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ホーム店長日記もうすぐ夏!(H29.6.22記)
店長日記
もうすぐ夏!(H29.6.22記)
2017年06月22日



↑ '17.5.19.富山県利賀村。

またまたお久しぶりです。
日記といっても少し前からの回顧録になりますが、一応来年度の参考にするためにあえて書かせていただきます。
トップの写真を撮影した5月19日は絵にかいたような五月晴れで画像ではわかりにくいですが天頂の空は青というより群青色に近いくらいに濃い色でした。
濃い青色をバックに新緑が鮮やかで訪れていて一番気持ちが癒される季節です。
何も採取できなくてもこの空間にいるだけで十分という満足感があります。

さて、話が前後しますが去る4月27日ですが、以前も日記で書きましたが諸事情により実家のある茨城県に帰省しておりました。
遊びに来ているわけではありませんが、時間の合間を見て近隣の雑木林で材探しをしました。
以前は帰省するたびにオオクワの材割り採集(ここ周辺はオオクワの生息地です)をしていましたが、近年はもっぱら材探しがメインになりました。



↑ 照葉樹と落葉樹が混生する雑木林。シイやカシ、クヌギなどの大木が多く見られます。
この辺りは昔に比べて開発はされているとは言え、田畑や河川の周辺には比較的多く雑木林が残っています。
それも県北みたいな山地ではなくほとんど平地に近い地形です。



↑ 林内で見つけたスダジイの腐朽材。
シイやカシの仲間は腐朽の具合によってオオクワ系から色虫まで広く産卵材として適用できる優秀な材です。
写真の材はスダジイ特異の朽ち方で内部のほうが柔らかく腐朽しているのでオオクワ系もしくはW・ウッディ(原名亜種)あたりに適しているでしょう。



↑ 林内を探索していると作業服を通して何かのトゲに触れました。
タラの木かと思って見てみると、自身が山菜として珍重しているハリギリ(センノキ)ではありませんか。
近くには親と思われる成木もありますし周辺には別のハリギリの木も見えます。
どうやらこの地域では富山と異なりハリギリは珍しい木ではないようですね。
むしろこちらではタラの木が富山よりかなり少なく感じます。
ただ、この時はすでにハリギリの葉は開いてしまっていたので若芽で採るときは4月初旬~中旬くらいに来ないとだめですね。
やはり所変われば時期も違います。

さて話は変わってゴールデンウィーク明けの5月10日ですが地元富山の利賀村に恒例の山菜取りに向かいます。
前回ゴールデンウィーク前は残雪で通行止めになっているような状況でした。
例年ゴールデンウィークでも開通していないことが多いので多雪だった今年はなおのこと厳しいとは思っていたのですが、以外にも林道は除雪されていて通行は可能でした。



↑ 沢沿いにはまだ多くの雪渓が残っています。



↑ この日はウドを期待していたのですがウドが生えている斜面は雪の下でお呼びじゃない状態です。
山菜をあきらめて材を探します。



↑ 倒木に発生したヒラタケを発見。
通の中には雪解け時のヒラタケが最も美味しいと言う人もいますが採るほどの量ではなかったのでこの時はスルー。



↑ カワラタケが密生した倒木。
画像でも折れた先端が鳥の巣だったことがわかりますが立ち枯れ時に鳥の巣だった周辺はきれいに腐朽しているという経験則からも、この時点ではまだ少し腐朽が未熟でしたがもう少し寝かせればかなり良い材になることが期待できます。



↑ すっかり山菜はあきらめていましたが日当たりのよい斜面では大ぶりのタラの芽がちょうど採り頃を迎えていました。
通行止めでゴールデンウィーク期間中も採集者が少なかったせいか例年以上にいい状態で残っています。
市街地近郊ではとっくに採集時期は過ぎていて今季は採り逃していたのでこの日は持ち帰り天ぷらで胃もたれがするほど食べました。

続いてはその2日後の5月12日、利賀ではタラの芽以外山菜は惨敗だったので改めて平野部近郊の山菜のポイントを回ってみることに。
ただ、時期的に利賀とは逆に終わっている可能性が高く、例年山菜を採りに行く上市付近のポイントへ着くと案の定タラの芽、ウド、タケノコは完全に旬を逸していました。



↑ 山菜はダメですが偶然にもミズキのカワラ材を発見しました。
ここでは数年前にW・ウッディ御用達のアカメガシワのカワラ材を見つけた実績があり毎年必ず訪れていますが、この材は見落としていました。
この時は山菜目的であいにく手ノコを持参していませんでしたがカマで感触を確認しただけでかなり優良なカワラ材であることが確認できました。
日を改めて採取しに行くつもりですが、W・ウッディに適用できることが期待できます。
予想通り山菜は遅すぎたので次にやや標高の高い山地部に移動することにしました。
もちろん例年山菜を採りに行っている実績のあるポイントです。



↑ 狙い通り一つのポイントではワラビがちょうどいい時期でした。
ワラビは発がん性物質が含まれているということで多食はお勧めできませんが旬の醤油漬けはやはり食べないと気が済みません。
さらに移動してウドのポイントを目指します。
個人的には春の山菜の中で最も外せないのがウドですが今季はまだ口に入ってないので何とか採りたいところです。
しかし、林道を進んでいくとあるところで土砂崩れにつき通行止めの標識が。
ポイントはすぐ先なのでそのまま進んでいくと間もなく工事関係者がの車が止まっており作業員が数人車の横で弁当を食べています。
土木関係ではなく電力関係の業者らしく通行をとがめられることはありませんでしたが、挨拶を交わしているときにふと作業車の荷台に目をやるとまさしく今採ったと思われる山ウドの束が寝かせてあります。
きっと仕事で何回もここを訪れている人間なのでしょう。
「やられた…。」
と内心思いましたが平静を装ってそのことには触れずにそのままやり過ごしましたが、きっと100mほど先の自身のポイントもやられているだろうと半ばあきらめながら先に進みました。
作業者たちがいた場所から直接は見えないポイントに到着すると、



