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2013年10月
店長日記:1
2013年10月17日




↑ 2013.10.11 富山市有峰にて。カメラ;OLYMPUS E-510、露出時間;1/200、絞り;f/8、焦点距離;14mm(35mm換算で26mm)、ISO-400




↑ 2013.9.27 岐阜県飛騨市。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/500、絞り;f/4.2、焦点距離;5mm、ISO-100

改めて言いますが秋の空って何でこんなに高くて青いんですかね。
気象学的に言えば空の高さ(圏界面)は夏の方が高いのですが、空気中の塵や水蒸気が多くどちらかというと白っぽくくすんでしまいます。
今年酷暑に見舞われた地域は特にこの傾向が顕著だったので空が白かったのに気づいた方もいるでしょう。
秋は大陸からの乾いた塵の少ない空気に被われるので澄んだ青い空になります。
どこまでも青い空を見ていると、そんなことはどうでもよく只々気持ちが洗われるようです。
この色をスカイブルーなんて言葉ではあまりにも陳腐すぎて適当な表現が見当たりませんが、空の色だけではなく周りの景色を含めて独特のコントラストの深い青を創り出しているんでしょうね。

ついでに今季の紅葉をもう一枚、


↑ 2013.10.11 富山市有峰にて。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/125、絞り;f/3.5、焦点距離;5mm、ISO-80
ソフトで編集していますが、コンデジでも結構綺麗に撮れます。要はカメラではなくて被写体(シチュエーション)次第でそれなりの写真は撮れます。つまり有名ポイントへ行けば素人でも今のコンデジなら綺麗な紅葉が撮れます。

ただ、写真ではそこそこ綺麗に見えても残念なことに今年の当地の紅葉はあまり綺麗ではありません。
昨年は10年に一度の当たり年と言われ遅れ気味ではありましたが見事な紅葉が見れましたが、今季は9月下旬以降の異常な高温によって葉が綺麗に色付かずブナも黄色ではなく茶色になって落葉し始めている状況です。
今年は夏の猛暑も記録的でしたが最近の高温も記録的です。富山でも10月に入ってから3回も真夏日を観測しています。平年なら写真の高地では霜が降りるくらいにまで冷え込む日もあるのですが今年は5℃前後まで冷え込んだのが一度あるだけで他は日中は半袖で過ごせるような異常な気温です。
昨年といい、年々秋の訪れが遅くなっている気がします。
色々な秋の楽しみを見つけてからは秋が遅いのは残念でなりません。

さて、秋の訪れは遅れても自身は例年通り精力的に山に訪れています。
画像や日記ももっと多く紹介したいのですがPCに向かっている時間がなくて更新できません…。
画像ばかりがどんどん溜まっていきます。
とりあえず紹介できる範囲で載せていきましょう。

前回は20日のヒメオオ採集まで書きましたが、今期は岐阜県のポイントでの結果が思わしくありません。前回も書きましたが大雨のせいかそれに伴う林道周辺の補修による環境変化のせいなのかはっきりはしませんが採れるべき時期に採れるべき場所で採れません。
9月も下旬になれば発生もほぼ終わりを迎え確認できるのはヤモメの♂ばかりというのが通例ですがとりあえず行かないとわからないので27日にそこは今期最後のつもりで行ってきました。
この日も林道の工事のため重機が入っていたため車ではなくかなり手前から徒歩での探索となりました。



↑ この日も時期外れに暑い日でしたがトップに紹介した画像を見てもわかるように見事な青空でむしろ徒歩で行けたのが気分的にも最高でした。
風のささやき以外ほとんど音のしないブナ林で頭の中でAORの音楽がBGMのように鳴っています。



↑ ブナ林で真っ先に色付いたヤマウルシが鮮やかに映りプチ紅葉が楽しめます。ヤマウルシは残暑が厳しくても9月中には必ず紅く染まります。これで秋の訪れを実感できます。



↑ 生息木を何本か見て回って最初に見つけたクワガタの影。
残念ながらアカアシでした。
今日もヒメオオはおあずけなのかと嫌な予感がよぎります。
やはりいつもの木を見て回るだけでは見つかりそうにないのでいつもは下りない斜面を半ばヤケクソ気味に突入します。



↑ 画像では入りやすそうなヤナギの群生ですが、強烈な下草で進めない上に下手にヤナギの木に当ったり揺らしたりするとせっかくのヒメオオが落下してしまい見つからなくなるので大胆かつ慎重に進みます。
かと言ってあまりに静かに行動すると気配がしないのでクマとばったり!とういうことにもなりかねないので(昨年それでニアミスしました)色々と気を遣います。



