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店長日記

コケ(キノコ)採りシーズン!ナメコ大繁殖!!その2

2013年11月21日







↑ ‘13.10.27 岐阜県飛騨地方の国立公園の紅葉。撮影カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS

毎年必ず訪れる紅葉の名所。自身が今まで見てきた中でもここは1、2位を争うブナ林です。
後方に3,000m級の高山を拝め、タイミングがいいと雪を被った峰から麓にかけての見事な三段染めが見れます。
この日も前日から高標高は雪だったため期待したのですが雲が晴れずにほんのわずかしか主峰は見えませんでしたが綺麗な錦秋を堪能できました。


さてナメコ大繁殖!!その2です。
前回、利賀の自身の恒例のポイントで他の採集者と競合したことを書きましたが、そうなると当該ポイントはあまり当てに出来なくなってきました。
もちろんその山でもおそらく足を延ばして車では行きようがない隣の山まで行けば他者が入っている可能性は低いでしょう。
新規開拓のつもりであればもちろんそれでも構いませんし自身の今のスキルから考えたらそこで採れないという事はないと自負していますが、要は効率の問題です。
ポイントまでの時間がかかればかかるだけ採取する時間と体力を消耗します。
道など無い所をヤブ漕ぎしながら傾斜のきつい斜面を上り下りするのは想像以上に疲れます。
下から見ていて
「あれくらいの尾根(実質の標高差で100~200m)なら楽勝で登れる。」
とタカをくくって登り始めると半分も登らないでバテてしまうことが往々にしてあります。
果たしてその先にナメコがどれくらいあるのかは未知です。
500gかもしれないしパラダイスがあるかもしれません。
行ったものだけがそれを知ることが出来るのです。
そうやってポイントは開拓していくものなんです。
他の採集者が入っていた場所をチェックして後を追うなど邪道だというのが自身の理念です。
そうなると当該ポイントはあくまでも自身の足で探し出したポイントですが競合者に後追い者扱いされるのもしゃくです。
その辺りもだいぶ人に知られてきたようです。
よって、その周辺は避けて離れた別の候補地を開拓することにしました。
今でこそカシナガの食害で立ち枯れは豊富にありますがこれもいつまでも続くわけではありません。
そのため、そこで採れるのは今だけかもしれないという危機感を持って常に次の候補地を考えるようにしています。

そんなわけで10月25日はあえて前回のポイントを外し八尾・利賀方面で以前からチェックしていた新規のポイントを開拓に行きました。
どんな採集者でもやはり車のアクセスがしやすい場所を好んで探します。
逆に言えば車で近くまで行けない場所や車からチェックしにくい場所は知られている可能性は低いと言えます。
また、有峰でもそうですが灯台下暗しで誰もが通る道路のすぐ近くの死角にパラダイスがあったりします。
とりあえずこの日は折からの台風の影響で雨が本降りの悪天候だったのであまり山中を奥まで行かなくていい場所を選びました。
それでも笹や下草が生い茂る斜面は濡れて足が滑る上に合羽を着ているので動きも制限されるし勾配も結構きついです。
何かにつかまっていないと滑落するくらいです。




↑ 斜面を登り始めてすぐに倒木に発生したナメコを発見!
折からの雨のおかげで水分を含んでツルツルです。
幸先の良さに期待感から登る足取りも力強くなります。
目に付く立ち枯れをチェックしていくと、




↑ 遠目からでも容易に見つけることが出来るムキタケ。
ここでも相当発生しています。
ムキタケは傘も大きく水分を含んで重さもあるので先に調子に乗って採るとリュックにナメコが入らなくなったり重さで体力を消耗するので本来帰り際に採取するのがベストです。
とりあえずスルーして上を目指します。




!!!
あった!今期初のナメコの大群生です。
画像下側はだいぶ老菌になっていますが画像には写り切らない左側まで採り頃の成菌がビッシリ生えています。
食べ頃の成菌のみを選別して採取しますがここだけで2~3kg分くらいありそうです。
新規ポイント開拓の労がねぎらわれたと同時に、いきなりこれだけの群生に出会えたことはこのポイントが当たりであることを示唆しています。
感謝して採取を終え周りを見渡します。




↑ 目線より下側は生い茂る下草や低木で見えませんが立ち枯れの樹幹には小さな群生があちらこちらに確認できます。
とりあえず見えるものから優先的に採っていきます。
斜面をトラバースしながらあっちへウロウロ、こっちへウロウロしているので全然上へ登って行けません。
そうこうしているうちにムキタケも同時採取していたためリュックがだいぶ一杯になっていました。おまけに雨のせいでリュックも水浸しです。
必需品のゴーグルも水滴や曇りのせいで前が見えません。
このポイントが当たりだったのは分かったのでこの日はこれで撤収することにしました。
天気の良い日に改めて上部を攻めることにします。
この日の収量はナメコ5kg、ムキタケ2kgでした。
まあ10月中にこれだけ採れれば上出来でしょう。
またこの雨でさらに生長が進むので次回が楽しみです。

