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店長日記

キノコ日記④(‘14.11.2)、他

2014年11月24日





↑ ‘14年11月6日6時24分、富山市栃谷地区より呉羽丘陵越しに立山方面を望む。
いつものようにバイトを終えて朝帰り時に撮影した珍しい光学現象。
この時期と春はちょうど日の出の時間が帰宅時と重なるので過去の日記でも度々紹介して来ましたが様々な大気光学現象を目にする機会が増えます。
先月の日記でも立山からのご来光を紹介しましたが今回は同じ立山からのご来光の中でも珍しい現象です。
画像では呉羽丘陵越しなので立山連峰がはっきりとは確認できませんが立山の背面から太陽光線が峰の谷の部分から途切れ途切れに差し込んでいるのが光線状に手前の雲に表れています。
この現象は立山上空に雲がなく、なおかつ自身の上空に立山の標高3000mよりも高い上層雲があるときだけこのような光線として見ることができます。
撮影している道路はこの時間通勤を急ぐ車がかなりのスピードで走っているのですが、忙しない時だけにたまにはこのような空に目を向けて(運転に注意して)心を落ち着けたいもんですね。
ではもう一枚癒しの風景を、




↑ ‘14年11月7日、立山町称名滝。
先月の中旬に家族で紅葉を見に祝日の午前中に称名滝に向かったのですが2kmに及ぶ駐車場待ちの渋滞に遭いあえなくあきらめて帰ったので今回はそれのリベンジを兼ねて嫁を連れて8年ぶり?くらいに見に行ってきました。
残念ながら紅葉のピークは過ぎていましたが時雨模様の雲の合間からその姿を見ることができました。
富山県民にはお馴染みの県が誇る日本一の落差350mを誇る称名滝です。
称名滝は4段で構成されていますが画像では1、2段が写っていません。
そのかわり幻の日本一の滝が見ることができます。
それは称名滝の右側に見える細いハンノキ滝です。
この滝は称名滝をはるかに超える落差500m(画像では上部が雲に隠れるくらい高いです)を誇りますが常時存在しておらず水量が多いときだけしか見ることができないため日本一には認定されていません。
ちなみに世界一はギアナ高地にあるエンジェルフォールで落差1000mに及び水が空中で拡散して滝つぼに落ちないと言われておりこのハンノキ滝ですら半分の高さです。
この称名滝は立山アルペンルートのバスからも一瞬見ることができますが高さ500mに及ぶ称名渓谷は滝に向かう道からしか見れませんので是非その圧巻の渓谷美を堪能して下さい。
以上、富山の観光PRでした。

さて、それではいつものキノコ日記第4弾です。
今回は11月2日(日)、再びB氏を同行して先週と同じ県南のポイントへ。
前回10月26日に来たときかなりの幼菌を取り置きしていたのでそれを収穫するのが目的です。
先週と同じルートを見て行きます。




↑ 最初に見つけたのがこの大ナメコ!
多少老菌気味なので持ち帰りませんがその径は20cmオーバーです。
画像で手袋をした自身の手のひらがすっぽりと隠れていることからその大きさが分かるでしょう。
今まで老菌を含めて原型を保っているナメコでは最大の個体です。
おそらく死ぬまでこれを超えるナメコを見ることはないでしょう。




