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ホーム店長日記2014年11月
2014年11月
店長日記:4
2014年11月24日




↑ ‘14年11月6日6時24分、富山市栃谷地区より呉羽丘陵越しに立山方面を望む。
いつものようにバイトを終えて朝帰り時に撮影した珍しい光学現象。
この時期と春はちょうど日の出の時間が帰宅時と重なるので過去の日記でも度々紹介して来ましたが様々な大気光学現象を目にする機会が増えます。
先月の日記でも立山からのご来光を紹介しましたが今回は同じ立山からのご来光の中でも珍しい現象です。
画像では呉羽丘陵越しなので立山連峰がはっきりとは確認できませんが立山の背面から太陽光線が峰の谷の部分から途切れ途切れに差し込んでいるのが光線状に手前の雲に表れています。
この現象は立山上空に雲がなく、なおかつ自身の上空に立山の標高3000mよりも高い上層雲があるときだけこのような光線として見ることができます。
撮影している道路はこの時間通勤を急ぐ車がかなりのスピードで走っているのですが、忙しない時だけにたまにはこのような空に目を向けて(運転に注意して)心を落ち着けたいもんですね。
ではもう一枚癒しの風景を、




↑ ‘14年11月7日、立山町称名滝。
先月の中旬に家族で紅葉を見に祝日の午前中に称名滝に向かったのですが2kmに及ぶ駐車場待ちの渋滞に遭いあえなくあきらめて帰ったので今回はそれのリベンジを兼ねて嫁を連れて8年ぶり?くらいに見に行ってきました。
残念ながら紅葉のピークは過ぎていましたが時雨模様の雲の合間からその姿を見ることができました。
富山県民にはお馴染みの県が誇る日本一の落差350mを誇る称名滝です。
称名滝は4段で構成されていますが画像では1、2段が写っていません。
そのかわり幻の日本一の滝が見ることができます。
それは称名滝の右側に見える細いハンノキ滝です。
この滝は称名滝をはるかに超える落差500m(画像では上部が雲に隠れるくらい高いです)を誇りますが常時存在しておらず水量が多いときだけしか見ることができないため日本一には認定されていません。
ちなみに世界一はギアナ高地にあるエンジェルフォールで落差1000mに及び水が空中で拡散して滝つぼに落ちないと言われておりこのハンノキ滝ですら半分の高さです。
この称名滝は立山アルペンルートのバスからも一瞬見ることができますが高さ500mに及ぶ称名渓谷は滝に向かう道からしか見れませんので是非その圧巻の渓谷美を堪能して下さい。
以上、富山の観光PRでした。

さて、それではいつものキノコ日記第4弾です。
今回は11月2日(日)、再びB氏を同行して先週と同じ県南のポイントへ。
前回10月26日に来たときかなりの幼菌を取り置きしていたのでそれを収穫するのが目的です。
先週と同じルートを見て行きます。




↑ 最初に見つけたのがこの大ナメコ!
多少老菌気味なので持ち帰りませんがその径は20cmオーバーです。
画像で手袋をした自身の手のひらがすっぽりと隠れていることからその大きさが分かるでしょう。
今まで老菌を含めて原型を保っているナメコでは最大の個体です。
おそらく死ぬまでこれを超えるナメコを見ることはないでしょう。




