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2018年12月
店長日記:1
2018年12月27日



↑ ‘18.10/26 有峰の黄金色に輝く錦秋。
普段使いのコンデジで撮影したものですがレンズにPL偏光フィルターを付けたところコントラストと彩度が明らかに明瞭になり画像処理なしでも綺麗な仕上がりになりました。
PLフィルターを今まで見くびっていたことを後悔しました。
たまたま撮った場所とタイミングも良かったのでしょうが、今まで撮った有峰の紅葉の中では一番の写真となりました。

同じ日に撮ったもう一枚。

↑ こちらも自画自賛ですが自分的にはお気に入りの一枚です。

さて、猛暑だった夏が過ぎて予想では厳しい残暑と言われていましたが、開けてみれば雨が多く一気にクールダウンした秋となりました。
例年のことですが秋といえば9月になればもちろんヒメオオの季節です。
ただ、台風の連続での襲来や天候不順でなかなかタイミングがあいません。
雨の合間をみてポイントを訪れますが天候のせいか採集圧のせいか、はたまた発生環境の変化のせいか年々採集数が減ってきています。


↑ 今年来襲した台風では当地富山でも平地で暴風が予想されるコースでしたが、いつも通り「立山さん」に守られてたいしたことなく過ぎましたが後日、山に行って驚きました。
上画像のような径1mに及ぶようなブナの大木がバタバタと倒れています。
市街地を守るために山の木々が犠牲になったようです。
樹齢で言えば300年超の大木が倒れたといういことは樹の健康状態にもよりますが、少なくとも数十年~数百年に一度というような暴風が吹いたと推察できます。
自然の摂理なので仕方のないことですが倒れた樹はヒメオオやナメコの新たな発生木となって再び恵みを与えてくれることでしょう。
画像の折り重なって倒れているブナは隣り合って立っていた大木で径から樹齢も同年代程度と思われますので勝手に夫婦ブナと名付けました。
状態から上部のブナが倒れて下のブナに寄りかかってその重みで共倒れになっていることから下の夫ブナが支えきれなかったのか、もしかしたら共に倒れることを望んだのかもしれません。
そう考えると自然の中にもドラマがありますよね。

先述しましたが今期のヒメオオ採集ですが昨年までのポイントは軒並み採集数が減少もしくはほぼ皆無という状況でしたが昨年までノーチェックだった場所で多少カバーすることができました。

↑ 今まで実績のない場所で見つけたヒメオオ成虫。
画像には写っていませんがこの枝の前後に4頭の個体がついていました。
10年以上前なら一本の樹に10頭近い個体がついていることもありましたが近年はそんな光景は全くお目にかかれません。
ただ今期は今までのポイントを見限って別の候補地を開拓することで新たなポイントを見つけることができたので来期からはそちらを中心に探そうと思います。

9月も末になるとヒメオオもめっきり姿が見えなくなり以前は行けば必ず姿を見ることができたポイントでも今期は最初の採集に見つけて以来見ることもなくなったので例年よりも早くヒメオオ採取は終了となりました。
例年だとヒメオオが終盤になるとキノコ狩りにシフトするのですが、今期は秋の雨が多かったことから豊作が期待された割りに思ったほど発生していません。
何も採らないのももったいないので他の訪問者が採っていたのを見て自分も山ブドウを採ってみることに。

↑ 今まではスルーしていましたがヒメオオのポイントでは探すと結構山ブドウの実がなっています。
山ブドウを採っている人に聞いたところその実を発酵させると自家製のワインができるし酒に漬けると山ブドウ酒ができるということです。
他の果実酒と同様に作れると考えて適量を採集して自宅で作り方をネットで検索するとブドウや山ブドウの類は酒税法の関係でアルコール発酵もしくはアルコールに漬けることも禁止されているそうです。
唯一、熱処理して発酵させずにブドウジュースにするのはOKのようです。
よって決して果実酒を作るなんてことを言うのはやめておきます。
自身もブドウジュースを作るべく自宅のキッチンに置いてあった透明な液体に中身を嫁に確認しないまま氷砂糖と共に漬け込みました。
1ヶ月ほどしてちょっと早いかなと思いつつ味見をしてみると、
「う…、美味い!」
思っていた味とは異なりとっても爽やかな味がします。
これは美味いと2~3杯飲んでいると気分が良くなってくる不思議なジュースです。
一回漬けるだけではもったいないので現在は2回目の漬け込みをしています。
来年のシーズンまで持ちそうにありません。
キノコ以外の楽しみをまた見つけてしまいました。

