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ホーム店長日記2013年11月
2013年11月
店長日記:4
2013年11月26日




↑ 庄川のヤナ場で選別されるサケ。
山の話題ばかりなのでちょっと余談に。
4日(祝)に子供を連れて庄川のサケ祭りに行ってきました。
\1,500でヤナ場で捕獲されたばかりのサケを横に設置された生け簀で掴み取りが出来ます。
息子は想像以上に大きな魚体にビビリ、戦意喪失して挑戦しませんでしたがテント小屋で獲れたてのサケ鍋(1杯\100)を食しました。

閑話休題、ナメコ大繁殖!!その4です。


 11月8日、5日前にB氏と訪れたポイントの全体像を調べるため先日よりもさらに斜面上部を目指します。




↑ 登り始めてすぐに先日通った時には目に入りませんでしたがブナの倒木に頃合のナメコが出ています。
ブナのナメコはここでは希少なので少量でも採取します。
気のせいかもしれませんがブナのナメコとミズナラのナメコでは食したときにかすかに香りが異なるように感じます。




↑ こちらもこの5日間に新たに発生した幼菌。
主観的にはもう少し待ちたいところですが1週間後の休みでは遅い感じなので採るなら
今でしょ!
というわけで傘が開いていないものを除いて採取しました。




↑ 少し進むと今度は大群生が!
やはりこのポイントは大当たりです。
このポイントではこんなのが当たり前のように見つかります。
贅沢ですが採り頃ののみ選別して採取し残りはスルーします。
採取するときに幼菌は次回の楽しみに採らずにおいておくのでそのせいもありますが、中5日間でこれだけの大群生が見つかるというのはそれだけ発生の勢いがあるということです。
ポイントの数より自制した採り方、そして状態の良い発生木をどれくらい確保しているかで収穫量が大きく変わってきます。
そしてここは状態の良い発生木が複数あるので収穫量が一気に伸びます。




↑ ポイント付近。
画像では尾根線上がなだらかな感じに見えますが斜面は蛇行しながら歩かないと登れないくらいの勾配です。
画像内に多くの立ち枯れが見えますが、この辺りはまさにキノコの山といったパラダイスです。
一部の木を拡大して撮って見ましょう。

 


↑ わかりますか?ムキタケにナメコ、そこら中に発生しています。
圧巻ですがこの木だけではなくあちこちの同様の立ち枯れがあります。
立ち枯れてから今まで誰にも触られずにいたのでしょうね。
誰かが手をつけた形跡が全くありませんので自然の状態が保たれています。
どこから手をつけていいのか分からないような状況で、このような神聖な場所へ招いてくれた山の神に感謝しつつ丁寧にナメコを採取していきます。




↑ ナメコのパラダイスです。
全面ナメコです。まだ幼菌も多くあるので無理に採取せず採り頃のものだけを採取しますがここまでの数本の木でコンビニ袋2袋分になりました。
半分以上は残してあるのでその幼菌が成菌になったらどれくらいの量になるのか?
大変なことになるでしょうね…。
とりあえず次へ進みますがリュックは早くも容量一杯近くになっています。
今から、前回は行かなかったさらに急な斜面を登ろうというときにこの収穫物はまるでハンデのように背中にのしかかりますのでとりあえず袋ごと木の根元にキープしておきます。
誰も来ないからできることですが、こないだ別のポイントでリュックごと置いといたらその場所が分からなくなって探すのに往生したのでいくら身軽だからといっても最低限リュックだけは必ず身に付けることにしました。




↑ 急斜面を登り始めて少しして見つけたブナの倒木。
ナメコは発生していませんが、手鎌でちょっと削ってみると食痕が確認できます。
そういえば八尾やこの周辺は元々オオクワガタの生息調査が目的で訪れた場所ですが、いつの間にか完全に趣旨が変わってしまいました。
この倒木を見た瞬間に過去の記憶を思い出したかのように材割りという本能が目覚めましたがあいにくナメコしか考えていなかったので手オノすら車に置きっぱなしです…。
次回改めて材割りしましょう。
万が一ナメコ採りでオオクワの幼虫が見つかった日にはまさに本末転倒なのでそれもどうかな?って感じですね。




↑ さらに登っていくと、やはりここにもありました。
ちょうどいい頃合の群生です。




↑ こちらは乾燥状態ですが、この房のまま水に浸ければまさに極上のナメコに変身します。持ち帰って下処理するまで痛まないので処理後はむしろこちらの方が最高級になります。

しばらく登ると一旦低木ばかりのなだらかな尾根に出ました。
その先へ進むともう一段高い山の斜面があるのですが、ヤブが強烈なのと今の斜面だけでも収穫が増え、さらに手をつけなかった幼菌の大群生もあるのでこれ以上探しても無駄になると思い引き返すことにしました。
帰りに先ほどキープしていた収穫物を忘れずに取りに行き車まで持ち帰りました。
これだけでも十分な収穫があったのですが、先日B氏と行った対面に見えるもう一つのポイントをまだ見ていません。
そちらの方が斜面がきつく登るのに苦労する上にB氏と訪れた5日前の帰り際に林道を歩いていた際、個人的にはクマよりも恐れているオオスズメバチの巣が近くにあったらしく大群に襲われそうになった(時期的には巣は解散していますが働きバチは残っていて暖かい日はまだ飛び回っている)ためあまり気が進みません。

