クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
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ホーム店長日記2012年12月
2012年12月
店長日記:2
2012年12月29日




↑ 12月10日、店の屋上から北西方向の市街地の景色。
積雪は40cmを超え、断続的に雪が降り続きました。

ついに積雪です。
予想通り当地富山では12月初旬としては異例の大雪となり一時積雪は43cmに達しました。H18豪雪のようにその後も継続して寒波が襲来することはなかったので平地では根雪になることはなく数日後には溶けましたが山は完全に根雪で利賀のナメコポイントも1mを超える積雪となり入山不可となりました。
今季の天候は自身の予想では寒暖の差が大きく寒波の襲来はあるものの長期にわたって豪雪になることはないと思っています。ただ寒暖の差が大きい冬は一発寒波で大雪になることが多く油断は禁物です。

予想外というか予想通りの早い積雪で今季のコケ採りもほぼ終了となりました。
利賀ではまだ回ってなかった手付かずのポイントもあっただけに残念です。
それでも今月に入って一応早期の積雪を想定してポイントの選別を行ってきたのでこれ以上望むべきではないでしょう。

11月までのペースではないものの12月も最終のコケ採りに勤しみました。
先述のように利賀に有望なポイントを残してあったのですが12月に入って平地にも雪が下りてくるといよいよナメコも里山近辺の標高的に最下方のポイントが旬になってきます。
利賀も気になるのですが山間部は積雪のためにだいぶ入山が厳しくなってきていますのであえてリスクを冒すよりも確実なポイントを選択した方が利口でしょう。
そんなわけで先月末にコケの発生を確認した県東部方面に移行しました。
里山とは言うものの先月下旬に降った雪が根雪状態になっているため車での進入が懸念されます。
今月始めの3日(月)は予報では気温が10℃以上まで上昇する予定だったのでチャンスを逃さず山に行ってきました。



↑ この日のポイント付近。やはり山は根雪になっています。
このポイントは昨年も採っている実績のある場所なのでナメコ、ヒラタケ共に期待が持てます。
地面は雪で覆われていますが山道を歩いていると暑いくらいです。やはりコケ採りは気温5~6℃くらいがベストですね。



↑ 早速、ほど良い大きさのヒラタケを発見。



↑ 雪が積もってからのヒラタケは生長が遅くなるものの肉質も厚く締まっていて色つやも最高です。

幸先の良さを予感しながら早速採取して次を探します。
急斜面の横の尾根線を歩いていると斜面下の立ち枯れの樹幹にコケらしきものが見えます。はっきりとは見えませんが遠くからでも樹皮からボコボコと出っ張っているのが分かるということはヒラタケで間違いないでしょう。↓


デジカメのズームで撮影するとやはりヒラタケです。


↑ 近づいて見ると傘幅20cm超の大物を含め予想以上の群生ですが斜面上から見下ろしているのと異なって足元からは発生部位が高すぎて手が届きません。
こんなときは付近で適当な2~3mの枝を拾い先をカマで削ってヘラ状に加工してコケをこそぎ落とします。
ナメコと違ってヒラタケは石付きががっちりと樹皮に張り付いているため結構大変です。
大物は落下の衝撃で割れたりしましたが拾い集めると届いた範囲のものだけでも5kgくらいになりました。もう少し生長を待って全て採れば10kgオーバーも見込めたでしょう。

早くもデイパックがヒラタケで占められた状態になりましたが、そのままナメコを探します。材割り採集時は小型のデイパックで十分ですが山菜やコケ採り時には現在の容量15リットル程度では小さすぎます。
本格的な山師だと20~30kg近くもの収穫物を担ぐらしいので自身はまだまだ及びません。

元の尾根道に戻り昨年もナメコを採集した木を探します。



↑ 予想通りナメコは出ていましたが昨年ほどの群生ではありませんでした。
気を取り直して別の取り置きの発生木を見に行きます。



↑ こちらは期待通りの大群生。ヒラタケも出ていますがまだ小ぶりです。



↑ 裏側の根際付近。まさに採り頃のナメコとヒラタケが共生しています。




さすがに根雪の山では陽の当たらない木の裏側に生えているナメコの表面はシャーベット状に凍っており雫もツララになっています。
この木に今季再度来れるかどうかわかりませんが幼菌はとりあえず残して状態の良いものだけを採取しましたが、それでもナメコだけで3kgくらいはありました。

一通り取り置きの木を見て回ったので少し足を伸ばして奥の斜面の方も見てみることにしました。
さすがに利賀のような標高の高いポイントではないのでナメコの発生木は多くありませんがカシナガによる立ち枯れが多くある以上、数をこなせば必ず見つかります。あとは時間と体力の問題ですね。
しばらくウロウロして戻ろうかとしたときにやはり見つかりました。
遠目にはたいした群生には見えませんでしたが近くで改めて見ると驚きです。



