クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
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ホーム店長日記2013年12月
2013年12月
店長日記:3
2013年12月25日


さて、気がつけばもう年の瀬で2013年もわずかとなりました。
今年も色々お世話になりありがとうございました。
毎年のことですがこの時期は季節柄ほとんど開店休業状態ですが来年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

今年の店長日記も今回が最終となりました。
ここ2ヶ月くらいほぼキノコが占めていますがアウトドアな趣味はライフワークですのでご理解の程お願いします。
さあ、予想外の大量収穫に湧いた今季のナメコ採集もいよいよラストスパートとなりました。
スパートといっても先月までで目標を大きく超える収穫を得ているので今月は収量を伸ばすことよりもポイントの開拓と既存のポイントの様子の確認が目的になります。
よって今までのように睡眠時間を惜しんで徹夜で入山するような必要もなく気持ち的にも余裕があります。
まあ時間がある範囲で行ければいいかな、という感じです。

というわけで前回12月6日は県東部の恒例の里山ポイントに行ったのですがミズナラ帯のポイントとは異なり例年より遅れ気味でしたので3日後の12月9日、この日は先般も書きましたが店を臨時休業してカワラマットの袋詰めと運搬作業の予定でしたが、昼からで十分間に合うと思い午前中だけ山に行くことにしました。
里山は先日の様子から無駄足になるだろうから、山も根雪になっていないので八尾・利賀方面も行くのは可能なのですが、自分の中では前回が最後というつもりであったし収穫だけが目的ではないのでここは一つ新ポイントを開拓しようと思い、さほど遠くない新川・立山方面に行くことにしました。
新規といっても新川地区のポイントはコケ採りだけでなく本業のクワガタ採集で何十回、何百回と行っているところですが、ことコケ採りに関してはあまり芳しくないので今回はやや立山よりで標高も今までより上げてあえて700mを超えるミズナラ帯を調べてみることにしました。

本来、この時季にこの辺りの林道に進入することは除雪が入らないので困難なのですがまだ根雪になっていないため幸いにも通行できます。
ただ先日の雪で500m以上は積雪しており800m付近まで行くのが限界でしょう。
ちなみにこの日向かった場所は初めて行く場所ですがもちろん行き当たりばったりで行くわけではありません。
事前に地形図でミズナラの立ち枯れがありそうな場所を推測しルートを設定しています。
さらにそこが良好なポイントでないことやルートが通行不可の場合を想定して必ず予備のポイントも考慮しておきます。

自賛するわけではありませんがこれだけコケ採りに入れ込んでいるおかげでだいぶスキルアップして最近では事前の下調べで外すことはまずなくなりました。
この日も大丈夫だろうと余裕で出発しました。
現地付近に到着すると想定外に林道が整備されています。
あまり通行しやすいと他の採集者も多く訪問することになり自身が何よりも避けたい競合のリスクが高まります。
自身には収穫の3原則があります。

① 他人と競合するポイントは極力避ける(他人が行かないところまで攻める)。
② ポイントを多く確保する。
③ 適材適所ならぬ適時適所を守る(時期によりポイントを変える)。

まず他人の後を追ったところで採られた後の苦汁をなめるだけなので他人より先んじるかさらに奥まで進まないと気が済みません。
とりあえず林道を上がって行き標高500mを越えた辺りから道路にも積雪してきましたが先日の降雪の割りには数台の車のタイヤ痕が付いています。
一部は工事車両かと思われますが採集者の可能性もあります。
嫌な予感がしつつも車窓から周りの木を見ているとちらほらナメコらしきものが確認できます。
とりあえず適当な場所で様子を見てみるために停車して林に突入しました。




↑ やはり道路から見える位置ということもあり先客が採った跡がありますが、だいぶ以前のもので最近は誰も訪れていないのか残っています。




↑ ナメコの根元を見ると以前に先客によってカットされた跡がありますが今出ている成菌の状態から見てここ1~2週間は誰も来ていないことが分かります。
ということはさほど知られていない可能性が高いでしょう。




↑ 少し奥に足を進めると見事な房が2つ見つかりました(右画像はアップの写真。冷え込みで凍っており鮮度が保たれています)。
とりあえず確認のつもりで踏み入った場所ですが見つけた以上は採らねばなりません。
この時点でもう新しいポイントとして認知したも同然です。




↑ ほんの一区画ではありますが立ち枯れが乱立しています。
上画像のポイントはさほど広くないので一回りして事前にチェックした本命と思われる場所を目指します。
目的地近くに着くと一部伐採されて開けた場所に地図にはない人工物と駐車するスペースが設けてあります。
そこには車を止めた跡があり人の足跡が伐採地に向かって残っています。
採集者だろうか?と思いつつすぐに入らずにさらに標高を上げて車を進めてみます。