さて、その二日後の27日は日曜日ですが早朝からブリーダーのB氏と岐阜県まで材採取に向かいます。もちろんコケ採りもしたいのですがおそらくそこまでの時間的余裕はないでしょう。
この日も前日からの冬型の気圧配置で時雨模様の天気となりました。
標高の高いところは雪だったと思われるため雪を被った霊峰と錦秋が観賞できると思ったのですが天気の回復が遅く雲がかかってトップに紹介した写真を撮るのが精一杯でした。




↑ 写真撮影に適した場所で撮影していると横を通っていく車が次々とそれを見て停車して、まるでどけと言わんばかりに自分のすぐ横に来てシャッターを切り始めます。
撮り鉄じゃあるまいし山は動かないのだからこっちが撮り終わるまでちょっとくらい待てんのか?と言いたくなることがあります。

以前も書きましたがここは登山やトレッキングを始め言うまでもなくコケ採りや紅葉の時期は県外からも多くの写真家たちがカメラを手に訪れます。
この日も車を駐車してブナ林の遊歩道へと向かうと早朝にもかかわらず早くも数人の写真愛好家と出会いました。

また、ここは雄大なブナ帯ということもあって10年ほど昔はほとんどいなかったのですがここ数年はヒメオオ目的の採集者が結構来るようになりました。
昨年来たときは見なかった材割りの跡が遊歩道横の大径のブナの立ち枯れに残っています。
一応、自身はプロですから見れば一目でヒメオオ目的の材割りだと分かります。
材割りの跡を確認していたら写真家の人に話しかけられました。
「おたくらはキノコ採りかい?」
「キノコももちろんあれば採るけどキノコより朽ちた倒木を探しとるが。」
「それはおたくらがキノコを採った跡かい?」
と言って材割りでえぐられた場所を指差していました。
別に非難しているような言い方ではありませんでしたが、何でえぐられているのか分からなかったんでしょうね。
「いや、これは俺らじゃなくてクワガタを探している人間が割って幼虫を採った跡だよ。」
痛くもない腹を探られたらかなわないので説明して否定しました。

自身も材やコケを採取しますし、ここではしていないものの材割りもしますから他人のことを言えた義理じゃないんですが一応国立公園内ですので管理者にその行為を見つかれば必ずとがめられます(以前、道路横に転がっている倒木の一部を持ち帰ろうとしただけでダメとは言われませんでしたが念のため注意されました)。
原則で言えば国立公園内では石一つ持ち帰っても罰せられるのです。
おそらくそれは認識していると思いますので、自身も同じ立場上するなとは言えませんがせめて目立たないようにするのがマナーでしょう。
紅葉の名所で誰もが散策する遊歩道横なら必ず目に入ります。
他のヒメオオ採集者が来ればここがポイントであることを教えるだけではなく同様の場所で材割りしないとも限りません。
そうやってポイントや景観が失われていくのです。
もしヒメオオ採集者でこれを読んでいたらお互い気をつけましょう。

ついでに書きますが前述のヒメオオ採集者もそうですがコケ採りの人間も相当マナーの悪い輩がいます。
キノコの場合、根こそぎ採ってもマナー違反ではありませんが翌年のことを考えず無理やり採ったり、コケ採り以外絶対に来ないような深山に空き缶やコンビニのゴミを捨てていく者がいます。
それを見ると自然の恵みを山から戴いておきながらその仕打ちはどういうつもりか?
といたたまれなくなります。
一応、手が空いているときは拾ってくるようにはしていますがいささか残念です。
断っておきますが偽善行為ではなく、人に対してではなく山の神に同類の人間だとは思われたくないんです。
そういう奴に限って山ほどコケを採っていたりするんですよね…。

以前にも書いたかもしれませんが、人から聞いた話では富山県人は上記のようなマナーの悪い山菜採りが多いと県外の人から非難されているそうです。
新潟の地主の人の話ですが山菜の時期に富山ナンバーの車が山に止めてあったらすぐに警察に通報するそうです。
富山県民として汚名を着せられないように気をつけたいものです。

話を戻しますがあられが降る中あちこち散策した結果、今日はダメかなとあきらめかけたときに何とか良さげなブナ材を採取することができました。
時間が無くてコケ採りはできませんでしたが見ている範囲では例年に無くコケは少なく感じましたし必ず出会うコケの採集者もほぼ見ませんでした。
今年はコケが不作なのをわかって来ていないのでしょうかね?
代わりに悪天候の割には写真愛好家が一段と多くなったと感じました。
中には女性だけの撮影ツアーみたいなグループもあり本格的な一眼レフを持った撮影者がブナ林の中まで入り込んでいるのはカルチャーショックでした。
壮大なブナ林はいつも癒しを与えてくれますが、豊かな自然に囲まれているときにあまり人間と出会うと少し興ざめしてしまいますね。
昔は誰もいない山に行くのは怖いと思いましたが今ではむしろ一人のほうが落ち着きます。

【ナメコ大繁殖!!その3は数日中にUPいたします。】