想定外に時間的に余裕もあり、幸いなことに巣の場所はおおよそ見当がついているしこの日の気温なら活動も活発ではないと判断しリスクを必要以上に恐れずに向かうことにしました。
そのことが奏功したのか結果的にはそれなりの収穫を得ることが出来ました。

とりあえず寄り道をせずに尾根を目指します。




↑ 尾根の頂から見た風景。
画像中の隣の山も同様に新規ポイントとして候補になっており頂までの直線距離ではそんなに遠くはなく歩いて行けない距離ではありませんが、さすがにこの日は一旦下りてから行く気力、体力共にないので別の機会に攻めて見たいと思います。

ここの山は先日も紹介したように大径ではないものの立ち枯れの数は豊富なのですが、トラバースしながら調べると斜面の向きか位置の問題なのかコケが多く発生している場所とほとんど見つけることが出来ない場所とはっきり分かれています。
ただ過去の経験から斜面の向きに関わらずナメコは見つかっているのでおそらく立ち枯れた時期とその後の日照等が関係しているのではないかと推測しています。




↑ 尾根付近で見つけた今年初のヒラタケ。
標高をかせぐと気温も低いせいか発生し始めたようです。
まだ採るには及ばない大きさなのでスルーしましたがそろそろ冬の到来を感じさせます。




↑ 先ほどのポイントほどではありませんが採り頃の小さい群生がちらほら見つかります。




↑ 中にはこんな大群生も。
ここは低木やブッシュが多いため遠目で見えないので一本一本近くまで行って確認しなくてはいけないので本数はあまりかせげませんが、それだけに近くに行ってこんな群生があるとやはり嬉しいです。

何だかんだ言って結局ナメコでリュック一杯になっていました。
ここは斜面がきつく手で袋を持ちながら下山することが危険なのでそれ以上は収穫しようがありません。
下山途中も多くの採り頃の群生を見つけながらも泣く泣くスルーしていきます。
次回来てもその頃は老菌になってしまっていることを考えるともったいないと思いますが、これが今日神様から与えられた量なんだと素直にあきらめます。
逆に採るつもりなら車に行った後再度来ることもできますが体力の消耗によるケガのリスクもありますし採り過ぎて処理が間に合わず最悪捨てるなんてことになったらそれこそ罰当たりなのでこれで必要十分以上です。

時間に余裕を残して下山したので先の1日に見つけた大長谷の別の山のポイントを周ろうかと思いましたが、それも止めて早く終わった分帰ってナメコの下処理に費やすことにしました。
販売用に収穫したナメコは帰ってすぐに冷水で洗浄しながら一個一個柄を適度にカットして計量して袋詰め、残りは冷蔵、乾燥ナメコは流水で24時間水戻しを行い全てを48時間以内に処理するように心掛けています。
それ以上経ったものは自家用として食しています。

さて、この日の収穫は処理後の計量ではなんと、
ナメコ19.35kg、ムキタケ2kg
と、ナメコは昨年の自己最高の12.7kgを大きく上回り一日当たりの他のコケを含めた総収穫量と共に自己最高記録を更新することになりました。
現時点での今季のナメコ総収穫量は42.24kgと一気に躍進することとなり山の神様に感謝感謝です!

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その5は近日中にUPします。】
2013年11月23日




↑ 11月8日、コケ採りの帰りに撮影した夕日に染まる八尾の大長谷の紅葉。

さっそくナメコ大繁殖!!その3へ参りましょう。
さて、10月度は例年にない残暑の影響からか高標高のブナ林のコケの発生がモタセ以外は全くパッとせずナメコもほとんど収穫できなかったもののミズナラ帯のナメコの発生が予想外に早く既存のポイントが他の採集者と競合したものの新規ポイントではこの時期としては意外な豊作で今後に期待できる結果となりました。
10月末までの収穫量はナメコで7.5kgと25日の大漁のおかげでなんとか持ち直すことができました。
その新規ポイントの期待冷めやらぬ11月1日、待ち切れないように好天にも恵まれながら再度訪れました。
前回は悪天候のためにポイントの半分も見ずに撤収したので今日はポイントの全体像を把握するのが目的です。
もちろんナメコを見つければ採取しますが単純に採るだけでなくそこの環境や立ち枯れの数に対するナメコの発生率等を調べることで今後も継続して採集できる有望なポイントかその時だけの採集で終わりなのかを判断できます。
もちろん毎年状況は変化しますが、中には一年に一回だけの採集で終了というポイントがいくつかあります。
前回の結果から推測するに少なくとも一回で終了のポイントではなさそうです。
期待感と合羽を着ていない身軽さから意気揚々と斜面を登り始めます。




↑ 登ってまもなく見つけた幼菌の群生。
人によってはこれくらいのツブツブのナメコを好む人もいますがこれではスーパーの販売品と変わらないので自身は採りません。我慢して次回の楽しみに取っておきます。
次を探しましょう。




