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店長日記

初物のナメコとヒメオオ材割り

2011年10月21日





↑5色に染まるブナ林の紅葉

2週連続で有峰に行ってきました。
標高1200m以上は紅葉もピークを過ぎてブナなどの高木は落葉が始まりました。
平地ではまだ木々も本格的に色づいていないため季節を先取りした感じで気分がいいです。
ブナの森は春、夏、秋とそれぞれに違った魅力がありいつ来ても飽きさせません。
紅葉も終わりが見えてきてそろそろ冬支度を始めた山ですがこれからがキノコのシーズン本番ということでウキウキするのは私だけでしょうか?
しかしこの有峰のポイントも入山できるのは今月一杯ですので楽しめるのは今のうちだけです。

あいにく2週続けて天気には恵まれず曇天で真っ青な空に映える錦秋は拝めませんでしたがそれでもやっぱり見事です。



↑道から斜面のブナ林の中に入った者だけが見ることができる目に鮮やかな紅葉。
キノコ探しの足を止めてしばし見入ってしまいました。

今回の目的はキノコ時々ブナ材探し。
早速ナメコを目指して先週も訪れたマイポイントへ。




おーっ、あった!
まさに採ってくれという声が聞こえそうなベストタイミングのナメコです。
↓の画像は先週撮影した同じナメコの幼菌です。



1週間待った甲斐がありました。
すぐに採って持ち歩くとキノコが崩れて傷んでしまうため、まずは周辺をさらに探してみることに。




ほどなく近くのブナの倒木でこれまた採り頃のナメコ発見!
オマケにこの木にはナメコと一緒にブナシメジも出ていました。↓
ブナシメジは美味で人気もありますが、なかなか見つからず昨年は全く採れませんでしたが今年は幸先が良さそうです。




ブナシメジは数本だけでしたがナメコと一緒に採取させていただきました。

今日は大漁か?と思ったもののその後はこのポイントではナメコは見つからず…。
ブナの落葉が始まっていることを考えれば時期的にはもっと出ていてもいいはずなんですがやっぱり今年はキノコ全般に遅いようです。先月下旬に大雨が降った後、雨が少ないことも影響しているのかもしれません。

ナメコをあきらめてブナの産卵材を探しますが適当なのが見つかりません。
ナメコが生えている材は程よく朽ちている感じですが、来年もナメコを採らせてもらうために手を付けるわけには行きません。
ナメコ材以外で探しますがまだ腐朽が若く堅い材が多く切り出しは厳しそうでした。

仕方ないので先週同様にヒメオオの幼虫の材割り採集に変更。
といっても先週も割った材なので割ってないところは手オノが当たると手が痺れるくらい堅い部分ばかりです…。
幹が折れた株の根部からやや地表に上がった、樹皮が剥がれてキツツキが突いた穴がいくつもある付近を割ってみると




↑小さい食痕がいくつか現れました。
「えらい小さい食痕だな…?」
と思いながら、ふと下を見ると割りカスと共に微小な初齢幼虫が数頭落ちています。
これらの食痕の幼虫のようです。
さらに周辺を割ってみると、




また食痕と幼虫が現れました。
わずか10cm四方くらいの部分から10頭前後(数頭潰しました。)の初齢幼虫が出ました。
表面は鳥が突いたりしてはっきりと確認はできませんが産卵痕があったわけではないのでルリクワではなさそうです。
この材からは以前からほぼ100%ヒメオオの幼虫しか採れていませんし、これらの幼虫がいた部位の内側はかなり堅い部分ですのでアカアシの可能性も低そうです。

消去法でいくとヒメオオの可能性が高いのですがヒメオオが局所的にかため産みをするというのは初めて見ました。
もしヒメオオなら自然下の貴重な産卵形態を発見できました。
今後の研究に生かしたいと思います。

そうこうしていると同行したS氏が別の倒木からヒメオオの♀の新成虫を割り出しました。




まだ腹も赤く羽化したてのようです。気をつけて持ち帰ることにしました。

別のポイントへ移動しヤブ漕ぎをしながら斜面を登りナメコを探しますが最初に見つけて以降採取できるようなものに巡り合いません。




↑のようにわずかな幼菌ばかりでこれらも来週以降でないと採れません。
今回も大漁ならず…。
さらに別のポイントへ移り買ってきたコンビニ弁当を野外で食べたのですが、雲行きが怪しくなってきてガスが掛かり始め気温も10℃以下まで下がり寒い思いをしながら食べました。

モチベーションも下がり、山道を歩いて散策する予定も取り止めて戻ることに。
帰路、来る途中に目を付けておいた場所を再度確認していくことに。
改めて周辺を探すとちょうどおあつらえ向きのブナ材を発見。
山の神様はちゃんとお土産を持たせてくれました。感謝!

さらに薄暗くなり始めた中、斜面を降りていくとナメコ発見!
こちらもお土産にちょうどいい量が確保できました。感謝、感謝!
まだ幼菌も多くあるため来週もし来れば確実に採取できるでしょう。
期待を残して下山してきました。

夕飯にはもちろん今年初物のナメコを嫁に頼んで早速ナメコおろしに。
やっぱり自分で採ったナメコは格別です。