↑ 凍った極上ナメコ。
この辺りは所々に立ち枯れが集まっているポイントが林道沿いに散在しておりそれぞれでナメコの発生木が見つかりますが一ヶ所で大量収穫という感じではありません。
こういう場所ではむやみに歩き回ると疲れるだけなので発生木を記憶してそれだけを見て回るようにしないと収量が伸びません。

さあ、いよいよ先ほどの本命の場所を調べます。
先日に先客がいたことを覚悟しながらも足跡を追ってみると意外にも藪の中には進入せずに開けた場所を散歩しただけのようです。
それならと、藪に向かって突入開始です。




↑ 周りは比較的平坦に近く立ち枯れだらけでいやがおうにも期待は高まりますが画像でも分かるとおり周りは背丈を越えるススタケ(ネマガリタケ)の大群生です。
通常のクマ笹と異なり名前の通り笹よりも太く細い竹といった感じです。
よってちからまかせに進もうとしても全く進めません。
足を取られては転び、身体が引っかかっては止まり、跳ね返ってきた茎が顔面をムチのように叩きます。
春にはススタケの優良ポイントになるでしょうが今は単なる障害物です。
イライラが極限に達し「あー!」「クソッ!」「このやろうっ!」と思わず独り言を怒鳴ります。
つい先ほど付いたクマの足跡があったのでクマ除けにはなりますが第三者がいたらきっと危ない人だと思われるでしょう…。

平坦な場所は立ち枯れの数の割りにはナメコは期待に反してほとんど無くまさに徒労に尽きましたが谷沿い近くに行くとススタケも少なくなりナメコも見つかりだしました。




↑ 斜面にも多くの立ち枯れがあり沢を挟んで対岸の立ち枯れにいくつもナメコが見つかりますがススタケに邪魔されて斜面を登るのは想像以上に厳しいです。
さすがにこの状態ではナメコが採れると知っている人間でないと来ようとは思わないでしょう。




↑ 時期的に老菌が多くタイミングとしてはやや遅かった観がありますが、それでも極上のナメコが見つかると苦労が報われます。
気づくと、軽く新規のポイントを探すつもりがドップリと採集に夢中になっていてとっくに昼を過ぎており慌てて車に戻りました。

おかげでナメコは8.91kgの収穫があり新規のポイントとしてはまずまずの成果でしたがマット生産の工場に行くのが遅れて作業がこの日で終わらずに別の日に持ち越しになってしまい何のために臨時休業したのかわからない日でした。

13(金)は定休日で本来なら県東部の里山ポイントで先週確認したナメコが採り頃になっているはずなので行きたかったのですが、この日はさすがにカワラマットの袋詰め作業と運搬にあてたためコケ採りは休みです。
バイト疲れや降雪等天候の具合により翌週の17日(火)の午前中に県東部のポイントへ。
すでに平地まで積雪が下りてきているのでおそらくこれが最後のタイミングになるでしょう。
積雪を覚悟で向かうと、




↑ 「う~ん…。」
すでに車は通行不可に。道路上で積雪は20~30cmあります。
仕方なく車を置いて徒歩でポイントへ向かいます。
山の斜面に入ると膝くらいまで雪に埋まり歩くだけで息が上がります。
果たして前回取り置きしたナメコは中10日経ってどうなっているでしょうか?




↑ どうやら無事のようです。近づいて確認すると、




↑ いい状態に仕上がっています。主観ではもう3日早ければ最高の状態でしたがそこまでわがままは言えません、ありがたく採取します。




↑ 同じ木でヒラタケも採取できました。一本で二度美味しい木です。




↑ 前回幼菌だった別の木のヒラタケも採り頃に。

さて、この日の期待の主は前回初めて見つけた発生木です。
位置があやふやだったので大体の方向で進んでいくと、




↑ 雪と木の濃淡のコントラストにわずかに緑が混じったモノトーンに近い景色に一点だけ暖色系の黄金色が遠目からでもはっきりと確認できます。
もしかしたら花さか爺さんの「枯れ木に花を咲かせましょう。」というのは朽ち木に生えたナメコのことではないのだろうか?などと勝手な推測をしながら近づくと、




↑ 「うわ…。」
声を失うくらい圧巻のナメコです。
全部採れれば10kg超えコースです。
残念ながら上部は届かないので全体の3分の2程度の採取でしたがそれでも7~8kgくらいにはなりました。
また一本御神木の追加です。
積雪で歩くのが難儀で結局ナメコは2本の木で採っただけですがそれでも収量は12.52kg、ヒラタケは5kgと今年の有終を飾る大漁でした。

