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店長日記

あららら、夏が終わりました…。ヒメオオの季節です。

2012年09月04日





富山市内の店舗屋上から富山湾方向上空を撮影
撮影日時;2012.9.1 21時11分50秒 カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS AF 焦点距離 5.0mm(35mm換算で28.0mm) 花火モード撮影(F3.5、 4秒) ISO80 露出補正なし

↑ 夏の風物詩、雷です。今年はお盆以降、例年以上に雷が多かったです。
残暑は厳しいものの太平洋高気圧の勢力が安定せず大気が不安定な状態が続いています。
雷と竜巻が大好きな自身としては心踊る一時ですが災害には気をつけましょう。
雷の撮影は条件に恵まれないと上手く撮れません。たまたまいい条件に当たったので撮ってみました。今回はコンデジでしたが是非一眼レフで撮影したいです。
この日は夕方以降富山湾上空でかなり活発な雷雲が発生しました。上の画像を見ると横長に雲が広がって見えますが、


実はこの2枚の画像のように右と左の2つの別の雷雲で構成されています。
この雷雲は海上だったので良かったですが陸地にかかっていたら相当な豪雨になっていたでしょう。





ついでに上の2枚は8月22日15時過ぎに撮影したものです。上は高岡方面上空に発生して30分ほどの積乱雲です。雲頂部に現れた綺麗なキノコ状のカナトコ雲がこの雲の活動がピークを迎えつつあることを物語っています。通常は積乱雲の周りが低層の雲によって隠れてしまうのでここまで綺麗に見えるのは稀です。(上の画像でも雲の本体は手前の灰色の雲の後ろにあります。)
下はさらに30分経過したもので積乱雲としては最盛期でカナトコ雲は成層圏に達して水平方向に広がり空一面を覆っています。
このように雷雲は発生して30分後には雲下に豪雨をもたらします。特に山に行くときは山間部ではこのように視界が開けていないので雲を見て天気を判断する知識を身に付けましょう。


さて天気の話はそれくらいにして、しばらく更新しないうちに夏が終わっちゃいましたね…。
便りがないのは元気な証拠、と言いますがその通りで日々の作業に忙殺されて更新ができなかっただけで店は問題なく営業しています。
おまけに自宅のPCが諸事情により9月の中旬までネット接続が不通になっているため自宅での更新作業ができませんでした。
そう言うと店がかなり繁盛しているかのように聞こえますが、今年の夏に限らず夏はイベントや通常の作業が増えるためこの商売は普通に忙しくなります。
ましてや夜間のアルバイトもあって昨年のようにライトトラップ三昧というわけにもいかず8月は1回も採集に行けずじまいでした。
おかげで不本意ながら来月発売の昆虫フィールドの記事は今回休稿となりました。
慌ただしく夏が終わってしまい夏を満喫できるレジャーもほとんどできませんでした。



↑ 8月1日に行われた富山の花火大会。開催場所が自宅の近くなので家族と一緒に楽しむことが出来ました。有名な花火大会に比べると完全に見劣りしますが家族で観賞するには十分でした。

それ以外は採集も夏のレジャーも家族の行事である恒例のBBQもできませんでした…。
もちろんクワ貧の自身にとって仕事やアルバイトは大事ですが、家族や余暇の時間も大切にしたいと最近特に思います。思い出は将来作り直すことはできませんからね。

そんな訳で気がつけば夏も終焉間近でBGMで聴いているチューブも寂しげなスローナンバーが似合う季節になってきました。洋楽ならこの季節はAORがお勧めです。特に秋にかけての夕方なんかは聴いていて切なくなります…。
そんなことはどうでもいいですが、この時期になると恒例なのがヒメオオ採集!
今年もお盆前後には複数のお客様から在庫のお問い合わせがありました。
別にのんびりしているわけではないのですが、過去の店長日記を見ても分かるとおり当地ではヒメオオは9月にならないと本格的に発生しません。
それを分かっていながらも毎年先走って空振りするのですが、今期は早い時期に問い合わせがあったこともありご多分に漏れず気持ち的に焦ってしまい盆明けに前倒しして採集に出かけました。



8月20日、ヒメオオのポイントへ向かう林道。車両は進入できないため徒歩で向かいます。往復で6~7km、約4時間はかかります。
これで採れなかったら…と思いながらも覚悟を決めて厳しい残暑の中を汗だくで歩き始めます。
なんせこの時期は暑さもそうですがオロロ(当地の呼び方でイヨシロオビアブ)とウシアブの猛攻撃を食らい気が狂いそうになります。
虫除けなんか全く役に立たないので自身はキンチョールを頭から全身にブッ掛けます(良い子は真似しないでください)。



