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店長日記

材採集(エノキ)

2010年02月16日

今日(15日)は採集仲間であるリンク先の「風の里」の風氏と共に材採集に行ってきました。
目的はエノキ材。
しかし当地の富山市は平野部でもまだ積雪のため不可能なので比較的雪の少ない県西部の平地を含む里山地区での採集です。

オークションに材を出品して改めて感じたのですがエノキ材に対するブランド意識は相当ですね。
もちろん実績と使いやすさを考えれば当然なのですが、長年材採集を行い様々な樹種の天然材を使用してきた経験者としての立場から言えば、エノキ材は状態的にハズレが少ないというメリットは確かにありますが状態が適したものであれば極端に樹種にはこだわりません。

タランドゥスがカワラ材に好んで産卵するとか、オオクワガタが同じコナラ材でもシイタケホダ材よりカワラ材を好むというように樹種ではなく腐朽菌(腐朽した状態)によって結果が左右されるというのは周知です。
樹種によって左右されると言えばヒメオオクワガタが挙げられますがこれはブナ帯の樹種に対する依存種で局地的な分布であることを考えれば無理もないでしょう。
外国産でも局地的な生息で特定の樹種に対する依存する種は確かにいます。
しかし国内でその対象木を入手することは困難なので必然的に代用種を使うことになります。その際に重要なのはいかに対象木に近い材を選択するかということであり、エノキありきではありません。
レアなクワガタ=色虫=柔らかい材を好む=エノキ
という図式なのでしょうが柔らかいという条件だけならば他の樹種でも十分代用は可能です。

クワガタではありませんがエノキに産卵する虫の一つにタマムシがあります。
ただタマムシは他にサクラ、カシ、ケヤキ等にも産卵します。
つまりエノキを好むならそれらの木でも可能だと言えるのではないでしょうか?
実際、フタマタクワガタやシカクワガタでもサクラやケヤキ、他の樹種でも爆産したという話はいくつも聞いています。

自身はエノキだけが特別という意識はないのですが(どちらかというとブナが好み)、一応はプロですのでユーザーの需要にはお応えしたいという思いから最近はエノキ材の採集に力を入れているのですが、やはり思うように手に入りません。
いかんせん、山に行くほど少なく人里の近くや民家の屋敷林には良く見かけるのですが見るだけでどうしようもありませんし、おまけに生木です。
入手しにくければユーザーが欲しがるのも無理はないですね。

というわけで、エノキ以外の樹種も使ってみましょう。f(^^;

ちなみに今日の成果は200km近く走って採れたエノキ材は折れた枝が朽ちていた1ヶ所のみでした。
採れただけラッキーです。