↑ 今度は間違いなくヒメオオです。誰も入っていない処女ポイントだったようでこの時期にもかかわらず複数のペアが採れました。例年ならいくら処女ポイントとはいえこの時期にペアで確認できるのはそう多くはないのでやはり今年はおかしいです。

おまけにその後他の場所を見て回るもヒメオオの影は皆無で結局この場所で採れた個体のみでした。この場所には複数の個体がいるので他も単に採集圧でいないとは考えられないので今期の発生状況の要因は来期の様子を見てから再び考察しようと思います。
主観的には来年は昨年までの状況に戻ることを期待したいと思います。





↑ ヒメオオ採集を終了したので今度は頭をコケ(キノコ)採りモードに切り替えます。
すると途端に数々のコケたちが目に入ってきます。
上画像は今期初となるナメコ。まさかこんなに早く見つかるとは思ってもいませんでしたがこれだけ採っても仕方ないのでスルー。
下画像はこの時期おなじみの毒キノコのツキヨタケ。これが全部食べられれば喜ぶのですが、見るだけにしておきましょう。
コケのシーズンには入りましたがまだまだ採るには足らない時期なので軽く流します。

帰りしな別の林道を走行中、コケ採りとおぼしき富山ナンバーの車が止まっていました。
マイタケを探すには遅いし見た感じ何かを採ったという感じではありませんでした。
そういえば今年はマイタケの採集者とあまり会わなかったのですがやはり不作だったんですかね?自身は時間の無駄になるのでマイタケ探しはしませんでした。
いずれにしろ巷のコケ採り人たちもそろそろ動き出したようです。
今年も山の中での仁義なき戦いが始まろうとしています。
気合を入れながら周りを見ながら走っていくと、



↑ 林道横の沢の対岸のヤナギの木にコケらしいものを発見!
ズームで写真を撮るもののはっきり分かりませんがヤナギということで色合いからもおそらくヌメリスギタケモドキでしょう。
早速、沢を渡ってその木に向かい確認すると、



思ったとおりヌメリスギタケモドキです。それもちょうど採り頃です。
このキノコも一昨年まではノーマークだったのですがナメコと同じモエギタケ科の優良な可食のキノコです。
昨年まではたまたま見つけたものを採っていただけでしたがヤナギに生えるというのは知っていたのでついでに周辺のヤナギを見て回ります。



↑ やはりありました。この時期にヒメオオのポイント近くでこのコケが採れるというのは新たな発見です。来年から採集の行程に組み込むことになりそうです。
このコケはヤナギならどこでも見つかるというわけではなく一定のシロがあるところでそこそこの大きさのヤナギに点在して生えるようです。この時期に標高700~1000mくらいなら平地では12月頃でしょうか。下流域の河川敷でも今度探してみます。



↑ 手のひらほどある立派なコケです。一食分に余るほど採れました。



↑ 翌日、煮付けて大根おろしと和えて食しました。歯ごたえもあり美味です。

さて、岐阜に続いて富山でもヒメオオ採集も終盤を向かえこちらも採集こそするつもりはありませんが最後の挨拶がてら月末の30日に行ってきました。
採集が本命ではないので道中も気が散りついつい他に寄り道してしまいます。




↑ 林道横のヤナギ林を見ると狙いどうり先日も採取したヌメリスギタケモドキがありました。
グラスファイバーの捕虫網用の竿を使って高いところに生えているコケを叩き落している自身を工事関係者のダンプが通る度に止まって見て行きますが構わず採ります。ナメコなら横取りされる可能性が高いため極力目に付かないように採りますがこのコケはまず採ろうとしないでしょう。
コンビニ袋に一杯採れたところでヒメオオポイントに再度向かいます。



↑ 黄色くなり始めたヤナギにヒメオオの姿を確認できました。
さすがに個体数も少ないですが岐阜と同様にやはりこの時期でもペアが確認でき、♀もかなりの大型の個体がまだ後食をしており産卵行動が遅れていることを示唆しているようです。
この時期には珍しいやや大型の♀個体を1ペアだけ採取して今期のヒメオオ採集の幕を下ろしました。

ヒメオオの成虫採集が終わるといよいよ本格的なコケ採りです。
ポイントも毎年のように有峰へと移行します。
10月に入って第一週の4日、紅葉の様子を見がてらヒメオオの材割り採集とブナ材探しに行ってきました。