ほら、あった!
今期初のパラダイス級の大群生です。
全部採れば5~6kgになりそうですが右側半分くらいはやや老菌気味なのである程度選別して採取します。




↑ 上の画像の一部をアップで撮影したものですが下部に見えるのはナメコの成菌で、上部に写っている腐りかけたコケはモタセ(ナラタケ)です。
コケ採りの間ではモタセが終わるとナメコの時期だというならわしがありますが、まさにそのとおりモタセと入れ替わるようにナメコが出ているのが画像で分かると思います。




↑ 上の群生の一部ですが、これくらいの状態が主観的には好みで極上と判別している成菌です。
カサが開いたばかりで裏は白からややクリーム色で柄にはツバが残っている状態で、ツブ状の幼菌と異なり口に入れたときの香りや味の濃さが格別です。
これくらいの群生になると採取するだけでも結構時間がかかります。
採り終えて次を探します。




↑ すぐに別の木で見つかりました。
これは大ナメコです。手袋と比較してもその大きさが分かるでしょう。
一般に老菌になると開ききって見かけ上は大きくなりますが、これは違います。
まだ新鮮な成菌で肉厚で張りがあってプリプリです。
以前にも書いたことがありますが、大ナメコは通常のナメコの変種ではないと推測していますが生えている木には複数の大ナメコが発生していますので菌の変異で無いとすれば発生木の状態に要因があるのでしょう。
いずれにしろ人工栽培では現在の技術では絶対に出せないサイズですのでまさに天然ならではの醍醐味でしょう。




↑ 収穫量が増えてくると気持ちに余裕ができて周りの紅葉もいつもより綺麗に見えます。
山に入ったものだけが味わえる豊かなひと時です。




↑ 同一の木に競合するように発生するナメコとムキタケ。
ナメコの下から無理矢理ねじ込むようにムキタケが出てきています。
また、同じムキタケでも表面がウグイス色のものと紫がかったアズキ色のものがあるのが画像で分かると思います。




↑ ちょっと若いけど食べ頃のナメコ。ヌメリがあるように見えますが実は乾燥状態になっています。
逆にその方が劣化しませんし、採るときもバラバラにならずに房ごとゴソッと採れ軽く堅いので持ち運び時にも痛んだり潰れたりせずにすみます。
また一晩冷水に浸けておけばヌメリも復活して新鮮な極上ナメコに変身するのでこの状態で見つけられたのはラッキーです。




↑ 本日2度目の大ナメコ。
一つの房すべてが大ナメコです。こちらも乾燥状態だったので腐らずに採り頃の成菌の状態を保っていました。
持ち帰って水に浸けて戻したのが右の画像です。
以前採った径14cmの大物には及びませんでしたが径12.5cmでしたのでやはりキングサイズです。
味噌汁にこれが入っているのを想像してみて下さい。
まるでお椀のフタが浮いているような感じです。

何だかんだ言って、斜面を登りきる前にリュックが一杯になり一度車の戻り、再度登って何とか尾根近くまで登はんすることができました。
全部の立ち枯れはとてもじゃないけど確認することは出来ませんでしたが、それでもナメコが12kg、ムキタケ2kg(共に下処理後の計量)を採取することが出来ました。
ナメコは昨年11月22日の自己最高となる12.7kgには及ばなかったものの大漁なのに変わりはありません。
既存のポイントに手をつけていない状態で新規のポイントでこれだけ採れたのは大きいです。
あと、去年から思っていたのですがやはり現在愛用しているリュックは容量が15リットル程度なのでかなり物足りなさを感じます。
この日も結局斜面を2回登る羽目になったしデメリットが大きくなってきました。
今まではあまり大きな容器を用意すると欲張りだと山の神に思われて戒められるので謙虚に小さめのリュックを使用していたのですがさすがに昨年からは不自由で、いいかげん自身のスキルがUPしたと容認して大きなリュックが必要だと強く感じました。

さて、その二日後の3日(日)はブリーダーのB氏のコケ採りをしたいという希望で材採りは捨ててコケ狙い一本で八尾・利賀方面へ行きます。
ポイントは二日前に大当たりした新規ポイントの裏側斜面になります。
ここも新規ですが先日遠くから下調べをしているときに尾根線の立ち枯れにナメコが発生しているのを確認しているため外すことはないでしょう。
道中、もう一ヶ所以前から気になっていた場所に寄り道します。




↑ 入山してすぐにムキタケの大群生が見つかりました。
これだけあるとありがたみが薄くなりますね。
ムキタケも美味なのですがついついナメコを優先してしまいおざなりな扱いになってしまいがちです。
調子に乗って全部採るとそれだけでリュックが一杯になるのでB氏に譲り自身は写真を撮るだけにしました。