本来ならこれで今季のコケ採りは終了の予定でしたが、この後目立った降雪がない状態で10日が過ぎた12月27日(金)、今年最後の定休日で天候もこの日から本格的な冬の嵐が襲来する予報となっています。
今度の降雪でいよいよ平地でも積雪となり完全に山はシャットアウトだな…と思うと今日なら先日の雪が解けていてポイントまで行けるかもしれない。
今季不作だったヒラタケを最後に採りたい!という気持ちに負けて雪が降り出した中を前回と同じ県東部の里山へ向かっていました。
あわよくばこの10日間で路面の雪が解けて車で進入できることを願って…。

ポイントに近づくと前回は通れなかった状態の林道に積雪はあるものの1台の車のワダチが残っています。
おそらくジムニーやパジェロミニ等の軽四のSUV系の車だと思いますが、それなら自身の車(デリカ)で進入可能なはずだとデフロックにシフトして突入しました。
新雪ならば問題ない15cmくらいの積雪ですが気温が高かったためシャーベット状になり駆動よりもタイヤがグリップせずに滑って蛇行してしまいます。
いざ突入すると100m進んだだけで一気に積雪も増えて先客の車もそれ以上の走行をあきらめたのかUターンしたようです。
自身もそれ以上の強行は止めて車を降りて前回と同様徒歩で向かうことに。
見ると先客もそこから徒歩で向かったらしく足跡が残っています。
先客は一人ですがこの時期にこんな所に来るということはほぼコケ採りと見て間違いないでしょう。
とりあえず興味本位で足跡を追ってみました。
すると前回はなかったはずの道路横のナラの倒木に立ち寄っています。
この人間がやったのかどうかは分かりませんが枝に裁断された跡があるのでどうやらこの10日間に伐採されたようです。
倒木の周りを歩き回った形跡がありよく見ると樹幹にヒラタケが残っていたのでおそらくヒラタケを採ったのでしょう。
まあ、まさかヒラタケを採るために径50cmほどの大木を倒すとは思えませんが…
道路のすぐ横だったので積雪で倒れて道路を塞がないように前もって処理したのかもしれません。
自身は残っていたヒラタケよりも倒れて折れた樹幹の上部に興味をそそられました。
折れた断面を見るとほぼ心材部がないくらいに朽ちています。
径20cmくらいで芯がほとんどないというのはナラでは極上の朽ち木です。
ただこの日はチェーンソーも手ノコも持っていません…。
折れた部位は長さ1m以上あり重さは水分を吸って20kg以上あります。
とりあえず保留にして先に進むことにしました。

先客の足跡もさらに先へと伸びています。
間違いなくコケ採りでしょう。
しばらく追うと今度は林道横の立ち枯れが複数ある斜面を下りていっています。
足跡はそこを往復して車に戻っていました。
その斜面でコケ採りをしたのでしょうが自身のポイントとは重複することはなく、また他人の後を追ったところで得るものは少ないでしょうからそれ以上は詮索しないことにしました。
自身のポイントとかぶらなかったのが幸いですが、そこから先は処女雪ですから今度は自身の足跡を追われる可能性があります。
まあ、この後はかなりの降雪があるでしょうからまず入山する者はいないでしょうが、用心することに越したことはありません。
直接発生木に向かうのはピンポイントで発生木を教えてしまうことになりかねないので迂回して遠回りするか追えないように工夫する必要があります。

まずは前回も見て全くヒラタケが出ていなかったポイントへ向かいます。
昨年までは複数の木で発生していたのが今季は皆無です。
そこなら後を追われても心配ありません。




↑ 完全に冬の装いでモノトーンの世界へと変貌したポイントの景色。
確認できる多くの立ち枯れにナメコ、ヒラタケの姿はありません。
他の採集者が入った形跡はないのでやはり今季は不作だったのでしょう。
軽く一回りしてあきらめます。
次は前回確認していない発生木ですがこれは道路上面の斜面にあります。
道路からは直接見えませんが下から登るとポイントがばれるのであえて違う場所から尾根線まで登ります。
それから斜面中腹に下りてトラバースしてポイントに近づきます。
斜面は低木に覆われているのでここを横に進むことで足跡が分からなくなります。
本当ならこうやってダミーのルートを作ってから再び尾根まで上りポイントへ向かいます。




↑ 木々の間から見える平地の田んぼには雪はありませんが距離にしてわずかに山に入っただけで積雪量が大きく違います。
結構勾配の急な斜面なので気をつけないとすぐに滑落します。倒木や低木があるところは引っかかるのでいいのですが草しかないところはかなり滑り落ちるので危険です。