↑ 画像だけでは伝わりにくいですが、出ている全てのナメコが極上です!一部が極上というのは良くありますが全てです。


↑ 左画像は10cm級の大型で若いナメコの群れ、右画像はマツタケのように柄が10cmほどに伸びた肉厚の株。どれにしても古くなって開いたり徒長したものと違ってまさに肉厚でベストの状態です。
それもこれだけバラバラに発生していれば幼菌や老菌が混生しているものですがほぼ同時期に発生したのか全てが採り頃です。
以前、五箇山方面のポイントで見つけた超大型ナメコと同様にこの木のナメコは周辺で採れるナメコとはまるで異質の菌種のように思えます。
今まで何百本という発生木を見てきましたがこれだけ粒揃いの木は唯一無二です。
この木で2.5kgほど採れ一部をその日に食しましたが、やっぱり他のものとはひと味違いました。


↑ 径10cm級の肉厚のナメコはひと傘で64gもあります。これが2つで市販のナメコの1パック以上の重量があります。どれくらい食べ応えがあるか想像できますか?

ブナ帯で採れる早生のナメコもそれはそれで山の香りがして味わいがありますが、冬期に採れる晩生のナメコは雪や低い気温にさらされるため旨みが凝縮して絶品ですね。
ヒラタケも同様に冬場のものは寒茸と呼ぶ地方もあり早生のものと区別されるくらい見た目も味も異なります。



↑ 極上ナメコに満足して帰路の途中に見つけた別のナメコの群生。やや老菌気味で極上ナメコを採った後では食指が動かずスルーしました。
この日の収穫はナメコ6kg、ヒラタケ7kgでした。

さて、3日後の6日は定休日の前日で天気もイマイチでしたが翌日からさらに天気が荒れそうでしたので前倒ししてコケ採りに県東部のポイントへ。
この時期になると常にこの日が今期最後の採集になるかもしれないという覚悟があるので惨敗するわけにはいきません。
そんな思いもありこの日は確実にナメコが発生している取り置きの立ち枯れを見に行きます。
じつは、この木は昨年オオクワの材割り調査時に偶然発見したナメコの発生木で大群生でしたが発生時期が遅く成菌になりきる前に採取してしまいその後は雪に閉ざされて訪れることができなかった木です。
今期は同じ轍を踏まないように発生が早まっていることを願いながら向かいました。
幸いにも3日前に残っていた雪もだいぶ溶けています。


着いて見ると期待もむなしく発生はしていますがまだまだ幼菌です…。



↑ 左が今年の12月6日、右が昨年の12月7日の様子。このところの冷え込みで残暑の影響による発生の遅れは取り戻しましたがやはり昨年と変わりません。
あきらめて他の木を探しますがこのポイントは広葉樹の面積が少ないためあまり期待できません。



↑ それでも程なく少量のヒラタケをゲット。

さらに急斜面を歩いていると、


↑ 細い立ち枯れの上部にプリプリのナメコを発見。
しかし画像でも分かるようにこの木は急斜面に斜めに突き出した状態で、木に辿り着くのもやっとです。木の下は高さ30mほどの崖に近い急斜面でつかまる低木もなく滑ったら間違いなく下まで転がっていくでしょう。
以前の利賀のパラダイスを見つけたときよりさらに危険です。
あきらめきれずにとりあえずカマと拾った枝で木にしがみつきながらなんとかナメコを落とします。
その後、地面に露出した雑木の根につかまりながら拾い集めました。こんなことなら車から安全帯(命綱)を持ってくるんだったと思いながら手が滑って滑落したら「キノコ採集の男性死亡」という記事で載るんだろうか?せめて職業上、昆虫採集の方がマシかななどと考え、命を懸けてまで採らなければいけないものでもないのでこれからはリスキーな行動は慎もうと心に決めて慎重に採り終えることができました。



その後、近くでさらにナメコを発見。


↑ 左は上部画像の木の裏側の群生。やはりシハイタケと共生しています。右はアップの画像。ツヤツヤで非常に状態も良好です。
狙っていた木では採れなかったものの別の木で代わりの収穫がありこのポイントを後にしました。後日、機会があればもう一度訪れるつもりです。

