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ホーム店長日記2014年12月
2014年12月
店長日記:3
2014年12月25日




↑ ‘14.11月28日、立山周辺にて撮影。
初冬には珍しい抜けるような青空と立ち枯れのコントラストに飛行機雲が映えています。
日本海側では冬場は極端に晴れの日が少なくなり、まれに降雪時の後に綺麗な青空と新雪の山並みを見ることはできますが山の中から青空を見ることは冬山登山でもしない限りできません。
そういう意味では雪解けの山菜狩りの時期までこの景色はおあずけです。

キノコ日記が続く中でちょっと違う話題を。




↑ 何か分かりますか?

シシャモです。
「見れば分かるよ」って言う方、ホント~にわかりますか?
これは正真正銘ホンモノのシシャモです。
じゃあ偽者のシシャモって何?と言う方、あなたが普段食べているシシャモはほぼ偽者です。
一般的にシシャモとして市場に出回っているものはほとんどが正式名称「カペリン」という全く別の魚で、とどのつまり他人の空似です。
北海道出身もしくは通の方はご存知だと思いますが本物のシシャモは11月前後のわずか1ヶ月だけ北海道の一部でだけ獲れる希少な魚なのです。
そして画像のシシャモは3大産地と言われる一ヶ所の釧路港で獲れた中でも今期最高と言われるもので先日もサンマを紹介した時と同様に自身の後輩であるS.A氏に厚意で贈っていただいた商品です。
食通の間では鵡川(むかわ)のシシャモが有名で「鵡川のシシャモ」は加工を含めて商標登録されているブランドです。
ただ、釧路市民の誇りと名誉にかけて代弁させていただくと鵡川のシシャモの多くは釧路産が使われているということです。
過去はいざ知らず現在では鵡川では釧路の10分の1ほどしか水揚げがありません。
そんな実情の中で釧路産を買い付けて鵡川で加工して鵡川のシシャモができています。
別に釧路が鵡川の後追いをしたのではなく北海道では昔から各地で初冬に軒先でシシャモを干して食する家庭の食材だったのです。
そういう意味では鵡川を批判するつもりは毛頭ありませんがブランド化することなく今でも地元の味として愛している釧路市民の人の良さが分かりますね。




↑ 昭和ながらの簾干しの象徴的な景観を今でも継続している釧路市内の某店の店先。




↑ 送っていただいたシシャモの販売元である釧路市民の台所「和商市場」内にある「柿田商店」。
この店の目の利くプロが選ぶシシャモに外れなし、とS.A氏談。




↑ 軽く炙ったシシャモ。
小ぶりなのがメスで大きいのがオス。
ちなみに味はというと、チェーン店の居酒屋で酔っ払いながら知らずに食べたら通常のいわゆるシシャモと分からないかもしれませんが意識して食したら、あえて両者を食べ比べなくても違いは歴然です。
特にオス!
メスを好むのは素人、通はオスを食べると言われるほどオスの身は絶品です。
普通のシシャモのようにパサパサの食感のイメージでひと口かじったらそのジューシーさに思わず口から身汁がこぼれてしまいました。
その加工の技を含めて素晴らしい食材です。
プラシーボ効果もあるかもしれませんが、こだわりという調味料は素材の味を自分自身の中で何倍にも高めてくれます。


閑話休題、キノコ日記に戻ります。
11月21日(金)、この日は17日と同様に立山周辺のポイントに向かいます。
4日前はいつものポイント周りを中心に探して極上のナメコが多く採れた割りには収量は思ったほどではなかったのでこの日は目を付けていた別のポイントを開拓することに。
例年、初めての積雪を記録した後のこの時期は自身が呼ぶところの今までのものより収量は落ちますが味も色も濃厚な「冬ナメコ」が採れるので今回はそれが狙いです。