肝心なコケ採り(キノコ狩り)ですが、本来ならヒメオオが終わる頃にはモタセ(サワモダシ)、いわゆるナラタケが発生するはずなんですが世間の予想を裏切って豊作の兆候が見られません。
ナラタケは他のキノコの発生量とあまり相関がないのか他のキノコがダメでもナラタケだけは大発生したり、逆に全く出ないことがあったりします。


↑ これは可食ではありませんがザイモクタケが群生したブナ材。
まだ腐朽が若いですが来年もしくは再来年には最高の産卵材になりそうです。


↑ 10月始め、倒木にビッシリ着生したツキヨタケ(毒)とブナハリタケ(可食)。
これを見る限り予想より発生が遅れているようです。
周りを見てもそこら中ツキヨタケだらけで確かにツキヨタケだけ見れば大豊作ですが無意味です。
例年だと晩夏にツキヨタケが発生して次にブナハリタケ、そしてナラタケ、ナメコ、さらにクリタケになって最後にムキタケ、ヒラタケと移行していくのですが、今年はツキヨタケの発生が遅れていますので目的のキノコもこれからなのかもしれません。
今年は先んじて長野県辺りではキノコが豊作でキノコ狩り中の遭難死が相次いでいるようなので自分への戒めだと考えて気をつけないといけないですね。


↑ これも今年の台風で倒壊した立ち枯れ。
部分的にはザイモクタケ、ヤキフタケ、ブナハリタケによって良い状態に腐朽しており産卵材として最適で、また後日訪れた際にはナメコも発生しており恵みのブナ材となりました。


↑ 10月も中旬になると、このポイントも紅葉の最盛期となり冒頭の写真のように最も美しい季節となります。
今年はヒメオオの成虫採集は早々にあきらめているので山に行く目的は紅葉狩りもしくはコケ採り(キノコ狩り)とヒメオオの幼虫の材割り採集です。


↑ 一週間前までは時期尚早だったナラタケも予想ほどの大豊作ではないもののいい感じの群生が見つかりました。
ナラタケは採集時期が短く最適な期間が1週間もないのでこの日はまさにベストのタイミングでした。
画像のナラタケも一週遅れていたら老菌で食べるには不適だったでしょう。

↑ 同日に見つけたブナシメジ。
ブナシメジは群生しないためにあまり量が採れないキノコですが淡白で上品な味で高級キノコとして扱われます。
お吸い物にすると美味です。


↑ コケ採りの合間に目当ての倒木の株でヒメオオの幼虫の材割りをしていたら発見したオスの成虫。
毎年のように材割り時に新成虫を発見しますが材割りで見つける個体はあまり大きくない個体が多いですね。
ここのポイントでは夏には少なからず50mmUPが採れるのですが材割りで出てくるのは大半が40mm前半の小型オスです。
画像の個体は46.5mmで過去の材割り採集個体よりは多少ましなサイズでした。

さて、その後は再び台風や天候不順により改めて訪れたのは10月の下旬になってからです。
標高1,000m超では紅葉もほぼ終わって木々もほぼ葉っぱを落としています。
例年この時期に訪れるときは時雨模様が多く場合によっては雪が降ることが多いのですが、この日も朝まで冷たい雨で現地の気温は5℃まで下がっています。
ただ昼と共に晴れ間が出てきて気温も上がって山歩きにはちょうどいいくらいです。
山の冠雪も平年よりも遅れて暖かい秋でしたがここ近日の冷え込みでそろそろナメコも出てくるでしょう。

