クワガタ、カブトのオリジナル用品をメインに生体も販売!
since 1998

店長日記

キノコ日記②(‘14.10.26)

2014年11月13日





↑ 10月26日(日)、気温の高い日が続き紅葉もイマイチですがススキの穂が朝日に輝いてやっと秋らしい風情が感じられるようになったナメコのポイント付近。

さて前回から2日後の26日、この日は日曜日ということで当店のブリーダーでもあるB氏を同伴してナメコ狩りへ。
店の営業があるので昼までには戻らなければいけないので早朝から向かいましたが現地についてもほとんど寒さは感じません。
それどころか歩き始めたら暑くて汗をかくくらいです。

今日は昨年もB氏を案内したポイントへ来ました。
ここは自身のポイントの中では比較的遭難や怪我の危険が少なく、かつ大量に収穫が見込める大当たりのポイントです。
むしろ一人で攻めても収穫しきれないのでもったいないくらいです。
ただ、毎年言っていますがずっと安定して採れる場所など皆無です。
他人にポイントを知られたら一気に収量は落ちますし、人に知られなくても山の状態も不変ではありません。
自身が危惧しているのはカシナガの食害で枯れたナメコの発生木も朽ちてから古いものではもう7~8年が経過しており樹皮も相当数が剥がれ落ちて辺材部もボロボロになってナメコの発生には不適な状態になりつつあることです。
カシナガの食害で大ダメージを被ったミズナラやコナラですがその後の思いがけないキノコの大発生という恩恵もそろそろ終焉が近づいてくるでしょう。
全く採れなくなるわけではありませんが今みたいに馬鹿みたいに採れることはおそらく今後生きている間には経験できないでしょう。
だからこそ今の状況を記憶にしっかりと刷り込んでおきたいものです。

そして、今日のこのポイントでも昨年は大量でしたが如何せん大径の発生木もだいぶ老木になってきているので昨年同様に採れるとは限りません。
そんなことを考えながらポイントの木を確認していきます。




↑ 斜面を登り始めてほどなく最初の発生木を見つけてホッとしました。
樹皮の隙間をこじ開けるように発生しています。
採集者が意図的に樹皮を剥がなくてもナメコ自体の発生によって樹皮は剥がされていきます。
樹皮が剥がれた部分はどうしても乾燥して発生しにくくなります。




↑ 立ち枯れの根際に残っていたモタセ(ナラタケ)の老菌。
そういえば今季はナラタケが不作で一回も口にすることができませんでした。
ナラタケが終わるとナメコが出るというコケ採りの言い習わしと経験則からもこのポイントはまだナメコ発生の初期でしょう。
全体的に見ても昨年大発生していた木も発生がイマイチです。
発生木としての寿命が尽きたものもあるでしょうが大半は今から本格的に出てくるでしょう。




↑ この木も昨年は出ていたのに今年は見当たらないので近づいて確認していると何やら足元近くで動くものが…?
「!!!げっ、スズメバチっ!」
足元の洞の回りに複数のオオスズメバチがうごめいています。
どうも洞の内部に巣を作っていたようです。
幸いまだ朝で気温が上がっていなかったため活動的ではなく難は逃れましたが危ないところでした。
昨年もB氏とこのポイントの別の斜面に来たときに巣の近くを知らずに通って襲撃されそうになったのでいいかげんトラウマになりそうです。
付近の発生木もさほど出ていないので早々に離れます。




↑ 周辺を見て回ると昨年も発生していた木で今年もナメコを発見できました。
ただ時期が早いせいか気温が高いせいか昨年ほど発生の勢いが感じられません。




↑ こちらも特質級の房を見つけましたがやはり全体量が少ないせいかイマイチ盛り上がりに欠けます。
やはり幼菌や老菌も含めて全体量が増えないと華やかさがないですね。
11月になれば増えるだろうと希望的観測をします。




↑ ナメコとクリタケのランデブー。
クリタケはナメコのような群生は少なく一房から二房くらいの発生が多いので無駄にはできません。
ちなみにクリタケは崩れやすいのでリュックに入れるときに一番上にしないとナメコの重みでバラバラになってしまいます。




↑ この日のポイントの風景。
斜面の向きで日が当たりにくい場所から先にナメコが出ています。
下草も緑色が多いのでやはり旬はもう少し先でしょう。
画像では分かりにくいですが多くの立ち枯れの樹皮が剥がれて裸になっているのが懸念されます。

一連のポイントを一通り見たところで採れるには採れましたが予想通り収量が思ったほど伸びなかったので一旦車に戻って仕切りなおしです。
ここのすぐ目の前の対面の斜面にもう一つ昨年採集したポイントがあるのですが、反対向きで日当たりがいいのでここより発生は少ないでしょうから今回は敬遠したほうが無難でしょう。
あえて、新規の場所へ行くことをB氏に提案します。
こんなこともあろうかと地形図とgoogle earthで予備の候補を2ヵ所ピックアップしています。
どちらもここから歩いて行ける場所なのでとりあえず近い方から向かいますが直後に図上では把握していたものの渡るべき沢の斜度と深さが予想以上だったのでB氏の安全も考慮して断念しもう一方に望みをかけます。
緩斜面の遊歩道で標高をかせいだ後、立ち枯れを目視できる場所から斜面のヤブに突入して尾根線を目指します。
尾根線にでるとヤブはやや間隙もあって比較的歩きやすいです。
もちろん他者の入山跡はなくちょこちょこナメコも確認できます。
さっそく一本一本見ていくと、




あった!!
今期一番のパラダイス。
やっぱり未踏の地には桃源郷があるもんですね。
この一本の木だけでもここに来る価値はあるでしょう。
幼菌は次回に残して成菌のみ採取しますがここだけで4kgくらいになりそうです。




↑ 別の木のコケが生えた根元付近のナメコの群生。
他の画像も見ていると分かると思いますがコケが着生している木はナメコの発生に適しています。




↑ 小粒ながらこちらも群生。
先ほどのポイントに比べて山続きでも標高が高い分、こっちのポイントのほうが発生量は多いようです。
今回も良いポイントに巡り合えました。




↑ 稜線を下っていくと再び立ち枯れの群生に当たりましたが日当たりが良好なせいかナメコらしいものが目視では確認できません。
これだけ立ち枯れがあれば絶対あるでしょうから次回じっくりと探すことにして下山しました。

この日は午前中のみの採集でしたが自身の収量はナメコ9.56kg、ムキタケ1.5kg、
B氏と合わせればナメコだけで20kg以上(下処理後の計量)になりました。
この時期とすれば十分満足できる結果です。
今期の自身のナメコ合計収量はこの段階で24.45kgとなりました。