↑ 立ち枯れの乱立するポイントの斜面を登ります。
この辺りのポイントは斜度や立ち枯れの量は県南のポイントのそれと変わりありませんが、斜面に繁茂するネマガリタケやササの量が半端じゃありません。
下手をすると四肢が思うように動かせないだけでなく数メートル先に行くのに大回りして行かなくてはいけないことも多々あります。
わかってはいるのですがなかなか前に進まないのと、樹幹上部にはポツポツとあるものの思ったほどナメコが見つからないのにイライラがつのります。
この状態で再びクマに出会ったらこっちからケンカを売るかもしれません。




↑ やっと見つけるも老菌でスルー。




↑ だいぶ上ったら少しは見つかりましたがやはりほとんどが老菌で冬ナメコどころか幼菌すら見つかりません。




↑ だいぶ標高をかせいだおかげで富山市街が見える眺望を拝むことができました。
周りをヤブに囲まれているせいで下を見ても何処から登ってきたのかさっぱりわかりません。
もちろん方角と周辺の地形は頭に入っていますが万一滑落して骨折しようものならこのヤブと林道までの距離を考えたら遭難は必至でしょう。
これ以上登ってもあまり期待はできそうに無いのでトラバースしていつものポイント方面に移動することにしましたが4日前からさほど状況も好転しておらず新たな発生もないのでここはあきらめることに。

どうやら今期は発生が早かったせいで冬ナメコが出てくる以前に発生自体が終了した可能性が高いようです。
また降雪はあったものの依然気温が高い状態が続いているのも要因でしょう。
例年なら今くらいには氷結した冬ナメコがあるものですが雪もなければ乾いて萎びた老菌があるだけです。
それなら日当たりのいい場所を避けて冷暗な場所なら発生しているのではないかと推測してここよりさらに標高を上げて峠を越えた北斜面ならあるのではないかと移動します。
こんなこともあろうかと前日に裏斜面に立ち枯れが群生している一帯があることをグーグルアースと地形図で確認済みです。
いざ、目的地に行ってみると予想通り立ち枯れが一面に見られます。
おまけに直射日光が当たっていないため地面には雪も残っていて冬ナメコには絶好のコンディション。
どこに車を止めようかと思っていると駐車したばかりの車から採集者らしき人間が出てきました。
やはり他にも狙っている人間がいました。
先に進むと再び車が。
さらに先には複数の車が連なって止まっています。
中には県外のナンバーもあります。
ふと横の斜面を見ると採集者がナメコを採っているのが見えました。
さっきまでいた自身のポイントがある場所と異なりここはかなりの競争率です。
自分が狙ったポイントでナメコが出ていなくて採れないのは納得できますが他者に先を越されて採られているのはあきらめがつきませんのでこの場所はあきらめることに。
しかし何で他の採集者がいるところにあえて群れて入って行こうとするのか自身には理解できません。
誰かが採っていれば間違いなく採れると思うのでしょうか?
有峰と同様にこのような場所では少なからずマナーの悪い人間がいるのでナメコは根こそぎ採ってもまた発生しますが発生木の樹皮をめくったりして発生自体しなくなってしまうでしょう。

山に入るまでもなく前述の裏斜面を退散して再び自身のポイントがある南斜面に。
念のためにもう一ヶ所候補地として目を付けていた場所を調べることにしました。
こうなったら採れなくてもいいので来期に繋がるポイントだけでも確保したいものです。




↑ 幸いなことにこちらは道路脇の目立つ場所は人の歩いた跡はあるものの奥に行くと少なくとも最近は他者が入山した形跡はなくやっと上質のナメコに巡り会えました。




↑ 今期初めて見つけたヒラタケ。
この時期までヒラタケを目にしないというのは例年ならあり得ませんが、やはり冷え込みが弱いことの証明でしょう。
あちこちにナメコは確認できるもののやはりここも多くが老菌で冬ナメコは見つからず。
ただ、荒らされていないので来期は有望なポイントになるでしょう。
新たなポイントを発見したということで立山周辺での今期のナメコ狩りはこれにて最終とします。
この段階で幼菌がないということはこの後に来ても期待は薄いでしょうしそろそろ本格的な積雪もあるでしょう。
この日の収量はナメコが3.7kgでした。
収量からもナメコの発生は終盤でしょう。



