クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
since 1998
ホーム店長日記2012年2月
2012年2月
店長日記:2
2012年02月26日




2月19日、大雪後の晴天に神通川堤防より立山連峰を望む。雪の日が続いた後の晴天だったので格別に綺麗に見えました。



立山連峰の剣岳(画像左)から雄山(画像右)まで。

いや~降りましたね!大雪です。
当地富山では26年ぶりの大雪で自身が富山に来て以来最大の積雪です。
17日の深夜には積雪が95cmに達しました。
このまま1mオーバーになるかと少し期待したのですが残念ながらそこまではいきませんでした。
大雪が降って良いことは何もないのですが自身は雪が好きで本来雪の研究がしたくて富山に来たのですが(なぜか今は虫屋ですが…)自身が来てからはなぜかずっと暖冬続きで雪国らしい生活を体験することができなかったので不謹慎ながら一度豪雪を味わって見たかったのです。

仕事や趣味で山には頻繁に行くので4mに達するような豪雪も目にすることは珍しくありませんが、そこに訪れるのと自身の居住地に大雪が積もるのでは感覚的に異なります。
いい歳をしながらも少年時代のようにワクワクした気持ちになれました(嫁はあきれていました)。



↑自宅の集合住宅の駐車場の様子。19日は日曜日だったため住民が総出で雪すかしをしたおかげで駐車場内は除雪されていますが道路脇はおなじみの雪国の景観よろしく雪の壁になっています。

今季は1月の下旬からずっと雪が積もりっぱなしで雪すかしは日課のようになってしまっているのでさほど苦にはならなくなってきましたが、一番の問題は本業です。

どこに行っても雪があるためもちろんフィールドには出かけられませんし店も開店休業状態で冬眠中の虫と同様に店内でニートになっています…。



↑店の前ばかりを除雪していて裏側を忘れていました。
店のライフラインであるエアコンの室外機が雪に埋もれるところでした。
一昨年は冬季にエアコンのコンプレッサーが壊れて店に泊り込む羽目に遭っているので危うく二の舞になるところでした。

というわけで今回は大雪以外日記のネタになることがありませんでしたので、上の立山の景色でも楽しんでください。
ただ17日の大雪後は雪らしい雪も降らずだいぶ雪解けが進みました。
3月は寒の戻りも少ないようなのでフィールドに出られる日も間近です。雪に閉じ込められる時期があるからこそ春の訪れも感慨深くなるというものです。
あとしばらくは残雪の景色を眺めているとしましょう。
2012年02月10日


↑店の近くで自家用に借りている駐車場にて。除雪をしていない車はほぼ埋まってわずかに見えている窓が埋まってしまえば車なのか積み上げた雪の塊なのか分からない状況です。

立春を過ぎたというのに相変わらず雪の中です。
前回の店長日記で予想したとおり1月23日から雪が降り続き今日現在(2月10日)富山市内でも積雪が80cmに達しました。これだけの積雪と継続した雪は当地でも平成18豪雪以来のことです。
北国や豪雪地帯では当たり前の景色でも雪国だと思われがちな北陸の都市部ではここ20年以上暖冬傾向が顕著で昨年、今年と2年続けて多雪なのは珍しいです。





↑自宅の集合住宅の駐車場の様子。道路わきに積み上げられた雪が2mほどになり自身の車の高さを越えました。一部の車は雪に埋まっています。
例年なら除雪車が入るのですが今年は予算不足なのか怠慢なのか分かりませんがほとんど入らず道路は圧雪となり輪だちが出来て四駆でないと駐車場に入るのも往生します。
大雪のときに限って滞る除雪のシステムには甚だ憤りを感じます。



↑自宅近くの神通川の河川敷に設けられた雪捨て場ですが捨てられた雪が橋脚の高さくらいになり満杯になったせいか先日より閉鎖されました。
平成18豪雪時も閉鎖にはならなかったのでそれだけ今年は多くの雪が捨てられているということでしょうか?
確かに街中では「そこは今除雪しなくてもいいんじゃない?」という場所で除雪車の後ろに大型ダンプが列を成して雪を積むのを待っているのを見かけます。
それを見ていると除雪の予算目当てでやりやすい場所ばかり除雪して住宅街の狭い路地は敬遠されているような気がしてなりません。

当地では今季は一晩で数十センチも積もるような大雪はありませんが毎晩のように20cm前後の雪が降るような状況なので毎日雪すかし(富山の言葉で雪かきのこと)が日課です。
日中も雪が降り続いたときなどは自宅の駐車場、店の近くの自家用駐車場、そして店の前をそれぞれ2回ずつ計6回除雪しなければなりません。
さすがにこれだけの雪だとフィールドに出かけることができないので運動不足を解消するためにはいいかもしれませんが一つも楽しくなくいいかげん飽きてきました…。

そしてこれだけ頻繁に雪すかしをしているとそれに伴うトラブルも多くあります。
自身は自分で言うのも何ですが比較的まめに雪すかしを行う方で、性格なのかやり始めるときっちりやらないと気がすみません。
特に店の前はお客様用駐車場がないので車が乗り入れられるように歩道をなるべく広くなるように除雪します。
そうすると近所の人間が楽をするためにせっかく除かした場所に雪を捨てていきます。
最初はお互い様だと思い仏の心で再びその雪を除かすのですが、それが毎回のことになると明らかに悪意を持って故意に捨てているとしか思えずさすがにクレームを言う事態になることもあります。積まれた雪をそのまま戻してやろうかという気持ちになります。
やはり人間は苦難に遭うと少なからず自分がよければという気持ちが出てくるのでしょう。自身も心当たりがあるので人様のことばかりは言えませんが、そういう時に人間性が分かりますね。お互い気を付けたいものです。

