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2013年8月
店長日記:1
2013年08月27日


‘13.7.8 店から撮影した雄大積雲。

まさにタイトルどおり時間が過ぎるのは早いものでそろそろ夏の到来かと思っていたらもう8月も終末でそろそろ秋の声が聞こえてきそうな時期になってしまいました。
今夏は全国的にかなりの猛暑で当地富山でも梅雨明けの発表が8月にずれ込んだものの実質7月上旬からほぼ梅雨明け同様の天気でした。
ただ、ここにきて天候が不順で先日も当地で豪雨となり被害も発生いたしました。
豪雨の後は秋雨前線が南下して一転して秋の空気になっています。
大局的な気圧配置から今年は日本海側(西からの湿舌が流入する地域)で豪雨被害が発生しやすい傾向があるようです。
個人的には暑い夏が好きなので猛暑は気になりませんが大雨はいただけませんね…。

シーズン中は良い天気が続いたので仕事にプライベートに忙殺され店長日記及び商品欄を更新する暇がありませんでしたが、営業は問題なく行っていますのでご心配頂いたお客様には申し訳ありませんでした。
バイトをしながら仕事に遊びに採集に子供の相手にと、とてもじゃないけど全てをこなすのは不可能であと2ヶ月くらいは盛夏が続いてほしいです。
ただ、あれもやりたいこれもやりたいと思いながら何も出来ないよりはやれる範囲で出来るように努力したつもりなのでこれ以上欲を出さない方がいいのかもしれません。
と言うもののライトトラップがほとんどできずオオクワの調査がなおざりになったことは悔いが残ります。

これを書いているのが8月末ですのでこれからは自身はヒメオオ、カワラ材採集そしてキノコ採りへとシフトしてフィールド活動が最も充実する季節へと変わっていきます。
その前に夏の間の日記を書いておきましょう。

上述のようにオオクワの調査は思うようにできませんでしたが6月にはポイントの林道が冬期閉鎖から通行可能になったので材割り採集のポイント開拓に数回訪れました。
ただ、何回行っても特に変わったこともなく調査は進展しないままです…。



↑ 6/21 標高は750mほどですが未だに雪渓が残っています。この時点ではまさか今年がここまでの記録的猛暑になるとは思いませんでした。



↑ 余談ですが上の画像の道路脇にある窓のあるコンクリートの壁が何かわかりますか?
この画像はオオクワ調査のため水系の横の林道で撮影したものですが、当地では珍しくなく山間地では水系の上流付近でよく見かけます。
自身も富山に来るまでは知らなかったのですが、これは冬の積雪時に上流にあるダムの管理に行くために電力会社が設営した、人ひとりがやっと通れるトンネルです。
黒部ダムに向かうトロッコ電車は全国的に観光としても有名ですが、それも冬期は動かないため線路脇のトンネルを徒歩でひたすらダムまで行くそうです。
トンネル内に入ったことはありませんが厳冬期に灯りもないトンネル内を歩いて行くのは任務というより冒険に近いですね。

さて、今夏はオオクワ採集はほとんど出来ませんでしたが6月から問い合わせが多かったヒラタを中心に採集に行っていました。
例年なら梅雨明け前後に1~2回行く程度ですが今期はイベントでの需要もあり他のクワガタの採集も兼ねて真面目に週1~2回のペースで通いました。
ポイントは例年なら県東部の川ですが遠いので今期は地元の神通川水系(支流も含む)がメインです。
近年河川敷のヤナギも多くが伐採され採集者も競合するためあまり期待はしていなかったのですが結果的には予想外に生息数も多く確認でき自身だけでヒラタの♂で100頭以上は採れました。もちろん大型個体以外のほとんどはリリースしていますが数の割りにはサイズはイマイチでした。
以前は毎年当地で言うところの「化けヒラ」と呼ばれる65mmUP、常願寺川水系では70mmUPも採集され75mmUPという記録もあるようですが近年では60mmというのが精一杯です…。
環境が戻れば必ず大型個体もまた採れるでしょう。