↑ こちらはクリタケの群生です。
やや虫食いがありますがこれだけあれば十分使えますしクセのない味で何の料理にでも合う使いやすさから嫁の受けも良いので採取しました。
ここではこれ以外にもクリタケを採取できました。
斜面を登っていくと立ち枯れは結構あるもののナメコの姿はありません。
ここは先日のポイントより標高で100m以上低いのでまだ発生していないのかナメコのない山なのでしょう。
不思議なことに同じような立ち枯れがある山でもほとんどナメコが出ない山が存在します。何かが違うのでしょうね…。
ナメコはありませんでしたが良さげな朽ちた倒木とワサビの群生を発見しました。
材はさすがにここから車まで運び出すのは厳しいですがワサビは来春の新たなポイントになりそうです。
ナメコに関しても時期をずらしてもう少し上部まで探してみたいと思います。

さて車に戻り本来の目的地へと向かいます。




↑ この日回ったポイント近く。3日前に行ったのは山の裏側になります。
とりあえず画像に写っていない部分から尾根線沿いにアプローチします。
画像では低く見える山ですが下から登っていくのは見た目以上にしんどいです。
ナメコは予想通りあるのですが不思議なことに先ほどのポイントと同様に登り口に近い標高の低い立ち枯れにはほとんど発生していません。
標高をかせぐのと比例して発生頻度が上がってきます。
見た目には繋がった一つの山なんですけど何かが違うのでしょうね。




↑ 遠目からやけに樹幹のコケが目に付いたミズナラの立ち枯れ。
近づいてみるとあちこちにコフキサルノコシカケが着生しています。
画像の裏側にもたくさん付いています。1本の木にこれだけ付いているのを見るのは初めてです。
この立ち枯れはコフキサルノコシカケ菌で占有されているのかそれ以外のキノコ類は全く出ていませんでした。
基本的にナメコが発生している木は必ずといっていいほど他のキノコ菌と共生しています。




↑ この辺りは標高的にもブナ帯ですので多くのブナが見られます。その中でも目立っていた極太の台場状になったブナ。耳をつけるとブナの鼓動が聴こえそうです。
ブナの立ち枯れはミズナラのそれと比べるとほとんどありませんが稀にブナの倒木に発生したナメコを見つけることができますが少量に限られます。

この日は自身は採集よりも案内人の役でしたのでここで採ったナメコはB氏に譲りましたがここだけで7~8kgは採れたと思います。
思ったよりも優秀なポイントで予想以上に採れたので途中で下山しました。
時間もあるので予定にはなかったそこの対面にある山も調べることにしました。
再びさっきのポイントよりも高い斜面を目指して登り始めました。




↑ 途中、林道横のミズナラの切り株上に発生していた複数のコケの株。
何だろう?とパッと見たところ一見マイタケのように見えましたが腐りかけているのでよく分かりません…。




↑ アップでよく観察すると色が抜けて白っぽくなっているもののカサに環紋状の模様がわずかに確認できることからトンビマイタケと判断しました。
もしそうなら来年は要チェックのポイントです。




↑ 斜面のモミジや低木の隙間から見え隠れする複数の立ち枯れ。
対面の先ほどのポイントから見てる分にはわかりませんでしたが、さっきと異なりかなり勾配がきつく何かにつかまりながらでないと登っていけません。




↑ 急斜面ということもあって立ち枯れもさっきのポイントほど太い木はありませんが、ある程度登ったあたりからちょこちょこナメコも見られ始めました。画像はちょうどいい時期に乾燥した極上のナメコ。
さっきのポイントに比べて日当たりが良いせいか乾燥したナメコが目立ちます。
頂上付近まで調べたいですが予想外の急斜面で体力の消耗が大きいので途中で断念、またの機会に持ち越しとなりました。
一部しか見ていないのでどの程度採れそうか見当がつきませんが一応ここでは自身も3.3kg(下処理後の計量)ほど採取しました。
まあ、午前中だけで新規のポイントで二人でこれだけ採れれば上出来でしょう。
店があるのでこの日は撤収しましたが、ここのポイントは再度来る価値が十分あるでしょう。
近いうちにまた来たいと思います。

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その4は近日中にUPします。】
2013年11月21日






↑ ‘13.10.27 岐阜県飛騨地方の国立公園の紅葉。撮影カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS

毎年必ず訪れる紅葉の名所。自身が今まで見てきた中でもここは1、2位を争うブナ林です。
後方に3,000m級の高山を拝め、タイミングがいいと雪を被った峰から麓にかけての見事な三段染めが見れます。
この日も前日から高標高は雪だったため期待したのですが雲が晴れずにほんのわずかしか主峰は見えませんでしたが綺麗な錦秋を堪能できました。