後を追われてもこのような斜面を下りたり上ったりすることで疲弊して追う気を失くさせるのです。
まあスキルがある採集者なら足跡を追わなくても入山した場所さえ分かればポイントは探し出してしまうので小細工は通用しませんが、そういう採集者に採られるならまだあきらめもつきます。
その前に自身もかなり疲労するのでこの日はそんな余裕もなく尾根上の発生木と斜面の発生木をそれぞれ一本だけ見るつもりでした。




↑ 前回も見た尾根上の発生木。
前回残しておいたヒラタケの幼菌が生長して採り頃になっていました。

続いては前回見なかった斜面の立ち枯れへ。
昨年も大量発生していた期待の木です。




↑ 雪で分かりづらかったのですが目当ての木に近づくと頭上にヒラタケの大きな株が確認できます。




↑ 発生木の根元付近の回り。全面にヒラタケが出ています。
この木は期待通り昨年同様の発生がありました。
上部のものは届きませんでしたがこの木だけで6kgくらいの収量がありました。
先ほどの収穫と合わせてリュックも一杯になったので撤収することに。

帰り途、行きしなにチェックしたナラの朽ち木があきらめきれず持ち帰ることに。
ヒラタケと朽ち木で合計30kgほどの荷物を持って雪道を歩くのはかなりしんどいです。
まだ道路だったから良かったものの山の藪の中なら持ち出しは不可でした。
なんとか車に辿り着き荷物を降ろすとすごく身軽になった感覚から車近くの雑木林に再び散策に。




↑ 今年の締めとなる冬ナメコを見つけこれをもって今季の全てのコケ採りを終了することを決意しました。
最後の採集でヒラタケとナラの朽ち木までオマケで採れて満足でした。
この日の収穫はナメコ0.5kg、ヒラタケ8kg、ナラ材1mでした。

そして今季の総収量はナメコでなんと、108.74kg

その他の雑キノコで35kgとなりました。

ナメコは突出した収穫を記録しましたがその他の雑キノコはやや不作気味でした。
キノコ界の生態系にもバランスがあってすべてのキノコが豊作ということはないということなのでしょう。
それでも十分満足できる結果となり来シーズンに向けてのモチベーションを維持することが出来るでしょう。
今年も春の山菜に始まりシーズンを通しての材採り、そして秋のキノコと様々な恵みを戴いたことに山の神に感謝いたします。

また、文末になりましたがこの飽き飽きとする店長日記の読者、当店をご愛顧いただきました全てのお客様にお礼申し上げると共に年末年始の挨拶と代えさせていただきます。
2014年も「富山のクワ貧」をよろしくお願いいたします。

               店主; 高橋 敏之
2013年12月23日






↑ おススメ商品でも紹介しているカワラマットの新ロットです。
先日、工場の方で粉砕が完了したので手作業でコンバイン袋に詰め替えているところです。
今回は雪の季節の直前の在庫切れということもあり材集めの時間があまりなかったので生産量はいつもより少なめでしたが質は良好です。
詳しくは商品ページをご参照下さい。

さて、ナメコ大繁殖!!その6ですが、いよいよ平地にも雪が下りてきてキノコシーズンも終盤を迎えようとしています。
12月12日には平地では今季初の積雪となりナメコの主戦場であった八尾・利賀方面のポイント付近は昨夜からの雪が40cm近くに達しその後も増える勢いで降雪が続いているのでおそらくこれで入山は不可能となるでしょう。
必要以上に収穫できたのでこれ以上望むべくもなく、人間を拒むようになったことを静かに受け止め冬の眠りから覚めるのを静かに待ちたいと思います。

今年は雪の便りが早かった割りには例年よりも遅くまで山に入ることができましたが天気図と週間天気予報からそろそろ降雪が予想されたため最後のつもりで11月29日に友人のM氏と共に八尾・利賀方面に向かいました。
この日も前夜からの雪が心配だったのですが、たいした積雪には至らなかったのであえて未開拓の新規ポイントである尾根付近を目指します。
M氏はこの日がナメコデビューだったので確実に採れる既存のポイントへ案内しても良かったのですが、M氏は自身よりも若く体力にも長けているので普段単独では躊躇するようなキツイ場所の開拓のお供にはもってこいなので付き合ってもらいました。
ただ何事もそうですがデビュー戦の結果が悪いとトラウマになってしまうので確実に採ることがこの日の命題でしたので採れるという自信はあったのですが新規開拓が思わしくないときは確実なポイントに切り替えるつもりでした。

