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2019年6月
店長日記:1
2019年06月13日



↑ ‘19.4/16 アルペンルート全線開通前の立山連峰。
例年、ゴールデンウィーク前後の時期が新緑と残雪のコントラストが一番きれいな時期なんですが、今年は雪が少ないせいですでにすそ野付近の残雪は無くなってきています。

雪が少ないといえば前回の日記でも書きましたが、2月でもスキー場の雪がなくなるくらいなので当然多雪地でも雪解けは早くなります。
雪解けとともに始まるのが、そう!山菜シーズンです。
この日記を読んでいただいている方には周知ですがまずは山葵(ワサビ)から。

ワサビは雪の下で葉っぱの状態で冬を過ごしているので当然雪が解ければ陽が当たり生長を始めるので雪が少なければ成長も早くなりそうなもんですが経験則から実は違います。
自身が採っているワサビは湧き水の沢の中で自生しているので仮に雪が解けても冷たい雪解け水の水温はほとんど変わらないのでそんなに急に生長しません。
一方、湧き水ではなく地面に自生している場所では雪が解けると急に地熱が高くなるので一気に成長が早まります。
同じポイントでも生えている場所によって2週間~1ヶ月くらい生長に差が生じます。

さて、毎年4月の第1週目には採れる採れないは別にして必ず訪れている利賀のポイント。
今年はスケジュールの都合で2週目にズレました。




↑ 上が今年の4月12日、下が一昨年の4月16日。
一昨年もさほど雪は多くありませんでしたが、それと比べても一段と今年は少ないのがわかります。
先述のように4月上旬では自身のポイントではワサビはまだ尚早で例年ゴールデンウィーク前くらいに改めて採りに来ることが常なので今年もとりあえず様子見という感じで向かいます。

いつものポイントはここ数年毎年続けて採っているし、近年他の採集者(地元の人?)も来ているようなので株も少なくなって肝心の根茎が小さいものばかりになっているので、あえてスルーして5年ぶりくらいに別のポイントへ移動します。



↑ 予想外に生長が進んでおり天然のワサビ田のようになっています。



↑ 一つ一つの株も大きくすでに花が咲き始めています。
写真でもわかるようにここは湧き水が広がって沢になっている環境なのですがこの時期にこれだけ生長しているということはかなり早い時期に残雪が解け切って気温も暖かい状態が続いていたと考えられます。
このまま温暖化が進むと植生や農業に影響が出るのは必至でしょうね。



↑ ここのポイントは5年間温存していただけのことはあって大型の根茎もそこそこ採れます。
センナ(葉ワサビ)だけでも上手に処理すれば辛みは出ますが、やはり大きな根をすり下して葉と一緒に醤油漬けにするのが最高です。
ワサビの根は抗菌作用があるのですり下して一緒に浸けると辛みは抜けていきますが1年間は持ちますよ。
以前は自分だけしか食べなかったので一回仕込めば1年楽しめたのですが、今年は兄弟家族にお裾分けしたので自家用は山菜ビン1本(2~3ヶ月分くらい)が自家用となります。

さて、その後はゴールデンウィークにかけて恒例のタケノコ、タラの芽、ワラビ、ウド、コシアブラと続きますが毎年書いていることなので割愛して、材採集の状況をお知らせします。

以前もこの店長日記で書いたことがありますが、富山県のオオクワガタの採集地でもある県東部のポイントにあるケヤキの様子を見に行きました。
7~8年前に二股の大木で片側が立ち枯れになっている状態で発見し、その後自重で倒れてから4年くらいが経過しています。
元々朽ちていた側は劣化して崩れてしまいほとんど残っていませんが、生木だった側がどの程度腐朽しているかを確認するのが目的です。
あわよくば状態が良い部位を採取できればいいのですが‥‥。






↑ チェーンソーの刃長が350mmですのでこのケヤキの胴径がどれくらいあるかおおよそ分るでしょう?
一部は腐って崩落しているので元々立っているときは胸高で径1m超はありました。
きれいに朽ちてくれればかなりの収穫を期待できるのですが。