さてナメコ大繁殖!!その2です。
前回、利賀の自身の恒例のポイントで他の採集者と競合したことを書きましたが、そうなると当該ポイントはあまり当てに出来なくなってきました。
もちろんその山でもおそらく足を延ばして車では行きようがない隣の山まで行けば他者が入っている可能性は低いでしょう。
新規開拓のつもりであればもちろんそれでも構いませんし自身の今のスキルから考えたらそこで採れないという事はないと自負していますが、要は効率の問題です。
ポイントまでの時間がかかればかかるだけ採取する時間と体力を消耗します。
道など無い所をヤブ漕ぎしながら傾斜のきつい斜面を上り下りするのは想像以上に疲れます。
下から見ていて
「あれくらいの尾根(実質の標高差で100~200m)なら楽勝で登れる。」
とタカをくくって登り始めると半分も登らないでバテてしまうことが往々にしてあります。
果たしてその先にナメコがどれくらいあるのかは未知です。
500gかもしれないしパラダイスがあるかもしれません。
行ったものだけがそれを知ることが出来るのです。
そうやってポイントは開拓していくものなんです。
他の採集者が入っていた場所をチェックして後を追うなど邪道だというのが自身の理念です。
そうなると当該ポイントはあくまでも自身の足で探し出したポイントですが競合者に後追い者扱いされるのもしゃくです。
その辺りもだいぶ人に知られてきたようです。
よって、その周辺は避けて離れた別の候補地を開拓することにしました。
今でこそカシナガの食害で立ち枯れは豊富にありますがこれもいつまでも続くわけではありません。
そのため、そこで採れるのは今だけかもしれないという危機感を持って常に次の候補地を考えるようにしています。

そんなわけで10月25日はあえて前回のポイントを外し八尾・利賀方面で以前からチェックしていた新規のポイントを開拓に行きました。
どんな採集者でもやはり車のアクセスがしやすい場所を好んで探します。
逆に言えば車で近くまで行けない場所や車からチェックしにくい場所は知られている可能性は低いと言えます。
また、有峰でもそうですが灯台下暗しで誰もが通る道路のすぐ近くの死角にパラダイスがあったりします。
とりあえずこの日は折からの台風の影響で雨が本降りの悪天候だったのであまり山中を奥まで行かなくていい場所を選びました。
それでも笹や下草が生い茂る斜面は濡れて足が滑る上に合羽を着ているので動きも制限されるし勾配も結構きついです。
何かにつかまっていないと滑落するくらいです。




↑ 斜面を登り始めてすぐに倒木に発生したナメコを発見!
折からの雨のおかげで水分を含んでツルツルです。
幸先の良さに期待感から登る足取りも力強くなります。
目に付く立ち枯れをチェックしていくと、




↑ 遠目からでも容易に見つけることが出来るムキタケ。
ここでも相当発生しています。
ムキタケは傘も大きく水分を含んで重さもあるので先に調子に乗って採るとリュックにナメコが入らなくなったり重さで体力を消耗するので本来帰り際に採取するのがベストです。
とりあえずスルーして上を目指します。




!!!
あった!今期初のナメコの大群生です。
画像下側はだいぶ老菌になっていますが画像には写り切らない左側まで採り頃の成菌がビッシリ生えています。
食べ頃の成菌のみを選別して採取しますがここだけで2~3kg分くらいありそうです。
新規ポイント開拓の労がねぎらわれたと同時に、いきなりこれだけの群生に出会えたことはこのポイントが当たりであることを示唆しています。
感謝して採取を終え周りを見渡します。




↑ 目線より下側は生い茂る下草や低木で見えませんが立ち枯れの樹幹には小さな群生があちらこちらに確認できます。
とりあえず見えるものから優先的に採っていきます。
斜面をトラバースしながらあっちへウロウロ、こっちへウロウロしているので全然上へ登って行けません。
そうこうしているうちにムキタケも同時採取していたためリュックがだいぶ一杯になっていました。おまけに雨のせいでリュックも水浸しです。
必需品のゴーグルも水滴や曇りのせいで前が見えません。
このポイントが当たりだったのは分かったのでこの日はこれで撤収することにしました。
天気の良い日に改めて上部を攻めることにします。
この日の収量はナメコ5kg、ムキタケ2kgでした。
まあ10月中にこれだけ採れれば上出来でしょう。
またこの雨でさらに生長が進むので次回が楽しみです。

さて、その二日後の27日は日曜日ですが早朝からブリーダーのB氏と岐阜県まで材採取に向かいます。もちろんコケ採りもしたいのですがおそらくそこまでの時間的余裕はないでしょう。
この日も前日からの冬型の気圧配置で時雨模様の天気となりました。
標高の高いところは雪だったと思われるため雪を被った霊峰と錦秋が観賞できると思ったのですが天気の回復が遅く雲がかかってトップに紹介した写真を撮るのが精一杯でした。




↑ 写真撮影に適した場所で撮影していると横を通っていく車が次々とそれを見て停車して、まるでどけと言わんばかりに自分のすぐ横に来てシャッターを切り始めます。
撮り鉄じゃあるまいし山は動かないのだからこっちが撮り終わるまでちょっとくらい待てんのか?と言いたくなることがあります。

以前も書きましたがここは登山やトレッキングを始め言うまでもなくコケ採りや紅葉の時期は県外からも多くの写真家たちがカメラを手に訪れます。
この日も車を駐車してブナ林の遊歩道へと向かうと早朝にもかかわらず早くも数人の写真愛好家と出会いました。