↑ ありました!
運良く見つかっていませんでした。
山ウドは80cmほどに生長していますが、ここのは環境がいいせいか極太でここまで大きくなっていても繊維は柔軟で十分可食です。
ましてや天然とは思えない極太の根元は生食にはうってつけです。
我慢できずにその場でカマで皮を剥いてそのままかじります。
興味がない人には理解できないかもしれませんが、こんなことができるのも山菜を採りに行く醍醐味です。



↑ たまたま岩陰に生えていて栽培物のように根際が徒長してとぐろを巻いていたような山ウド。

ウドは何回食べても飽きません。
嫁にいやな顔をされても採ってくるのは止められません。
そんなわけで12日に続いて19日には前週のリベンジで利賀へ向かいました。
この日はトップの写真でも紹介いたしましたが、快晴の天気の下での訪問です。
真っ先にウドの発生場所を確認すると目視できる範囲では全て採取された跡が残っているだけでした。
想定内とは言えやはり口惜しい気持ちは否めません。
あきらめきれずに周辺を探していると、ふと目に入ったのは、




↑ 先ほども紹介したハリギリです。
3週間前に茨城県で見つけたハリギリはすでに葉が開き切っていましたが、ここは豪雪地帯の利賀村。
今がちょうど若芽のシーズンです。
自身のホームグラウンドとしている当地でも2本しか確認していないハリギリですので新たな木が見つかったのは大きな収穫です。
おまけに採りやすい若木で新芽の生長もまさにベストタイミング!
嫁の顔が脳裏をよぎりますが、気にせず今夜の天ぷらにすべく採取します。

その後、ここでも土砂崩れのため車両通行止めになっていた林道沿いのポイントに徒歩で行くと道路沿いであるにも関わらず手付かずの山ウドが残っていました。



目的のウドだけでなくハリギリも採れてこの日は満足でした。

さて、山菜の時期も早々と過ぎてこの日記でも本業のクワガタの話題が増えてきます。
6月も中旬となればフィールドでは当地ではヒラタクワガタが活動を始める時期です。
以前まではある程度採集できるのは7月になってからでしたが昨年は自身の経験上最早で6月半ばにそこそこのサイズのオス個体を採集できたので今年も6月上旬から様子を伺っていました。



↑ 市内の、とある河川敷にあるヒラタの生息地のヤナギの木。
画像右手の樹幹の上部にある洞を確認すると、



↑ 上の洞の拡大写真が左の写真です。
この時期、ボクトウガの幼虫が穿孔している洞はまだ削りカスによってフタをされるように塞がれていることがほとんどですが、画像の洞はそれが半ば取れかかっており、そこにクワガタが潜入している状況です。
左画像のクワガタはコクワガタのペアでしたが、右画像の別の木では幹の間の樹液にいる小型のヒラタクワガタも見つかっているので洞に入り込むのも時間の問題でしょう。
ボクトウガの食痕が落ちて洞が解放されるからヒラタが活動するのかヒラタが活動して強制的に洞の食痕を除去するのかは定かではありませんが、いずれにしろ活動が早くなっているような気がするのは温暖化の影響も無関係ではないかもしれません。



↑ この日、同じ河川沿いの斜面上にある取り置きのエノキの立ち枯れの様子を見に行ったら根元で折れて倒れ掛かっているところを下側の木に引っかかって踏みとどまっている状態でした。
数年前に発見してから採る時期を見計らっていましたが根が折れたことから今年中には処置をしないとタイミングを逸するでしょう。
この斜面は高さは高くないものの崖状で下は河川敷になっており増水時は水に浸かる可能性もあるので、もし下まで木が落下して水没するとせっかくの材が台無しになることもあり得ます。
画像からもシハイタケが全面に密生しており内部を確認しなくても優れた腐朽材であることが予想できるので確実に採取しなければなりません。

それから1週間後の6月16日に同じ河川の別のポイントへ行ってみると、



↑ 毎年採っているお馴染みのヤナギの木ですが、この木はヤナギとしては比較的大型の成木で洞もあることから毎年大型のオスが採れるご神木です。
ただ、近年は周辺の木が整備のために伐採されたことから全体的に昔に比べるとオスも小型化が顕著で近年は60mmオーバーを採るのが精一杯というレベルです。
この日この木では樹液がほとんど出ていなかったため洞ではなく根元を調べたら画像のようにオスが2頭同時に見つかりました。



↑ 持ち帰ってサイズを測ると57mmと61mmでいきなりこのポイントとしては大型の個体が採集できました。
このサイズのオスが2頭同じ場所にそろっていたということは、活動を始めて洞に入る前の状態だったのでしょう。
活動を始めれば競合する大型のオス同士が争わずに同じ場所にいることはありえません。
メスが活動を始めて樹液に来るのを待っていると思われます。
経験則から例年本格的に活動を始めた初期に大型の個体が見つかることが多いので、このポイントではこの先これより大型の個体は採れないかもしれませんね。



↑ 別の木の洞に潜入しているヒラタクワガタ。
まだボクトウガの幼虫によって塞がっている洞が多いですが解放された洞ではだいぶ空き家が少なくなっていますので、大きい洞が解放されればさらに大型の個体が潜入を始めると思われます。



↑ この洞は大型で樹液も出ていることから近日中にヒラタクワガタが入ると予想されます。
今後はヒラタクワガタの競合ではなく他の採集者との競合になってきます。

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