歩き始めて間もなく、まだ標高的にヒメオオのエリア外のヤナギで見つけたアカアシのペア。
行きがけの駄賃にと採取したのですが、これがアヤの付き始めで最初に余計なものを採ると本命が採れないというジンクスをないがしろにしていました。
やっとポイント内に入って探し始めるも肝心のヒメオオは発生している気配がありません。
なんとか1頭だけでも…と願っていると、


いました!念願の今期初物です。
例年ならこの時期は越冬したボロボロの♀が見つかることが多いのですが、今年は新成虫の♂が見つかりました。
よし、この勢いでと思いましたがその後必死に探すも結局♂が4頭だけでした。
まあ採れただけでも良しとしましたが♀が採れなかったのは意外でした。
なんか発生のリズムが違っているのでしょうか?



↑ ヒメオオのポイントにて夏の濃い青空にそびえるブナの立ち枯れ。




大雨によって起きた土砂崩れで抜けた山道。車両が入らないため復旧されずにそのまま放置です。何ヶ所か見られましたがそのうち徒歩でも通れなくなることが懸念されます。

一通りポイントを見て行き止まりまで着いた後に引き返しました。
帰りも諦めがつかず行きに見なかった場所を探していきます。
沢の横の斜面を少し下りた所に生えているヤナギで枝に止まっているところを発見し滑落しないように降りて行き採ろうとしましたが高くて穂虫網も届かず木を蹴ったところ落ちて行方不明になりました…。
あきらめて道に戻り荷物を背負って歩き出して身に付けていたクマ除けの鈴が鳴り始めたときに同一の斜面の15mほど先からクマが飛び出してきました。
1m余りの成獣でしたがそのまま斜面を駆け上がって逃げて行ったので写真を撮ることができませんでした。
斜面のヤブの中で遭遇しなかっただけラッキーでした。

とりあえずヒメオオが発生していることは分かったので次は4日後の24日はホームグラウンドである利賀のいつものポイントへ。


残念ながら期待した割りには画像の♀1頭だけしかいませんでした。
やっぱりかという感じで時期尚早だったようです。
ここは毎年2回くらいは先走って空振りします。

それならばと、さらに3日後の27日に再度アタック。
しかし、全く発生の気配なし。発生していればヤナギの枝にかじった痕があるはずですが確認できません。
このままではボウズになると焦って深いヤブに入っていくと軍手をしている右手に鋭い痛みが!
ヤバイっ、毛虫か?と思った瞬間、目の前を飛び回る複数の物体が…。
ハチだ!と分かった瞬間には顔面にも複数の痛みが…。
いつもならガード用のグラスをしているのですがこのときだけしていませんでした。
皮肉なことに災いというのはそういうときに限って起きるもんですね。
慌てて引き返しながら右手を見るとミツバチらしきものがしつこくしがみ付いて刺し続けています。
車に戻ったときにはあまりの痛さに「イテテテテテッ…」と声を出し動けませんでした。
ミツバチといえど刺されたときの痛みはハチに変わりはなく特に10秒近く刺され続けていた右手の痛みは半端じゃなかったです。
過去にアシナガバチには数回刺されていますが痛さは今回の方が上でした。
幸い顔は3ヶ所刺されましたがすぐに振り払ったのでさほど痛みはなかったです。
数分もすると痛みはほぼなくなり刺された場所も腫れることもなく一安心しましたが、採集の意欲を喪失させるには十分な痛さでした。
完全に戦意を喪失してそのポイントを後にしました。
その後、新たなポイントを開拓しに行くも何も見つからずに終了。
帰り際に見た山並みが切なかったです。↓



帰宅して嫁にその出来事を話して「スズメバチじゃなくて良かったね」という返事でその日は就寝したのですが、夜中にふと目を覚ますと刺された右手の薬指が猛烈に痒いです。
痒さで寝ながら掻いていました。
翌日起きると刺されていたところが小さい水疱になっています。ミツバチに刺されると後から痒くなるということをこのとき初めて知りました。皆さんも覚えておきましょう。
気にせずにそのまま仕事をしているとだんだん指が腫れてきました。
たかがミツバチと完全になめてました。
夕方には指が曲がらないくらいになり仕方なくその日のアルバイトは休みをもらいました。せっかく休んだのだからと晩酌に缶ビールを1本飲んだらさらに痒みと腫れが倍増してその夜は痒さで何回も目を覚ましその度に保冷材で冷やす羽目になりました。
さすがにその翌日には皮膚科で薬を処方してもらいました。


