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店長日記

天体ショー

2012年05月16日







2012.4.16.AM6:00頃富山市内にて撮影。

「幻日」という現象です。
深夜からのバイト帰りで自宅に戻る途中で偶然見ることができました。
東の空に昇った太陽の両側に幻の太陽が確認できます。といっても本当の太陽ほど明るいわけではありませんがそれぞれがレインボー(太陽側が赤色)に分光して見えるのが3枚目の画像で分かると思います。
特定の気象条件が揃った夜明けもしくは夕方に現れます。
太陽の両側(太陽からの角度がそれぞれ22度)に現れるのは稀で今回はさらに幻日環の一部と上部タンジェントアーク、内暈がセットで見れました。幻日自体は年間に数回くらいはあるらしいのですが、これだけのものになると毎日意識して太陽を見ていない限り通常の生活を送っている人なら数年もしくは数十年に一度見れれば良い方でしょう。
自身もこれだけはっきり確認できたのは初めてです。
一気象マニア、天文ファンとしては嬉しい出来事でした。

珍しい気象現象といえば今月は各地で竜巻や雹の被害が相次ぎました。
その数日前の5月3日には上空の寒気の影響で当地富山でも激しい雷雨となりました。
その雨上がり撮ったのが↓です。




見事な虹です。
まあ虹自体はさほど珍しくなく先月も撮影しました。頻繁に虹が出るというのは天候が不順でシビアウェザーが起きやすいということの表れでもあります。
ただ今回の虹はまた特別はっきりしていてスペクトルが見事でした。
本体の虹の外側に薄く2重に虹が現れるのを見たことをある方は多いと思いますが(画像ではわかりませんがこの時も2重に出ていました。)今回の虹は光の屈折率がかなり強かったのか本体のすぐ内側に重なるように薄く見えていました(2枚目画像)。これも自身、直接見たのは初めてでしたのでラッキーでした。

さあ、そして来週21日は全国各地で金環日食(部分日食)が観測できます。
天文ファンとしては見過ごすわけには行かないものの当地富山は残念ながら金環帯から北に外れていますので嫁と子供を連れて県外(たぶん長野県)あたりに観測に行く予定です。首尾よく見ることができたらまた日記で報告します。


さて、話を通常に戻しましょう。
前回の更新以降も精力的に山には行っていました。ただバイト明けにほぼ徹夜で行くために体力的には限界に近く行っても長時間動くこともできず帰ってきても日記にUPする気力もない状態でした。
山に行っていたのは昆虫フィールドの記事のオオクワの調査のためでしたが実際は半分以上が山菜取りになりました…。
先ほど紹介した「幻日」が見れた4月16日は何か良いことがありそうな気がしたのでそのまま山に直行。


しかし目的地はまだ残雪で通行は不可…。
まだ山菜には早いかなと思いながらも徒歩で山に向かいます。



コシアブラはまだ堅い芽の状態です。



偶然シイタケが生えた倒木を発見。誰かが駒菌を打ち込んだのか天然なのか分かりませんが誰かに管理されているような状態ではなかったのでありがたく頂戴しました。



この日は暑いくらいだったので用水の横でシマヘビが日向ぼっこをしていました。ヘビを見たということはさらに縁起がよさそうだと思いポイントを変更、材割りでオオクワの幼虫を探すことに。



崖際の危なっかしい場所で良さげな切り株を発見!割って見ると早速幼虫が。
見た感じ期待できる幼虫だったのでまずはデジカメで撮影して(右上画像)その後取り出そうとしたら手が滑って幼虫は崖の下に…。
全然縁起が良くない…と思い即行で材割りは中止。再び山菜採りに。
付近でタラノメを探すもまだ芽が開いていないものが多く採れたのはわずかだけ。
中途半端な量を持ち帰っても困るだけなのでポイントを変更し秘蔵のタラノメポイントへ。


↑夕日に映えるタラノメ。
こちらのポイントはちょうど採り頃ですでに半数は地元の住民に採られていました。それでも十分に収穫できたので半分は友人のお裾分け用にしました。


