2011年04月19日
めっきり春ですね。というより一気に季節が進んだ感じがします。先週は当地富山でも最高気温が26.6℃の夏日を記録しました。ちなみにその日の最低気温は6.6℃で日較差が20℃にもなりました。そうかと思えばアラレが降るような寒い日があったりして、これだけ気温の変動が激しいと体調管理が大変です。
体調といえば自身も冬以降3回目となるウィルス性胃腸炎(ノロ?)になりました。おそらく子供からもらったものだと思いますが、大人はそんなにひんぱんにかかるものではないとたかをくくっていたのですが子供だけでなく自身も注意が必要だと認識しました。
体調は優れなかったものの山には頻繁に行っています。山地はまだ残雪で無理なので主に里山ですが、これだけ急に暖かくなると山菜の様子が気になっておちおち身体を休めてもいられません。
先日利賀に行ったときに残雪が2m近くありながらも雪が解けている部分ではすでにフキノトウの蕾が開いている状態でこのような時は他の山菜も一気に生長してしまい気付いた時には採り頃を逃しているなんてことになりかねません。
そんな中、先週の日曜日は知人のN氏と1週間前に行ったときに見つけてあった倒木を改めて回収しに材採りに行ってきました。
見つけた当初はコナラだと思いコナラなら心材部が多く使えないだろうと試しに裁断してみたところ予想外に状態が良くおまけに際断面からコナラではないことがわかりました。この日改めてじっくり観察すると樹種はセンノキ(正式名称;ハリギリ)であることがわかりました。実はセンノキはカワラ材ではなく芽を食べるために山菜として探していたのですが木自体が少なく見つけてもとんでもない大木が多くとても芽が摘める状況ではありませんでした。
樹種としてはクワガタの産卵材としてはまず流通していませんがカワラ材としてはコナラやクヌギのそれよりも均一に柔らかくかなり優良な材質です。ということで使える部分を二人で頂きました。
その後は他の材を探すも目ぼしい材が見つからないので山菜採りに。
タラの芽はまだ早かったので前回間違えてスイセンの根を掘り起こしたノビルをN氏に教えてもらい採集しました。前回のアサツキに続き自身初物です。
実物を見るとスイセンとは全く異なり、うろ覚えの本の知識で採集する危険(スイセンの球根は有毒)を実感しました。
味の方は酒のあてとしてはいいかもしれませんがあまり量を食べるようなものではありません。葉はネギ、根はラッキョみたいな感じです。だいたい山菜は採った本人は美味しいものですが他人には単なる山野草ですからね…。
まあ、春を楽しむ大人の味としては良い食材かもしれません。
翌日も材探しとタラの芽の様子を見に別のポイントに行きましたがそこもタラの芽はわずかに尚早な感じですが我慢できずに少しばかり採集しました。まだ芽が出ていない状態なので持ち帰りしばらく水栽培することに。
材のほうはなかなか良さげなカワラ材を発見。
遠目にはエノキだと思い近づくと似ているものの樹種はチドリノキというカエデの仲間です。しかしこの木もエノキに材質が似ており優良な産卵材になります。
試しに裁断してみると↑のような感じでわずかに拮抗線はありますが予想通り上質のカワラ材です。こちらはもう少し朽ちさせるために1カットだけ持ち帰り残りは現地に取り置きしてきました。あと半年~1年で極上になる予定です。
数日後、さらに別のポイントへ取り置きしてあったエノキを見に1年ぶりに行くと部分的に良い状態になっているので早速切ろうと思ったら手ノコを忘れました…。
商売道具を忘れては話にならないのですが、しょうがないので付近のタラの芽の様子を見に行くと、
なんと!すでに摘まれてしまっているではないですか…。
1~2日遅かったようです。あれだけ先を越されないようにあちこち見ていたにも関わらずやられました。後悔するもののこれだから山菜採りはやめられません。夏にクワガタを捕りに行くのと全く同じ感覚です。
これは材探しどころではないので急いで斜面のやぶの中へ入ってみるとさすがに目に付かないところは残っていました。
↑こんな感じでちょうど採り頃でした。なんとか家族の1食分を確保して辺りをさらに探索していると、芽を摘まれたタラの木の近くでタラのようなトゲだらけの木を見つけました。
最初はタラだと思ったのですが先客に採られずに残っており、見ると芽の形状が違います。
何だろう?と思い近くで若葉の形を良く見ると…
!!!
「ハリギリ(センノキ)だ!」
ついにハリギリの若木を発見しました。まるでオオクワを見つけたような感動でした。北海道では当たり前にあるようですが先ほども言ったようにこの辺ではとても希少な木です。おそらく先客もこれが可食のハリギリだとは分からなかったのでしょう。
一般には知られていませんが山菜通にはタラの芽よりもハリギリの芽の方が珍重されているようです。ちなみにタラもハリギリもさらにはコシアブラや独活(ウド)も同じウコギ科の植物です。味もタラの芽に近いとのことなので早速適当な大きさの芽を幾つか採りました。
当日、タラの芽とともに天ぷらにして食してみると若い芽はタラの芽とコシアブラの中間のような味で芽の開いてない蕾はフキノトウのような感じでどちらも絶品でした。
後日、さらに別の場所でタラの芽を採集したついでにこのポイントにも寄って再び適度な大きさの芽を摘ませてもらいました。
タラの芽は当初の予想通り一気に生長したせいか自身の持っているポイント全てでだいぶ摘まれてしまいました。
ただ摘まれたのならいいのですがどうも摘んだ痕をみると芽ではなく蕾の状態で枝ごとナイフのようなもので軒並み切り取ってあります。おそらく自家用に植えるためか栽培業者が根こそぎ採ったものと思われます。
クワガタでも業者の自分にもあてはまることですが自分の利益だけを考えた採集は慎みたいものですね。