↑ 左は刺された翌日の腫れがMAXで水泡ができている状態。右はさらに翌日、刺された周辺が赤くただれてきた状態。

そんなことでめげているわけにもいかないのでさらに中3日で登板しました。
この日も利賀のポイントへリベンジです。
すると、うって変わってこの日は大当たりでした。
わずか4日の違いでここまで違うか?というくらい違います。
これがヒメオオなんでしょうが、毎年採っていても何がきっかけで発生するのか未だに分かりません。あえて変化を言えば前回は雨がしばらく降っていなかったのが今回は前日に雷雨があったということでしょうか。降水がきっかけになったのかもしれません。
この日も雷注意報が出ており午前中のうちに雷雨が降り出したのでいいかげん撤収しましたが一部リリースしたものの収穫としては十分でした。






↑ この日はヒメオオ採集を堪能できました。

先日の採集に気を良くして9月3日には当地八尾で行われている「おわら風の盆」の会場を横目に見ながら岐阜の徒歩で向かうポイントへ。全国的に有名な「おわら」ですが自身は見たことはなく今年もヒメオオの方が魅力です。

先日の利賀の様子からこちらも期待しながらひたすら徒歩で探して行くとどうも予想と違います。
前回以上になかなか見つかりません。発生している痕跡はあるのですが…。
しばらく探して理由が分かりました。この日は店の定休日の月曜日です。おそらく土、日に先客があったようです。
いくら発生が始まっていても根こそぎ採られた昨日の今日ではほとんど採れないでしょう…。
昨年もそうでしたが、山菜、キノコ、クワガタと同様の失敗が何回もあるので現在店の定休日の変更を真剣に考えています。金曜日に移行する予定ですが決まったらHPにて告知いたします。
とりあえずそのポイントは最後まで探さずに前回の♂4頭とペアにする♀が採れたところで撤収しました。それでもすでに3時間が経過しています。
あと1ヶ所回るのが精一杯かな、と思いつつ昨年から地図では目をつけていながら行っていない処女地を攻めて見ることにしました。

果たして行けるのかどうかわからないポイントを目指して、もう2度と来たくないというような通常の乗用車ではおよそ走れないようなガラが転がる悪路を何とか走っていくと標高が900mを超えた所でチェーンが張ってあり通行不可に…。
ここまで来て引き返すのも悔いが残るし、かと言って目指すポイントまでは標高差で300m最低でも200m、距離にしたら片道2~3kmはあります。
急いで歩いても片道1時間はかかります。おまけにすでに6kmを3時間歩いてきたところなので体力的に持つかどうか…。
不安でしたが、まだ見ぬヒメオオのパラダイスを目指して頑張ることにしました。
あと100m行ったら引き返そうと思いながらも何とか標高1100mまで辿り着き、ヒメオオの生息エリアに入ったのであとは探すだけだと思っていると1150m付近のヤナギ数本でヒメオオ発見!
しかし斜面が急で下手をすると100mくらい滑落しそうです。おまけに枝の高いところにいるので網が届きません。やけくそで木を蹴ったら案の定、落下して行方不明に…。
それでも数ペア確保できました。♀では今期最高の39.8mmの個体が採れました。


↑ ヤナギの根元に潜んでいたヒキガエル。体長20cm以上はある大物でした。おそらくこの辺りの主でしょう。バチがあたらないようにそっとしておきました。

大型の♀が採れてパラダイスを思わせる予感にワクワクしながらさらに進むと1200mを超えてところであえなく行き止まりに…。
結局さっきの1ヶ所だけしかポイントはありませんでした。
さすがにここは未踏のポイントで来れば確実に採集できると思われますがこの1ヶ所のヤナギのためだけに再度訪れるかというとビミョ~な思いです。

結局この日は延べで5時間強、10km以上を歩きました。ここまでくるとほとんど登山ですね。普段からバイトで身体は動かしているので体力的には何とか持ちましたが翌日はお尻の筋肉痛に見舞われました…。



↑ 帰る途中で見かけた風景。山の左半分の木がほとんどありません。伐採したにしてはその後植林した形跡がありません。他にも同様の場所があったので地滑りで山が崩壊した跡でしょうか?それにしては境界が綺麗過ぎる気がします。
いずれにしても何らかの対処をしなければ再び地滑りが起こる可能性が高いでしょう。

さて今月はヒメオオもさることながらブナとケヤキ材の採集、月末にはいよいよキノコのシーズンの到来です。これからが一年で最も多くフィールドに訪れる時期なので楽しみです。

追伸;今回採集したヒメオオは順次生体商品としてUPする予定です。