さて、地形図上で狙いをつけていたポイント付近に到着してみると林道横の立ち枯れに早くもポツポツとナメコが確認できます。
近づいて見ると確かにあるにはあるのでナメコが発生する環境ではあるようですが老菌がわずかに残っている程度で一部採集者に採取された痕が見られます。
ただ採取されたのもだいぶ前で複数の人間が訪れたような感じではないので元々発生量が少ないのかピークを過ぎた観があります。
それだけでは判断できないので準備を整え予定していた尾根を目指して新雪が薄く降り積もった斜面へと突入します。
当初こそナメコは見当たりませんでしたが登るにしたがってちらほらと樹上に見えるようになってきました。
やはり樹幹下部のナメコは採られたか古いものが多いようです。




↑ それでも根部付近で雪に埋もれた雪割りの新鮮なナメコを発見することが出来ました。
前にも言いましたが雪の下でゆっくり生長した成菌は旨みが凝縮されて美味です。




↑ ピーク時ほどの量ではありませんがよく探せばまだまだ採り頃のナメコもありそうです。




↑ 雪が下りてからの時期にしか見つからない色の濃い最高級の冬ナメコも見つかりました。




↑ シャーベット状に凍った房の傘を割らないように丁寧にカットするM氏。
実際に生えているナメコを見て感動した様子で楽しんでくれていたので良かったです。




↑ 雪が積もる頃になるとナメコの発生は樹幹の下部から上部が中心となります。
採りたいのですが高くて届きません。




↑ 大きい洞の内部に生えた大ナメコ。降水がかからないため乾燥ナメコでした。



↑ 登り始めた付近では先客に採られた後だったものの標高900mほどの尾根は積雪しており、往復3kmの道のりもあり誰も訪れていないようで多くのナメコが採られないまま老菌となり腐っていました。
もう少し前に訪れていたら大量に収穫できたでしょう。
ただブナ・ミズナラ帯では今期最後となるであろう採集で新規のポイントを開拓できてM氏にも喜んでもらえたので満足です。
欲を言えばそろそろ旬を迎えるヒラタケが採れれば言うことなかったのですが残念ながらこの日も採れずじまいでした。
雪が積もる時季でヒラタケが採れないということはやはり今年はヒラタケは不作のようです。
この日の収量は自身は6.29kgでしたが二人合わせた収量ではおそらく15kgを超えていたと思われます。

さて、12月に入り八尾・利賀方面も積雪のために入山が厳しくなるといよいよナメコ採りも終盤を迎えどちらかというと里山でのヒラタケ採集へと移行します。
今年も昨年、一昨年とほぼ同じ日程で12月6日に県東部のオオクワの調査ポイントへコケの様子を確認に行きます。
ここは標高もさほど高くない里山なので本格的に雪が下りてくる頃でないとナメコも発生しません。
ただ、この辺りは多雪地帯なので平地近くでも一回積雪すると除雪が入らず車の進入が不可になります。
今年は幸いなことにまだ雪が下りてきておらず全くありません。
まずは昨季までの発生木を見て回ります。




↑ 昨年は12月17日に訪れてタイミングが遅かったために前倒しして見てみると、今度は早すぎました。昨年は12月初旬にすでに積雪がありましたが今年はないので発生自体が遅れているのでしょう。
この様子だと気温にもよりますが採り頃まであと一週間はかかりそうです。




↑ 昨年なら十分生長していたヒラタケも今季はまだ幼菌です。




↑ それでも一部の毎年採っている発生木では採り頃のナメコも見つかります。




↑ 今季初めて見つけた発生木ですがすごいです!まだ幼菌ですが樹幹をぐるりと被い尽くしています。しかも同時期に一斉に発生したようで大きさも一律です。
今季、八尾・利賀方面でもパラダイス級の御神木は複数見つけていますが、これだけ粒と数が揃った発生木は過去にも一昨年に一本あるだけです。
ここは我慢で次回に期待しましょう。




↑ こちらは昨年に大ナメコを採った木ですが、今年も期待通り発生しています。
まだちょっと早いですがやはり昨年同様全てが大ナメコです。
自身の中でもこの木のナメコは別格で大きさ、味覚ともに他のそれとは明らかに違います。やっぱり変異種なのでしょうか?
画像では分かりませんが柄も太く、まるでマツタケが付いているようです。

全体的にナメコは時期尚早な感じながらも何とかある程度採集できたもののどちらかというとこのポイントではメインのヒラタケが芳しくありません。
少し足を延ばしてヒラタケの御神木も見に行きます。




