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2019年11月
店長日記:1
2019年11月23日



↑ ‘19.10/28 有峰林道にて撮影。

今年の紅葉の写真で一番のお気に入りです。
狙って撮ったものではありませんが結果的にとてもいいアングルになりました(自賛)。
PLフィルターのおかげでコンデジでもほぼ編集なしでここまでの写真が撮れます。
もちろんハイエンドの一眼レフに比べれば優劣は明らかですが、山で壊すリスクを考えると高価な機材は持っていけません‥。
最近は専らコンデジばかりですが自己満足の範囲であればこれくらいの写真が撮れれば十分でしょう。
ただ、一眼レフを持ち歩かなくなった分最近はアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)にハマっています。
高価なGoProは手が出ませんが中華製の安価版で楽しんでます。
パチモンと言っても馬鹿にはできなくそこそこのスペックを装備しており山の斜面でやぶ漕ぎをしながらキノコを探している様子が手振れ補正のおかげでそこそこ見れる映像になっています。
本来は冬場にスノボーで動画を撮るために購入したのですが山でもいい映像が撮れればいつかYouTubeにでもUPします。



↑ こちらも上の写真と同日に撮影した薬師岳の3段染めです。

今年は周知の通り暖かい秋が続き冷え込みが弱かったせいで標高の高いところでは紅葉が始まると同時に一気に進んであっと言う間に落葉した半面、中標高以下はほぼ同時進行的に紅葉が進んだため場所によっては山全体が一様に紅葉して近年では最もきれいな紅葉になったところもあるようです。
上の薬師岳も麓の色付きが遅かったせいか綺麗な3段に染まりました。
どれくらい今年の紅葉が遅かったか有峰のここ3年で比較をしてみました。



↑ ‘17.10/20

↑ ‘18.10/12

↑ ‘19.10/18
日付が同じではないので一概には言えませんが今年は完全に紅葉しておらず一部緑の葉も見受けられます。
昨年と一昨年はほぼ同じように見えますが撮影日に8日の違いがあるのでここ3年では昨年の紅葉が一番早かったことになります。
去年と比べると今年は2週間くらい遅いように見られます。
ちなみにもう少し標高を下げたポイントでも、


↑ ‘18.10/26

↑ ‘19.10/28
上は昨年の紅葉の写真で一番のお気に入りですが、今年もほぼ同時期に撮影しましたが、やはり去年ほどの色付きにはなっていませんでした。
このポイントは10月一杯で通行止めになってしまうため今年はベストのタイミングを撮ることはできませんでした。

おまけでもう一枚、

↑ ‘18.10/11
個人的に好きなアングルなので、ホントならきれいな青空の下で撮りたかったのですが、紅く色付いているのはブナの葉ではなくコフキサルノコシカケが着生して立ち枯れたブナに絡みついたツタが紅葉した風景です。




さて、残暑や暖秋の影響で遅れたのは紅葉だけではなく毎年恒例のヒメオオクワガタの発生にも影響しました。

↑ ‘19.10/11
発生のピークである9月に入っても上旬は発生が少なく中旬になってようやくそこそこ採れるようになったかと思ったら下旬にはメスはほとんど見かけなくなってしまいました。
ただ、その後もオスは活動をしていて写真のように10月11日にも数頭見ることができました。
これは当地の自己記録の10月4日を一週間も更新する遅さとなり秋が遅れていることを物語っています。

今年のヒメオオの発生状況ですが何とか例年並みの頭数を確保することができましたが(11月現在ほぼ完売です)、昨年まで採れていた鉄板のポイントが全く採れなかったり期待していなかったところで予想外に採れたり例年以上に変動が激しい状況でした。
ただ、期待していなかった場所で捕獲数が増加したということは採集圧が原因で減少の一途を辿っているわけではないということなので将来に少し明るさが見える材料となりました。





↑ ‘19.9/27 ブナ材を採取するため画像中の倒木を裁断したところ倒木の下から表れた産卵中のミヤマのメスと孵化したばかりの初齢幼虫。
写真でもわかるように自然下ではミヤマは倒木や腐朽木の根に直接生むのではなく、そこに接している土や腐葉土に産卵しています。
そして孵った幼虫は倒木の樹皮付近や根の表面近くを摂食し腐朽した辺材部に深く入り込むことはあまりありません。
いわゆる根食いと言われる所以ですね。

さて、10月中旬まで異例の成虫採集をしていたため程なくして幼虫の材割り採集に移行しました。
幼虫も成虫と同じように毎年のように採れるポイントが変動します。
まあ、成虫のポイントが変われば幼虫の分布も変わるのは当たり前と言えば当たり前なんですが‥。
以前から何度も書いていますがヒメオオの発生場所は材ありきなのでいくらヤナギが多く生えていていかにもいそうでも発生木がなければどんだけ探しても見つけるのは不可能です。
逆に言うと条件に合う発生木があればヤナギがなくとも幼虫を採ることができます。
いまだにそれらの幼虫が羽化してどこに行っているのかという謎が解明できません。
ヤナギで樹液採集できる成虫は近くに必ずブナの発生木があります。
つまり距離が離れたヤナギに行くということはかなり考え難いのです。
そのことから近くにヤナギがない場合はヤナギの代置種を利用していることになりますがそれが何かがわかりません。