 


さて、前回のナメコ狩りから中一週間の11月28日(金)。
本来なら冬ナメコの採取の追い込みで特別な理由がなく一週間も山に行かないのはこの時期異例ですが、前回の採集で冬ナメコの発生が不良であることを確認して一気にモチベーションが低下しました。
この日も行くにしてもどこのポイントに行くか正直迷いました。
立山周辺がダメなら八尾・利賀方面もダメでしょうから本来なら低標高の里山である県東部の新川方面のポイントに移行するのですが例年ならそれは12月に入ってからです。
今年の発生状況から前倒しして行くべきなのでしょうが、やはり本命の県南のポイントをこの目で確認してからでないと後ろ髪を引かれて踏ん切りがつきませんし山の神様へのお礼の挨拶もしなくてはいけません。
よってダメもとで県南の今期一番の本命ポイントへ。




↑ ポイントに着いてお馴染みの斜面を上がりいつもの発生木を見て行きますがやはり予想通りナメコは老菌以外ほとんど見つかりません。




↑ それでも上っていきますが群生は見つかってもやはり老菌。




↑ クリタケも虫食いはないものの傘が開ききって老菌なので手を付けず。

いつもならこれ以上は斜面がきついので登らないというところも越えて稜線まで登っていくと本来なら山の裏側から行っている別のポイントに出てしまいました。




↑ それでも見つかるのはやはり老菌。
一週間前に来ていればそれなりの収量になったでしょう。
結局ボウズのまま今まで降りたことのない急斜面を降りて行くと、




↑ 老菌に混じってわずかばかりの冬ナメコを見つけました。
足場が悪い中、急斜面の下山中に今まで見ていなかった木で何とかある程度収穫して下山してきました。
これでここも発生が終わったことが分かりあきらめがつきました。
正直冬ナメコを楽しみにしていたので残念ではありますが仕方ありません。
今年の収穫に感謝して手を合わせてまた来期の収穫を祈ります。

早めの撤収で時間が余ったので帰途に八尾にほど近い里山周辺でポイントはないものかと行き当たりばったりで探してみることに。
とは言ってもある程度は今までの経験から周辺の地形や道路は把握しています。
いつもは気になりながらもいつか行ってみようと思ってこれまでなおざりになっている場所が結構あります。
こういう時でないとなかなか行くこともないのでちょうどいい機会です。
何処に抜けるか分からない林道の脇道に進入するとちょこちょこ立ち枯れが目に付く場所があります。
そんな場所で車を降りて歩いて入山していくと、




↑ 図らずもこんな群生に出会うこともあります。
残念ながら大半が老菌でしたが新たなポイントの気配に気持ちが高まります。




↑ さらに奥に進むと今度は採り頃の群生が。
本来なら冬ナメコになるはずの幼菌が成菌になったような感じです。
本命のポイントで思ったほど収穫がなかったのでありがたく持ち帰ります。
この周辺でも老菌ですがいくつか群生を見つけたので来期はここも新たなポイント候補になるでしょう。
やはり行き当たりばったりというのも面白いもんです。
結局この日の収穫は最後に思いがけず八尾で採れたので6.58kgほどになりましたがあきらかに発生は終わりを迎えています。
県南方面も今日で終わりなのであとは標高の低い新川地区のポイントを残すのみとなりました。
この時点での合計収量はナメコが97.25kgと昨年の同時期に比べれば相変わらず過去最高のペースですが、ここに来て一気に発生が終わったので今後の伸びがどの程度あるかは不透明なところでしょう。

いよいよ次回が今期のキノコ日記の採集話になりますが、年内に更新できるかどうか分からないのでここで年末の挨拶とさせていただきます。
今年も様々な方に支えられて無事に店を営業することができました。
来たる新年も皆様の変わらぬご愛顧と皆様の幸せを願って挨拶と代えさせて頂きます。
本年もありがとうございました。
2014年12月19日