また、ここは雄大なブナ帯ということもあって10年ほど昔はほとんどいなかったのですがここ数年はヒメオオ目的の採集者が結構来るようになりました。
昨年来たときは見なかった材割りの跡が遊歩道横の大径のブナの立ち枯れに残っています。
一応、自身はプロですから見れば一目でヒメオオ目的の材割りだと分かります。
材割りの跡を確認していたら写真家の人に話しかけられました。
「おたくらはキノコ採りかい?」
「キノコももちろんあれば採るけどキノコより朽ちた倒木を探しとるが。」
「それはおたくらがキノコを採った跡かい?」
と言って材割りでえぐられた場所を指差していました。
別に非難しているような言い方ではありませんでしたが、何でえぐられているのか分からなかったんでしょうね。
「いや、これは俺らじゃなくてクワガタを探している人間が割って幼虫を採った跡だよ。」
痛くもない腹を探られたらかなわないので説明して否定しました。

自身も材やコケを採取しますし、ここではしていないものの材割りもしますから他人のことを言えた義理じゃないんですが一応国立公園内ですので管理者にその行為を見つかれば必ずとがめられます(以前、道路横に転がっている倒木の一部を持ち帰ろうとしただけでダメとは言われませんでしたが念のため注意されました)。
原則で言えば国立公園内では石一つ持ち帰っても罰せられるのです。
おそらくそれは認識していると思いますので、自身も同じ立場上するなとは言えませんがせめて目立たないようにするのがマナーでしょう。
紅葉の名所で誰もが散策する遊歩道横なら必ず目に入ります。
他のヒメオオ採集者が来ればここがポイントであることを教えるだけではなく同様の場所で材割りしないとも限りません。
そうやってポイントや景観が失われていくのです。
もしヒメオオ採集者でこれを読んでいたらお互い気をつけましょう。

ついでに書きますが前述のヒメオオ採集者もそうですがコケ採りの人間も相当マナーの悪い輩がいます。
キノコの場合、根こそぎ採ってもマナー違反ではありませんが翌年のことを考えず無理やり採ったり、コケ採り以外絶対に来ないような深山に空き缶やコンビニのゴミを捨てていく者がいます。
それを見ると自然の恵みを山から戴いておきながらその仕打ちはどういうつもりか?
といたたまれなくなります。
一応、手が空いているときは拾ってくるようにはしていますがいささか残念です。
断っておきますが偽善行為ではなく、人に対してではなく山の神に同類の人間だとは思われたくないんです。
そういう奴に限って山ほどコケを採っていたりするんですよね…。

以前にも書いたかもしれませんが、人から聞いた話では富山県人は上記のようなマナーの悪い山菜採りが多いと県外の人から非難されているそうです。
新潟の地主の人の話ですが山菜の時期に富山ナンバーの車が山に止めてあったらすぐに警察に通報するそうです。
富山県民として汚名を着せられないように気をつけたいものです。

話を戻しますがあられが降る中あちこち散策した結果、今日はダメかなとあきらめかけたときに何とか良さげなブナ材を採取することができました。
時間が無くてコケ採りはできませんでしたが見ている範囲では例年に無くコケは少なく感じましたし必ず出会うコケの採集者もほぼ見ませんでした。
今年はコケが不作なのをわかって来ていないのでしょうかね?
代わりに悪天候の割には写真愛好家が一段と多くなったと感じました。
中には女性だけの撮影ツアーみたいなグループもあり本格的な一眼レフを持った撮影者がブナ林の中まで入り込んでいるのはカルチャーショックでした。
壮大なブナ林はいつも癒しを与えてくれますが、豊かな自然に囲まれているときにあまり人間と出会うと少し興ざめしてしまいますね。
昔は誰もいない山に行くのは怖いと思いましたが今ではむしろ一人のほうが落ち着きます。

【ナメコ大繁殖!!その3は数日中にUPいたします。】
2013年11月19日


 さて、前回の更新から約1ヶ月強が経ちました。
日記のネタが貯まり過ぎて一気に書くと長文になってしまうのでいくつかに分けて時系列でUPいたします。

季節の移ろいは早いもので10月は3回も真夏日を観測し記録的な残暑となりましたが11月に入って急激に冷え込み13日には富山で初雪を観測しました。先月の12日に真夏日を観測しているのでわずか1ヶ月で季節が夏から冬になったことになります。
以前から春と秋が短く感じると書いてきましたが感覚的ではなく統計的にもそのことが指摘されているようです。
やはり日本は四季の国ですからその季節の趣を味わいたいですよね。

そんなわけで自身は一年で最も山に行くのが多くなるシーズンです。例年通り週に2~3回のペースでブナ帯へ通います。
主な目的はコケ(キノコ)採りですが、現在商品のカワラマットの在庫が尽きかけているので新ロット生産のためにカワラ材(主にブナ)を採るという目的も忘れられません。

さあ、今年もキノコ日記の始まりです。
興味のない方はスルーして下さい。
前回の日記でもだいぶコケの記事が多くなっていましたが今回はこの時期の大本命、ナメコの旬です。
昨年はシーズン収穫量が70kg(下処理後の計量)に達しましたが今年はどうでしょうか?
前回更新後の翌日の10月18日、早速ナメコを探すために有峰方面に向かいます。




↑ この日、早朝には前回に引き続き再び彩雲を目撃しました。この日のは幻日になりそこなった彩雲でした(画像はそれぞれ太陽の左右に現れた彩雲です)。もう少し雲の氷晶が多ければ幻日になったかもしれません。
今年3回目の目撃というのはかなり多い方でしょう。
良いことがある前触れとなることを期待しつつ有峰へ向かいます。