↑ 間もなく見つかった「ザ・ナメコ」と言わんばかりのプリプリの極上品。




↑ 深紅のツタウルシの葉が図らずもアクセントになって綺麗な構図。




↑ 稜線の平場で杉の間から差し込む朝日にちょっと一休み。




↑ 乾燥して傘にヒビが入っていますがこの乾燥ナメコが持ち帰って水戻しすると現場でツヤツヤでプリプリのナメコを凌ぐ極上ナメコに変身します。




↑ まるでアートのようなツリガネタケ。
立ち枯れ時に生えたツリガネタケに枝が折れて落下してから新たに着生してできたものです。




↑ 昨年大発生した御神木で、先週来た際はまだ発生も少なく大半は幼菌でしたが待った甲斐がありました。
見事に成菌になっています。おまけに裏にはまだ大量の幼菌も。
ただ、この木は先週来たときにオオスズメバチの巣を見つけた所から数メートルしか離れていません。
見つからないように静かに採取していると、B氏がスズメバチの巣の向こう側から斜面伝いに上がってきます。
先週B氏にも教えたはずなのですが場所を忘れているのでしょう。ヤバイと思って、
「Bさん、巣があるからそっちから来ないで!」
「え?何?」
「スズメバチいるから!ス・ズ・メ・バ・チ!」
と大声で叫んでいたら、
ブ~ン!と聞き覚えのある嫌な音が。
パトロールのハチが声を聞きつけて警戒に周ってきました。
見つかったと思って背後の斜面に仰向けに張り付いてやり過ごそうとしましたが、そのハチはまるで守っているようにナメコの上から下まで舐めるように異常がないか確認しているようでした。そして何回も周回したあと今度は自身の方に向かってきました距離的に1mほどで完全に目が合ったので、こいつオレに気づいているなと確信したので仕方なく応戦することにしました。
持っているカマを振り回しますが当たるはずもありません。
カマを置いて素手で叩こうとしましたが向こうが間合いを分かっているのか寸でのところで届きません。
ただ、向こうも本気ではないようで威嚇のカチッという警戒音は発していません。
いったん、斜面を木の下まで降りるとしばらくして巣に戻っていきました。
「ナメコを採ってもいいけどマナーをわきまえろよ。」
と言われているようでした。
山に入るには信心深くなくてはいけないというのが自身の信条なので改めて山に畏敬の念を感じた出来事でした。
幼菌は残して別の場所へ移動しました。




↑ 黄葉した葉のように樹幹の至る所に着生したムキタケの群生。




↑ 4世代のナメコが同居する発生木。
画像中央上部の黒くなって完全に萎びた老菌、左側下部の老菌、中央下部の成菌、右側の幼菌という順で4回発生していることが分かります。
多い木ではこの後も5次、6次と発生します。




↑ これが何か分かりますか?ナメコ?
ではもう一枚、




ナメコとはちょっと違います。
じつはこれは天然のエノキなんです。
ナメコ以上に市販の姿と違うでしょう。
ナメコほど群生しないので探して見つかるほどは生えていませんがこれなら一食分になりそうなので持ち帰ります。
(帰宅して嫁に渡すと以前も採ったことはあるのですがエノキであることを疑いながらも味噌汁に入れて味見をしてその出汁の濃さに驚いていました。)




↑ こちらはムキタケが着生していた倒木に発生していたアシグロタケ。
表面の色はツキヨタケやヒラタケのような感じですが肉は薄くぺらぺらで昆布のような感じです。参考までに食用不適です。




↑ 画像中央の左右に連なる稜線がポイント。
画像左下にチラッとB氏の姿が写っていますが、それと比較してヤブの深さが分かるでしょう。
稜線まではたいした距離ではありませんがそう簡単には辿り着けません。
この稜線を上ったところに先週見つけたパラダイスの発生木があります。
幼菌を取り置きしていたのでどうなっているかが楽しみです。




↑ 左が11月2日、右は10月26日。
右画像の幼菌が一週間経って成菌になった様子が分かるでしょう。
この木だけで今回は6kgくらいの収量になるでしょう。
ただ、この期間の気温が平年よりもかなり高めで推移したため予想以上に生長が進んでいました。
主観的にはもう1~2日早く採取できればベストでしたね。




↑ 上画像のパラダイス周辺をさらに奥まで進んで稜線の向こう側の斜面まで行くとそこには再び立ち枯れが点在しておりナメコが発生しています。
この画像ではやや老菌もありますので選別して採りましたが、根元の地面近くまでビッシリと生えたものを全て採取すれば7kgくらいありそうです。




↑ まさに教科書的な綺麗に撮れたクリタケの画像。
図鑑に使用したいくらいのベストタイミングの状態です。
ただこのような綺麗な状態で見つかることは非常に稀なので図鑑等で使うと初心者の参照には向かないかもしれませんね。




↑ こちらも綺麗で食用にはベストです。もちろんお持ち帰り。




↑ こちらはまだ老菌ではないですが虫に食われてボロボロになっています。
通常はこのような状態かもっと濃い褐色になった老菌を良く見かけます。
クリタケは足が速くベストの状態は傘が開いてわずか数日です。