だいぶ更新が遅れています。
年内に遅れを取り戻すためペースを上げて更新します。
とりあえず、まだキノコ日記が続きますので軽く流して下さい。




↑ ‘14.11月14日、八尾方面の山々。
前日からの寒気の影響で標高およそ700m以上は今季初の冠雪となりました。
画像でも分かりますがいつも不思議に思うのは冠雪している部分とその下との境はくっきりと明確になっていますよね。
まるでそこに境界があるかのようにそこから下は雪がありません。
実際、降水時は雪から雨に変わる標高ではみぞれの標高帯があるのですが積雪状況はいきなり変わるので不思議ですよね。

おそらく今から向かうポイント付近も積雪が予想されます。
いくら山間地でもこれで根雪になることはありませんし、すぐに解けるでしょうが車のタイヤがノーマルなので走行できるかが心配です(ちなみにタイヤの溝がほとんどなくなって富山で言うところのズベの状態です)。
今日行くポイントは今期初の場所ですが昨年の初冠雪時期(11月11日)に初めて見つけたポイントでそこそこ採れたので今年も見に行くことに。
時期的には昨年とほぼ同じですが今期は発生が早いのでどうでしょうか。




↑ ポイントに着いて早速昨年一番先に見つけたヒラタケの発生木を見ると何も出ていません。
あまり良い予感がしないまま奥に進んでいくとやはりナメコの姿は見つかりません。
やっと見つけた画像のナメコも老菌で採るには及びません。
他の採集者が採った形跡はあるものの発生自体はかなり少なそうです。
やはり発生が早かったのと発生木の老朽化が原因でしょう。
だとすると今後ここに来ることはもうないでしょう。
発生木の老朽化によるポイントの喪失は今後さらに多くなってくる可能性が高いです。

早々にあきらめ同山系の別のポイントへ向かいます。
この山の裏側は一昨年まで一番の大本命だったポイントで大量に収穫できたのですが昨季は工事で入山できず今期に行ってみたもののやはり木の老朽化で以前の発生の勢いは全くなくなっていました。
期待の高かった山ですがこの後行ったポイントも前述の裏側同様かそれ以上に木が老朽化しており発生した気配も薄い状態で結局ほとんどボウズです。
3日前の採集で大量に収穫できたので採れなくてもいいのですが当てにしていたポイントを2ヶ所失ったので代わりのポイントを探さなくてはいけません。

とりあえず何も収穫がないのも寂しいので昨年11月29日に友人のM氏と行った別の山系の山頂付近の稜線に行ってみることに。
当時は降雪の中でそれなりの収量はあったもののピークから遅れた観があったので少し時期を早めての訪問です。
途中、春によく山菜を探すポイント付近の林道を走行中ふと斜面下の立ち枯れに目を向けると。




↑ ナメコです。
ここの近くはシーズン最初に来るポイントなのですが採集者が多く今期も早々に撤退した記憶も新しいのですがちょっと離れたらこんなもんです。
山の管理者も多く通る中で誰もチェックしていなかったのでしょう。
早速、採ろうとしましたが車から見えていた部位は木の近くまで降りると高すぎて手が届きません…。
どうりで残っているはずです。
それでも少なからず採取してさらに斜面を降りていくと、




↑ 採りごろの群生を発見。




↑ さらに別の木にも。
ここは杉の林縁でさほどミズナラの立ち枯れは多くないので誰も確認していなかったのでしょうが意外に発生率は高いです。

先ほどのポイントのように立ち枯れが乱立している場所は目立つ反面、他の採集者との競合も多く、また発生木の老朽化が顕著なため逆にここのような場所が狙い目かもしれません。
まさに木を見て森を見ずならぬ森を見て木を見ずと言ったところでしょう。
予想外に新たなポイントを発見できて結果オーライです。
改めて稜線のポイントへ向かいます。
昨年は中腹の林道から登山道を登って行ったのですが今日は時間がないので一般車両はまず通らない稜線付近まで延びている行き止まりの林道で登る過程をカットするという反則をします。