この場所は日当たりがあまり良くなく近くに急な沢が流れ落ちているせいで一年を通して湿気が多く風通しも悪いので倒木になると水分を吸収する一方で乾燥しないため朽ちると言うより腐るといった方が近いかもしれません。
実際に裁断してみると全体に過水分気味で内部は生に近く堅いが辺材部は水分で腐っているような状態に近く使用に適しているのは部分的でそれも乾燥させてからじゃないと使えない状態です。

当店の一部のお客様はご存じですが、あまりこの業界でも知られていませんがケヤキはオオクワ系の産卵材としては他の樹種と比べて最も秀逸です。
理論的にはどんな広葉樹の樹種でも同じ状態で腐朽していれば同じ効能が期待できるはずですが、実際は樹種によって優劣があるのが現実です。
このことは改めて材のページで説明いたしますので省略しますが、それだけにこのケヤキに対する期待は大きなものです。

環境から推察するにこのまま放置していても全体が均一に適度に腐朽することはまず期待できないので使えそうな部分だけ試しに持ち帰ります。
乾燥して使えそうな部分は販売用に回したいと思います。



↑ 上記のケヤキの枝の一部ですがかなり偏った朽ち方をしていたため産卵用としては使えそうになかったのですが、食痕があったため材割りをしてみました。
もちろんこれだけの大木なのでそこかしこに食痕は入っていますが、ほぼコクワ。
まれにスジクワかアカアシが混じる程度なのですが、一応周辺ではオオクワの採集実績があるポイントなので全く無視するわけにもいきません。
過去にも数年にわたって何度となく材割り採集を行って結果が出ていないのですが、何となくこの幼虫は気になったので材ごと持ち帰ることにいたしました。

店に戻って菌糸カップに投入するため再び材を割って幼虫を取り出してよく見たところ、




「!!!」


な~ンと!


もしかしてオオクワ?じゃあ~りませんか



的な幼虫です。
2齢の割には大きく3齢のコクワにしては小さい頭部、顎の形状、頭楯の形状や色、今まで材割りで何千頭と幼虫を見てきた経験から第六感的に引っ掛かります。
これは数年ぶりの快挙か⁉と興奮したのも束の間、
割り出し時に幼虫の腹をドライバーで傷付けてしまいました。
翌日、そ~っと確認しましたが案の定、真っクロに変わり果てていました‥‥。
近年、オオクワらしき幼虫を発見しても立て続けに失敗しているためどうも運がないようですね。
まあ、まだケヤキは大半が残っているのでチャンスはまたあるでしょう。

さて、ゴールデンウィーク以降全国的に異常に暑い日が現れるようになりました。
そのせいで野外では下草が繁茂しだして材探しも難しくなってくる状況になってきました。
5月17日、今のうちに需要の高いレアなアカメガシワの腐朽材を探すため心当たりのある雑木林を訪れました。
ここは過去にも優れたエノキ材を複数見つけたポイントでアカメガシワの植生も確認しています。
ただ、アカメガシワ自体は珍しくもなく至る所で見ることはできるのですが、細い若木が多く径20㎝以上の成木は少なく、ましてやその径の立ち枯れとなると相当レアになります。
自身でさえこれだけ山に入っていても数年に一度くらいしか出会うことがありません。






↑ アカメガシワを探す道中で見つけたアズキナシのカワラ材。
黒カワラタケがびっしりと着生しており材も全体がきれいに朽ちており乾燥具合も適度な良さげな材です。
このアズキナシや近縁のウラジロノキは比較的状態の良いものが結構見つかります。
ただ、樹皮下の辺材部表面が硬化しているため樹皮と共に表面も少し削ってやると優れたオオクワ材に適用します。
この日は結局アカメガシワは採れなかったものの自身のオオクワのセット用にこのアズキナシをお持ち帰りしました。

さて、今年もおかげさまで4月より天然カワラ材のご注文が増えてまいりましたのでお客様のご要望に多くお応えできるように努めていきます。
材のことでご質問がある場合は在庫は常時変動していますのでお気軽にお電話でお問い合わせください。


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