クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
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店長日記

2012年、迎春。

2012年01月08日





↑新春1月3日にお台場から見たレインボーブリッジ


2012年、新春のお慶びを申し上げます。
本年も当店をご愛顧いただけますようよろしくお願いいたします。

さて、年末年始は自身の実家のある茨城県に帰省しておりました。
以前は帰省した際にも当地で材割りをしていたのですが、さすがに子供が小さいとそういうわけにもいかず人並みの落ち着いた正月を過ごしました。
兄弟と会うために東京にも寄りお台場に行ってきました。
この時期の関東は好天が多いので景色が綺麗でした。

それに引きかえ富山はクリスマスからずっと雪や雨ばかりです。



年末の寒波時の富山の様子です。
これが当たり前なので何とも思いませんが毎日どんよりとした空でモノクロの世界です。



↑寒波が抜けて珍しく綺麗に晴れて立山が見えたときの富山市内。

年も明けて落ち着きましたが市内でも積雪しており溶けたと思ったらまた少し積もるのを繰り返しており、山はおろか平地に近い里山や河川敷の材割り、材採り、コケ採り全ておあずけ状態です。
お隣の石川県はまだ積雪が少ないので様子を見てエノキの材採りにでも行こうかと思っています。

話は変わってどこにも行けないので特に話題は無いのですが、自身は公私共にアウトドアに行く機会が多く又仕事柄、虫の生体を扱っていますので趣味も兼ねて写真を撮る場面が多くデジカメは必須アイテムです。
趣味の場合は一眼レフを使うのですが、山に入るときはカメラを壊す危険があり、又ネットのデータ用はさほど高画質を必要としないので普段はコンデジを主に使っています。
しかし、そのコンデジも購入して10年使用しておりさすがにスペックも200万画素と旧式で老朽化が否めず昨年の11月に新調いたしました。

購入の条件としてまずタフ(厳しい条件で使える)であること、そして画質はともかくマクロ撮影に適していることを考慮しました。
最近はブームなのかはわかりませんが各メーカーからアウトドア用に特化した製品が出ています。防水や耐衝撃は当たり前で水中での撮影も可能になっています。
さすがに自身は水中で撮る機会はありませんが降雨時にも気にせず、うっかり落としたりしてもある程度は耐えてくれるというのは強い味方です。
悩んだ挙句、最終的にPENTAX社の「Optio WG-1 GPS」という製品を購入しました。↓




決め手はマクロ撮影において他社製にはない特化した機能があること、GPS機能が他社の同等製品と比較して動作が良好であるとの評価があることでした。
もちろん10m防水で1.5m耐落下衝撃という仕様も評価対照です。

以前のデジカメや現行でもマクロ機能がイマイチのデジカメだとクワガタ等の生体を撮るときに上手くいきません。
接写が出来ないタイプだと少し離れてズームでとる必要がありブレる可能性が高く三脚が必要になりすぐに動き出す生体を撮るのは一苦労です。
その点このカメラは1cmまで接写が可能なマクロ機能があり、なおかつデジタル顕微鏡モードを搭載しており最大倍率では横幅5mm弱のものが画面一杯に撮影できます。これならクワガタの上翅の点刻一つ一つまで写し出すことが可能です(そこまで拡大撮影することもありませんが…)。




↑ウガンデンシスオオツノカナブンの複眼を顕微鏡モードで撮影。トリミングや拡大、明るさ等の編集はしていない素の画像です。
ここで特筆なのは撮影時にストロボや他の照明を使わなくていいということです。というのもレンズ周辺のリング上に5つのLEDライトが付いており撮影時にフラッシュの役割をしてくれるのです。仮にストロボを使用しても1cmという近距離だと被写体に光が当たらず暗い画像になってしまいます。他の光源を使用しても必ず影が出来てしまうのでこのLEDは重宝します。

さらにそこまでの接写ではないにしても通常のデジカメだとマクロ撮影時にフラッシュを使用するとカメラ本体にフラッシュがケラれて画像下部に影ができてしまいますが、このカメラだとレンズの飛び出しがない構造のおかげでかなり改善されます。




左が従来のデジカメで撮影したもので右がWG-1の画像。共にフラッシュ使用で無修正です。WG-1は明るすぎて近くが飛んでいますがカメラの影は写りこんでいないのが分かります。

又、フラッシュを使用しない場合も格段の差が生じます。




左は従来のデジカメで撮影したもの右がWG-1で撮影した画像。共にフラッシュなし(WG-1はLED点灯)で無修正です。オートで撮影しているためカメラ本体の設定や性能の差ももちろんありますが、WG-1の方はLEDのおかげで被写体の影自体も薄くなっているのが分かります。
自分で観賞するだけならさほど気にしないかもしれませんが、自身にしてみれば商品をいかに綺麗に撮るかということは商売においても非常に大きな影響があります。できるだけ綺麗に撮るならもちろん一眼レフを使用すればいいのですが先述のフラッシュがケラれる件や取り扱いの手間、撮影後の編集等を考えればコンデジで楽に綺麗に撮れるに越したことはありません。
やはり「仕事は道具」ですね。

そしてもう一点気に入っているのが先述のGPS機能が内蔵されていることです。
つまりGPSをONにしておけば撮影時の位置、標高をデータとして記録し、後で付属のソフトを使って画像を展開することでGoogleマップ上に撮影地点が表示されるのです。
その例を見てみましょう。



↑はGPSをONにして当店の入り口を撮影した画像です。
この画像を専用のソフトで開いて見ると、




パソコンの画面を撮影したものですが、Googleマップ上に撮影地点とその緯度経度、標高の数値が表示されます。標高が42mになっていますがこれはテナントビルの屋上でGPSの測位を行ったためで実際より高く表記されています。

この機能は自身のように道の無い山中に採集に行くような場合はその記録を残しておけるという点において大変優れた機能で、GPSの測位の間隔設定を変更(15秒、30秒、設定なしは5分)することでサイクリングやウォーキング、ジョギング、ツーリング等あらゆるアウトドアにおいてロガー(※定期的に位置や標高を記録してくれる機器)の役割を果たしてくれます。もちろん一台数万円もする専門的なロガーに比べれば性能では劣りますがカメラに付属している機能という点では十分でしょう。
ただしあくまでも付属の機能ということで考えないと必ずしも満足という訳ではありません。他社の同等競合製品との比較でもこの機種とCASIO社の製品は比較的優れているとの評価が市場でされていますが、まずどれにおいても測位し難いという難点があります。ケータイやカーナビにおいては測位に独自のサポートシステムがありますがカメラに内臓のものは純粋に人工衛星の信号を捉えるだけですので人工衛星の電波をキャッチしにくい環境下(屋内や車内、周りが障害物に囲まれている場所)ではなかなか測位してくれずせっかく撮ってもデータが記録されません。カメラを出す度にいちいち測位を待っていたのではせっかくのシャッターチャンスを逃すこともあるのでどうしてもGPSデータを残したい場合は気長に測位を待つか測位を15秒おきに設定することをお勧めします。設定しておかないとGPSをONにしても一回測位に失敗すると5分後まで再度測位してくれません。
仮に測位していた場合でも5分に一回の測位では移動している場合は最悪5分前のデータが記録されるので位置が実際とことなることがあります。15秒に設定することで位置ずれや測位の失敗もだいぶ改善されますがその分バッテリーの消耗が激しいです。
ログの間隔を短くする場合は予備のバッテリーは必需でしょう。
このように便利な機能と言えど良い事ばかりではなく必ず短所や不満もありますがカメラの価格(希望小売価格は約4万円ですが実勢価格は購入当時で2万円前後)を考えればこの値段でこの機能なら買いだと思います。

補足ですが、主な性能においても必ずしも満足ではありません。
以前使用のものに比べればすべてにおいて優れてはいますが画質という点で画素数(約1400万画素)の割りには以前の200万画素の機種と期待したほどの差がないということ。カメラに詳しくない人は画素数=画質と思っている方が多くいますが必ずしもそうではありません。むしろ画素数よりも受光体の大きさや数、処理能力による差が大きいと言っても過言ではないでしょう。ですから画素数だけで判断するのは早計です。
一般に同じ画素数ならケータイカメラ→コンデジ→一眼レフの順で画質は良くなると考えていいでしょう。ましてや低画質で撮る場合やネットへのUP用ならさほど差は無いでしょう。
ただし画像のサイズが同一でも最初から低画質で撮ったものと最高画質で撮った後に編集でサイズを縮めた場合では差が生じます。その際は画素数が大きい方が有利でしょう。
あと接写以外で全体的にピントが甘いということと色彩が若干薄く感じるという不満点があり、自身はほとんど使用しませんが動画撮影においてはハイビジョン撮影でありながらも光の関係でノイズが酷いという評価があるようです。
さすがにこの価格で全てにおいて満足するのは欲深いということなんでしょうね。
やはり「味噌は味噌屋で」ということなんでしょうか、各機能にハイレベルを求めるなら専門の機器を使用することを薦めますが、ある程度妥協できるのならばお勧めの製品です。
今までなかなかアウトドアに特化した商品がなかっただけに現状の完成度でも非常に面白い商品です。
アウトドア派の方は購入の参考にしてみればいかがでしょうか?