↑ ここ数年来、ほとんどこのポイントでは採れなくなったナメコですが採集者が来なくなった去年くらいから少しずつ復活の兆しが見えてきて今年も群生するナメコの幼菌を見つけました。
さすがに採るにはまだ若いですが、ここの林道も閉鎖間近で成菌になった頃には採りに来ることは不可でしょう。
あきらめて昨年ナメコが発生していた材を見に行きます。

↑ 期待通り出ていました。
やはり昨年よりやや遅れての発生です。
ただ、評判のような豊作には程遠い状況です。
当地では長野県のような豊作にはならないような感じですね。

それでも後日、さらに探すために前述した台風でバラバラに損壊した立ち枯れを見に行くと剥がれかけた樹皮裏に、まるで店頭に陳列しているかのように綺麗に揃って発生しているナメコを発見。

↑ この周辺からは多くはないものの非常に状態の良いナメコを採ることができました。
これだけのナメコを見つけられるのも以前のように採集圧で荒らされていない証拠でしょう。
下手に豊作になるとにわかキノコ採集者が多く来るのでこれくらいでちょうどいいのかもしれません。

月が進んで11月も中旬になると当地の主な林道の多くが冬期閉鎖となるため入山できるポイントも限られてきます。
近年では数年前までのナメコの大発生が完全に収束したため訪れる山も県南部のお馴染みの山を見る程度となりました。
ここも数年前には来たら必ずライバルの採集者と競合していましたが去年からはほとんど他の採集者の痕跡も見られなくなりました。
言い換えればそれだけキノコのポイントとしては魅力のない場所になってしまったのですが、キノコは採れなくても自然のブナ林を散策するだけでも癒されますし何も採るものがないということはまずありえません。
材の1本でも採れれば御の字でしょう。

一応、ナメコを目的に勝手知ったる山道を歩いていきます。

↑ 山道脇で見つけたクリタケ。
このキノコも旬が短くすぐに虫に喰われるので綺麗なベストの状態で採れるのは稀です。
また非常に脆く壊れやすいので丁寧に扱わないと持ち帰るまでにボロボロになってゴミと化してしまいますので袋にギュウギュウに詰め込まずに適量のみ採取しました。
そして先に進むと、

↑ 再びクリタケの群生です。
もし、ナメコが採れなければ帰りに採って行こうと、ひとまずスルーしてさらに前進。


↑ 三度クリタケです。
それもさっきから全てベストな状態のクリタケばかりです。
どうも今日はクリタケの日なのでしょう。
ならばあえて採らない手はないとガッツリ採って帰ることにします。
結局袋にすし詰め状態となり自宅で開けた時には無残な状態になっていたのですが…。

ちなみにクリタケはナメコの発生木としては適さなくなった老朽化した立ち枯れの根際に多く発生するのでこれだけクリタケが多いということはナメコの発生は今後期待できないことを物語っています。
まあ、クリタケが採れただけで良しとしてあきらめて帰路に着いたとき、

↑ ほんとに少数ですがナメコを見つけることができました。


↑ それも何年ぶりかに出会った手の平サイズの超大物です。
クリタケもうれしいですがやっぱり本命が採れたのは感無量です。

満足して、帰宅してから持ち帰ったキノコの処理ですがナメコはすぐに食べなくても最悪、冷凍すれば1年近くでも保存はできますが、問題はクリタケです。
さっきも書いたように非常に脆くそのままでは冷凍も適さないので一旦火を通してから茹で汁ごと小分けして冷凍するしかないのですが、そればっかりでは能がないので今年はオリーブオイルに漬けてみることにしました。

↑ こんな感じです。
後日、嫁にアヒージョにしてもらって食したのですが絶妙でした。
長期保存も可能なので来年からは躊躇せずにクリタケも採って来ようと思います。

さて、今日現在昨年の大雪と打って変わってスキー場すら雪もなく未だにスノボーにも行けない状況ですが平成最後の年末を無事に迎えられたことに感謝いたします。
新たな年も皆様のご多幸を祈って年越しの挨拶とさせていただきます。
本年もご愛顧いただきありがとうございました。

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