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店長日記

コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その3

2013年11月23日





↑ 11月8日、コケ採りの帰りに撮影した夕日に染まる八尾の大長谷の紅葉。

さっそくナメコ大繁殖!!その3へ参りましょう。
さて、10月度は例年にない残暑の影響からか高標高のブナ林のコケの発生がモタセ以外は全くパッとせずナメコもほとんど収穫できなかったもののミズナラ帯のナメコの発生が予想外に早く既存のポイントが他の採集者と競合したものの新規ポイントではこの時期としては意外な豊作で今後に期待できる結果となりました。
10月末までの収穫量はナメコで7.5kgと25日の大漁のおかげでなんとか持ち直すことができました。
その新規ポイントの期待冷めやらぬ11月1日、待ち切れないように好天にも恵まれながら再度訪れました。
前回は悪天候のためにポイントの半分も見ずに撤収したので今日はポイントの全体像を把握するのが目的です。
もちろんナメコを見つければ採取しますが単純に採るだけでなくそこの環境や立ち枯れの数に対するナメコの発生率等を調べることで今後も継続して採集できる有望なポイントかその時だけの採集で終わりなのかを判断できます。
もちろん毎年状況は変化しますが、中には一年に一回だけの採集で終了というポイントがいくつかあります。
前回の結果から推測するに少なくとも一回で終了のポイントではなさそうです。
期待感と合羽を着ていない身軽さから意気揚々と斜面を登り始めます。




↑ 登ってまもなく見つけた幼菌の群生。
人によってはこれくらいのツブツブのナメコを好む人もいますがこれではスーパーの販売品と変わらないので自身は採りません。我慢して次回の楽しみに取っておきます。
次を探しましょう。




ほら、あった!
今期初のパラダイス級の大群生です。
全部採れば5~6kgになりそうですが右側半分くらいはやや老菌気味なのである程度選別して採取します。




↑ 上の画像の一部をアップで撮影したものですが下部に見えるのはナメコの成菌で、上部に写っている腐りかけたコケはモタセ(ナラタケ)です。
コケ採りの間ではモタセが終わるとナメコの時期だというならわしがありますが、まさにそのとおりモタセと入れ替わるようにナメコが出ているのが画像で分かると思います。




↑ 上の群生の一部ですが、これくらいの状態が主観的には好みで極上と判別している成菌です。
カサが開いたばかりで裏は白からややクリーム色で柄にはツバが残っている状態で、ツブ状の幼菌と異なり口に入れたときの香りや味の濃さが格別です。
これくらいの群生になると採取するだけでも結構時間がかかります。
採り終えて次を探します。




↑ すぐに別の木で見つかりました。
これは大ナメコです。手袋と比較してもその大きさが分かるでしょう。
一般に老菌になると開ききって見かけ上は大きくなりますが、これは違います。
まだ新鮮な成菌で肉厚で張りがあってプリプリです。
以前にも書いたことがありますが、大ナメコは通常のナメコの変種ではないと推測していますが生えている木には複数の大ナメコが発生していますので菌の変異で無いとすれば発生木の状態に要因があるのでしょう。
いずれにしろ人工栽培では現在の技術では絶対に出せないサイズですのでまさに天然ならではの醍醐味でしょう。




↑ 収穫量が増えてくると気持ちに余裕ができて周りの紅葉もいつもより綺麗に見えます。
山に入ったものだけが味わえる豊かなひと時です。




↑ 同一の木に競合するように発生するナメコとムキタケ。
ナメコの下から無理矢理ねじ込むようにムキタケが出てきています。
また、同じムキタケでも表面がウグイス色のものと紫がかったアズキ色のものがあるのが画像で分かると思います。




↑ ちょっと若いけど食べ頃のナメコ。ヌメリがあるように見えますが実は乾燥状態になっています。
逆にその方が劣化しませんし、採るときもバラバラにならずに房ごとゴソッと採れ軽く堅いので持ち運び時にも痛んだり潰れたりせずにすみます。
また一晩冷水に浸けておけばヌメリも復活して新鮮な極上ナメコに変身するのでこの状態で見つけられたのはラッキーです。




↑ 本日2度目の大ナメコ。
一つの房すべてが大ナメコです。こちらも乾燥状態だったので腐らずに採り頃の成菌の状態を保っていました。
持ち帰って水に浸けて戻したのが右の画像です。
以前採った径14cmの大物には及びませんでしたが径12.5cmでしたのでやはりキングサイズです。
味噌汁にこれが入っているのを想像してみて下さい。
まるでお椀のフタが浮いているような感じです。

何だかんだ言って、斜面を登りきる前にリュックが一杯になり一度車の戻り、再度登って何とか尾根近くまで登はんすることができました。
全部の立ち枯れはとてもじゃないけど確認することは出来ませんでしたが、それでもナメコが12kg、ムキタケ2kg(共に下処理後の計量)を採取することが出来ました。
ナメコは昨年11月22日の自己最高となる12.7kgには及ばなかったものの大漁なのに変わりはありません。
既存のポイントに手をつけていない状態で新規のポイントでこれだけ採れたのは大きいです。
あと、去年から思っていたのですがやはり現在愛用しているリュックは容量が15リットル程度なのでかなり物足りなさを感じます。
この日も結局斜面を2回登る羽目になったしデメリットが大きくなってきました。
今まではあまり大きな容器を用意すると欲張りだと山の神に思われて戒められるので謙虚に小さめのリュックを使用していたのですがさすがに昨年からは不自由で、いいかげん自身のスキルがUPしたと容認して大きなリュックが必要だと強く感じました。