時間があったので3日前に訪れた場所の近くの別のポイントへ行くことに。
ここはちょうど一年前に材割り調査で訪れ結局コケ採りをしたポイントです。
じつはその時に愛着のあった大事な手オノを紛失してしまい春に雪が解けたら探しに来ようと思いながら結局来ずじまいで一年が経過してしまいました。
そのことを忘れていたわけではありませんが現場について改めて思い出しました。
しかし起伏の多い広い斜面の雑木林のどこで落としたとも分からない手オノを探すことは不可能だと探すことはほぼあきらめていました。
そこで着くなり早速コケ探しです。
昨年も何本かでナメコとヒラタケを採っているので多少は採れるでしょう。



↑ 当日のポイントの様子。時折吹雪となる天候でした。そういえば昨年、一昨年の同時期に来たときも同様の天気でした。
これがその年で最後のチャンスという天候が荒れる直前に来るので当たり前といえば当たり前ですが…。



↑ すぐに昨年と同じ発生木でやや開いたナメコをゲット。



↑ 昨年は出ていなかった木にもナメコを発見。高すぎて一部のみの採取。

一通りウロウロしましたが思うような量のコケは見つかりません。
アラレ混じりの吹雪も時折ひどくなるのでもう撤収しようと車に戻っているときに良さげなコナラの朽ち木の落ちた枝を見つけて裁断し持ち帰ろうとして、ふと上を見ると前方の木にヒラタケが。


↑ 今日一番の大きな株が2株あります。大きなものは20cmくらいありこれだけで3kg超はあるでしょう。
高さが3mほどの所なので木が二股になっているところに登って手を伸ばしてカマで切り落とすことにしました。


↑ 二股になっている部分に登りました。
首尾よくヒラタケを落としてこれで良し!と、股の部分から地面に飛び降りると靴のすぐ横に何やら木製の柄が…。



↑ この状態です。なんか見覚えがあるな…。
「あっ!!!俺のオノだ!」
思わず声が出ました。


↑ 他人にはたいして感動的なことではないでしょうが自身にはまさに奇跡でした。
どこで落としたとも分からない手オノがこんな形で見つかったのは偶然ではなく必然としか思えませんでした。
画像を見ても分かるように雪に覆われているところも多くあり、ましてや丸一年も放置されていたのだから雑草や落ち葉に覆われていても不思議ではありません。
残念ながら金のオノではなくサビだらけのオノになっていましたがわざと目立つようなヒラタケで自身を呼び寄せて山の神が見つけさせた粋な計らいだと思わざるを得ません。

昨年も新潟の妙高で落とした携帯電話を3日後に発見(みぞれや雪の中で水の浸入もなくバッテリーも残っていました)できた不思議体験がありましたが、そのときは大体の場所は推測できましたが今回は落とした場所自体記憶にありませんでしたのでまさに奇跡でした。
縁があって一年ぶりに戻ってきた手オノですのでしっかり研いでメンテナンスして来期からまた活躍してもらいます。
最後に思いがけない出会いが会ったことに山の神に手を合わせてこの日は帰途につきました。
この日の収穫はナメコ6kg、ヒラタケ4kgと値千金の手オノでした。

さて、その翌日からは予想通り冬型の気圧配置が強まりこの時期としては異例の寒波となり富山市内でも10日には一時43cmを記録する大雪となりました。
市街地はじきに溶けるからいいのですが里山でも完全に根雪ですので下手をすると今期はこのまま終了になることを覚悟しました。
しかし冒頭でも書いたように今冬は一発寒波の傾向があるためその後は寒波が継続せずに1週間後には平地ではほとんど雪も溶けたので、今度こそおそらく最後の入山になるだろうと17日に再び先日のナメコポイントに行きました。
前回は幼菌だったためにそのまま取り置きしましたが今回採取しなければもう入ることさえできなくなるでしょう。
ポイント近くの林道に入るとやはり相当の残雪というより根雪になっています。



↑ 誰も入っていない崖の横の林道は積雪30~40cmほどでカモシカの足跡が残っているだけです。
これだけ積雪があると、もう1回降れば完全にアウトでしょう。
林道横が急斜面になっているので所々小規模な雪崩も起きています。気温が上がったときは注意が必要です。



↑ 取り置きの立ち枯れに着くと、やや小ぶりながらも成菌に生長したナメコが迎えてくれました。右の画像では凍って解けてを繰り返したために表面がシワになっているのが確認できます。
全て採取した後、もう一ヶ所のポイントへ行くためにすぐに車に戻りました。

もう一ヶ所といっても新規のポイントなのでまだ見たこともありません。地形図でだいたいの様子の見当はついているので行ければ少なからずコケは採れるでしょう。
しかし、この時期の新規開拓はやや無謀だった観があり案の定、林道は積雪で通行不可でした。
仕方なく先日行ったポイントの周辺で新たなポイントを探すことにしましたが、こちらも林道上には積雪が…。
車のギアをスーパーLOWにして行けるところまで行ってスタックしたところで誰も来ないだろうから路上に乗り捨ててあとは徒歩で向かいました。