さて、ナメコも予定以上に収穫できて雨も降ってきたためこの日はこれで撤収となりました。
本当ならもう一ヶ所見る予定だったのですがそれは次回の楽しみに取っておきましょう。
この日の収量は自身だけでナメコ15.04kg、ムキタケ、クリタケで2kgでナメコの今期の総収量は45.7kgと一気に伸びました。
それでは次回に続きます。

2014年11月19日


さて、10月31日は自身にとっては意味のある日です。
それは行き付けの有峰県立自然公園の林道の一つである小口川線がこの日を最後に冬期閉鎖になるということです。
有峰にはもう一つ本道の小見線があり、そちらは11月12日まで通行可ですが個人的には距離も長く利用者も少なく入山ポイントも多い小口川線ばかり利用しています。
ヒメオオの生息地は有峰全般に及ぶので何処から行ってもポイントはあるのですが、小口川線には閉鎖前に必ず材割りを行うのが恒例となっているポイントがあるので今年は最終日の31日がちょうど金曜日で定休日なのでその日に行くことを前もって決めていました。
本来なら10月は毎週のように有峰に行っていたのですが今年はキノコの発生が極端に少なく逆に八尾、利賀方面のナメコの発生が早かったためそちらに移行するのが早く、有峰の訪問回数が減ってしまいブナ材の採取に行くのが精一杯で材割りまで手が回りませんでした。
したがって31日は最終日のためそれ以上延期ができないので悪天候でも強行しなければいけません。
多少の雨なら気にはなりませんがある程度の雨量になったり標高が高いために雪になることも過去にはあったのでそうなるとその時点で閉鎖となってしまいます。
幸い、当日は昼から天気が崩れる予報は出ていましたが最悪の天候は避けられました。
林道に入ると標高の低い山はちょうど紅葉のピークですが高山の紅葉に比べてイマイチ色付きが綺麗ではありません。
冷え込みがあった後に気温の高い状態が続いたせいでしょう。
標高1,000m超でも紅葉の名残があるかと思ったのですが、着いてみると見事に葉は散り果てて枝はすでに丸裸状態。
おまけに曇り空で辺りはモノトーンの色調で観光客や工事関係者の人影も全くなく自分と山だけの世界で少しセンチな感じもしますが、むしろ落ち着いて材割りに集中できそうです。
そんなわけで寄り道せずにポイントに到着しました。




↑ ポイントにあるブナの倒木。
この倒木と出会ってもう10年くらい経つでしょうか、当時と見た目はあまり変わっていませんがだいぶ腐朽も進行しているようです。
この木も例年ならツキヨタケ、ブナハリタケ、ナラタケ、ナメコ、ブナシメジ、他の様々なキノコが出るのですが今季は年中着生しているツリガネタケ以外には10月上旬にツキヨタケとブナハリタケがわずかに出た程度でそれ以降は画像の通り全く姿を見ません。
木の状態が急激に変わることは考えられないのでキノコの方に何らかの原因があるのでしょう。

さっそく材割りをしようと目的の立ち枯れの株に向かいます。




↑ この株も当初は高さ5m以上、胸高の径で1m以上あったのですが内部が腐って空洞になっており年々上部から折れたり崩れたりしていき現在では自身の背丈よりも低くなってしまいました。
中が抜けているせいもあって材質はかなり柔らかくボロボロなのでヒメオオは地上高いところではなく根部に近いかなり堅い生部に入っています。
ただし中抜けになっている分辺材部の厚さが薄いせいか水分が多いせいか昔からあまり多くの幼虫はこの木では発見できません。
今回も画像の状態まで堅い生部を割り進んでやっと1頭の3齢幼虫を発見できました。
今までにも何回も書いていますが幼虫のいる部位の材質を見てください。
黒い拮抗線に囲まれた幼虫のいる部分だけほぼ生に近い腐朽の浅い堅い部位なのがわかるでしょうか?
これがどれくらい堅いかは実際に経験した人でないとわからないでしょう。
これ以外の食痕がほとんど見つからないので期待をせずにさらに割っていくと、




↑ あららら、羽化中のヒメオオのメスが出てきました。
羽化不全になる可能性があるので静かに取り出しルアーケースに保管します。
不思議なことにこの個体の蛹室は縦向きでした。
まあ、メスなのでさほど支障はなかったのでしょう。
この後、新たな食痕も出てこないのでこの材をあきらめて10mほど離れた別の立ち枯れの株に移ります。