↑ 7月の始め、この時期の河川敷ではやたら成長して巨大化した毒々しい女郎グモが多くいます。うかつにヤブに入ると顔面にこのクモが張り付くことも…。
あまり好ましい出来事ではありませんね。



↑ クモといいスズメバチといい、この日は新規のポイントを視察するためだったのでTシャツ、短パン、サンダル履きという格好で、足元のマムシも多くいるのでとてもじゃないけどポイントに進入するのは自殺行為です。
上の画像だけ撮って帰りましたが、後で画像を確認したらスズメバチの上にヒラタの♂のアゴの一部が見えています。後々この洞は毎回大型の♂が採れたポイントになるのでこの時採取しなかったことが悔やまれます。



↑ 3日後に改めて採りに行くとやはり洞の中にはすし詰め状態のヒラタが。



↑ 同じヤナギの根元には洞に入れないオスや争いに敗れたと思われる遺骸も多く確認できました。径は10cm余りの小さいヤナギですが行けば必ずヒラタやノコギリが採れるご神木です。



さらに3日後の7月12日、別の木ですが洞にいた樹液まみれで汚れた越冬個体と思われる個体。夏休み前の時期はメスを含め比較的多くの越冬個体が見つかります。



↑ 河川敷には珍しい大型のカブトムシ。



↑ 南国のやしの実を彷彿させますがこちらはオニグルミの実。
採って帰ろうかと思ったのですが皮剥き時の強烈な灰汁が嫌でやめました。



7月19日、この頃は梅雨明けを思わせる晴天続きで猛暑の始まりでした。
河川敷も下草が繁茂して見通しが利きません。カメラの目線の高さからヤブの深さが分かると思います。



いたるところでヒラタが確認できます。おそらく発生のピークでしょう。
調子に乗ってヤブ深く入り込み、より奥のヤナギを探して歩きますが、ふと気づくと完全防備の服装ゆえ汗だくで体力は消耗し呼吸も苦しくめまいもしてきます。
水分は常に補給していますが完全に熱中症の症状です。
息は上がって足が上がらず10歩進んではしばらく休んでというような状態です。
河川敷と入っても雑木林ではないので直接陽が照りつけ風も全くありません。
真昼間なので気温は35℃を超えていてクワガタでさえ根元の砂地に潜って涼を求めている状況です。
いざとなれば周りの川に飛び込めば何とかなると思いますがヤブが深くて来た方向も分からなければ川にも辿り着けない上に流れが急でいきなり深みもあり釣り人が水死することもあるので、うかつに飛び込むとそのままドザエモンになりかねません。
以前も同じようなことをこの日記で書いていますが冷静な自制心が必要だと実感しますね。



採集時の熱中症にも懲りずに翌週も採集におもむくとご神木近くのヤナギの葉がなくなり丸裸状態です。先週は葉が生い茂りヒラタも採れたのに…と思いながら近づくと、枝に点々と何かが付いています。



「しなんたろう」です!
しなんたろうとは富山や石川での俗称でいわゆるイラガの幼虫です。
見た目にも棘が毒々しく皮膚に触ると激痛が走ります。
これが枝のいたるところに付いており100匹以上います。
うかつに木を蹴ると上からこの毛虫が降ってきます。

そういえば先週もイラガではないものの正体不明の植物(ウルシ?)か毛虫にやられて服で被われていたにもかかわらず腕や足の外側部分にジンマシンの様な痒みを伴う発疹が大量に出ました。自身は皮膚が弱いわけではなく採集時は虫除けにキンチョールを直接服や皮膚にかけても(通常の虫除けスプレーはほぼ期待できないので)大丈夫なくらいですから皮膚が弱い人はむやみにヤブに入らない方がいいでしょう。



↑ 8月の入るとさらにヤブは勢いを増して「これが河川敷か?」と思うほどの景色へ変貌を遂げます。ここまで来ると数メートル先のヤナギでさえ到達が困難になので必然的に多くの採集者が訪れるヤナギは限定的になりそれらの木に向かう採集者のための道がくっきりと出来ています。