↑ この日周ったポイント。雪は膝近くまであり歩くことさえ難儀ですが、視界は良好なのでコケ探しにはもってこいです。
細い木が多いですが所々に大径のだいぶ朽ちた木があるポイントです。



歩き始めて間もなく雪の重みで落下したばかりのヒラタケの生えた枝を発見。枝自体も断面を見る限り産卵材として良さげな感じですが裁断しても車まで運べそうにないのでコケだけ採取。

さらに進むと、



↑ ナメコの群生です。左右の画像共に同じ木の裏表です。全部で7~8kgくらいにはなりそうな大群生ですが残念なことにやや老菌気味なので、しょう油漬け用に一部を採取しただけで大半は手をつけませんでした。
前回、ここを探さなかったことを後悔しましたが来年の楽しみにしておきましょう。



↑ 偶然一部が雪の上に出ていたので発見できた雪に埋没した倒木上のナメコ。掘り起こすと出てきた文字通り絶品の雪割りナメコ!



↑ 斜めに倒れかかったコナラの朽ち木の裏面にビッシリ生えたヒラタケの群生。
もう少し生長すれば全部で10kg以上になるでしょう。ヒラタケはこのような採れ方をするので一気に収量が増えます。



↑ 別のヒラタケの群生。さすがにこれだけ冷え込んでくるとヒラタケの発生もピークになってきます。

コケを入れる袋もなくなったので撤収することに。
この日もナメコ6.5kg、ヒラタケ8kgの収穫でした。今年も春の山菜から今まで多くの恵みをありがとうございました。
また、来期もお邪魔させてもらいます。

さて、この後は案の定クリスマス寒波の到来で富山でも12月としては45年ぶりという様な最低気温を記録するなどさらに冷え込みが増したため入山は自粛することにしましたが、先月店長日記にも書きましたがB氏とともに採取してきて倉庫に保管していたケヤキ材を見たところ見事なヒラタケが発生していました。





↑ 裁断した物理的なショックで一斉に発生したのでしょう。見事な株で下画像ではコケの柄がエリンギのように極太なのが分かりますか?
屋内で雨や雪にさらされていないため水分は多く含んでいない状態でも6kgほど収穫できました。コケもさることながら、このケヤキ材がいかに優れたヒラタケ材であるかが分かると思います。
ヒラタケ材は人工培養でもほとんど販売されていないので貴重です。

さて、今期を振り返って結局コケの総収量は
ナメコが69.7kg、ヒラタケ・ムキタケ・ナラタケ等の雑キノコが約50kg
と、大豊作でした。
要因としては、カシナガの食害による立ち枯れの発症が確認されてから7~8年(ピークから3~5年)経過して腐朽が進みコケの発生木が増えたこともありますが、今期はタイミングを外さなかったことが一番でしょう。
残暑の影響で発生自体は遅れたので心配でしたが、そのことを考慮したポイントの選択がまさにベストだった(自画自賛)ので無駄足になることが少なく収量を稼ぐことができました。
キノコに興味のない読者には退屈な日記が続きましたことをお詫び申し上げます。
来年も日記に関しては乱筆雑文となりますが、その辺はご愛嬌にてご承諾いただけると幸いです。

それでは2013年の皆様のご多幸と当店の商売繁盛を願いまして今年の日記の締めとさせていただきます。
今年も一年ご愛顧いただきましてありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。
2012年12月01日




↑ 11月16日利賀から立山連峰(雄山から薬師岳周辺)を望む。

寒くなりましたね!
師走の声を聞く前に冬の到来です。
当地富山でも27日に初雪を観測しました。冬期予報でもエルニーニョの収束に伴い暖冬予報から寒冬予報にシフトしてきたようです。
自身の経験則から言っても当地で11月にブリ起こしと呼ばれる大きな雷が発生したときは12月の降雪量が増える傾向が見られ、今年は1日としては異常なほど多く発生した日もあり大雪が懸念されます。
毎年書いていますが自身は雪が嫌いではなくむしろ好きですが、あまり早く雪が積もるとナメコとヒラタケを採りに行けなくなるのでもうしばらくは勘弁してほしいです。

