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店長日記

秋も終盤

2011年11月24日



今月に入ってから冷え込む日が出てきてやっと秋を実感できるような陽気になってきました。ただ相変わらず寒暖の差が激しく当地では南の強風が吹いてフェーンとなり20℃くらいまで気温が上がったかと思うと翌日には雪が混じりそうな冷たい時雨となりこの時期北陸特有の天候で2週間前にひいた風邪が未だに治りません。

暖かい日が多いのでもうすぐ師走だというのがピンときません。
昨年もそうでしたがこういう年に限って一旦寒くなると一気に真冬のような寒さになるものです。雪国に住んでいる方は車のタイヤ交換のタイミングが難しい状況ですね。
この陽気ならまだまだ雪は下りてこないだろうと思っていて先日山にコケ採りに行って吹雪に遭い車はスリップするわ斜面では何回も滑って滑落するわで自然を侮るとろくなことはありません。確実に冬はそこまで来ています。

例年なら10月下旬から11月上旬にかけて山では1回くらいは積雪することがあり、それで冬の到来を意識するのですが今年はそれがありませんでした。
さすがに時雨れたときは気温も上がりませんが晴れてさえいれば800m超の山でも歩いていて汗だくになるくらいでまだまだ秋の山を楽しめる雰囲気でした。
しかし雪が降ろうが降るまいが雪国では時期が来れば山間地の林道は冬季閉鎖で通行が不可になります。
自身が良く行くほとんどのフィールドも11月15日までにはゲートが封鎖されてしまいます。積雪で入山が出来なくなるのならあきらめもつくのですが、車が問題なく走れるのに入山不可になるのは口惜しいです。

そんなわけで11月上旬は名残を惜しむように山に行ってました。
主にナメコ採りですが…。
6日にはブリーダーのB氏と毎年恒例の岐阜のブナ帯へブナ材採集に行く予定だったのですが、今年は週末に限ってずっと天気が悪くこの日も雨天で13日に延期したところ、このポイントへ行くための林道が10日で閉鎖されてしまい行けなくなってしまいました。
しょうがなく13日は富山県内のブナ帯に行くことにしましたがここも15日で閉鎖のために今期はこれで最後の入山です。
ここは先月S氏と共に訪れたポイントでブナの優良材は見つからなかったのですが今期最後なので何かしら見つけたいところです。
当然自身は材は見つからなくともナメコは採るつもりで前回見つけたナメコポイントを見て回りますが新たな発生がなく空振りが続きます。




あるミズナラの立ち枯れにキノコが付いていました。遠目にムキタケかと思い近づいて見るとどうもマスタケのようですがいつも見るマスタケとは若干雰囲気が違います。
少し離れた場所には↓の画像のキノコが付いていました。よくよく見ると同一のキノコっぽいです。




これを見る限りではヒラフスベなのですが上の2枚の画像ではそうは見えません。
腑に落ちないまま帰って調べて見るとヒラフスベはアイカワタケと同一であるということが判明したらしいのです。そしてアイカワタケというのはマスタケと同一とも別種とも言われる近縁のキノコで最近では広葉樹に発生するものをアイカワタケとして区別しています。
よって上のキノコはアイカワタケであるという結論に達しました。

道沿いにブナ材とナメコを探しながら進むも何も採れないまま峠付近まで来てしまいました。これはいよいよ登山道からブナ林に入り込むしかないと判断してB氏と合羽を着ていざヤブ漕ぎへ。
登山道から外れたらさすがに人は入っていないだろうと思っていましたが尾根線に出ると明らかに人が歩いた形跡があります。
やはり誰かがコケ採りに来ているようです。
ということはキノコは採られた後か?とあきらめつつ歩いていると多少なりとも具合の良さげなブナのカワラ材は見つかりました。さすがにキノコ採りの入山者はいてもカワラ材を探しに来ている人間は自分たちくらいでしょうから誰かに採られている心配はありません。
ただ車まで持って歩かなければいけないので持てる範囲で材を厳選しなければいけません。
毎度のことですが材採りに来ると量を確保するために何でもかんでも持ち帰り、後になって何でこんな材持ってきたんだろうと後悔することが多々あるので無駄を省くために現地で少なからず選別する必要があります。
もちろん良い材が優先ですから見つけたからといってすぐに切り出して運ばずにもっと良い材がないか周辺をくまなく探します。