↑ ‘18.10/18 ヒメオオのオス!と思いきやアカアシのオスでした‥。


↑ ‘18.10/18 こちらはヒメオオのメス。

今期、成虫が採れなかったポイントでは付近の発生木を割ってみても古い食痕は多く見つかりますが新しい食痕もしくは幼虫は見つかりません。
困惑しながら成虫のポイントとしては全く想定外の倒木や立ち枯れを割ってみたところ多くの幼虫、及び新成虫が見つかったという事例が2ヶ所でありました。
来年の夏にここで成虫を探しても近くにヤナギがないのでおそらく見つけることができないでしょう。
そういう意味では幼虫に特化したポイントとも言えますが発生木を必要以上に損なわないように節度を持って採集する意識が大事ですね。


↑ ‘19.10/28 
上述のように近くにヤナギがないので成虫を採ったことのないポイントで倒木を割って発見したヒメオオのメス。サイズは38mmと大型です。


↑ ‘18.10/28
上のメスと同じ材で見つけた幼虫。現地で見るとオオクワか?と思うくらいに大きく感じたオスの3齢幼虫です。

今年のヒメオオの材割り採集は予想外に発生木を見つけられたこともありブリード分の数を確保することができました。
また、当店のオリジナル商材である赤枯れマットの素材となるブナやミズナラの赤枯れ材も冬季閉鎖になる前に需要分を確保することができましたのでよほどご注文が集中しなければ春まで欠品することはないかと思われます。

ここまでは順調だったのですが、今秋は自身の楽しみであるコケ採り(キノコ狩り)が近年最低となる収量でした。
例年なら採れる採れないは別として晩夏のマイタケに始まりツキヨタケ(毒)、ブナハリタケ、モタセ(ナラタケ、ナラタケモドキ)、ナメコ、クリタケ、ムキタケ、ヒラタケと順に発生するのですが、今期はブナハリタケ以降が壊滅状態でした。
モタセに至っては豊作時には倒木だけでなく地面一杯にそこら中に発生するのですが今期は山中を歩き回っても持ち帰る分に満たない程度で結局口に入ることはありませんでした。



↑ ‘18.8/18
今年はマイタケを狙うべく例年よりかなり前倒ししてお盆過ぎに入山して見つけたトンビマイタケの成菌。
東北のある地域によっては珍重されている通称トビタケ、過去には老菌しか見つけたことがないので喜んで持ち帰って幾つかの調理法で食してみましたが段ボールをかじっているような食感と味に正直戸惑いました‥。



↑ ‘19.9/13
こちらも秋田県では通が好むといわれるエゾハリタケ、通称ヌケオチ。
腐って抜け落ちる頃に採ってきて腐った部分をそぎ落として塩漬けにして食べると珍味らしいのですが、持ち帰ると嫁に怒られそうなので写真で撮るだけにしておきます。



↑ ‘18.9/13 こちらは可食で美味なウスヒラタケ。季節を問わず時々発生しています。



↑ ‘19.10/11 見る分には色鮮やかなマスタケ。若いうちは可食でささ身のような食感ですので一度食べてみてください。



↑ ‘19.9/13 例年と同様に一斉に発生して倒木を埋め尽くすツキヨタケの群生。

また先述のように冷え込みが遅かったため全てにおいて発生が遅れて局所的にナメコが採れた以外は冬季閉鎖になる11月に入ってからムキタケやヒラタケの幼菌をわずかに見るくらいで採るには至りませんでした。



↑ ‘18.9/6

↑ ‘19.10/18

↑ ‘18.10/28
同じ倒木で3回にわたって発生したナメコ。しかしこの木以外ではほとんどナメコは採れませんでした。



↑ ‘19.10/28 今年に限らず美味だけど少量しか採れないブナシメジ。今年も一食分のみ。

また、他の採集者と話したところキノコだけでなく今期は全てのなり物が凶作だったようです。
確かにキノコ以外で山ブドウもほとんど見かけなかったしブナの実については統計上では凶作をさらに下回る「皆無」と発表されました。
おかげで当地富山では連日、集落や住宅地でのクマの目撃情報があり20人の人身被害(11月22日現在)が発生しています。
自身も今期は山で2度クマと遭遇していますが山のクマと里のクマでは気の荒さが違います。
山ではよほど刺激しないと向かっては来ませんが、里に下りてきているクマは危険を承知の上で下りてきてるので、ある意味「やられる前にやる」という覚悟を決めているので人間が複数いても全員に向かってきます。
気候の変動は台風のように直接的な災害だけでなく間接的にも人間の生活に影響してきます。



↑ ‘19.10/11 有峰林道で見かけたマムシ。
マムシ自体は夏に何回も見るので珍しくありませんが、標高1,400m付近でも普通に生息していることに驚きました。
この標高だとマムシはいないと思っていたのですが安心できませんね。
足でつつくと「シャーシャー」音を立てながら長靴に飛び掛かってきます。
知り合いが夏に捕まえようとして指を噛まれて救急搬送の後、入院になりましたので皆さんも気を付けてください(ヴァン君、キミのことだよ)。
山ではヘビは神様なのでイタズラしないようにしましょう。 



↑ ‘19.11/8 有峰にて。
この時期になると午後3時を回ると谷間は早くも暗闇が下りてきます。
山の斜面は日向と日陰のコントラストがきれいですが陰になっているところの暗さはこれから長い冬を迎える厳しさを物語っているようです。
この数日後にはここも閉鎖され次に訪れることができる来年の6月中旬まで眠りにつきます。
今期の恵みに感謝しながら今年最後の有峰を終えました。




↑ ‘19.11/15
おまけの写真ですがエノキ材を探しに行ったときに久しぶりに見つけた霊芝(マンネンタケ)

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