さて、その二日後の3日(日)はブリーダーのB氏のコケ採りをしたいという希望で材採りは捨ててコケ狙い一本で八尾・利賀方面へ行きます。
ポイントは二日前に大当たりした新規ポイントの裏側斜面になります。
ここも新規ですが先日遠くから下調べをしているときに尾根線の立ち枯れにナメコが発生しているのを確認しているため外すことはないでしょう。
道中、もう一ヶ所以前から気になっていた場所に寄り道します。




↑ 入山してすぐにムキタケの大群生が見つかりました。
これだけあるとありがたみが薄くなりますね。
ムキタケも美味なのですがついついナメコを優先してしまいおざなりな扱いになってしまいがちです。
調子に乗って全部採るとそれだけでリュックが一杯になるのでB氏に譲り自身は写真を撮るだけにしました。




↑ こちらはクリタケの群生です。
やや虫食いがありますがこれだけあれば十分使えますしクセのない味で何の料理にでも合う使いやすさから嫁の受けも良いので採取しました。
ここではこれ以外にもクリタケを採取できました。
斜面を登っていくと立ち枯れは結構あるもののナメコの姿はありません。
ここは先日のポイントより標高で100m以上低いのでまだ発生していないのかナメコのない山なのでしょう。
不思議なことに同じような立ち枯れがある山でもほとんどナメコが出ない山が存在します。何かが違うのでしょうね…。
ナメコはありませんでしたが良さげな朽ちた倒木とワサビの群生を発見しました。
材はさすがにここから車まで運び出すのは厳しいですがワサビは来春の新たなポイントになりそうです。
ナメコに関しても時期をずらしてもう少し上部まで探してみたいと思います。

さて車に戻り本来の目的地へと向かいます。




↑ この日回ったポイント近く。3日前に行ったのは山の裏側になります。
とりあえず画像に写っていない部分から尾根線沿いにアプローチします。
画像では低く見える山ですが下から登っていくのは見た目以上にしんどいです。
ナメコは予想通りあるのですが不思議なことに先ほどのポイントと同様に登り口に近い標高の低い立ち枯れにはほとんど発生していません。
標高をかせぐのと比例して発生頻度が上がってきます。
見た目には繋がった一つの山なんですけど何かが違うのでしょうね。




↑ 遠目からやけに樹幹のコケが目に付いたミズナラの立ち枯れ。
近づいてみるとあちこちにコフキサルノコシカケが着生しています。
画像の裏側にもたくさん付いています。1本の木にこれだけ付いているのを見るのは初めてです。
この立ち枯れはコフキサルノコシカケ菌で占有されているのかそれ以外のキノコ類は全く出ていませんでした。
基本的にナメコが発生している木は必ずといっていいほど他のキノコ菌と共生しています。




↑ この辺りは標高的にもブナ帯ですので多くのブナが見られます。その中でも目立っていた極太の台場状になったブナ。耳をつけるとブナの鼓動が聴こえそうです。
ブナの立ち枯れはミズナラのそれと比べるとほとんどありませんが稀にブナの倒木に発生したナメコを見つけることができますが少量に限られます。

この日は自身は採集よりも案内人の役でしたのでここで採ったナメコはB氏に譲りましたがここだけで7~8kgは採れたと思います。
思ったよりも優秀なポイントで予想以上に採れたので途中で下山しました。
時間もあるので予定にはなかったそこの対面にある山も調べることにしました。
再びさっきのポイントよりも高い斜面を目指して登り始めました。




↑ 途中、林道横のミズナラの切り株上に発生していた複数のコケの株。
何だろう?とパッと見たところ一見マイタケのように見えましたが腐りかけているのでよく分かりません…。




↑ アップでよく観察すると色が抜けて白っぽくなっているもののカサに環紋状の模様がわずかに確認できることからトンビマイタケと判断しました。
もしそうなら来年は要チェックのポイントです。




↑ 斜面のモミジや低木の隙間から見え隠れする複数の立ち枯れ。
対面の先ほどのポイントから見てる分にはわかりませんでしたが、さっきと異なりかなり勾配がきつく何かにつかまりながらでないと登っていけません。




↑ 急斜面ということもあって立ち枯れもさっきのポイントほど太い木はありませんが、ある程度登ったあたりからちょこちょこナメコも見られ始めました。画像はちょうどいい時期に乾燥した極上のナメコ。
さっきのポイントに比べて日当たりが良いせいか乾燥したナメコが目立ちます。
頂上付近まで調べたいですが予想外の急斜面で体力の消耗が大きいので途中で断念、またの機会に持ち越しとなりました。
一部しか見ていないのでどの程度採れそうか見当がつきませんが一応ここでは自身も3.3kg(下処理後の計量)ほど採取しました。
まあ、午前中だけで新規のポイントで二人でこれだけ採れれば上出来でしょう。
店があるのでこの日は撤収しましたが、ここのポイントは再度来る価値が十分あるでしょう。
近いうちにまた来たいと思います。

【コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その4は近日中にUPします。】