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店長日記

さあ、コケ(キノコ)採りだ!おまけでクワガタ採集

2011年10月14日



秋ですね。
秋はやることがたくさんあります。
自身の秋はヒメオオ採集から始まりコケ採りと材採りに移行していきます。オオクワガタの材割り調査もしなければいけないので時間が全く足りません。

先日の連休前に今期最後のヒメオオ採集に行きましたが前回の店長日記で書いたとおりすでに発生も末期となりポイント周辺も最低気温は霜が降りるくらいにまで下がり、この日も晴れていたものの午前10時前で8℃しかありませんでした。




ポイント付近ではナナカマドの実が真っ赤になっていました。
「こりゃいないな…」と軽く流していたら1頭だけ小型の♂がいました。




ここのヒメオオもこれが最後です。来年も大型個体が採れますように…。

富山県のヒメオオは8月末から10月始めの1ヵ月半しか採れません。短い出会いに名残惜しみながらもせっかく来たのだからキノコ探しにスイッチします。
できればマイタケを探したいのですが、とりあえず食べられるキノコなら何でもOKと探し始めましたが何にも見つかりません。




崖をよじ登ってミズナラの大木の立ち枯れを見るとビッシリ発生したシハイタケ。
マイタケは?と根際を見ると、




群生しているキララタケです。
可食ですが本命はマイタケだったのでスルーしました。
他を探すもキノコらしいキノコが見つからずこの日は撤収。
帰り際にコケ採り(富山弁でキノコ採りのこと)に来たという採集者と会い話をしましたが、やはり何も採れないとのこと。
今年は発生が遅れているという結論に達しました。

この後、店の営業があるのでゆっくりできませんが良い天気だったので利賀方面のマイポイントに向かいました。
ここは山菜、キノコ、ブナ材のポイントで昨年までは悪路のため一般者はほとんど入らなかったのですが昨秋から林道の改修で舗装化が進んで途中まで人が往来するようになりました。
そのおかげで大事にしていた山菜や目を付けておいたブナの立ち枯れが撤去されて自分にとってはいい迷惑です。

時間がないのでキノコのポイント探しだけです。
ここはミズナラが多いのであわよくばマイタケ、もしくはこれから出てくるナメコの発生木を見つけられればラッキーです。
改めて観察するとミズナラの9割以上がカシナガの食害で枯れています。
これではマイタケは期待できませんがナメコは枯れて数年の内に発生する可能性が高いので期待大です。




注意深くミズナラの立ち枯れを見ていると樹皮のめくれた所にビッシリとキノコが。↑
ナメコの幼菌かと思ったのですが近づいてみると黒い菌糸束が確認できることからサワモダシ(ナラタケ)の幼菌でしょうか?そういえば今年はまだサワモダシも見ていません。




↑立ち枯れの株下で越冬の準備をするスズメバチ。

やはり時期が早いのかほとんど見つかりません。
…と、倒木の横で見つけました。↓
カエンタケ!




猛毒です…。
食べたら致命的です。全国的に発生が多いみたいなので気をつけてください。素手で触るのもやめましょう。
ろくなものが見つからないのでやる気が失せて終了~。

連休中は午前中だけですが再び利賀の別のポイントへ。
林道からさらに歩きでやぶの小道へ。
途中まで誰かが草を刈っていたのですがその先は手付かずのやぶです。
そこで妙な場所がありました。




小道の真ん中の土がえぐれて水が溜まっています。
落とし穴???
よく見ると周りの泥の上に何やら足跡が…。




最初はカモシカかと思ったのですが、どうもイノシシのようです。
イノシシが身体を擦り付けるのに穴を掘ったのでしょう。山間の農家ではこのように畑を荒らされる被害が多いようです。以前はイノシシの被害は富山では少なかったのですが近年増加しているようです。

やぶ漕ぎをしながら進んで行くと足元に転がっていたミズナラの枝にブナハリタケ発見。




今年初のブナハリタケがブナではなくミズナラで見つかるというのも意外でした。
一食分に満たない程度の量でしたが初物なのでとりあえず採取しました。




↑こちらも今期初のブナに発生したツキヨタケ(もちろん毒キノコ)。
今年はキノコが遅いだけに毒キノコでもうれしく感じました。このキノコが終わりかけるとブナハリタケがピークになりナメコやムキタケが出てきます。
あとしばらくの辛抱です。