↑ この株も先ほどの立ち枯れ同様、高さは1.5mほどですが毎年10頭以上の幼虫を割り出している有力な発生木です。
ただ、昨年は結構苦労したので今年も楽観はできません。
案の定、割っても食痕は多くあるものの生体が全く出てきません。
画像でも分かるように内部はほぼヒメオオの食痕で占められているので産卵木としては不適になったのかもしれません。
また、この林道のあちこちで一昨年より行われていた対岸の工事のため資材や重機の配置や往来が多なり、その影響かこのポイントではヒメオオの成虫の生息が全く確認できなくなったのでもしかしたら生息自体が激減した可能性も否めません。
環境の変化に敏感な虫であることは今までにも日記で書いてきたとおりです。

不安に駆られながらもこの株をあきらめてさらに少し奥にある今まで手の付けていない立ち枯れの株を割ることにしました。
この木も高さ2m余りの部分で本体は折れていますが胸高部の径で1m以上あり先ほどの2本に比べたらさらに一回り大きいです。
樹皮もまだ剥がれておらず産卵の期待はしていませんでしたが昨季ヒメオオと思われる脱出痕が複数あるのに気づいたので幼虫が採れる可能性は高いと思われます。




↑ 根際を割り始めてすぐに地中に向かう食痕が表れて間もなく出てきたのがこの真っ赤な新成虫のオスのヒメオオ。
先ほどのメスといい、どうもタイミング的に羽化の時期とちょうどぶつかったようです。
過去にもこの時期の材割りでは比較的多くの新成虫が得られていますが今季は羽化時期が例年より遅れているせいで羽化したての個体が出てくるのでしょう。
このことからも例年よりも冷え込みが弱いことが分かります。




↑ 次にまたメスの新成虫。
結局この後も含め1♂4♀の新成虫が出てきました。




↑ やっと出てきたオスの3齢幼虫。




↑ 材の状態も良好で食痕も比較的新しいものが目立ちます。




画像の狭い範囲を割っただけですが上記の新成虫、他幼虫10頭余りを得ることができました。
この材でこの先数年は幼虫を確保することができそうです。
さらに、昨年よりこの周辺では成虫の姿を全く確認できなくなりましたが、この幼虫の生息数を見る限り以前と状況は変わってなさそうなので安心しました。
ただ、昨年も書きましたが付近のヤナギで成虫の後食した跡がないのでヤナギ以外の樹液を吸っているのかもしくは離れたところまで移動しているのか今まで考えられていた生態だけでは説明できない事態になっています。
来年以降も観察を続けたいと思います。

気がつけば2時間半も手オノを振り続けてその疲労はオオクワの材割りとは比較にならず手の握力もなくなってきたので終了することにしました。
ヒメオオの産卵は飼育下ではかなり難易度が高いですが幼虫の飼育はカワラの菌床を使えば比較的容易なのでなんとか55mmを超える大型個体を出したいものです。

さて、山中から林道に降りてきて車に荷物を積んでいると一台のミニバンが来て横に止まりました。
「コケ(キノコ)け?」
と聞かれたので、下手にヒメオオのことなど言うと余計に話がややこしくなるしこの場合秘匿にするべきはコケよりもヒメオオのポイントであることなので、
「そいが。」
と答えると
「この上に入っとたがけ?」
と重ねて聞かれたので
「そうやけどなーんないわ、今年は出とらんがいぜ。」
と答えると
その採集者いわく長野の方ではキノコ全般に豊作だと聞いたが有峰では採れない。手前の低いほうでナメコが少し採れただけでこの先の下りた所にある倒木も採られた後でなかったという。
今季は早い時期から有峰はキノコは不作で普段来ている採集者は自身も含めて早々にあきらめているのにこの訪問者は通行可な最終日に来ているということは不作なのを知らないのかもしくはあきらめきれないのでしょう。
気の毒に思い
「もうここはあきらめてもっと標高の低い里山を狙った方がいいちゃ。」
と助言して別れました。
この日は自身はヒメオオが目的でナメコはほとんど頭になかったのですが、先ほどの採集者のこの先の下りた所の倒木という言葉が引っかかりマイポイントを見に行くことにしました。




