クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
since 1998

店長日記

せわしない春

2012年04月24日



↑4月16日富山市内のサクラ。
一気に春が駆け足でやってきました。
この日記を書いている今日現在、サクラはすでに散っています。
春が遅いときはのんびりしているとあっという間に過ぎ去っていきます。

というわけで春を求めてあちこちフィールドに出かけて日記のネタは取り溜めてあるのですがUPが春のスピードに追いつかないためとりあえず時系列的に過去の分から書いていきます。
サクラが咲き出す直前の今月9日には再びオオクワポイントへ行ってきました。
前回から1週間しか経っていないのでまだ無理かな~?と思いながらも着いてみると案の定、林道は雪の下でした…。
まあ想定内でしたので前回よりさらに範囲を広げて周辺の山を散策することに。


材割りを目的に対象となる材を探して行くと杉林と混生した雑木林が所々に広がっています。
目に入るコナラの木は大半がカシナガの食害で立ち枯れとなっておりシハイタケがビッシリ付いているものも多く大雪や強風の影響で折れたり倒れたりした倒木が残雪の上に何本もあります。
しかし、倒木にしろ立ち枯れにしろ試しに割って見ても幼虫の食痕は皆無です。かと言って産卵材として持ち帰るほど優良な朽ち木もごくわずかにある程度で収穫はほとんどありません。
見た目には良さげな環境ですが思ったほどクワガタの利用は少なそうです。他のクワガタが見つからないということはオオクワにしても例外ではなく期待薄でしょう。



↑コナラの樹皮についたクマの爪跡。秋にドングリを採るために登ろうとしたのでしょうか、もうクマも冬眠から目覚めて活動を始めています。

さしあたって割るような材も見つからないので場所を変えることにしました。
次は斜面の中腹に流れる用水沿いの林道です。ここは通常、一般車両が通るような道ではなく残雪も多いため歩いて探します。
歩き始めてほどなく残雪から顔を出した倒木を見つけました。↓



雪から出ている部分を割り始めると食痕が現れました。クワガタの利用はあるようです。
根部なので大部分は生に近い状態で堅いですが割っていくと


↑幼虫です。♀の3齢にしては良いサイズですがおそらくミヤマでしょう。
さらに割っていくと、


今度はミヤマの♀の新成虫が出てきました。やはりさっきの幼虫もミヤマでしょう。
それ以上は食痕があっても堅くて割り進めないので雪が解けて材全体が現われてから再度割って見ます。ちなみに樹種はアオハダでした。

その後林道を進むも残雪が深く、またほとんど杉林のような環境でしたので途中であきらめて残雪が解けて顔を出しているフキノトウを採取しました。


同じ標高でも平地ではもう花が咲いてしまっていますが、さすがに山影ではまだつぼみのものも多くあります。
フキノトウを採っていると今年も春が来たことを実感します。
店の中でカレンダーを見ているだけでは季節の進行がわかりませんが実際フィールドに出て山菜の状況を見ることによってどの程度春が進んでいるのか明確にわかります。

フキノトウを採って満足したところで引きかえしましたが、まだ時間があるので帰途に以前自身で発見した別のオオクワポイントに寄って見ました。
こちらも残雪がある林道はまだ一般車両は走れず引きかえしたタイヤの跡がありましたがアウトドア車種の四駆の本領発揮で無理矢理進入していきました。
ポイント近くまで行ったところで杉の倒木が道をふさいでいてそれ以上は通行不可に…。
徒歩にてポイントに向かうと、


クマの足跡です。奥から手前に歩いてきてます。日にちが経っている足跡なのでもう活動を始めているのでしょう。
残雪があるうちは視界も開けていてクマの姿も見つけやすいのですが、地面が表れて下草が伸び始めたらクマ除けの鈴は必携です。

オオクワポイントに着いたものの改めて割るような材も見当たらず仕方ないのでフキノトウをさらに採取して撤収しました。
フキノトウはコンビニ袋に山盛りになったので半分は友人にお裾分けしました。
自身も帰宅後、早速嫁に頼んで天ぷらで食しました。やっぱり初物は美味です。
ただフキノトウはあまり多くを食べれるものでもないので余りはフキノトウ味噌にしてさらに余ったので試しにモツの炒め物に和えてみたのですがフキノトウの味が強いものの意外とマッチしていて自分的には嫌いではありませんでした。
気が向いたら試して見てください。



フキノトウを採ったら次は順番的には山ワサビの時期です。
山ワサビは一般には葉ワサビ(センナ)を楽しむようですが自身が採りに行っている利賀の山ワサビは天然物とは思えないくらい根が大きく利用価値が高いため雪解け間近に花が咲いて辛味が落ちる前に採取します。
というわけで13日は一路利賀へ、


↑左が13日の様子。右は昨年同月4日の様子。
今年は大雪だったので例年より遅らせての訪問だったのですが、山の積雪は昨年と変わらなかった様で昨年より遅くなった分、雪解けも進んでいました。

早速ワサビのポイントに着くとワサビの生えている斜面辺りはほぼ雪は解けています。
昨年は残雪で斜面沿いにアプローチできないために対岸から川を渡って行ったのですが、今年は逆に雪解けのせいで川の水量が多く渡れないので残雪の斜面を川に落ちそうになりながら辿り着きました。




今年も清らかな雪解けの湧水の中に群生の姿を見ることができました。
心なしか毎年少しずつ少なくなっているような気がするので自身は必要な分だけしか採らないようにしています。


↑フキノトウの花と一緒に生えるワサビの株。いかにも山の春といった光景です。



ここのワサビは一株が大きく一株だけで↑の画像の量があります。ワサビ本体である根は一株で15~20本も付いており、画像中の大きいものは20cm以上あります。
天然物でこれだけの大きさはまさに全国的にも誇れる自慢のワサビです。
この一株でワサビの醤油漬けが450mlの山菜ビンで4~5本分できます。
今年から根、茎だけの醤油漬け以外に葉ワサビ(センナ)も一夜漬けにして楽しむことにしました(一般にはむしろセンナがメインらしいです。)。
また、友人のお裾分け用にセンナだけ(根は来年のために残します)切って一株分頂きました。
ワサビはポイントさえ知っていれば採取は10分で終了します。採るのは楽ですが醤油漬けにする作業は嫁ではなく自分の仕事なので3時間ほど掛かります。
まあ、それも含めてワサビ採りとして楽しみましょう。

ワサビ採取はすぐに終わって時間もあるのでここまで来てワサビだけで帰るのももったいないので何かないかと周辺を散策しますが雪深い山はせいぜいフキノトウがある程度です。
しょうがなく雪のないところまで下山してノビルでも探そうかと思いましたが場所が悪いのか見つからず、あきらめて昨年と同じ場所でアサツキを採ることにしました。
ノビルもアサツキもたいして変わりはないのでどっちかが採れればOKです。


ちょうど採り頃のアサツキです。ワサビ採りのついでにアサツキを採るというコースは自身ではほぼ定番のようなものです。


アサツキこそそんなに大量に食べれるものではなく薬味や添え物に使う程度なので一握りくらい採れば十分です。
袋に入れるとネギのような春の香りが心地良いです(自分で採ったからで他人には単にネギ臭いだけです)。
帰って早速その日の晩に食しました。


↑ホタルイカとアサツキの酢味噌和えです。
採れたての旬のホタルイカと一緒に食べられるのはまさに富山ならではのご当地メニューです。フランチャイズの居酒屋ではまず食べられないでしょう。
ビールを飲みながら食べたら最高だと思うのはやはりオヤジになった証拠でしょうか…?