ブナ林の斜面を進んでいくと今まで見つけていなかったブナの倒木が。
程よく朽ちているようなので材割りしました。






一応オオクワガタの調査をしている地域なので気を遣いながら行いましたが食痕は少なくミヤマと思われる2齢幼虫↑を2頭採取したところでやめました。

翌日は店休なので早朝から一日費やしてS氏と有峰へ行きました。
もちろん本命はマイタケ!そしてヒメオオの幼虫の材割り採集とブナ材の採集。
とりあえず自身のテリトリーとしているヒメオオとブナ材のポイントへ。




早速採り頃のブナハリタケを発見。
やっぱり有峰だなぁと思いながらもやはり例年よりも発生量は少なく感じます。
ブナハリタケは雑キノコなので誰もが喜んで採るわけではありませんが自身は煮物にするのが好きなのでコンビニ袋に1.5kgくらい採りました(あまり多いと嫁に嫌がられます…)。




近くの倒木のあまり太くない枝でナメコの幼菌も見つけました。
この標高で幼菌ならば利賀のポイントはまだ時間がかかりそうです。

ひとしきりコケ採りを終えたところで次はヒメオオの幼虫の材割りです。
コケ採りした周辺の材で採れるので手間が省けます。
この辺りも採集圧のせいか成虫の採集数は年々減っているのですがひとたび原生林に踏み込めば材割りでは毎年変わらずに幼虫が採れます。




ただ、いかんせんヒメオオの幼虫は画像では分かりにくいですが生部に近いカチカチに堅い部位に入っているために体力的かつ技術的にあまり多くは採集できません。
この日も10頭弱採るのが精一杯でした。それだけでも翌日はけんしょう炎で右手が痺れていました。自身は過去に材割りのし過ぎでけんしょう炎になり中指の腱を手術で1本切除しているので再発しないようにセーブしなければなりません。

このポイントでブナ材も吟味しましたが朽木の量の割りには持ち帰るほどの良材はありませんでした。なんせ材が太すぎてどうにもなりません…。

次はメインのマイタケ探しです。
有峰といえばコケ採りにしてみればメッカのような場所です。
以前から見つけて温存していたミズナラの巨木が多くあるポイントへとS氏を案内し笹藪の茂る斜面を登りました。
今まで単独で何回も林道周辺は入っていたのですが今回は二人なのでさらに奥へと入山を試みました。






奥へ奥へと登って行くと見事なミズナラの巨木が現れます。
推定で樹齢500~700年くらいはあろうかというような巨木で胴回りは6m以上はありそうです。
いよいよマイタケが見つかるかと心を躍らせながら見ていくのですが周りを良く見ると、だいぶ前に草を刈ったような跡が…、おまけにタバコの空箱まで…。
間違いなく誰か入っています。
こんなところまで来ているということはさらに上を目指すか場合によってはひと山越えて行かないとダメではないかという思いが頭をよぎりました。
そうなるとちょっと探しに行くというより早朝から山登りを開始しないと時間的に不可能でしょう。
マイタケ採り、恐るべし!

そんなことを考えながらS氏と離れて登って行くと自身の少し上で誰かが笹藪をかき分けています。
やはり先を越されている…
山の中で他の採集者と会うのはお互い歓迎するものではないのでS氏に知らせて場所を変えようとS氏に叫んでいると、先ほどの人の気配がありません…?
しばらくジッとして音を立てずに様子を伺いましたがそれっきり気配がしません。

どうやら採集者ではなく森の住人(クマ)だったようです。
ここまで登ってきて他の採集者に会うくらいならクマと遭ったほうがまだマシだとある意味安心しました。いずれにしろ改めて(たぶん今年はもう無理だが)攻めるしかないとこの日はあきらめて下山しました。
下山途中で少しですがブナの良材も採れたのでマイタケ以外はこの日は結果オーライでした。

マイタケは時期的にもう終わりなのでこれからは他のキノコでリベンジしようと思います。