↑ この木は立派なヒラタケが出ています。この木だけで3~4kgの収量がありましたが、昨年ならこれと同等クラスの他の2本の発生木では全く出ていませんでした。
たぶん今後の冷え込みで出てくると思われますが、一発寒波が来れば一気に積雪して入山できなくなります。
なんとかあと一回来れればいいのですが…。
この日の収穫はナメコ;5.2kg、ヒラタケ;5kgでした。

12月6日現在のナメコの総収穫量;86.81kg

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!最終章に続く】
2013年12月02日






↑ ‘13.11.26 店から立山(東)方向に出た虹。
今年は予想外に早い(11月13日)初雪でしたが、北陸は晩秋から初冬にかけては冷え込みと共に時雨れることが多くなります。
ブリ起こしや雪起こしと呼ばれる雷を伴うこともありこの時期特有の天気です。
時雨という名前のとおりアラレ混じりの雨が急に降ったかと思えば青空が広がるという天気を繰り返します。
よって観察していると一日の間に何回も虹が見えることがあります。
この日も数回発生したようですが自身が見たのはこの一回だけでした。
短時間でしたがかなりはっきりとした虹で薄っすらとですが二重の虹が見えました。
通常、虹を挟んで内側が明るく外側が暗く見えます(画像でも分かります)が二重の場合は外側の虹を挟んでその逆になります。
また外側の虹は色の順番が本体の虹と逆になっているのも分かります。
そうやって見ると単なる虹も興味深くなりませんか?
二重の虹を見るといいことがあると言われていますので期待しましょう。

さて、ナメコ大繁殖!!その5です。
11月11日ですが8日に思いがけず大当たりしたので同じポイントは避けて、午前中しか時間も無いので毎年ハズレたことがない自身の中で一番のポイントへ今期初めて向かいました。
新規のポイントで予想以上のペースで収穫できているためこの日はあいにくの雨模様ということもあり採集というよりは状況の確認が主旨で例年通りであれば次回改めて本格的に攻めようというつもりでした。
勝手知ったる林道をいつものように進んでいくと正面からダンプが下りてきます。
不審に思い運転手と話をすると通行止めだという話でした。
これはかなりショック!です。
今通行止めということは今期は絶望でしょう。
一番あてにして楽しみにしていたポイントがダメということになると昨年同等の収穫という目標の達成は俄然困難になったということです。
こういうことがあるから普段から予備のポイントを常に準備しておく必要があるのです。
幸い今期は新規のポイントが大当たりなのでカバー出来ていますがこれで本命のポイントの断念は2ヶ所目です。
ここは何の工事か分かりませんが場合によっては金輪際ポイントとして復帰することは無いかもしれません。
この穴を埋めることができるポイントはさすがに今日明日で見つけることは不可能です。
ただ、唯一の救いはこのポイントは山の反対側からもアプローチが可能だということです。
もちろん工事をしている場所は通行止めでしょうがポイント近くまでは行けるかもしれません。
というわけで反対側に回り以前にも通ったことがある林道を進むと当時は意識して見ていなかったものの意外とナメコがありそうな立ち枯れが多くあります。
ポイントまではまだ遠いものの斜面の立ち枯れにコケが生えているのが目に入り確認するために車を止めて入山することに。
その木を見に行くとナメコかと思ったそのコケはカイガラタケの群生で残念でしたが、せっかく合羽を着込んで斜面を登りかけたので周辺をとりあえず探してみることに。




↑ すぐ近くでこの時期には早い手のひらサイズに生長したヒラタケの群生を発見。
この木だけで3kgくらい採れました。
周りを見渡すもヒラタケはこの木にしか見当たりません。
まあヒラタケがあるんだからナメコもあるだろうと進んでいくと、




↑ 案の定ありました。
小さな群生ですが折からの雨でヌメリもありツヤツヤのナメコです。
雨は厄介ですがこのようなナメコに出会えるのは降雨時もしくは雨上がりならではです。




↑ 大きな房も見つかりました。




↑ こちらは状態の良いクリタケです。
ナメコほどではないですがカシナガよる立ち枯れのおかげでクリタケも以前より多く採れるようになりました。




↑ 斜面上のやや開けた丘状の場所の立ち枯れの群生。
これだけ立ち枯れがあればいかにもコケが見つかりそうです。




↑ あまり太い木はありませんがこれくらいの中規模の極上の群生がちらほら見つかります。




↑ これだけ細い木でも落ち葉で見えませんが根際の裏側までビッシリナメコが生えています。

気がつくと雨にはアラレが混じり始め手もかじかんできました。
おまけに合羽のフードを付け忘れたので頭がびしょ濡れで冷えてきました。
冷たさに手の握力が無くなり振っていた手鎌がすっぽ抜けて行方不明になったため撤収することになりました。
この時、数日前からひいていた風邪を悪化させてその後12月に入るまでこじらせることになるとは思ってもみませんでした。
結局、本命のポイントに近づくことは出来ずこの日はこの初めての場所を見ただけで終わったのですが帰って下処理をして計量するとナメコで8.37kg、ヒラタケとクリタケ合わせて3.5kgの収穫がありました。
先日、自己最高記録を出したので感覚的に少なく感じますが通りがかりに寄った場所の一部を見ただけでこれだけ採れたというのは十分な好ポイントと言えるでしょう。
やはり同じポイントばかりに頼らずに新規開拓することは重要ですね。