↑ ヤナギにつくシロスジカミキリ。カミキリがいるとクワガタが少ないといったジンクスがあるのであまり会いたくありません。
8月中旬にはヒラタの発生は少なくなり度重なる採集者のために個体数はかなり少なくなります。
特にメスは産卵のために洞にはほとんどいなくなります。
念入りに探せばまだ見つかりますが次世代の繁殖のためにもこの時期のメスは温存したいところです。採集して店に残っていた一部のメスも再びリリースします。
こうして夏のヒラタ採集は終了しました。

さて、話は変わりますが今年の春に車を買い替えました。



↑ これが先代のクワヒン号のパジェロ。



↑ そしてこれが4代目クワヒン号のデリカスペースギア(H17年式)。
本来、次もパジェロの中古車の予定だったのですが家族の要望でファミリーユースにも適したデリカにしました。今流行の他メーカーのミニバンも魅力ですがパジェロ譲りのミニバンらしからぬ走破性能を持ったデリカ(現行は不適)、それも先代のスペースギアに決めました。2代目クワヒン号もデリカスターワゴンだったのですがディーゼルでトルクが太かったせいもあり一輪脱輪したくらいなら何もなかったように脱出するツワモノでした。
クロカン用の車は多くありますがミニバンでこれだけの車はこれ以外ないでしょう。
またあまり高価な車(T社のラン○ル等)だと走行性能はすばらしくても塗装が傷だらけになるような林道を走ることはメンタル的に無理でしょう。
山を走れない高価なクロカン車は実用的ではないのでこれくらいの車で身分相応というか必要十分です。
ただ、リッター6kmという劣悪な燃費には閉口しますが…。

先代パジェロのボンネットに乗っているのは3歳になった愚息?いや愛息です。
詳しいことは割愛しますが実は一緒に暮らしてはなかったものの自身には19歳になる息子がいます。
今は県外の学校に行っていますが先日、12年ぶりに会うことが出来て感無量でしたがその息子が幼少だった頃に一緒に虫捕りやキャンプに行ったことを覚えていました。彼の場合は3歳の頃には山デビューをして材割り採集にも同行させており小学校に入る頃には一部の立ち枯れの樹種が分かるくらいになっていました。
以前も書きましたが虫屋を継いで欲しいとは全く思っていませんが虫捕りというイベントや技術が記憶として残って、また次世代にそれを受け継いで行ってくれることは嬉しいことです。
3歳になった息子もそろそろ山デビューをする時期を迎えていますが新生クワヒン号で記憶に残るような時間が過ごせることを願っています。

子供繋がりの話ですが、7月末に高岡で富山新聞主催のクワガタ教室を行いました。



↑ 富山新聞文化センターでのクワガタ教室の様子。
マイナーなイベントなので受講者がいるのか不安でしたがそれなりの集客がありました。
途中、小学生や保護者の方には退屈な専門的な話も結構しましたが、有料だったせいもあるのか最後まで拝聴いただきました。
このイベントでも話したことを理解することは無理でも、子供たちが親と一緒にこのようなレクレーションに参加したという思い出になってくれれば幸いです。

さて、9月に入るとヒメオオやキノコ採りで日記の更新の頻度も上がると思います。
ちなみに8月26日にはヒメオオ採集に行ったのですが先週の当地を襲った豪雨の影響で林道が迂回路を含めいたる所で寸断され通行止めで完全にポイントが遮断されてしまいました。
今期は新規のポイントを開拓する予定ではいますがもしかすると販売数に影響があるかもしれません。


↑ 大雨の被害で封鎖された林道。主要な林道が通行止めということはさらに奥の一般利用のない道は下手すると今期は復旧しない可能性も…。

オマケ↓



↑ 以前日記で幻日を紹介しましたがこちらは8月18日に店から撮影した環水平アークとよばれる虹のような現象でいわゆる彩雲とは別の現象です。
今年は不謹慎ですが夜の雷が少なく壮大な大気のドキュメンタリーが観察できず残念です。
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