コケ採りも楽しみですがまずはブナ材採取が先決です。
この日は前回B氏と採りに行った産卵用の材ではなくマットにする粉砕用の材ですので菌さえ廻っていればあまり見た目にはこだわらないのでさほど難しくはないでしょう。
以前から気にかけていた場所を探索します。




↑ カワラタケがビッシリ着生したブナ材です。標高1,000m付近になると平地では普通に見られるカワラタケもあまり見かけなくなります。
レアなブナカワラ材をゲットできました。裁断すると朽ち方が一様ではないので粉砕用に回します。




↑ こちらはハカワラタケが着生したブナ材。一見シハイタケと言う方も多くいますが、より大型で乾燥すると下側に巻き込むことで区別できます。菌の特性はほとんど変わりませんのでどちらでもいいんですけどね…。
この材はやや芯があったものの綺麗に朽ちていたので産卵材として適用します。

首尾よく材を採取できたので残った時間はコケ探しに費やせます。
早速、いつものポイントを訪れてみます。
予想通りナメコの姿は見当たりません。
昨年でさえ発生が遅れたのに今年はさらに残暑の影響があるだろうと推測していましたが的中したようです。
しばらくヤブ漕ぎをしながらウロウロしていると、




↑ 辛うじてナメコの幼菌(左画像)がありました。また、ムキタケ(右画像)も見つかりましたがナメコも出ないうちからムキタケの成菌に会うのは違和感がありました。
ここらではいつもならナメコが出始めてからムキタケのはずなんですが…。




↑ 美味なブナシメジですが量が少ないのでスルーしました。
キノコ鍋等、ごった煮にするのであれば量より種類なんでしょうが個人的にはそのキノコ単品で食したいので少量すぎると調理が出来ないので画像くらいの房なら手をつけません。

散々歩きましたが食べるようなコケは採れません。
仕方なく背水の陣で昨年も唯一外さなかったとっておきのポイントを最後に見ることに。
ポイント付近に着くと明らかに誰かが入った後が…
おまけにブナの倒木にはついさっき採ったと思われるようなナメコの痕が…
去年採っているところを不覚にも何人かに見られてしまったしなぁ、と後悔してもあとのカーニバルです。
やはり山に来ている人間は泥棒か山賊だと思った方がいいかもしれません。
悔やみながらも斜面上部の隠れた倒木を見ると、




↑ ナメコの幼菌が出ています。この木は見つからなかったようです。幼菌なので手は出しませんでしたがおそらく1週間後には残ってないでしょうね。
ちなみにコケの周りに見える灰色の細かい粒が何か分かりますか?
そうです、トビムシの大群です。
この時期のコケには大体付いています。場合によっては傘の裏がトビムシでグレーになっています。
これが一番の厄介者で水に浸けても流しても取り切れません。ちょっとぐらい食べたってどうってことはありませんが細かいことが気になる方は初物のナメコは食べない方がいいでしょう。

さて、さらに沢を渡って対岸の隠れた倒木を見ると、




↑ ありました!
今期初のナメコです。やや開ききっていますが初物なので上等です。
ただ、上記のようにトビムシだらけだったのでこれを嫁に渡すと目を三角にされるので自分で処理して醤油漬けにしました。2kgの収量で山菜ビン4本分になりました。


続いて3日後の21日、この日は店の営業があるため午前中のみの行動です。
やはり材集めが優先なのでついでにコケ採りもできることも考慮してヒメオオのポイントでもある利賀方面に向かうことに。




↑ 遅れていた紅葉もやっとそれらしくなりました。

途中、慢性的に置いてある通行止めの看板を尻目に進んでいくと1台の車が…。
近くにはコケ採りの装備をした2人の男性がいました。
やはり来る人は来るんですね。
それを追い越して行き止まりまで行くと、そこから材の目星はついているので材の採取はとどこおりなく終わりました。
この辺りは標高で1,200mを越えていますが有峰でダメならここでもナメコは期待できないでしょう。
ここではナメコ以外の雑キノコ狙いです。
以前モタセ(ナラタケ)の大きな株を見つけた立ち枯れを見に行くと、
「あれ?木がない…。」
倒れてバラバラになっていました。
今年のブナ帯はどうもモタセ以外のコケはハズレ年のようです。
例年なら嫌でも目に付くブナハリタケもほとんど見かけません。
シーズンが終わってみたら今期はモタセだけだった…なんてことにならないか不安です。




↑ それでも昨年と同じブナの倒木でシロタモギタケの株を見つけました。
このコケは以前、天ぷらにしたところ油を吸ってかなりギトギトで胃にズッシリきたのでそれから採取していません。
美味しい調理方法があればいいんですけどね…。