さて、今も書いた通り雪の日が続いているため平野部を含めどこにも行けずほぼ冬ごもり状態で報告するようなことがありません。
降り始めたらおそらくこうなるだろうと思い先月の23日には富山では雪が積もり始めていましたが石川なら大丈夫だろうとS氏とともにいつものポイントにエノキ材を探しに行ってきました。
案の定、風は強いものの雪は積もっていませんでした。
ただこのポイントもほとんど見尽くした観があり新たな優良材はまず見つかりません。
この日は前回見つけて春まで取り置きしておこうと思った立ち枯れを心ならずも裁断しましたが期待しているほどの極上材というわけにはいきませんでした。
やはり雪が解けたら新たなポイントを開拓しなければいけないでしょう。



いつものポイントで見つけたエノキの倒木に生えたヒラタケ。あいにく老菌で食用には適さない状態です。材も水分過多で腐りかけでした。



同じポイントで見つけたチリメンタケにしてはかなり大型の20cm超になったキノコが群生しているエノキの倒木。チリメンタケによって腐朽した材は独特の芳香剤のような匂いがします。
あいにくこの材はまだ腐朽が若かったですが、あと1~2年くらいしたら優良な腐朽材になるでしょう。

このポイントもその後積雪したために冬季の採集はこれで打ち止めとなりました。
雪解け後は下草が倒れてくれて材探しとしては絶好の環境になりますので雪に被われるのも悪いことばかりではありません。
雪が解けたら精力的に探そうと思います。

さて採集記が書けないのでブリードに関する出来事を報告しましょう。



↑は自宅に置いてある幼虫の入った菌糸ビンの様子です。
これらには大型血統の国産オオクワガタが入っており店舗では24時間暖房が効いているのであえて自宅の常温(5~12℃)の部屋にて管理しています。
キャリアのある方はご存知かと思いますが国産オオクワガタ、特に大型血統になると幼虫時に冬を経験させないとセミ化(幼虫のままで蛹化しない現象)する可能性が高くなります。いわゆる四季がある地域に生息する生態の休眠打破にあたります。
植物などでも分かりやすいところで言えばサクラは冬季にしっかり冷え込んだ時期がないと休眠打破がうまくいかず暖冬が顕著だと開花時期が遅れたり綺麗に咲かなかったりします。
それと同様に国産オオクワガタも冬を経験させないと蛹化のスイッチがうまく入らないのです。以前は2年Ⅰ化(幼虫期間が2年にわたる生態)の方が大型化すると言われていたものですが現在ではその考え方はナンセンスというのが通説です。

そのためにあえて寒い環境下で飼育しているのですが、寒いとそれはそれでデメリットもあります。寒いと菌糸ビンにキノコが発生するのです。
画像からも分かると思いますが通気穴に貼ってあるフィルターを突き破ってヒラタケの子実体が出始めています。
放って置くと数日で食べられるくらいの大きさになります。もちろんキノコの栽培をしているわけではないので早急に取り除かないとキノコに栄養分を取られてしまいます。



菌糸ビンのフタを取ってみた状態です。
キノコに栄養分を取られるのも問題ですがフタの内側の空間にキノコが密生して通気を妨げ幼虫が暴れだすリスクも高くなります。

寒いと絶え間なくキノコが発生するので本数が多いと除去するのも大変です。自宅なので作業していると子供が覗きに来て面白がって菌糸ビンを転がして喜んでいます。
幼虫にしてみれば踏んだり蹴ったりでしょう…。

菌糸ビンにキノコが生える現象を生物学的に説明すると、
通常培地(オガ)内に張り巡らせた菌糸は脱リグニン酵素を分泌してオガである木材を分解してグルコースやトレハロース等の低糖として菌糸内に蓄えています。
すなわちこの状態ならオガと共に幼虫に摂食され効率的に栄養分として摂取されます(幼虫自体はリグニンを分解できません)。
しかし、気温が下がり温度ショックにて子実体(キノコ)発生のスイッチが入ると菌糸はオガの分解を止めて蓄えた糖分や水分を子実体を成長させるために使ってしまいます。
そのために幼虫は菌糸に分解された糖分を効率的に摂取できなくなるだけでなく、培地内の栄養価を子実体に横取りされてしまいます。
また子実体の発生が終了すると再び菌糸は培地の分解を始めますが子実体の成長に蓄えた糖分を使い果たしてしまっているので培地はどんどん痩せてきて見た目にも収縮して結果的に劣化を早めることになります。
したがってキノコが少しでも発生した菌糸ビンは見た目に食痕が少なく幼虫が落ち着いているようでも明らかに菌糸の活動が変化しているために劣化の度合いが目に見えない状態で進行しているので放ったらかしていると温度が上がったときに急に幼虫が暴れだしたり、また期間の割りに幼虫が成長していなかったりということが起こり得ますので注意が必要です。

冬季に図らずも幼虫を常温飼育しているブリーダーは参考にしていただければ幸いです。
  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス