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店長日記

荒れる春

2012年04月03日



4月1日、雪混じりの嵐の後に現れた虹。


春の嵐です。
この日記を書いている3日は未明から暴風となり富山県内の所によっては最大瞬間風速が40m近い突風が吹き荒れてます。
開店時に店に来たら見事に置き看板が倒れていました。だいたい30mくらいの突風が吹くとこの看板は倒れます。過去にも何回も倒れてだいぶガタが来てます…。

富山は毎年3~5月には春の嵐となる南寄りの強風であるフェーンが起きます。
気温が上がり湿度が下がるため過去にはフェーン時に大火が起きたこともしばしばあります。今日も店の前の通りを何回も消防車や救急車が走っていきました。火事には十分気をつけたいものです。
今日は日本海側だけでなく全国的に荒れ模様になっていて、意外に思われる方もいるかと思いますが年間を通じて月の平均風速が最大になるのは4月という地域が結構あります。当地富山もそうです。

フェーンが起きるようになると山の雪解けも一気に進みます。
3月中は月曜日に天気が崩れることが多く寒の戻り等で雪が降ったりでほとんどフィールドに出かけられませんでした。
例年よりもだいぶ遅れを取っているので2日(月)は満を持してオオクワポイントに材割りに出かけました。
プライベートの用事で昼前からの行動になりましたが今年初の訪問なので様子見には時間的には十分です。
まずは昨年末に手オノを落としたポイントに行ってあわよくば見つけて回収しようと思い現場近くに行くと、



部落の民家を過ぎたところで林道は除雪が入っておらず通行不可に…。
やはり甘かったか…。
これであきらめては無駄足になるので、とりあえず車を置いて歩きで行ける範囲を見てみることに。



ポイント周辺の林内はまだまだ残雪が多く深いところでは1mを超えており雪の上を歩いている状態です。新雪ではないのでゆっくり歩けば足が埋まることはないのですが、これでは倒木の材割りはまず無理です。
久しぶりに山に来たのと前日までインフルエンザかと思われる熱があった病み上がりでちょっと歩いただけで息が切れます。こんなに体力が無かったかと自信を失くす程で雪をどかしてまで材割りする気力が湧いてきません。
これからシーズンに向けて身体を慣らしていかないとダメですね。



↑ 雪の上を歩いていると大量のカモシカのフンがありました。ここはカモシカのトイレだったようです。決まったところにフンをするという習性も面白いですね。




広葉樹に混じって生えている松の立ち枯れに発生したツガサルノコシカケ。材の赤枯れを起こします。




こちらはナラの立ち枯れに生えたヒラタケ。残念ながら老菌なので食には不適です。それでもこの時期にまだヒラタケを見ることができるということは今年の雪の多さを物語っています。

余計なものに目を取られながら歩いていくと、元々倒れていたのか雪で倒れたのかはわかりませんが雪上に突き出た根部を発見。


これなら材割りできると思い予備の手オノで割り始めると予想通り堅い!
それでもノコギリと思われる食痕があるので力ずくで割っていくと、


何とか1頭の3齢初期の幼虫を割り出しました。現場では何とも思わなかったのですが改めて画像を見るとアゴのラインがオオクワに見えなくもありません。
おそらく気のせいでしょう…。九割がたノコでしょうね。
現場ではノコだと思っていて手も痛かったので1頭で終了しました。雪が解けたら改めて攻めて見ます。

他に割るような倒木も見当たらないので周辺の雪で折れたコナラの良さげなカワラ材をいくつか回収して早々に撤収することに。
やはりゴールデンウィーク近くでないと無理なようです。
せっかくなので少し上流部のフキノトウのポイントを訪れて採って行こうと思い車で向かうと、


↑ フキノトウのポイントです。2m以上の雪の壁がそそり立っています…。

平地のフキノトウはもう花が出てきているのでこの日はフキノトウはあきらめて、それならばと別のポイントで雪が積もる前に見つけておいたヒラタケなら採れるかもと向かってみると、今度は雪がほとんど解けていてヒラタケはとっくに朽ちて落ちてしまっていました。

悔しさで足元の倒木を踏みつけると、ボキッと折れました。
「お、この感触は…」
と思い見てみると、


優良な天然カワラ材です!
ラッキー!と思いながら回収するも何の樹種か分からないので、倒木の根元を辿っていくと株分かれの別の生きた木が立っていました。


さらにその周辺にある落ち葉を見てみると、


これらから、この倒木はミズキであることがわかります。
樹皮が剥げて樹種が分からない場合でも周りにあるヒントから樹種を特定できることもありますので皆さんも参考にしてください。