↑タラノメを収穫した後に近くで見つけた切り株。サルノコシカケが付いており朽ち具合が気になりましたが体力の限界で撤収。
↓本日の収穫(これの倍ありましたが半分は友人に分けました)。



翌週はいよいよ山菜の旬でしたが、まずは先週タラノメポイントで見つけたサルノコシカケが付いていた材を確認に行きました。


切り株ではなくて折れた樹幹の方を見るとこの時期なのにヒラタケが生えており立派なコフキサルノコシカケも付いています。
樹種を確認するとアカメガシワです。期待しながら手ノコで40cmくらいの径を裁断すると、


!!極上の朽ち具合です。材のコレクターには垂涎ものの腐朽材です。自身は商材として多く扱っていますがこれだけの優良材は年間数本レベルです。
数ピースをカットして運んだら疲れて倒れそうだったのでこの日はそれだけにして後は本腰を入れて山菜探しのつもりが雨が本降りになって来ました。
あきらめようと思ったのですが絶対に採り逃すことのできない山菜があります。
それは昨年も書きましたがハリギリです。
当地では希少で自身の見つけた数本で採り逃すと他で探すのは困難です。

ハリギリのためだけにポイントを移動して合羽を着て高枝切りバサミを持っていざポイントへ!
…あったはずの場所に木がありません。行ったり来たりしましたが見当たりません。
おかしいと思いよく探すと折れて枯れたと思われる残骸が見つかりました。
がく然としながら近くのもう一つのポイントへ祈るような気持ちで向かうと、


あった!!それもまさにちょうど採り頃です。
3~4本の若木ですが一食分は収穫できました。
天ぷらにするとタラノメとコシアブラの中間のような味は絶品です。山菜フリークとして当地でハリギリを採れることは自慢のタネになります。
この日は天候が悪いのでそこで終了しましたが翌週のゴールデンウィークには山も山菜の採集者もピークを迎えます。
こっちとら材割りでクワガタの幼虫を探しているというのに山菜を採っているのだと思われ周りに何人も採集者が集まってきます。
はがやしくなってこっちも材割りそっちのけでムキになって山菜採りへスイッチします。






コゴミ、コシアブラ、ゼンマイ、ワラビ、ウド、タケノコ、全て大量にこの日採集できました。
いっぺんに採れるのは嬉しい反面、楽しみは半減します。
本来なら毎週一種類ずつ食べることが出来ればゆっくり楽しめるのですが、今年のように雪解けが遅いと一気に出て一瞬で終わってしまいます。
おそらく一週間後にはここのポイントはもう旬が過ぎていることでしょう。

ゴールデンウィーク明けにも再び訪れましたがその時は山菜採りではなく材割りがメインでした。オオクワの調査につきましては昆虫フィールドの79号に執筆していますのでここでは割愛いたします。

さて5月も中旬になるとホームグラウンドである利賀の山にも入れるようになります。
先月、山葵採りに行ったときは残雪で入山不可でしたが先日は日陰に雪渓は残るものの山は春の装いでした。


↑新緑のブナ林の緑の木漏れ日を見ると毎年のことながら癒されます。近くにこのような場所があることをつくづく幸せに感じます。


↑汗ばむくらいの日差しを受けながら雪渓の上を歩いてマイナスイオンを身体で受けると疲れも忘れる感覚です(実際はクタクタですが…)。


↑ヤナギの花とタラノメ。
春が訪れたばかりの山は山菜もまだ旬には早くタラノキもまだ堅いつぼみがほとんどです。


目当てだった野太い山独活(ウド)もまだ芽が顔を出したばかりでした。1~2週間来るのが早かったようです。ブナの森は何回来ても飽きないので山菜が採れなくてもがっかりすることもありません。また来週来ればいいだけです。

標高を調節してコシアブラだけ採集した後、久しぶりにブナ帯で材割りをしました。


↑半分以上腐葉土に埋まったブナの倒木。水分がやや多いのでオオクワの可能性は低いもののミヤマと思われる複数の2齢幼虫(↓画像)とアカアシの新成虫が出てきました。


近くにはオオクワに適した立ち枯れや倒木も多くあるのですがオオクワの幼虫は未だに見つかりませんね…。
あきらめずにこれからも探していきます。