翌日はコケ採りではなくカワラマット用に粉砕するエノキ材の採取のために以前から取り置きしていた材を裁断したのですが、この日も雨の中での作業で体が塗れたので先日の風邪をさらに悪化させついに熱が出ました。

続いて4日後の15日、この日は定休日で一日フリーなのですがこの日もあいにく前日からの雨が続いています。
先日来、風邪の具合が思わしくないのでこの日は雨の中での採集はあきらめる予定でした。
が、昼前に雨が止んでしまい居ても立ってもいられなくなり近場のポイントを見に行くことにしました。
この日向かったのは笹津から八尾方面で風の噂でナメコが大発生しているのを聞いていて昨年開拓を試みるも全く見つからずに断念した場所ですが、今度は違う道から攻めてみます。
しばらくはあまり食指の動かない風景が続きましたがある程度の標高になると良さげな立ち枯れが目立ち始めました。




↑ 予想を超える立ち枯れの多さです。
やはり噂は本当で大当たりしそうな予感がします。
ちょっと気になったのはさっきまで雨模様で条件の良くない平日にもかかわらずコケ採りと(間違いなく)思われる3組の車と会ったことです。
どの程度のコケがあってどの程度採られているのか入ってみないとわかりません。
とりあえず見当をつけて突入します。




↑ 最初に見つかったのはクリタケの大群生。
クリタケは通常土と根際の境に生えるのですが、これは浮いた樹皮(このときは剥がれてしまっています)と本体の間に生えていました。
中には右画像のような手のひらより大きなサイズのクリタケもありましたが、ここまで大きいのは自身も初めてです。

クリタケの発見に幸先の良さを感じましたが、その後多くの立ち枯れを見るも肝心のナメコが見当たりません。




↑ 一本だけ生えたナメコ。
先客によって採った跡がありました。
先客がやったのかどうか定かではありませんが、画像のように樹皮が大きくめくれています。
ナメコは浮いた樹皮と本体の間にあったのでしょう。
このように樹皮が剥がれてしまうと翌年からほとんどナメコは発生しません。
ここはやたらと樹皮のなくなった丸裸の立ち枯れが多いので期待するほどのナメコは無いかもしれません。
ここは来訪者も多いみたいなのでこれが採集者の仕業なら残念なことですね…。
先客も多いようですが背丈を越える高さの強烈なヤブがあるため全てを採られていることはないでしょう。




↑ やはりヤブに覆われ樹皮の残っている立ち枯れにはナメコが出ています。
結構な量ですが幼菌のため全てスルーしました。

軽く一回り見ただけですが環境の割にはナメコは少なく採れたのは0.7kgだけで、まだ発生がピークになっていないのか先客が採り尽くしたのかは分かりませんが今ひとつの結果でした。

三日後の18日、この日は月曜日で午前中だけの入山になりますが風邪の具合も熱が下がったので8日に最高収穫記録を出した大当たりの新規ポイントを再度見ることに。
前回、日記でも書きましたが幼菌はほとんどスルーしているためそれらがどうなっているか楽しみです。
ただ、風邪で中10日も空いてしまったので機を失した可能性もあります。




↑ 斜面から突き出した立ち枯れに新たに発生していたナメコ。
斜面の下からもはっきり見えるのですが誰も訪れていないのでしょうね。




↑ 前回チェックしていなかった木に出たナメコの大群生。
というより前回は幼菌も出ていなくて新たに発生したのならやはり中10日は長すぎたということです。
早速、前回残しておいた幼菌を確認します。




↑ 樹幹の下から上までナメコが出ている様子は圧巻です。
やはり一部は老菌になっていましたが逆に新たに発生した幼菌もあり収穫量はあっという間に増えていきます。
ただ、幼菌や若い成菌はだいぶ木の上部に移行してきたのでこのポイントも採り頃のピークを越えつつあるのでしょう。寒さと共に発生部位は木の上に移行するので採れなくなります。
雪の状況にもよりますが今回が最後になる可能性も高いでしょう。