↑ まずは例年通りブナの折れた株の根際を材割り。
問題なく幼虫を採取できましたが、ヒメオオの材割りはオオクワのそれとは比較にならないほど疲れます。1回の材割りで手オノの刃は潰れてなくなります。
それくらいブナの生に近い材は堅いのです。
過去に材割りで腱鞘炎になって手術をした自身としては何回も行うのは控えたいです。



↑ 今日昨日に羽化したと思われる腹の真っ赤な♀の新成虫が出てきました。

ひとしきり材割りして手オノを持つ手の握力もなくなったので終了してコケ採りに移行です。
周りは紅葉の進み具合もここ数年では最も遅くまだ写真に収めるほどでもないのでコケもあまり期待はできません。
まあ、せいぜい早生のブナハリタケくらいだろうと思っていましたが、逆にそのブナハリタケがわずかに腐ったものがある程度で予想外に出ていません。
季節は毎年同じように繰り返しますが進み方や質は決して同じではないというのをコケ採りを始めてから実感します。



↑ 左はおなじみのブナハリタケ。例年なら幹にビッシリ着生しますが今年は一部にしか発生していません。右はチャナメツムタケ。ナメコに似た可食のコケですが量が少なくスルー。



↑ 左はこの時期には珍しい早生のナメコ、右はクリタケですがどちらも少量なのでスルー。
どのコケにしても発生量が採取するほどではない中で唯一例外なのがこれ。↓



↑ モタセ(サワモダシ)いわゆるナラタケです。
このキノコは大量に発生する雑キノコとして知られていますが年による変動が激しく、ここまで大発生しているのはこのポイントに通い始めてからは初めてのことです。



↑ ブナの朽ち木だけでなく倒木の周りの地面からも出ています。
以前、立山周辺では軽トラに山盛りモタセを採っている採集者がいると聞いたことがありますがこうやって見るとまんざらウソではないようです。
以前も書きましたがこのコケは大量に見つかるのと壊れやすく日持ちもしないので雑キノコ扱いですが出汁はとても美味しく汁物にすると最高です。

このキノコは旬が短くすぐに老菌になって腐ってしまいますが2次3次発生があるのでしばらくは楽しめます。
ひと通り採ってコンビニ袋3袋ほどになったところで手を止めて次は材探しです。
立山は奥深い山で自然のブナ林が広がっているのでブナの立ち枯れや倒木は至る所にありますが物理的にそれを持ち出すことに限界があります。
持ち出しやすい場所で産卵材用として優良な材となるといくら手付かずの深山といえどそうそう簡単には見つかりません。

幸いにも昨年見つけた倒れたばかりの大木があるのでそれを採取するべくその場所へ。



↑ 付近で数年前からチェックしている倒木。これだけの標高にしては珍しいカワラタケの着生した材。いかにもといった感じですがまだ若いです。



↑ 昨年倒れた倒木の本体部分。胸高部の径は1m50cm以上あり樹齢はゆうに300年を超えるでしょう。内部は朽ちて抜けて空洞になっておりまるで縄文杉の株のようです。

その倒れている部分に着くと昨年はなかった別の倒木が重なるように横たわっています。こちらも前述の倒木に負けず劣らずの大木で昨年の冬から今年の春にかけて倒れたものと思われます。



↑ 根部から高さ5~6m部分にあたる二股になっている片方の枝部です。枝でも径60cmあります。樹幹部は1mを超えているためチェーンソーでも裁断不可です。
裁断面を見るとやや変色部位が混入していますが全体に菌は廻っており生部はありません。これだけの径のブナとしては優良な腐朽具合です。
質的にはオオクワ系全般に適した感じです。
もちろん倒木全体にわたって同様に朽ちているわけではなく部位によってはヒメオオ用のようなかなりの堅さだったり手で崩せそうな色虫用の柔材であったりしますが、この手のブナの倒木では色虫用の部位は大トロに当たりほんのわずか採れる程度で全く採れないこともあります。
ちなみにこの日はこの画像の部位を調達したのですが、厚さ20cm程度に輪切りしたものを3カット持ち帰るのがやっとでした。
実際に行ったことがある者でないと分からないと思いますが材を採ってくるのは目当ての材を探して持ち帰る時間と労力が相当かかるのです。



↑ 先ほどの材を車に積んで帰る途中、斜面の下草に隠れていた倒木(落ちてきた枝部)。裁断面を見てください。上述した大トロ材でクワガタブリーダーにはW・ウッディやボーリン等のレアな色虫用として重宝されます。
この材みたいに手で崩せるくらいの極上の柔材は部分的というよりはその材全体が同一に朽ちていることが多く、これも長さ1m余りのさほど大きくない材でしたが全部が均一に朽ちていました。
ただ、この折れた部分と続きだったと思われる、より大きな倒木は残念ながら採るには及ばない質でした。
よほど条件が恵まれない限りここまで綺麗に朽ちる前に水分過多等で腐ってボロボロになってしまうことがほとんどなのです。