車を止めて斜面を降りていくと予想通りナメコの採られた跡が。
この倒木は一昨年までは自身以外に誰も知らなかったはずで独り占めできたのですが一昨年採取しているところと車を停めておいたのを複数の採集者に見られて以降他者に採られるようになり昨年からは補欠に格下げにしたポイントです。
ナメコも有峰ではマイタケ同様に他者が入らないような深山まで行かないとお目にかかれないようになってしまいました。
結局、今季は有峰ではナメコの収穫がゼロという不名誉な結果になりましたがここの魅力はナメコだけに限られたものではなく、むしろそれ以外の恩恵が多いので来年もまた何度も訪れるでしょう。
それまでこの地は8ヶ月間の長きに渡り人の入れない眠りにつきます。
また新緑のまぶしい季節にお目にかかりましょう。

帰り際に少し下りていくと先ほどのミニバンが止まっており山側の沢沿いを先ほどの採集者が登っていくのが見えました。
よほどあきらめきれないのでしょう。
その姿を見ていたらこっちまで採りたくなってきました。
しかしここで探しても無駄骨になるのでとりあえず林道を下り切ってここから一番近い立山方面の昨年見つけたポイントに寄っていくことにしました。
と言っても夕方には子供を迎えに行かなくてはいけないし今の時期、曇っていたらただでさえ薄暗い山中ではせいぜい16時前後がタイムリミットです。
正味2時間足らずの持ち時間では多くの収穫は望めません。
もともと採る予定ではなかったのでナメコの顔を拝めればいいというつもりでこの地特有の猛烈なササとネマガリタケのブッシュに突入しました。




↑ ここも先日の県南部のポイント同様に立ち枯れの数の割りに現時点での発生量は昨年のピーク時には及びませんがそれでもポツポツと群生が見つかります。




全体の量は少ないもののちょうど採りごろの質のいいものが結構あります。
幼菌も出ているのでやはりここもピークはまだ先でしょう。




何だかんだ言って一通りポイントを周回しただけで6.21kgの収穫がありました。
時間効率を考えたらピーク時に近い収量を上げることができたので十分です。

さて、10月を終えるにあたってナメコの収量は現時点で30.66kgと、
過去最高の収量を記録した昨季の同時点の5kg余りと比べても大幅増となっています。
今のところ発生が早まっていることが奏功しているようですが11月ははたしてどうなるでしょうか?
キノコ採集はまだまだ続きます。
2014年11月13日




↑ 10月26日(日)、気温の高い日が続き紅葉もイマイチですがススキの穂が朝日に輝いてやっと秋らしい風情が感じられるようになったナメコのポイント付近。

さて前回から2日後の26日、この日は日曜日ということで当店のブリーダーでもあるB氏を同伴してナメコ狩りへ。
店の営業があるので昼までには戻らなければいけないので早朝から向かいましたが現地についてもほとんど寒さは感じません。
それどころか歩き始めたら暑くて汗をかくくらいです。

今日は昨年もB氏を案内したポイントへ来ました。
ここは自身のポイントの中では比較的遭難や怪我の危険が少なく、かつ大量に収穫が見込める大当たりのポイントです。
むしろ一人で攻めても収穫しきれないのでもったいないくらいです。
ただ、毎年言っていますがずっと安定して採れる場所など皆無です。
他人にポイントを知られたら一気に収量は落ちますし、人に知られなくても山の状態も不変ではありません。
自身が危惧しているのはカシナガの食害で枯れたナメコの発生木も朽ちてから古いものではもう7~8年が経過しており樹皮も相当数が剥がれ落ちて辺材部もボロボロになってナメコの発生には不適な状態になりつつあることです。
カシナガの食害で大ダメージを被ったミズナラやコナラですがその後の思いがけないキノコの大発生という恩恵もそろそろ終焉が近づいてくるでしょう。
全く採れなくなるわけではありませんが今みたいに馬鹿みたいに採れることはおそらく今後生きている間には経験できないでしょう。
だからこそ今の状況を記憶にしっかりと刷り込んでおきたいものです。

そして、今日のこのポイントでも昨年は大量でしたが如何せん大径の発生木もだいぶ老木になってきているので昨年同様に採れるとは限りません。
そんなことを考えながらポイントの木を確認していきます。




↑ 斜面を登り始めてほどなく最初の発生木を見つけてホッとしました。
樹皮の隙間をこじ開けるように発生しています。
採集者が意図的に樹皮を剥がなくてもナメコ自体の発生によって樹皮は剥がされていきます。
樹皮が剥がれた部分はどうしても乾燥して発生しにくくなります。