そんなわけで11月はナメコのピークとなりました。
11月末現在でナメコの総収量は目標をはるかに超える51.2kgに達し軽く昨年の収量を上回りました。採ろうと思えば雪が積もらなければまだまだ採れます。
店や自宅の冷凍庫はナメコだらけになりそれでも足りないので仕方なく小型の冷凍ストッカーまで購入しました。
身内で相当量は処理できますが必要以上にあるので当HPで販売することにしました。
詳細は商品欄をご覧ください。

さて前回の日記は11月4日までの内容でしたが9日は定休日だったので偶然休みだった嫁を説き伏せて4日と同じ五箇山周辺のポイントにナメコ狩りに同伴させました。
と言っても嫁は車中で待っているだけで自身が一人で採取しているのですが…。
とりあえず4日にまだ幼菌で採らずに残しておいたナメコを見て行きます。



まず最初のポイントで、まだ少し早いツボミのものが多いですが数日後には林道が閉鎖になり採りに来れなくなるので待っている訳にもいかずある程度の大きさのものは採取していきます。右上の画像のものくらいが多いです。



↑ こちらはまさにベストです。ツボミが好きだという人もいますが個人的にはツボミよりもちょうど開いたばかりか少し経ったくらいの方が好きです。



こちらもあと1週間すれば自分としてはベストのタイミングですが採取します。残暑の影響によるわずか1週間のズレがこういう時には大きな差となります。
自身は元々夏オトコでいつまでも夏を名残惜しむタイプでしたがコケ採りに興じてからは秋が来るのが待ち遠しくてなりません。
残暑で秋の訪れが遅いときに限って冬の訪れが早かったりして秋が短くなったりするんですよね…。

最初のポイントで4日の採り残しにもかかわらず3kg超と予想外に採れました。
次は本命です。前回の日記でも写真を載せましたが根部近くから身長以上の高さまでビッシリと幼菌が発生していた立ち枯れです。
計算どおり生長していれば大量収穫になるはずです。
到着して期待しながら見てみると、


あれ…?幼菌はほとんど生長しておらず代わりに側面に新たにビッシリと幼菌が発生しています。↑
マイタケなどではキノコに触ったり息を吹きかけただけで生長が止まり腐ってしまうと言われています。ナメコにも当てはまるかどうかは定かではありませんが過去にも同じようなことが何回もあります。
先週自身が見てしまったことがストレスになったのかもしれません。
さすがにスーパーで売っているサイズでは満足できないし処理も面倒くさいのである程度の大きさのものだけ選別して採りました。
1週間後には大群生になっていることでしょう…残念!

予定ではこの木で大量に収穫してこの日は終了のはずだったのですが期待外れだったのでさらに別のポイントを探さなければならなくなりました。
とは言うものの嫁を待たせている身ではゆっくりと新規ポイントを開拓している余裕はないので先日探した場所を拡大して念入りに見て回ります。
去年はそうでもありませんでしたが、やはりここも競争が激化しているようで最近他の採集者が入った形跡があります。
しかしここの採集者は適度に生長したコケしか採らないので採り残した幼菌が成菌になっておこぼれでもそれなりの収穫ができます。



↑ この日ベストの状態の極上ナメコ!近くには他者の採集跡があったにもかかわらず残っていました。
さらに丹念に立ち枯れを見てみると木の上部や崖際の少しリスクのある場所には相当数のナメコが確認できます。
大きな群生は1~2本だけでしたが一段落した頃にはかなりの収量となっていました。
その時はそんなにたくさん採った実感がなかったのですが帰宅後に下処理して計量したところ10.5kgありました。
この収量は1日のナメコの収量としては自己最高記録となりました。

さて、車に戻ると昼時はとうに過ぎています。文句を言わずに待っていてくれた嫁にお詫びのつもりで遅い昼ごはんを食べに行きました。
行ったところは今日のもう一つの目的である飛騨牛の焼肉店である白川郷近くの「てんから」です。
以前もこの日記で紹介したことがあるお気に入りの店です。
以前は飛騨牛の漬け丼を紹介しましたが現在は生肉の提供が禁止されたためメニューからなくなっていましたが代替メニューとして新たに「ローストビーフ丼」なるものが出ていました。



↑ これです。
漬け丼が美味しかっただけにそんなに期待していなかったのですが食べてビックリ!!
山歩きをした後でお腹が空いていたせいもあるかもしれませんが、漬け丼を凌ぐ美味しさです。
ローストビーフ自体は珍しい料理ではありませんが、通常レストラン等で食べるそれとは素材のせいか調理が上手いのか全く異なる味わいです。
これには嫁も満足してくれました。
ちなみにホルモンが好きな人にはここの自家製牛ホルモンもお勧めです。
車で来ているのでビールが飲めないのが非常に残念でした。