↑ 予想通り積雪しており下草はだいぶ倒れてはいるものの車が通った形跡もないので下手に進入して引き返せなくなると困るので適当な場所で停車して後は歩くことに。
それでもだいぶ時間は節約できました。




↑ 稜線のポイント付近。
稜線に至る途中ではかなりの発生はあったものの昨季の採集時より2週間早いにもかかわらず昨季以上に老菌が目立っていました。
いかに今期の発生が早く進行しているかがわかります。




↑ それでも日陰の斜面ではまだまだ相当の発生量があります。
ただ、ここは稜線のポイント。
よく考えてみて下さい。
稜線から両側の斜面が確認できるため多くの発生木を見つけることはできますが採取するためには斜面を降りなければいけません。
そして降りた以上はまた登って来なければいけません。
一本発生木を見つけては下りて、また登ってを繰り返していればかなり体力を消耗します。




↑ おまけに稜線で吹きっさらしなため時折視界が白くかすむほど吹雪いてきたのでさすがに撤収することにしました。
もし今期再度来るチャンスがあればまだまだ採れるでしょう。

この日は何だかんだ言いながらもナメコの収量は10.43kgに達しました。




↑ 帰りに富山市内で撮影した時雨時の積乱雲。
山中では気温が0℃台にまで下がっていましたが標高が700m余り違うと気温は10℃近くにまでなります。
上空に一時的に強い寒気が入っている証拠でそのような場合(真冬は常に)、積乱雲は夏のようにもくもくと真上に発達せずに風に流されて前傾姿勢となり雲の上部は拡散して雲の縁が不明瞭になります。
このような雲を見ると「ああ、初冬だな。」という感じがします。



 


さて、さらに3日後の11月17日ですが14日に県南のポイントで発生のピークに遅れを取ったのを機に今度は立山方面を再度訪問します。
前回10月31日の時点でそこそこの発生があったので今回もそれなりに期待しています。
この日は今までよりも広範囲に見てみることに。




↑ 一見平坦なポイントもネマガリタケ(ススタケ)が繁茂して歩行の妨げになります。




↑ 何とか採りごろのナメコは見つけたものの平坦な場所は日当たりの問題からか思ったほどナメコは発生していません。
期待ハズレながら画像の奥は崖になっているのでそれ以上は行けないのでいつものポイントの方へ向かいます。




↑ こちらはニガクリタケ(毒)です。




↑ おなじみのクリタケ。
採り頃のクリタケがあるということはナメコもちょうどいい時期でしょう。




↑ ヤキフタケの着生したミズナラの枝。
裁断してみると良い朽ち具合でレアな色虫の産卵用に適しているのでわずか30cmほどですが持ち帰ります。




↑ いつものポイントではやはりちょうどいいナメコが見つかりました。




↑ 沢の対岸にナメコの群生を見つけました。
自身がいる斜面は周りのヤブで見渡せませんが対岸は良く見えるのでナメコの発生が多く感じます。
そう思って対岸に渡ると今度はこっち側が多く見えるんですけどね。
いわゆる隣の芝は…ってやつですね。




↑ とりあえず先ほどの群生を採取すべく沢を渡って対岸に来ました。
深さ10mほどの谷なので画像ではたいした谷に見えませんが見た目以上に斜度があり上り下りするのは結構しんどいです。
ナメコを採取して今度はこっちの斜面をトラバースしながら進もうと思ったそのときです。
自身の上部、数10m付近で突然大きな生き物がガサガサと動き出しました。
その動きからそれがクマであることは瞬時にわかりました。
クマより下側にいることは幸い(上側は危険)でしたが、立ち位置がイマイチ良くありません。
万一降りてこられたら自身はヤブで動きが取れませんし狭い沢に下りたら追いつかれるのは必至でしょう。
仕方ないので威嚇の声を発しつつ斜面を落ちるように下りてその勢いで対岸の斜面を登りきりました。
さすがに今回は緊張と疲れで脈拍が一気に上がりました。
クマも驚いたのか気配を消してどこにいるか分からなくなりました。
まあ、襲ってくる様子もないので再びナメコを探しながら車に戻ることに。