尾根線上は傾斜も緩やかなので歩きやすいのですが片側の斜面はかなりの急勾配です。仮に材があっても下りていくのが精一杯で持って上がってくることはまず不可能です。
それはわかっているのですが立ち枯れが見える以上ダメもとで斜面を下りると、




↑別のミズナラの立ち枯れにナメコ見っけ!
ラッキー!と喜びその木に近づいて行って今度はビックリ!
何がビックリかというと、このナメコがでかいんです。
確かに天然のナメコはでかくなりますが今まで見た中でも別格です。
通常成長するまま放って置くと傘が開いて大きくはなりますが、その状態のナメコは鮮度が落ちて古くなり傘肉が茶色になっているものがほとんどです。
それに比較してこのナメコは左上の画像を見ても分かるように傘裏も白く新鮮な旬のナメコです。
不思議なのはこの木に生えているナメコだけがでかいのです。周りの木にはこんなでかいナメコはありません。最初は別のキノコかと思ったほどです。
どのくらいでかいか上の画像では分からないので、




比較できるように軍手を置いてみました。画像の中で一番小さいものくらいが通常スーパー等で売られているサイズのナメコです。どれくらいでかいか分かりましたか?




↑持ち帰って下処理をしているときに撮った画像です。大きさを測ったら大きいものは約10cmありました。ちなみに菌床の人工栽培ではこの鮮度でこの大きさのものはまず出来ません。
ひと口で食べきれないナメコというのも滅多にお目にかかれないでしょう。
味は大きさに似合わず絶品でした。

結局、材よりもナメコに満足してこの日は撤収しました。

かわって今度は21日、この日は定休日なのですがあいにく朝から時雨模様です。
平地でも気温が5~6℃しかなく山は無理だと思い店で作業をしようとしたのですが、やっぱり山が気になります。
というのも前の週に冷え込んだ日が数日あったのでナメコの2次発生があると思ったのです。
予定を変更して急きょ利賀のいつものポイントに向かいました。

ところが予想通り標高500m付近に来ると完全に雪でした…。
まだ積雪には至ってないので合羽を着てまずは第一のポイントへ。




ここも前日に誰か入って採った形跡がありましたがそれでも取り残しを見つけることが出来ました。↑




また、この冷え込みで新たな幼菌も出ています。細かいつぶつぶがナメコの芽です。1週間後には採り頃になるでしょう。

ここは早々に切り上げて本命のポイントに向かいます。
標高も700mを超えて林道は完全に積雪して10cmくらいに達して吹雪いています。もちろんこの雪の中では誰も入っていません。




ノーマルタイヤでスリップしながらもある程度進み、あとは徒歩で向かいました。
雪が積もって下草が倒れて歩きやすいかと思ったのですがとんでもない勘違いでした。
歩くたびに雪で倒れていた笹が跳ね上がり顔面を直撃します。
頭上からは雪の塊が落ちてくるし足元は滑って斜面を滑落するしで自分で何をしているんだろう?と情けなくなるような状況でした。

それでもナメコを採りたい一心で歩きました。
雪が降る以前でもまだ入ったことのない場所まで上がっていくと





雪を被った新鮮なナメコと出会うことが出来ました。




雪の下でじっと耐えているナメコはヌメリがあって艶もあり最高級と言われています。
かじかむ手で一粒ずつ丁寧に採っていきます。
結局この日は6kg近くのナメコを採取することができました。
これで今期採取したナメコは総量で20kgを超えました。
カシナガの被害で山のミズナラは大打撃を受けていますが、それらの木にナメコが多く発生して豊作となっています。この状況はおそらく数年は続くでしょうからカシナガ被害は喜べませんが思わぬ副産物に感謝しなければいけません。
根雪になるまでにまた行こうと思っています。


今回もナメコの採集記になってしまったので別の話題を一つ。
生体の商品でも販売しています国産オオクワガタの大型血統である「能勢稲地血統」ですが前回販売していました第一回目のロットから3ヶ月交換で34gという大型幼虫が出ました。




商品欄のコメントに書いてありますので良かったら幼虫販売ページの「能勢稲地血統」を参照してください。