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店長日記

冬到来。そして年の瀬へ。

2011年12月22日



いよいよ本格的な冬ですね。
当地富山も初雪が降って以降、ずっと時雨や雪の天気が続いています。
本来ならこの時期これが当たり前なんですけど今年はいつもよりも秋のキノコ採りが長く楽しめただけにちょっと名残惜しく感じます。
クリスマス寒波の来襲ということでこの寒波で完全に山も入山不可となりました。

そんなわけで前回の店長日記の後も日記には書いてない時も含めて2~3日に1回の頻度でフィールドに通いました。
自身にしてみれば目的は何でもいいんです。
コケ採りでも材割りでも収穫がなくても来期のポイントの開拓だけでもかまいません。
とりあえず山に行かないと落ち着かないのです。

12日は店休のため午前中から一人で先週も行ってたオオクワポイントへ。
といっても目的は7日に見つけて取り置きしてきたナメコ採りの予定です。
目的地に着くとナメコの木に向かってまっしぐらに歩きます。
前回ある程度周辺は見たので特にキョロキョロ見ることもなく歩いているとついついオーバーペースで息が切れます。こんな時にクマに襲われても対応できる体力が無いだろうな…などと思いながらきつい斜面を登っていきます。

いざナメコの木に着いて見ると、




確かに良い感じではあります。左がこの日の状態、右は5日前の状態です。見た目に大きくなっているのが分かるでしょう?




↑ 画像のように部分的には採り頃に近いものもあるのですがまだ幼菌も多く、個人的にはもう少し傘が開いた状態が好きなんです。採ろうかどうか迷いましたが今年最後のナメコになるかもしれないので焦らずにもう数日待つことにしました。
来ようと思えばいつでも来れるので雪が積もりそうならその時点で採りにくればいいかと自らを抑えました。

さて採る目的をなくしてしまったので手持ちぶさたになり、せっかくここまで来たのだからと前回登ったところよりさらに上の尾根を目指して登ってみることにしました。
しばらく登ると、




5日前に来たときにも見た倒木に新たにヒラタケの幼菌が出ていました。
ヒラタケこそ大きなものの方が食べ応えも味もいいので手を付けずにこの日はスルーです。次回、さっきのナメコと一緒に採るつもりです。
さて、さらに上に行きます。




今度は落ち葉の上にスズメバチを発見しました。
時折、雪の降る寒い中何をしているのだろう?と思って見ていると盛んにお尻を前後に震わせて体温を上げようとしています。たぶん来年の女王蜂候補でしょうが越冬場所をうまく見つけられなかったのでしょう。かわいそうですがこれから朽ち木等に穿孔するのはまず無理でしょう。
自然の摂理なので下手に助けずにそのままやり過ごしさらに進むと、状態は決して良くはありませんが何とか材割り出来そうな朽ちた根っこを見つけました。
この辺は立ち枯れはたくさんありますが材割りできるような材はほとんどありません。




思ったとおり割って見ると割れるような腐朽部はほとんどなく、やっと1頭の幼虫を見つけることができました。頭部の色からコクワではなさそうなので持ち帰りました。
他に割る材もなく再び登り始めて車を停めた場所から標高差で200m近く上まで来ました。200mといっても藪が残る斜面を手を付きながら登るのは結構疲れます。
尾根の上まではさらに150mほどあるのでもう引き返そうと思ったら目の前にヒラタケが。




そんなに大きくはありませんが次回またここまで登るのは嫌なので採らせていただきました。採って車まで下山してきましたが、収穫量としては不満が残りますので近くの去年ヒラタケを採ったポイントに向かいました。




目当ての木にはヒラタケはあったのですが残念ながらすでに腐ってました。だけど別の倒木で↑画像のヒラタケを発見。一株だけですがヒラタケステーキにもってこいの大型のものがゲットできました。
こうなるとさらに欲が出てきてコケ採りモードに。
少し下流域のオオクワの材割り採集候補地に行きます。もちろん材割り調査という大義名分のもとでのコケ探しです。




↑のような見事な立ち枯れがたくさんあり折れた倒木には腐朽が進んで材割りには手ごろな材もそこそこありますが、長年の勘から割ってもクワガタの幼虫は入っていないと見切ってオノは一刀も入れずに目はキノコを探しています。
すると、




1本だけでしたが主観的には採り頃のナメコがビッシリと生えた立ち枯れが見つかりました。
この木だけで3~4kgの収穫になりすっかり満足です。
それ以上歩き回る気力もないので下山して先週見つけて取り置きしておいた別のポイントのヒラタケの様子を見ることに。




この木には数株出ているのですが思ったほど生長していません。画像の一株だけ採って残りは再び取り置きです。その後、その周辺で別の幼菌も発見しました。↓




この幼菌を含めてここのヒラタケはこの生長具合から予想すると年内に採るのは無理でしょう。この後、積雪することを考えると来年雪が解けたときに採りに来るのがベストでしょう。ヒラタケは雪の中で凍りながら雪解けまで鮮度を保っているのです。雪が少なければ年明けにでも再度来て見ようと思います。

さて16日には再度12日と同じコースを見て回りました。
天気は相変わらず雪でポイント付近では時折吹雪いていました。
このポイントは山岳地帯の入り口に近いため平野部では積雪が無くても100m標高を上がるだけでも雪の量が全然違います。




↑吹雪き模様のポイント付近。雪起こしの雷がとどろいていました。
前回同様、真っ先にナメコの発生木へ。






↑左下は4日前の状態。右下がこの日の状態。
だいぶ良い感じにはなっていますが気温が低いため生長の度合いが遅く、欲を言えばもう少し開いて欲しいところですがこれ以上待っていると雪で入山できなくなる可能性が高いため今回で全て持ち帰ることにしました。
まだ幼菌もあったため総量で2~3kgと予想より少なめでした。