9日にナメコが大量に採れたため少し採集は控えめにしようと思い翌月曜日の12日は今までナメコ採集はしたことがない山田村牛岳周辺に様子を見に行くことにしました。
この日は採ることよりもナメコポイントがどの程度あるのか確認することが目的です。
記憶ではかなり立ち枯れは多いので有望だと思っていたのですが立ち枯れはあるものの、かたまっている場所が少なく期待できるポイントは限られているようです。
ありそうな場所に入ってみるとわずかに見つかりますが先方の採集者に採られています。やはりコケ採りの人間が考えることは同じようです。



↑ それでもヤブ漕ぎをして何とか数本の群生を見つけることが出来ました。
結局この日も3.5kgほど収穫できましたがここのポイントは再度来ても新たな発生は期待できそうもないのでこの1回限りで終わりでしょう。
そう考えると利賀や五箇山のポイントがいかに恵まれているかよく分かります。

そんな訳で16日には満を持して今期初となる利賀の本命ポイントへ。
この日は前日までポイント付近では降雪があったため雪中強行軍を覚悟していました。
まだ根雪には早いですがポイント近くに行くと幹線道路でも除雪をした跡が…。
林道に入ると誰も入山していないようでタイヤの走行後はなく、一番乗りであることに安心しながら処女雪の上を走っていきます。
標高が上がるにつれて見る間に積雪は増えておまけに朝方の冷え込みで表面はカチカチに凍っています。
車のギアをスーパーLOWに入れて進みますがノーマルタイヤということもあって積雪が20cmを超える登り坂でそれ以上の走行を断念。
あとは歩きで進むしかありません。



↑ こんな感じです。天気が良いのが幸いです。



雪の上に散らばったモミジが秋の終わりを物語っています。
歩いていくと日陰では多いところで30cm近く積もっており歩くだけで暑くなってきます。



早速道脇の切り株でナメコを発見。クワガタの産卵痕も確認できます。せっかくのナメコの発生木なので材割りはしません。
道からすぐ見える場所でナメコが見つかるということはさほど他の採集者が入ってないことが推測できます。



滑落しないように斜面を少し降りると採り頃のムキタケもボチボチ見つかりました。
ムキタケを採りつつナメコの発生木に向かうと出てはいるもののわずかに採られた跡とまだ幼菌です。やはりここも発生が遅れているようで積雪前に来た他の採集者も多くは採っていないようです。
しかし、ここのポイントは広いので期待しつつ斜面を探します。積雪があるので登るのはキツイので下斜面に降りて行きます。結局帰りは登って来なければいけないので一緒なんですが…。

雪が積もっているおかげで背丈以上ある笹が倒れていて、さらに背景が白いので樹幹に生えた黄金色のコケが目だって見つけ易いです。


根部付近からは雪に覆われたナメコの群生や樹幹部分の成菌もあちこちに確認できます。



↑ 樹皮のめくれた部分に所狭しとひしめくように群生するナメコ。このような場所を好んで発生するので採取するときは極力樹皮を剥がさないように採らなければなりません。



↑ 寒くなってから発生した晩生のナメコは傘の色がより濃い茶色をしています。生長は遅いですが引き締まった身は格別です。



↑ 発生後に乾燥で一時生長が止まったが降水や降雪で水分を吸収してヌメリが復活したナメコ。十字に割れた傘とボコボコとした表面のヌメリが一度乾燥したことの名残です。もちろん風味に問題はありません。



↑ 周り中、立ち枯れだらけのポイント。全て見て回るのは困難です。



↑ この日の収穫。ナメコが8.5kg、ムキタケ10kgと1日総合計の収量では18.5kgで1日の最高記録を更新しました。
やっぱり本命。期待通りでした。
ただこれだけの量のコケを背負って手にも持っていたので斜面でバランスを崩し谷に滑り落ちて岩で膝を打ちつけました。その瞬間は膝の皿が割れたと思ったのですが幸いわずかにずれて多少腫れただけで済みました。浮かれていると痛い目を見ますので気をつけましょう。

16日に大量収穫があったので19日は再び新たなポイント探しに細入村から八尾にかけて巡回しました。
この辺りはクワガタ採集でも数回訪れていますがあまり良かった例がありません。
コケ採りではどうかと思ったのですが全くこの日は見つかりません。途中、県外ナンバーのコケ採りと思われる車がかなり山奥で止まっていましたがおそらく車中で泊まり徒歩で相当な奥まで入っているものと思われます。
ここは自身とは気が合わないと判断して早々にあきらめました。自然を相手にする時は第六感のような感覚的な判断が正しいときもあります。野生の本能を磨きましょう。

