ちわびていたスキー場もやっと相次いで全面滑走可能となり自身も先週スノボで初すべりを楽しんできました。
上の写真は23日からの寒波で今季一番の積雪を記録した市内から久しぶりに晴れて見れた立山です。
昨日25日には市内でも一時最大51cmの積雪を記録しました。
今回の寒波は数十年ぶりの大寒波と言われ西日本以南では記録的な寒波となったようですが当地を含む山陰以北では寒気が上滑りしたのと短期間で抜けたせいで大騒ぎしたほどの影響はありませんでした。
市街地では県内の高岡では積雪が80cmに達し大雪のレベルでしたがそれ以外は例年の冬に1~2回はあるくらいの降雪でした。
まあ暖冬だったところにやってきた寒波なので身体にはこたえますがこれが本来普通なのですから…。
温暖化が進むと当地では通常は雪ではなく雨となり寒波が来たときだけ気温が下がって雪になり大雪になるという傾向があるそうです。
ちょうど今季がそんな感じです。
生活する分にはあまり問題ありませんがスキー場はかなり経営は厳しくなるでしょうね。

さて、久しぶりの積雪なのでついテンションが高くなり写真を撮ってしまいました。




↑ 昨日25日、店のすぐ近くで撮影。
この日の午前中に最深積雪51cmとなりましたが午後には止みました。




↑ 26日、上記の立山の景色をフォトフレーム風に仕上げてみました。




↑ 立山の雄山をアップで。




↑ 降雪後に冷え込んだため雪の表面が凍ってキラキラと光って綺麗です。
厳寒地のようなパウダースノーではないので表面はかき氷のようなフワフワではなくどっちかというとザラメ状になります。

せっかく降った雪も今日以降再び気温が高めに推移しそうなのですぐ解けてしまうでしょう。
下手すると今季はもう積雪するような雪はないかもしれません。
スキー場もいつまで営業できるか分からないのでスキー、スノボをする方は今のうちに楽しんでおきましょう。
2015年12月30日




↑ ナメコとモミジと立ち枯れと。
11月2日、立山周辺にて撮影。

さて、11月に入ればナメコの発生もピークを迎えます。
今年は今のところ長期予報どおり暖冬傾向が顕著なため晩秋でも冷え込みが弱く紅葉は長持ちしていますがナメコの発生はここに来て鈍化傾向にあります。
その分シーズン後半まで発生が続けばいいのですが、そんなに都合良く行かないのでこの時期にがんばるしかありません。

そんな訳で11月2日、この日もバイト明けで徹夜ですが前回10月30日にヒメオオ採集の帰りに立山周辺で新たなナメコのポイントを見つけたので時雨の土砂降りの中、気合を入れてやってきました。
雨脚が強いのと疲れからしばらく車中で待機がてら仮眠を取りますが止む気配がないので合羽を着て雑木林のヤブに突入します。
立ち枯れを順次確認して行くと採り跡が見つかりました。
予想はしていましたがやはり他の採集者が先に入っているようです。
林道に面した訪れやすい場所なので当然と言えば当然です。
ならばさらに奥に行くまでと進んで行くと砂利道の脇道が見えてきました。
こんな所に道があったんだと思っていると、どこからともなく軽四のRV車が来て停車し中から採集者らしい格好をした大人が2人出てきて周りを物色しています。
見た感じ初めて訪れたような素振りでもないのでおそらくこの辺のポイントを知っているのでしょう。
自身同様こんな土砂降りの中で来ると言うことはそれなりに気合の入った者たちでしょうからポイントを被っても取り分は期待できません。
ましてや自身が他者の背中を追うのは好きではないのでここはあきらめることにします。
採取はしませんでしたが、いくらかの幼菌は見つかったのですが、おそらく後日採りに来ても残ってないでしょう。
車に戻ると今度はまた別の軽トラが自身の車の20mほど後方に止まっています。
地元の人間でしょうがわざわざ他の採集者の近くに止めて採集するような者がいる場所では落ち着いて採れないのであきらめて正解です。
無駄に時間を使ってしまったので残り時間が少ないですがちょっとだけ実績のあるポイントを見ていくことに。
ただそちらのポイントも昨年から他の採集者が入り始めているのでそんなに期待はできません。




↑ ここは人の管理が入っているため一部立ち枯れを含め伐採されています。
写真は表面が炭化して黒くなっていますが伐採された根株がホウロクタケで赤枯れしたもの。
別の機会に赤枯れマットの素材として採取に来ようと思います。

このポイントは他のポイントと異なり猛烈なススタケとクマザサ、低木のヤブが生い茂り、前進するだけでかなりの体力を要します。
おかげでそれが他者の侵入をある程度防いでくれているので発生さえしていれば奥まで進めば幾ばくかの収穫は見込めるはずです。




↑ 幸い先客が入った形跡はないもののやはり発生は鈍いようで出ているのは発生木のほんの一部ですが、それでも雨に濡れてヌメリを取り戻したいい状態の群生が見つかりました。
ざっと回って数本で群生を見つけることができたので3~4kgの収穫にはなりました。

そしてその二日後の11月4日、一昨日に立山のなじみのポイントで発生を確認したため体力的には結構しんどいですが、ここも昨年競争率が高くなり採られる可能性が高いため気合で出動します。