続いて尾根を登って前回見つけたヒラタケの具合を見に行きます。




やはりヒラタケもあまり生長していません。
採れるレベルの大きさですがあえて採らずに残すことにしました。この後、入山できなくなってもヒラタケなら雪解け時に来ればおそらく残っているでしょうからその時の楽しみにとっておきます。

このポイントを下りて再びオオクワの材割り候補地に場所を移して前回見ていない場所を散策します。
だいぶ雪の降り方も激しくなってきたのであまり道路から離れた場所まで進むことはできないため、あまりキノコも期待できないな…と思いつつ目に入るムキタケを少しずつ採っていきます。
本来ムキタケのピークは過ぎているのですがこの時期のムキタケは小粒で色も黒っぽく食感も秋のものより歯応えがあり通には受けがいいキノコです。
それだけで何とか2kg近く採れて下山しようとすると、




立ち枯れの根元周りにちょうど採り頃のヒラタケの群生を発見。
さっきのヒラタケを採らずに残しておいた分をここで回収できてラッキーでした。
これだけで3~4kgの収穫でこの日の収穫総量は7~8kgになり午前中だけにしては上出来でした。

そしてさらに3日後の19日、この日はS氏と同行して再びそのポイントへ。
この日はS氏もいるということで一応メインは材割り採集です。
この日も富山市内は未明に薄っすら雪が積もった程度でしたがポイント付近は道にも結構積雪しています。
このポイントの道は民家が近くにあるもののそこから先は除雪が入らないためおそらくこの日が最後の入山となるでしょう。

いざ斜面に歩いて入ると深いところでは30cm超の積雪で立ち枯れは確認できるものの倒木は雪に埋まっていました。




↑ここもカシナガの食害でかなりのコナラが立ち枯れになっています。

倒木が埋まっているので割るような材が見つかりません。仮に見つけても雪を払ってからなので無駄な労力を要します。
必然的に下よりも上の立ち枯れを見ていると。




高さ4mくらいの場所にナメコを見つけてしまいました。
見つけた以上当然採らなくてはいけないので長い枝を使って落として回収しました。




↑同じ株の倒木にはビッシリと幼菌が発生しています。ただこれは生長しても回収しに入山することができないのが心残りです。
とりあえずナメコを採って、再び材割りをするべく範囲を広げて別の斜面を登っていくと途中で腰に下げていた手オノが無いことに気づきました。
たぶんさっき別の斜面で材割りしたときにきちんと腰に差し込まなかったのでしょう…。
探しに戻る気力はないので来春、雪が解けたら探しに来ることにしました。
大事な仕事道具を失った以上、結局あとはコケ採りをするしかありません。
S氏が材割りしている傍ら自身はコケ探しです。




再びナメコを見つけましたがやや老菌になっていたので傘裏が茶色に変色していないものだけを選って採取しました。
さすがに雪は遅くてもこの時期になると老菌が目立ってきます。もう少し早く見つけていればと口惜しく思いながらあきらめて別の木を探します。




すると1本にヒラタケとナメコが混生している立ち枯れを発見!
一粒で二度おいしいとはまさにこのことです。山の神様ありがとう!
ナメコはさすがに老菌も混じっていましたがヒラタケは採り頃でした。
近くの木からもヒラタケが見つかりヒラタケだけで二人で6kgくらい採れました。
今期のコケ採りとしては有終を飾ることが出来満足でした。
積雪が多くこれ以上は厳しいと判断してこのポイントをあとにしました。

ただ、この日は材割りがメインであったにもかかわらず幼虫を1頭も採っていなかったので時間も少し残っているので以前自身がオオクワを採取している水系の河川敷でヒラタの幼虫を採ることにしました。
到着してS氏に予備の手オノを借りてポイントに向かうと、2年以上ぶりのポイントは環境が思った以上に変わっていて倒木や立ち枯れがかなり減っていました。場所から考えて大雨の際の洪水で地形が変わったようです。
それでも何とかヤナギの朽ち木を見つけました。




↑ネンドタケのキノコが生えた状態の良い株です。
早速割って見ると、




2齢の幼虫が現れました。頭部の色からしてコクワではなさそうですがヒラタやノコにしては地表より結構上の部分で採れたことを考慮すると確定ではありません。
まさかな~?と思いつつさらに割ると5頭ほど2齢幼虫が出ました。コクワの3齢も数頭出ましたがそれらはリリースして2齢だけを持ち帰りました。
冬季は頭部の色がやや濃いコクワの幼虫もいるので羽化してみたらコクワでご苦労さん…ということになるでしょう。
まあ一応材割りの結果があったので良しとしました。

結局、秋からほとんどキノコの採集日記と化していましたが楽しかったコケ採りもこれで打ち止めでしょう。
これを書いている今日も雪が降り続いており山は完全に冬眠に入ります。
来春、次は山菜の時期にまた訪れます。

もしかしたら、今回の日記で今年は終わりかもしれないので新年こそはオオクワガタが採取できたという報告がこの日記で出来るようがんばります。
と言うものの山に行くのは材採り以外は大部分が趣味なので本業のクワガタから外れることもご理解いただければ幸いです。
年内に更新できなかった時のためにあらかじめ今年も一年皆様のご厚意に感謝を申し上げると共に新年も変わらずご愛顧いただけますようお願い申し上げます。

新年が皆様、そして日本にとって明るく平和な年でありますように。