若干フラストレーションが溜まったので22日は再度利賀の本命ポイントへ。
前週は林道下部の斜面を探したのでこの日は上部を攻める予定です。
目的地に着いてみると前週の雪はほとんど解けて所々陽の当たらないところに残っている程度です。
雪の重みから開放された猛烈な笹ヤブを掻き分けて斜面を登り進むと残雪の上に足跡が。
この1週間に誰か採集に来ているようです。
それも結構奥まで入っているようで手強い先客です。
しかしナメコの出ている木を発見して見てみると確かに採ってはいるのですが採り方が雑だし中途半端です。あまり上級者ではないようですね。


↑ 乾燥で生長が止まった早生の幼菌から採り頃の成菌、晩生の幼菌と様々なステージのナメコが生えているも先客は見つけなかったのか残っていました。



近くの別の木で見つけた美味なヤマブシタケ。珍しいキノコですが残念ながら老菌で緑色に変色していました。新鮮な成菌では真っ白で最近では栽培ものが流通しています。



↑ 先客が訪れたときにはまだ発生していなかったのか晩生の幼菌がビッシリと出ています。次回に期待をして触らずに残しておきます。



先客がナメコを採った跡がある木の根部に生えていたクリタケの株。残念ながらこの時はやや老菌になっていたので採取しませんでしたが先客が来たときは採り頃だったと思われるのでクリタケには興味がなかったのか残していったのはもったいないです。

なかなか手付かずの群生が見つからないまま斜面をウロウロしていると谷筋を挟んだ対岸の斜面に幹が黄金色の立ち枯れが見えます。
コケが生えているようにも見えますが肉眼ではイマイチはっきりしません。
デジカメの望遠で撮影してみると、


↑ ムキタケではなくどうやらナメコのようです。
これは期待できると斜面を一旦上に向かってトラバースして谷を渡りさらに今度は横にトラバースして目的の立ち枯れへ向かいました。



着いて見ると確かに大群生です!
しかし画像では分かりにくいですが、この立ち枯れは斜面に向かって突き出すように生えていてナメコの生えている部位まで行こうと思えば行けますが、その地点で地面から高さ5~7mくらいあり落ちたら無事では済まないでしょう。
昔はこれくらい何とも思わなかったのですが子供ができて以来、やや高所恐怖症のきらいがあり画像で見る以上に実際は怖いです。
他人が行くといったら間違いなく止めた方が良いと忠告するでしょう。
だけど大群生を目前に敵前逃亡は恥だと思い採ることを決意しました。



↑ ついに辿り着いた今期一番のナメコのパラダイス。
全部採ればゆうに15kg以上はあるでしょうがさすがに上部はよじ登って採る勇気はありませんので画像に移っている範囲で採ることに。
やや老菌になっているのもあり前週この木を見つけなかったのを後悔しましたが、当時は雪を被っていて見つけられたかどうかわかりませんしここに辿り着くこともできなかったでしょう。
老菌以外のナメコを回収しましたがそれでもこの木だけで10kg近くの収量がありました。
これだけの群生は過去にも1本しか見つけことがありません。
先客に採られなかったことに感謝しました。
これで撤収してもよかったのですがまだ少し時間があったので前週見た林道下部の斜面の残しておいた幼菌の様子を見てくることに。



こちらも落ち葉に覆われたベストの状態のナメコが見つかりました。



上の画像のナメコのアップ。落ち葉に覆われて雪が直接触れていなかったため傘の表面のヌメリは少なめですがタイミング的にはちょうどです。

まだまだ探せば見つかりますが入れる袋がなくなり又、調子に乗って時間もオーバーしてしまったので切り上げることにしました。



↑ この日の収穫。下処理後の計量でナメコは12.7kg、ムキタケ1.5kgでナメコに関しては先日更新した1日あたりの収穫量の自己記録を再度更新いたしました。
ちなみに帰り際、車の近くから林道横の深い谷を挟んで対岸の斜面やや下部に幹の色が変わって見えるほどナメコの発生した立ち枯れを見つけました。
おそらくこの日見つけたパラダイスと同等かもしくはそれ以上と思われます。
ただ、そこに行くには往復で30~40分、ナメコの採取で1時間はかかるでしょうから時間的にもバイトで徹夜明けの体力的にも無理なので断腸の思いであきらめました。
他の採集者に採られなければ次回採ることはできますが1~2日以内でなければタイミング的に採り頃を過ぎてしまうでしょう。