↑ 日の出が遅くなり早朝ではまだ西斜面は陽が当たっておらず薄暗い状態です。
この日は一昨日より若干標高を上げて他の採集者にも目に付きやすい道路脇の急斜面を先に入られる前に探す予定です。
シーズンにはかなり来訪者が来るようになったのでポイントからやや離れた場所に車を止めて先日のように同じポイントにかぶって来ないように念を入れます。




↑ 斜面を降り始めてすぐに道路からは死角で見えない倒木にナメコを発見。
さすがに道路のすぐ横の立ち枯れではナメコを切り取った跡がありましたが、本格的な採集者はまだ入ってないようです。




↑ まだ陽が当たらない斜面でナメコと下弦の月のコラボ。
これで俳句でも詠めば風情がありますがそんな余裕はありません。
ただこの時期に当然の冷え込みがないので季節感に欠けます。
その暖かさが発生に影響していることを懸念しながらポイントを見ていきます。




↑ 朝日が当たり始め黄金色に輝くナメコの成菌。
画像はいい状態の群生ですがやはり予想通り発生量はかなり少ないです。
ただ先客がいない分、悔しい思いはせずにすみます。
立ち枯れの数の割りに発生している木が少ないのでまだ早いのかもしれませんが、この分だと発生のピークには採集者も多くなり競争率が高くなるでしょう。
ならば今のうちに体力は要しますが広範囲を足で周って収量を稼ぐしかありません。
平場ならそれでもいいのですがここは急斜面なのでアップダウンや沢のトラバースの繰り返しは体力だけでなく時間も必要なのでこの日は深追いせずに次回に持ち越しとしました。

そして2日後の11月6日、この日は定休日なので一日かけて先日の立山のポイントをじっくりと攻めるつもりです。
この日も天候に恵まれ晴れていますが逆に朝の気温に合わせて合羽を着て入山すると汗だくになって合羽の内側がベタベタに濡れてしまい、まさに本末転倒です。
ただ、まだ雪が積もっていない山肌は下草や低木が繁茂していて服だと引っ掛かって破けたり刺さったりするのでやはり厚手の合羽が重宝します。
そんな歩行困難な斜面を降り始めて間もなく、




↑ ナメコより先に材を見つけてしまいました。
ヤキフタケの着生したミズナラで一見しただけで極上であることが分かります。
折れ口を裁断してみると接地していた側が若干変色していたものの均一に朽ちていて思ったとおり逸材です。




やはりヤキフタケ、ザイモクタケの腐朽材にハズレなしですね。
付近を見るとこれの続きの折れた枝が複数落ちています。
いいものだけを選別しても一度に運ぶのは困難です。
ましてや林道まではさほど距離はないものの10kg以上はあるこれを運ぶと今からのナメコ探しの体力を著しく消耗してしまいます。
もう一つ懸念されるのが出掛けに主の目的ではない副産物を見つけるとメインがまるでダメになるというジンクスがあります。
一応、商売から考えればこの材を見つけただけで今日の上がりは十分なのですが、この日はあくまでも狙いはナメコです。
ナメコが採れないと満足感は得られません。
ネガティブな予感を無視するようにして材は後回しにして先に進むことにしました。




↑ こちらはナメコではなく地上生のチャナメツムタケ。
ナメコの仲間で可食ですが量が少ないのでこの時はスルー。




↑ ひと言に斜面と言っても遠目に見ているのと異なり実際はかなり複雑に谷と尾根が折り重なっています。
当たり前ですが斜面を横にトラバースするときは尾根→谷→尾根の繰り返しです。
上写真でも正面の対岸に行くときは一旦谷を降りて対岸を登らなくてはいけません。




↑ 注意しないと滑落しそうな急斜面。
谷までは20m以上の深さがあります。
このような場所は降りるのも登るのも危険なので大回りして向こう側に進みます。

体力ばかりが減っていく中で肝心のナメコはほとんど見つかりません。
その中で採られた跡を見つけてやられたと悔しがったら一昨日自分が採った跡でした。




↑ やっと見つけた群生もやや老菌気味でイマイチです。
やはり発生自体が遅いのか減少しているのでしょう。
予感が的中したのであきらめて最初に見つけた材を運ぶために戻りましたが材を林道まで運び上げた後は疲労困憊でしばらく路上で立ち上がれないほどです。
この材は採ってくることができましたが中には見つけても持ち帰れない材が結構あるので極上材の希少性が分かっていただければ幸いです。

さすがにもう同じ斜面を再度降りる気力もないので車でポイントを移動します。
峠を越えて反対斜面に向かいますがこちらは昨年も多くの採集者が来ていたポイントです。
この日はさすがにそれほどではないものの林道上でリュックを担いだ採集者らしい年配者がいたのでやはり他にも来ているのでしょう。
人が入ってなさそうな場所を見つけて軽く散策してみると幼菌しか見つからないのでやはりタイミングがずれているようです。




↑ 斜面で見つけた珍しい形のスギ。
立山周辺では樹齢数百年の立山スギが有名ですが、こちらはどちらかというと片貝川上流に見られる洞杉に近い神秘的な形状です。
立山は日本3大霊山の一つですのでこのようなスギにも霊が宿っているのかもしれません。
時期を改めて訪れればそれなりに収穫できるかもしれませんが八尾、南砺方面のポイントも気になるところですのでここのポイントはもう終了かもしれないと思いながらこの日は撤収いたしました。
参考までにこの日採取したミズナラ材はオオクワの短期セットや色虫に適した柔らかめ(ボロ材ではありません)の材ですので気になる方はお問い合わせください。
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