↑ 間もなく見つかった「ザ・ナメコ」と言わんばかりのプリプリの極上品。




↑ 深紅のツタウルシの葉が図らずもアクセントになって綺麗な構図。




↑ 稜線の平場で杉の間から差し込む朝日にちょっと一休み。




↑ 乾燥して傘にヒビが入っていますがこの乾燥ナメコが持ち帰って水戻しすると現場でツヤツヤでプリプリのナメコを凌ぐ極上ナメコに変身します。




↑ まるでアートのようなツリガネタケ。
立ち枯れ時に生えたツリガネタケに枝が折れて落下してから新たに着生してできたものです。




↑ 昨年大発生した御神木で、先週来た際はまだ発生も少なく大半は幼菌でしたが待った甲斐がありました。
見事に成菌になっています。おまけに裏にはまだ大量の幼菌も。
ただ、この木は先週来たときにオオスズメバチの巣を見つけた所から数メートルしか離れていません。
見つからないように静かに採取していると、B氏がスズメバチの巣の向こう側から斜面伝いに上がってきます。
先週B氏にも教えたはずなのですが場所を忘れているのでしょう。ヤバイと思って、
「Bさん、巣があるからそっちから来ないで!」
「え?何?」
「スズメバチいるから!ス・ズ・メ・バ・チ!」
と大声で叫んでいたら、
ブ~ン!と聞き覚えのある嫌な音が。
パトロールのハチが声を聞きつけて警戒に周ってきました。
見つかったと思って背後の斜面に仰向けに張り付いてやり過ごそうとしましたが、そのハチはまるで守っているようにナメコの上から下まで舐めるように異常がないか確認しているようでした。そして何回も周回したあと今度は自身の方に向かってきました距離的に1mほどで完全に目が合ったので、こいつオレに気づいているなと確信したので仕方なく応戦することにしました。
持っているカマを振り回しますが当たるはずもありません。
カマを置いて素手で叩こうとしましたが向こうが間合いを分かっているのか寸でのところで届きません。
ただ、向こうも本気ではないようで威嚇のカチッという警戒音は発していません。
いったん、斜面を木の下まで降りるとしばらくして巣に戻っていきました。
「ナメコを採ってもいいけどマナーをわきまえろよ。」
と言われているようでした。
山に入るには信心深くなくてはいけないというのが自身の信条なので改めて山に畏敬の念を感じた出来事でした。
幼菌は残して別の場所へ移動しました。




↑ 黄葉した葉のように樹幹の至る所に着生したムキタケの群生。




↑ 4世代のナメコが同居する発生木。
画像中央上部の黒くなって完全に萎びた老菌、左側下部の老菌、中央下部の成菌、右側の幼菌という順で4回発生していることが分かります。
多い木ではこの後も5次、6次と発生します。




↑ これが何か分かりますか?ナメコ?
ではもう一枚、




ナメコとはちょっと違います。
じつはこれは天然のエノキなんです。
ナメコ以上に市販の姿と違うでしょう。
ナメコほど群生しないので探して見つかるほどは生えていませんがこれなら一食分になりそうなので持ち帰ります。
(帰宅して嫁に渡すと以前も採ったことはあるのですがエノキであることを疑いながらも味噌汁に入れて味見をしてその出汁の濃さに驚いていました。)




↑ こちらはムキタケが着生していた倒木に発生していたアシグロタケ。
表面の色はツキヨタケやヒラタケのような感じですが肉は薄くぺらぺらで昆布のような感じです。参考までに食用不適です。




↑ 画像中央の左右に連なる稜線がポイント。
画像左下にチラッとB氏の姿が写っていますが、それと比較してヤブの深さが分かるでしょう。
稜線まではたいした距離ではありませんがそう簡単には辿り着けません。
この稜線を上ったところに先週見つけたパラダイスの発生木があります。
幼菌を取り置きしていたのでどうなっているかが楽しみです。




↑ 左が11月2日、右は10月26日。
右画像の幼菌が一週間経って成菌になった様子が分かるでしょう。
この木だけで今回は6kgくらいの収量になるでしょう。
ただ、この期間の気温が平年よりもかなり高めで推移したため予想以上に生長が進んでいました。
主観的にはもう1~2日早く採取できればベストでしたね。




↑ 上画像のパラダイス周辺をさらに奥まで進んで稜線の向こう側の斜面まで行くとそこには再び立ち枯れが点在しておりナメコが発生しています。
この画像ではやや老菌もありますので選別して採りましたが、根元の地面近くまでビッシリと生えたものを全て採取すれば7kgくらいありそうです。




↑ まさに教科書的な綺麗に撮れたクリタケの画像。
図鑑に使用したいくらいのベストタイミングの状態です。
ただこのような綺麗な状態で見つかることは非常に稀なので図鑑等で使うと初心者の参照には向かないかもしれませんね。




↑ こちらも綺麗で食用にはベストです。もちろんお持ち帰り。




↑ こちらはまだ老菌ではないですが虫に食われてボロボロになっています。
通常はこのような状態かもっと濃い褐色になった老菌を良く見かけます。
クリタケは足が速くベストの状態は傘が開いてわずか数日です。

さて、ナメコも予定以上に収穫できて雨も降ってきたためこの日はこれで撤収となりました。
本当ならもう一ヶ所見る予定だったのですがそれは次回の楽しみに取っておきましょう。
この日の収量は自身だけでナメコ15.04kg、ムキタケ、クリタケで2kgでナメコの今期の総収量は45.7kgと一気に伸びました。
それでは次回に続きます。