↑ とぐろを巻くように着生したナメコ。
まさに自然の造形です。
結局ひと通りポイントを周ったもののやはりピークを過ぎた観が否めなく収量はナメコ5.57kg、クリタケ0.5kgでしたがナメコは選りすぐりを採取したため極上クラスが多くなりました。
この時点での今期の総収量はナメコで86.97kgと過去最高のハイペースで更新しています。

2014年12月08日


日記の更新が追いつきません…。
まあ、週2ペースで山に行ってれば当然そのペース以上で更新しない限り追いつかないわけですから…。
とりあえずやっつけ仕事になりますが今回はオールキノコ日記、2回分まとめて書きます。
まずは11月8日、昨年から本命になっている県南のポイントへ。
ここは10月24日にも訪れた場所で昨年から一度もハズレたことのない相性のいいポイントです。
前回訪れた際は結構手をつけなかった幼菌が多くあったのですがさすがに2週間以上も経っているので、気温の高い今年はもう老菌になっているでしょう。
それでも新たに発生している成菌があるはずです。
早速車を止めて斜面のヤブに突入します。
そういえばここは主要道路のすぐ横でどうしても駐車して山に入っているのを通行している人間に見られているはずなんですが他のポイントのように他の採集者に採られることがありません。
今のところ自身の独壇場ですが自分の山ではないので謙虚な気持ちを忘れないようにしなければ…。




↑ このポイントに来たとき最初に見る発生木。
この木に発生していれば間違いなくそれなりの量は採れるはず。




↑ すぐ近くの木で早速群生を発見。
幼菌、老菌共にありますが採り頃の成菌の割合が最も多いのでそろそろ発生のピークを迎えているのかもしれません。
気温が高めの割りに例年より早い進行ですが発生も早かったからそうなのでしょう。




↑ 何回も言っていますが画像のようにナメコは樹皮の裂け目や苔に覆われた樹皮上を好んで発生します。
ただ、ナメコ自身の力で樹皮は剥がれていき自ずと発生に不適な状態になり材の劣化と共に衰退していきます。
この木はまだ樹皮がしっかりしているので来年も大丈夫でしょう。




↑ またすぐ横の木で見つけた群生。
さっきから立て続けに見つけているのでほとんど移動しないうちに収穫が増えていきます。
やはり発生のピークですね。




↑ 上の画像中のナメコの一部で傘がちぢれているのがありました。
これだけ多くのナメコを見ているとこれは変種ではないかと思うような個体群を見かけることがあります。
この画像の群は同一木にノーマルなナメコがあるのでおそらく外因性の変異かと思いますが、もしかしたらすぐ横に出ているナメコとは遺伝子型が異なる異株という可能性も否定できません。




↑ 変異といえば以前から何回も紹介していますが大ナメコ。
中でもこの画像のような柄から太くてまるでマツタケのような形状のナメコ。
こちらは乾燥状態でしたが持ち帰って水戻しをしたところ一株で100g超(径8cm)の大物でした。
ちょっと想像してみて下さい。
よく丼物にナメコが数粒程度入った赤出しが付いてきますが、もしこの大ナメコを使ったら椀の中はほぼこのナメコで占領されます。
もしくは椀に入らなくてフタの代わりになるかもしれません。
全く風情がありませんよね…。
大きければ良いというわけではないですが味は逸品なんですよ。




↑ ちょっと移動したらまたすぐ群生が。




↑ こちらも同様。
あっという間にリュックが一杯になってきます。
このままでは全然動かずに終わってしまうので、上のほうの状況も見たいためあえて周りを見ないようにして斜面を登りました。