続いて23日金曜日は本来定休日ですが祝日なので営業のため山には行けず、代わって25日(日)にバイト明け徹夜でブリーダーのB氏と魚津方面に以前から狙っているケヤキ材の採取に行きました。
このケヤキは2年以上前に自身が部分的な立ち枯れの状態で見つけたものの腐朽部が地上3mより上部で攻めあぐねていて今年の夏前にB氏と共に挑戦したのですがやはり裁断できずに今回はリベンジとなります。
この日は折りたたみの脚立、チェーンソー、荷重5トン対応の油圧ジャッキと準備万端です。前回チェーンソーで裁断を試みたのですが腐朽部の径が太いところで70~80cmあり倒すことができなかったため裁断面にジャッキをかませて倒す計画です。
かなり危ない荒仕事ですがこうでもしないと優良な材は手にできません。
さて現場に到着すると、
「あれ?木がない…!」
改めて見ると根部から本体もろとも倒れています。



↑ 左が2年前の状態。向かって右側から出ている枝が腐朽している部分で二股になっている部位で地上高3mくらいです。右がこの日の状態。倒れているものの腐朽している枝部分が前回チェーンソーを入れたところからなくなっています。
倒れた衝撃で折れて画像手前に転がっていました。



↑ 腐朽した枝部分。長さは3m弱ありますが予想外に腐朽が進んでいてかなり柔らかい部分があり又、一部食痕が多く入っていて正味使えるのは2m弱くらいでしょうか。
倒す手間は省けたものの水分が多く重たいためカットして足場の悪い登山道を1カット20kg以上の材を標高差70~80mくらい運ぶのは文章で読む以上に大変です。
運び終わった頃には二人ともクタクタでしたが、せっかく山に着たのでコケ採りのポイントを少し見て行きます。



↑ 倒れたケヤキの株に生えていたヒラタケ。今期初収穫です。
そういえば、上記のケヤキはサルノコシカケではなくヒラタケ菌で腐朽していました。よって厳密にはカワラ材ではなくヒラタケ材になります。優良な天然ヒラタケ材はカワラ材以上に希少でクワガタの産卵材としては極めて優れており柔らかさによって色虫、オオクワ系ともに最適です。詳しくは商品欄をご覧ください。



↑ 林道から見た僧ヶ岳。だいぶ雪も下りてきました。予報から1週間もすれば手前の山も雪化粧してこの林道にも積雪するでしょう。ここに入山できるのもあとわずかです。

この辺りのポイントは立ち枯れはあるものの利賀ほどナメコは見つかりません。
標高がやや低いのでどちらかというとヒラタケ狙いです。



↑ ナメコが少し出ていたシハイタケに覆われたナラの立ち枯れ。ナメコとシハイタケは共生することが多くシハイタケが弱体化したところにナメコが発生します。
クワガタ用に使えそうでしたが落下した枝も心材部が残っておりイマイチでした。



この日も林道をコケ採りらしい車が数台通っていったので他にも採集者はいるらしく、ナメコも採取した跡があるものの見落としや採り残しも多くあり、あまり真剣には採ってないようです。
↑のヒラタケもナメコを採った跡がある木の近くで見つけましたが手付かずでした。
ただ、まだ小さいので今回はパスです。



↑ 昨年ナメコを採った木を見に行くと、期待通り採り頃の極上のナメコが出ていました。
上部にはやや幼菌のものがさらに多く生えているのでそれは次回に残しておきます。
時間もなかったので軽く流して見た程度だったのでコケの収穫はヒラタケ0.5kg、ナメコ2.0kgほどでB氏と分けました。

ということで30日(金)は定休日なので再び嫌がる嫁を同伴して25日に取り置きしてきたナメコとヒラタケの回収に魚津へ。
予想通り、この5日間の間に積雪して路面には雪が残っていますが通行は可能です。



↑ 残しておいたヒラタケはやや小ぶりでしたが無事収穫してこちらも前回残しておいた立ち枯れ上部のナメコ。タイミングはバッチリですこぶる極上です。
この日は脚立持参だったので高さ3m付近のナメコも首尾よくゲットできました。



↑ 嫁の機嫌を伺いながら他の立ち枯れを見て回っているとナメコとヒラタケの共生木です。ナメコは2回にわたって発生したようですがあいにくどちらも時期を過ぎており老菌でした。画像より下に3回目に発生した成菌があり多少採れました。
上部のヒラタケはちょうど採り頃ですが手が届きません。脚立はありましたが車から離れたヤブの向こうなので持ってこれません。
残念ですがあきらめました。
この日の収穫はナメコ3kg、ヒラタケ4kgとボチボチでした。

コケ採りに関しては絶好調ですが、この日記をUPした12月1日は平地でも積雪となり、自身の予想通り雪の訪れは早く、入山も厳しくなりそうです。
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