どうもパッとしないのでブナの純林のこのポイントを早々にあきらめて次期本命ポイントであるミズナラ帯に移動することに。
ブナ帯でダメなのに標高を落としたらなおさらダメなような気がしますが、それで昨年裏をかかれたので今年は同じ轍を踏まぬように念のために確認しに行きます。
まあ、見つかればラッキーかな?くらいの余裕の気持ちで向かいましたが、
自身のポイントの手前の道路際に県外ナンバーの車が止まって横でオヤジが二人で弁当を食べています。
そしてその横には採ったコケを入れてあると思われる籠が数個置いてあります。
その瞬間さっきまでの余裕はどこかにスッ飛びました。
「やられた…。」
にこやかに弁当を食べながらこちらを見ている視線が妙に勝ち誇っているように思えるのは自分だけでしょうか?
ましてや普通なら他人に見られるのを嫌って収穫物は車のトランクに隠すものをあえて見えるようにしているのは何でか?
さらに県外(石川)ナンバーというのが火に油を注ぎます。
ここまで来なくても地元で探せば良かろうに。
急に焦って自身のポイントへと林道へ進入しいつもの場所に車を止めようとすると、
なんと先客の車が。
「いったいどうなってんだ…。」
以前はここは春の山菜以外は独壇場でのびのび採取できたのに、今年は妙に競争率が高そうです。
完全に遅れを取った感に敗北感を味わいながらもあえてその車に横付けして止めて準備にかかります。
読者には
「自分の山でもないのにもうちょっと心を広く持って分け合うくらいの気持ちが持てないのか?」
と批判されそうですが自分の山じゃないからなおさらです。
どんだけ自分が先に見つけようが目を付けていようが取ったモン勝ちです。
先に採りに来た人間の一人勝ちです。
お人好しに後から来る人のために分け前を残しておく採集者など皆無です。
クワガタ採集でも山菜採りでも釣りでも同じでしょう?
仮に自分が必要な分だけ採って後は残しておいてもこれだけ採集者がいれば他の採集者が採るか誰かが採らない限りいずれ腐って落ちるのです。
昆虫や山菜は来シーズン以降の発生に影響するため自身も節度を持って採取しますが、それと違いキノコは採り尽しても菌が廻っている朽ち木を損壊(樹皮や表面を削る等)しない限りまた生えてくるのです。
ただ、次はいつ生えてくるのかそれは分からないので先客に採られたから次を待とうなどと悠長に構えているとシーズンが終わってしまいます。
コケ採りはのんびりしたイメージがあるかもしれませんが、こんな山奥にリスクを覚悟で通ってくる一癖も二癖もある人間たちですから簡単に先んじることは困難です。
山に入れば情け無用の仁義なき戦いが繰り広げられているのです。

準備もそこそこにクマ除けの鈴を振り回しながら山の斜面に突入します。
この場合はクマ除けではなく採集者除けです。
存在をアピールすることで無用な遭遇を避けるためです。
中にはそれでもこちらの様子を伺いに来たり、自分の縄張りを主張するかのようにあえて近づいてくるクマよりも面の皮の厚い人間も多々います。
反面、むやみに鈴を鳴らすと良いポイントを見つけたときに他者に悟られる(鈴が鳴らなくなったらコケを見つけたとき)可能性もあるので諸刃の剣です。
とりあえず、どの程度やられているのかを確認するためざっと見て回ります。
全滅を覚悟していましたが自身のポイントはほとんど手を付けられた形跡はありませんでした。
だとしたら鈴を鳴らすのは逆効果なので鈴をしまいます(完全に本来の使い方を忘れています)。
少し気持ちが落ち着いたところでじっくり探し始めます。




↑ やっぱり出てました!それでもかなりしなびた老菌があるということはもっと以前に発生しているということです。
この時期はまだ気温が高いのでコケの生長も早いですが仮に10日くらい前に発生したと考えると平地で真夏日を観測していた頃に出始めたと推測できます。
この後で確信を持ちましたがナメコの発生は絶対的な冷え込み(低温)が必要なわけではなく相対的に一時的な気温の低下があればスイッチが入り、むしろその後の降水の方が生長に大きな影響があることが経験的に分かりました。
この時期は秋晴れの好天が続きやすくせっかく発生しても降水が無く生長できずに幼菌のまま乾燥したり腐ってしまったりしたものを結構目にします。
今年は紅葉がイマイチだったように冷え込みも少なく比較的雨の日が多かったことからこの高温傾向の中でも生長出来たのでしょう。




↑ 降水のおかげでツヤツヤの旬なナメコが見つかりました。
ただ気温が高いので採りごろの期間は短いです。
数日遅れたらもう腐り始めるでしょう。
幸い有峰の初物と違ってここのナメコは早生の割にはトビムシがほとんど付いていません。




↑ やはりここでも例年より早くムキタケが出ています。せっかくなので採取します。
ナメコも成菌を中心に500gほど採ったところでタイムアウトです。
他のライバルがいる中、先に撤収しなければいけない事実に後ろ髪を引かれながらもこのポイントはもう捨てるつもりで帰途に着きました。
ここも今期のナメコポイントとして皮算用をしていたので計画を考え直す必要が出てきました。
果たして今期のナメコシーズンは暗雲が立ち込めたスタートとなりました。
21日現在ナメコの総収量は2.5kg。その他、11.5kg

【数日中に続きの日記(その2)を更新します。しばらくお待ちください】
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