↑ 立ち枯れの根際に残っていたモタセ(ナラタケ)の老菌。
そういえば今季はナラタケが不作で一回も口にすることができませんでした。
ナラタケが終わるとナメコが出るというコケ採りの言い習わしと経験則からもこのポイントはまだナメコ発生の初期でしょう。
全体的に見ても昨年大発生していた木も発生がイマイチです。
発生木としての寿命が尽きたものもあるでしょうが大半は今から本格的に出てくるでしょう。




↑ この木も昨年は出ていたのに今年は見当たらないので近づいて確認していると何やら足元近くで動くものが…?
「!!!げっ、スズメバチっ!」
足元の洞の回りに複数のオオスズメバチがうごめいています。
どうも洞の内部に巣を作っていたようです。
幸いまだ朝で気温が上がっていなかったため活動的ではなく難は逃れましたが危ないところでした。
昨年もB氏とこのポイントの別の斜面に来たときに巣の近くを知らずに通って襲撃されそうになったのでいいかげんトラウマになりそうです。
付近の発生木もさほど出ていないので早々に離れます。




↑ 周辺を見て回ると昨年も発生していた木で今年もナメコを発見できました。
ただ時期が早いせいか気温が高いせいか昨年ほど発生の勢いが感じられません。




↑ こちらも特質級の房を見つけましたがやはり全体量が少ないせいかイマイチ盛り上がりに欠けます。
やはり幼菌や老菌も含めて全体量が増えないと華やかさがないですね。
11月になれば増えるだろうと希望的観測をします。




↑ ナメコとクリタケのランデブー。
クリタケはナメコのような群生は少なく一房から二房くらいの発生が多いので無駄にはできません。
ちなみにクリタケは崩れやすいのでリュックに入れるときに一番上にしないとナメコの重みでバラバラになってしまいます。




↑ この日のポイントの風景。
斜面の向きで日が当たりにくい場所から先にナメコが出ています。
下草も緑色が多いのでやはり旬はもう少し先でしょう。
画像では分かりにくいですが多くの立ち枯れの樹皮が剥がれて裸になっているのが懸念されます。

一連のポイントを一通り見たところで採れるには採れましたが予想通り収量が思ったほど伸びなかったので一旦車に戻って仕切りなおしです。
ここのすぐ目の前の対面の斜面にもう一つ昨年採集したポイントがあるのですが、反対向きで日当たりがいいのでここより発生は少ないでしょうから今回は敬遠したほうが無難でしょう。
あえて、新規の場所へ行くことをB氏に提案します。
こんなこともあろうかと地形図とgoogle earthで予備の候補を2ヵ所ピックアップしています。
どちらもここから歩いて行ける場所なのでとりあえず近い方から向かいますが直後に図上では把握していたものの渡るべき沢の斜度と深さが予想以上だったのでB氏の安全も考慮して断念しもう一方に望みをかけます。
緩斜面の遊歩道で標高をかせいだ後、立ち枯れを目視できる場所から斜面のヤブに突入して尾根線を目指します。
尾根線にでるとヤブはやや間隙もあって比較的歩きやすいです。
もちろん他者の入山跡はなくちょこちょこナメコも確認できます。
さっそく一本一本見ていくと、




あった!!
今期一番のパラダイス。
やっぱり未踏の地には桃源郷があるもんですね。
この一本の木だけでもここに来る価値はあるでしょう。
幼菌は次回に残して成菌のみ採取しますがここだけで4kgくらいになりそうです。




↑ 別の木のコケが生えた根元付近のナメコの群生。
他の画像も見ていると分かると思いますがコケが着生している木はナメコの発生に適しています。




↑ 小粒ながらこちらも群生。
先ほどのポイントに比べて山続きでも標高が高い分、こっちのポイントのほうが発生量は多いようです。
今回も良いポイントに巡り合えました。




↑ 稜線を下っていくと再び立ち枯れの群生に当たりましたが日当たりが良好なせいかナメコらしいものが目視では確認できません。
これだけ立ち枯れがあれば絶対あるでしょうから次回じっくりと探すことにして下山しました。

