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店長日記

キノコのシーズン

2010年10月13日



さて、ヒメオオ採集は前回で今季最後の予定だったのですが予想外にほぼ完売してしまったので急きょ再度採集に行きました。
さすがにもういないかと思っていたのですがここのところ気温が平年より高く平地で25℃前後の日が続いていたせいかまだいました。



しかし完全にシーズン終盤で見事に♂ばかりです。♂は8頭確認できましたが♀はわずかに1頭小さい個体が見つかっただけでした。♂2頭と♀を採集して今度こそ終了です。来年もたくさん発生しますように…。
と、その時誰もいないはずの林道で不気味な音が近づいてきました。車に乗って様子を見ていると目の前に現れたのはショベルカー!



なんでこんなとこを自走してるのか?
もちろん積載車が入れないからだろうが、ここから林道のふもとまで自走していくのだろうか?結構時間がかかるだろうに…。
と思いながらショベルカーが来た方向に向かっていくと、「なんてこった…。」道幅の狭い部分ではヒメオオの生息木のヤナギが踏み倒されている…。まあヤナギは生長が早いから来年にはすぐ別の木が伸びるでしょう。

次は先週見つけた岐阜県のブナ材のポイントへ。早く着かないとまた先週のように作業時間が短くなると思いながらもついつい途中で余計な道に入っていってしまいます。得てしてそういうときに良いポイントが見つかったりするのですが、この日は見つからず。ただ景色は良かったのでとりあえず写真をパチリ。



目的地には先週より1時間早く到着。ただしここからは徒歩です。今回は目当ての材を切り出して最低2往復はするつもりでした。
早速向かおうと歩き出すと前から先客のおじさんが二人降りてきました。見ると手にキノコの入ったコンビニ袋を持っています。
「キノコけ?」と声をかけると「うん、なんてキノコかわからんけど…。」というので「さ、ブナハリタケやわ。」と教えるとこちらをマジマジと見て「あんちゃん、プロの人かい?」と言われました。たしかにプロだけどキノコのプロではないのでその旨説明して先へと進みます。
やっと材の場所へ到着して材を手ノコで切っていると何やら物音が…!ハッと見ると今度は籠を担いだおじさんが二人やってきました。平日なのにどうもこの日は入山者が多くて落ち着かない。変に怪しまれないようにこちらから「コケ採りけ?」と声をかけると、
おじさん「おう?そうだけど…。」
私「何探しとんがけ?」
おじさん「ナラタケとブナハリタケかな。」
私「そいがけ、先週はまだあんまり出てなかったなぁ。」
おじさん「あんちゃんもキノコかい?」
私「なんやちゃ、コケじゃなてコケが生えとる材を探しとるがいちゃ。」
おじさん「……あんちゃんどこの人?」
どうも普通に富山弁で話したので面食らったようでした。
しばらく話をして再び材の裁断へ。



画像ではよくわからないかもしれませんが、今季見つけたブナの中では最高の逸材です。これは何としても持ち帰らねばと欲張って少し大きめにカットしました。大丈夫!なんとか持てるだろうと大きい袋に入れて担いで歩き出すと…腰が抜けそうです!おまけに小さくカットした材をリュックに詰めて背中ではなく腹側に背負っています。合計で50kgほどの材を担いで500mほどの道のりを30分近くかけて運びました。もう1回往復する気力は完全に無くなりました…。

続きはまた今度ということでせっかくだからキノコも採って行こうと再び山の中へ。
さすがに秋はキノコのシーズンなので多くのキノコが見つかります。ただ去年までと違って今年はブナハリタケの人気が高いようです。来る途中でも道端で車を止めて何袋もブナハリタケの入った袋を並べている採集者もいました。
林道や歩道沿いのブナハリタケは手の届く範囲は採りつくされていました。去年まではそんなに手を付けられていなかったのですが。
仕方なく道を外れケモノ道に進入すると何やら木の幹に機械のようなものが付いています。何だろうと思い近づくと「緑のなんとかプロジェクト」やら書いてあって突然フラッシュが光りました!どうも動物の自動感知カメラのようです。間抜けな顔を撮られてしまいました…。
それを避けるようにさらに藪へと入るとびっしりとキノコの生えた立ち枯れが!



残念なことに毒キノコのツキヨタケです。一見美味しそうですが…。参考までに見分け方を書いておきましょう。下の画像のようにキノコの基部の断面を調べて黒っぽいシミがあるのがツキヨタケです。これから季節が進むとヒラタケやムキタケに混じって生えることもあるので注意しましょう。






↑なんとか一袋分のブナハリタケを確保できました。今回のは先週のと違って傘も大きく新鮮でプリプリです。煮物やおでんにして食べたら最高です!
ちょうど日暮れになり本日は終了。
ちなみに↓はブナ林の林床に多く生えるベニテングタケで言うまでもなく毒キノコです。
手出し無用です。



追伸;
連日当地でもクマの出没がニュースになっています。
この日もブナハリタケを探す時は目視だけでなく独特の甘い匂いを頼りに嗅覚も使うのですが、明らかに2ヶ所で動物のマーキングもしくは体臭と思われる匂いを感知しました。これだけ強烈な臭いはカモシカかクマぐらいですが馴染みのあるカモシカのそれとは違いました。1ヶ所では近づいた時に藪の奥で動物が走り去って行きましたのでおそらくクマだったのでしょう。(当然自身は鈴をつけて声も出します。)
確かにクマは怖いですがニュースになるような危険を覚悟で人里に下りてくるクマと違い本来、山のクマは人を恐れるため好んで人を襲うことはありません。いくら空腹でも人を襲って食べることはないのです。もっとも食べ物を持っていればどうかわかりませんが…。
きちんとこちらの存在を認知させれば襲われることは少ないでしょう。ただしそれは昼間の話で夕方や夜間は逆にテリトリーに入ったのが分かると襲われることもありますので注意しましょう。