前回の教訓から今回はリュックを新調して今までの15リットルの容量から倍増して33リットル入りの容量に換えての入山でしたが、ポイントの半分を見た時点ですでに一杯の状態になっています。
前回同様に収穫物を分かりやすい立ち枯れの根元に取り置きして斜面上部の発生木を目指します。




↑ こちらは前回幼菌だったナメコがほぼ採り頃の成菌になっています。
斜面の上と下ではわずか50mほどの標高差ですが生長具合が異なり、上のほうが発生時期は早く生長速度はやや遅くなります。




↑ 上記の木よりやや下の斜面中部にある発生木。
やはり一部はやや老菌気味になっていますが大半は採り頃の成菌です。




↑上記の木の一部ですが画像右側が前回幼菌だったものが生長した成菌。
左側が前回来たとき以降に気温が低い状態で発生したもので傘表面の色が濃いのが特徴でこのようなナメコを自身は「冬ナメコ」として珍重しています。
冬ナメコは時期的に最終の発生で雪に被われる頃に出てくるのでなかなか量が採れませんが生長も遅く肉厚で旨みもギュッと凝縮されて格別です。




↑ 前回同様のコースを回っただけで時間的にも余裕を持って下山して来た割りには予想外に大漁でリュック以外に2袋を手で持ちながら下りてきました。
リュックの中には3袋が収納しておりパンパンに膨れています。

そして、この日の収穫は処理後の計量では予想外の
ナメコ22.96kg
と、先日更新したばかりの自己最高をさらに上回り一日当たりの総収穫量と共に自己最高記録を再更新することになりました。
定休日で一日採集できればこの1.5~2倍の30~40kgくらいは採れたと思いますが、その後の処理をする時間と収納する冷凍ストッカーの容量が足りないので現状ではこれが限界でしょう。
今季の総収穫量も現時点で74.27kgと12月を残しながら昨年越えの目標をすでに達成してしまいました。
山の神様への感謝の意に絶えません。
おかげで今後は気持ちに余裕を持って新規のポイント開拓やヒラタケ採集に時間を費やすことが出来ます。

ただ調子に乗って入山したせいか翌日から再び風邪を悪化させ気管支炎気味になり、5日間にわたりバイトも休む羽目になりました。
さすがにこの週は定休日も休肝日ならぬ休ナメコ日にして養生に努めることにしました。
これだけ大漁でなければおそらく気分的にゆっくり休養することはできなかったでしょうね。
今年の風邪がたちが悪いのか自身の身体が衰えてきたのかなかなか回復の兆しがないながらもバイトにも復帰できたので25日(月)は午前中のみ山の偵察に。
時間と身体を考えて先日訪れた近場の笹津方面に10日ぶりに出陣します。

この日はこの時期特有の冬の嵐の前日で前線が通過する前だったので南寄りの強風が吹き荒れ山を歩いていても立ち枯れが折れて頭を直撃するんじゃないかというくらい
すごい音を立てて揺れています。
とりあえず、先日幼菌をチェックしていた2本の木を確認すると、やはり先客に採られた後でした。
まあ想定内なので特にめげることもなく周辺を探すと、




↑ 状態の良いきれいなクリタケの群生がいくつか見つかりました。
ここの来訪者はナメコのみを採っているのか前回もそうですがクリタケは手付かずです。
こんな美味なコケを知らないのか、もったいないので全て採取しました。
クリタケは水分が少なく軽いキノコですがそれでも1kgほどの収量がありました。

ナメコが見当たらないので場所を変えて、あえて入り辛そうなところを選んで入山します。ヤブ漕ぎをしながら奥へ進むと、




↑ 少ないながらも小さい群生がポツポツと見つかります。
やはり競合者は多くても探している場所がかぶっているせいかちょっと移動すれば採り残しは結構あるみたいです。
ただし、体力の消耗の割りには収穫量が伸びません。
もっともこの日は全力で探したわけではありませんがナメコの収量は1.05kgと時間の対価としては少ないですね。
いくら近場で採りやすいポイントだといってもこれなら自身のホームグラウンドである八尾・利賀方面や新川地区の方が断然効率はいいです。
楽をして他の入山者と競合しながら採り残しのポイントを求めるよりも、苦労して開拓しないと結果は出ないということなのでしょう。
近郊のポイントとしては魅力はありますが自身との相性はあまり良くないようですので今後の入山は控えめにしたいと思います。
追記になりますが、ここで採れたナメコは乾燥状態で量こそ少なかったものの水に浸けて処理をすると全て特Aクラスの極上のナメコでした。

11月25日現在のナメコの総収穫量;75.32kg

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その6に続く】
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