この日は午前中のみの採集でしたが自身の収量はナメコ9.56kg、ムキタケ1.5kg、
B氏と合わせればナメコだけで20kg以上(下処理後の計量)になりました。
この時期とすれば十分満足できる結果です。
今期の自身のナメコ合計収量はこの段階で24.45kgとなりました。
2014年11月12日


今年もやってきましたコケ(キノコ)採りシーズン!
ほぼナメコの記事(時々クワガタ)になりますので興味のない方はスルーしてください。
また、リアルタイムで更新できないので撮り溜めて後日、回想して記していますが日付はさかのぼって当日付けになっています。
というのも自身もこのシーズンになると昨年の日記を読み返して何月何日に何処のポイントに行ったかを確認するためわかりやすく日記を書いた日ではなく当日の日付にしたものです。
実際、これを書いているのは11月12日ですが日付は10月24日になっています。
さて、それでは前回に続いてキノコ日記のスタートです。

10月17日、例年最初に行くポイントに今期初めてコケ採りに行った一週間後の24日、
前回シーズン最初のコケ採りとしては過去最高の収量を記録したため予定を前倒しして県南部の同一地区の本格的なポイントへ向かうことにしました。
この日のポイントは昨年開拓したポイントで比較的早い時期から出始めていたので例年より発生の早い今年は間違いなく出ているだろうとの確信のもと出陣します。
ポイントに着くと時期も時期だけにまだまだ草木は緑色が多く気温も20℃ちかくまで上がり小春日和というより暑いくらいです。
これだけ暖かくて果たしてどれだけナメコが出ているんだろう?と一抹の不安を感じながらも斜面に取っ付き登り始めます。
低木のヤブがひどく、ヤブ漕ぎというよりもヤブに潜っている感じです。




↑ 目線の高さで撮影した状態。
撮影した場所は比較的平坦ですが登り斜面では上部のヤブで完全に視界が妨げられコケが生えているかどうかも見えません。
どうにか立ち枯れの位置を確認しながら近づいていくと、




↑ ありました!ナメコです。
それも特質クラスのいい状態です。
「やっぱり出ていたか。」
ナメコがあったことと予想が当たったことにとりあえず安堵しました。




↑ 昨年、10月25日に来たときに群生を見つけた立ち枯れに行くと昨年より1日早いにもかかわらずすでに老菌となっていました。
やはり一週間くらい早まっている観があります。




↑ ミズナラの倒木に発生した褐色腐朽菌のマスタケ。
この若い状態なら可食です。
過去に書いたことがありますが鳥のささ身肉のような食感です。
いかんせん味があまりないので今回はスルーです。




↑ ほどなく本命ナメコの群生を発見。




上の画像のアップです。
今季は冷え込みの後に数日の降水があったばかりなので表面のヌメリもプルプルの極上の状態です。




↑ こちらはナメコと同様にミズナラの朽ち木の根際に生えたクリタケ。
もちろん、お持ち帰り。




↑ 数日前までの降水で発生しただろう幼菌。
キノコにとって発生には気温も大事ですが生長には水分(降水)は欠かせません。
その点、今年は台風による大雨もなく定期的に適度な降水があるのも好条件になっています。




↑ ムキタケと共に発生したナメコの幼菌。




↑ 画像の左側から幼菌、成菌、老菌と3世代が並んだナメコ。
定期的な冷え込みによって順番に発生したことがよく分かります。
幼菌と老菌には手を付けず成菌のみ採取。






↑ 好条件のおかげで生長した大ナメコ。
この時期の大ナメコは腐りかけた老菌が多いのですがこれはやや乾燥気味でいい状態です。
手に乗せた画像で大きさが分かるでしょう。傘の径は8cmくらいあります。




↑ 大きく生長したムキタケ。
調理にはおあつらえなので採取します。




↑ 幹の周りにビッシリ発生した幼菌。
一週間後が楽しみです。




↑ この日一番の群生。
一部老菌もあるので選別して採取しましたがそれでも結構な量です。




↑ マッシュルームのようにまん丸の成菌。
一般的に最も好まれる大きさですが個人的には今の気温ならあと1~2日待ったくらいがベストですね。

さて、この日はまだ幼菌の方が多かったイメージですがそれでも収量は下処理後の計量で7.74kgありました。
先週に引き続きこの時期にしては大漁です。
今期の合計収量は14.89kgとなりました。
次回に続く。
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