続いて翌週の11日ですが毎年だいたいこの日の前後は紅葉の写真撮影のために有峰を訪れています。
それが冒頭の紅葉の写真ですが、昨年、一昨年の当日記の記事を読み直してみても載せてある画像と比較して今年の紅葉が遅れているのとイマイチの色合いであるのが分かります。
例年、この時期には紅葉狩りや写真撮影の観光客が多く訪れるのですがこの日は平地で悪天候(山では晴れ間がありました)せいか工事関係者とコケ採りらしき数台の車以外、紅葉を撮影しているのは自身一人だけでした。



↑ 秋らしいショットを。ブナの立ち枯れをバックにしたヤマウルシです。

ヤマウルシこそ紅いですが他の木々はまだ緑が主体なのが分かるでしょう。
一般に紅葉は最低気温が8℃(綺麗に染まるには5℃)を下回ると始まると言われており昼間との寒暖差が大きい(天気がいい)ほど美しくなりますが、今年はこの日の段階で5℃を下回ったのはこの標高1,000m以上のポイントでも分かっている範囲では9月27日のたった一日で昼間も夏を思わせる気温のため色付きはさっぱりでカエデの綺麗な朱色の錦秋は今年はお目にかかれないかもしれませんね。

さて、この日は翌12日にブリーダーのB氏と材採りに訪れる予定でしたのでそのための段取り(翌日運ぶだけでいいように倒木の裁断と新たな材の調査)が目的でした。





↑ これは以前から目をつけている材で一昨年倒れたブナですがそれより何年も前からすでに立ち枯れていたのを見ていたのでおそらく朽ち始めてから10年は経過していると思われます。
そろそろかな?と思い折れ口を裁断してみました。
とりあえず生部がないくらいまで朽ちてはいて使えないことはありませんが少し堅いのであと1~2年待ったほうがいいでしょう。
当店の天然カワラ材の在庫はこのような取り置きの材の場所や状態をどれだけ把握、記憶しているかにかかっているのです。
結局この材は手を付けず、先週持ち帰った材の続きを数カット裁断して段取りは終了、余った時間と体力(バイト明けで徹夜なので…)でコケ探しです。



↑ ナラタケとモミジ。
秋らしい1ショットですが個人的にはナメコとモミジの組み合わせの方が好きです。

この画像でも分かるように先週同様この日もモタセ(ナラタケ)が豊作でした。
先週は結構老菌が多かったのですが2次発生でさらに大量になっています。



↑ 画像で見るより実際はもっと多く、この木だけでコンビニ袋一杯採れました。
このような木があちこちにあります。



↑ 昨年も同じコケを見つけて結局分からずじまいだったのですが今年は根元にきれいにツボ状の袋が残っていること、柄にツバがない、ヒダが肉色であることからオオフクロタケという可食のキノコであると同定しました。
大きさも10cmほどあり食べるにもちょうどいいのですが、テングタケ科の毒キノコとの同定ミスが怖いので今回はパスしました。
キノコに冒険は禁物です。

翌日、B氏と共に先日裁断済みの材を運びさらに他で別のブナ材を追加して持ち帰りました。
連日の材採りでさすがに腰が痛くそれ以上欲を出すとろくなことがないのでおとなしくB氏のモタセを採って終了です。



↑ 今期は少ないカノカ(ブナハリタケ)ですが綺麗な成菌を見つけたので一食分のみ採取しました。
調理のパターンが限られており食感もイマイチですが季節物として1回は食べておかないといけないコケですが嫁には「また採ってきたのか」という顔をされます…。

今年は紅葉もコケもまだまだ盛り上がってきませんが、13日には立山で初雪を観測するなどここにきて冷え込んできたのでこれからの秋の深まりに期待しましょう。


P.S.



↑ 10/9.早朝、バイト帰りに発見した彩雲。
最初は虹かと思ったのですが、撮影方向で降水がないことと空中ではなく雲自体が色付いていることから彩雲と判断しました。
早朝や夕方というのはレアな光の現象が起きやすいので出勤や帰宅で焦っている気持ちも分かりますが、運転中は危ないですがちょっと空を見上げて殺気立った気分を落ち着けてみてはいかがですか?
と、自分に言い聞かせてみます…。
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