↑ 途中、見つけた大ナメコの群生。
画像では比較ができないので分かり辛いですが大きい物は径10cm級です。




↑ 稜線に辿り着くと斜面に沿って何本も発生木が確認できます。
これ以上登っても採りきれないので断念して画像の斜面を降りていくことに。
結局このポイントの3分の1程度しか見ることができませんでした。




↑ さすがに上部に生えているのは手が届きません。




↑ リュックも満杯でもう終了と決めて片手に袋、もう片手にカマを持った状態で急斜面を何とか降りて行きますが途中でまたこんな極上ナメコを見つけたら採らざるを得ません。




↑ この日の収穫。
午前中のみでコンビニ袋で7袋に及び、収量はナメコで16.6kg、ムキタケ1.5kgと今期最高となりました。
車に置いてから再度入山すればまだ倍以上は採れたでしょうがいっぺんに採っても捌き切れませんし昼からは店の営業があるので撤収。
これだけの量でも1日では下処理できないので一部は嫁の実家にそのままお裾分け。



 


さて8日に採ったナメコを二日掛かりで処理を終えたと思ったら今度は11日(火)、この日も店の営業日なので午前中だけですが友人のM氏をナメコ狩りにエスコートします。
M氏は自身よりも若く元アスリートですから体力もあるので場所の選択には困りません。
自身単独では躊躇するような厳しいポイントでも彼が同行していれば頼りになります。
ただ彼も自身同様幼い子供の親ですから危険な所に連れて行くわけにもいかないので、自身のポイントの中で今期まだ行っていない場所の行くことに。

ここは、昨年B氏と行ってスズメバチの大群に襲撃に遭いそうになったポイントで斜面下部は森林組合による立ち枯れの伐採が進み日当たりが良いせいかナメコの発生が少なくなったので急な斜面を結構登らなくてはいけないので体力のあるM氏にはもってこいです。




↑ 登り始めてすぐにナメコを見つけましたがやはり老菌気味で乾燥しています。
日当たりが良いせいで発生も早く生長しきれないうちに乾燥したのでしょう。
もっと上部でヤブの影になっている木を探します。




↑ 日が当たる裏側に樹皮を持ち上げて発生したナメコ。
日当たりが良い木は樹皮が剥がれると直射日光で乾燥してナメコは発生しません。




↑ 下草の陰になって乾燥しにくく気温も上がりにくい立ち枯れの地面付近にはやはり成菌、幼菌共に発生しています。




↑ 手の届かない上部にある極上のナメコ。
例年なら高い所に発生するのは発生終期に多いのですが今季は結構目にします。




↑ 傘の色が通常より濃い自身が呼ぶところの「冬ナメコ」。
例年なら雪が積もる頃の低温下で出るのですが今年はこの高温状態で出ています。
ただ気温が高いので生長しても色、味共にいわゆる冬ナメコにはなりません。




↑ まだまだ出てくる幼菌。
一週間後が採り頃でしょう。




↑ ムキタケも今がピーク。




↑ 斜面を登るにしたがって状態の良いナメコが見つかります。




↑ まさに極上のプルプルなめこ。




↑ 自身が最も好む乾燥状態の成菌。
水戻し後は最高級品に変貌します。
ここは日当たりが良いせいで乾燥状態のナメコが今日は多く採れました。
すなわち質的に極上品の割合が多いということなので量はそれほど多くなくても満足です。
B氏も子供があまり土臭いナメコは好まないらしく若い成菌限定で採取していましたがそれなりの量を早々にゲットすることができて満腹状態になっています。
自身も8日に大量収穫したばかりで今日はあくまでもB氏のホスト役がメインなのでB氏の状態を見て撤収することに。

B氏の収量も10kg前後に達したようで満足していただけました。
自身の収量も抑えた割りにはナメコ8.67kg、ムキタケ1.5kgありました。
この時点での今期の総収量はナメコで70.97kgと昨年の同時期比で大幅増となっています。
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