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店長日記

材とキノコと紅葉と。(材&キノコ、11月上旬編)‘15.12.30記

2015年12月30日





↑ ナメコとモミジと立ち枯れと。
11月2日、立山周辺にて撮影。

さて、11月に入ればナメコの発生もピークを迎えます。
今年は今のところ長期予報どおり暖冬傾向が顕著なため晩秋でも冷え込みが弱く紅葉は長持ちしていますがナメコの発生はここに来て鈍化傾向にあります。
その分シーズン後半まで発生が続けばいいのですが、そんなに都合良く行かないのでこの時期にがんばるしかありません。

そんな訳で11月2日、この日もバイト明けで徹夜ですが前回10月30日にヒメオオ採集の帰りに立山周辺で新たなナメコのポイントを見つけたので時雨の土砂降りの中、気合を入れてやってきました。
雨脚が強いのと疲れからしばらく車中で待機がてら仮眠を取りますが止む気配がないので合羽を着て雑木林のヤブに突入します。
立ち枯れを順次確認して行くと採り跡が見つかりました。
予想はしていましたがやはり他の採集者が先に入っているようです。
林道に面した訪れやすい場所なので当然と言えば当然です。
ならばさらに奥に行くまでと進んで行くと砂利道の脇道が見えてきました。
こんな所に道があったんだと思っていると、どこからともなく軽四のRV車が来て停車し中から採集者らしい格好をした大人が2人出てきて周りを物色しています。
見た感じ初めて訪れたような素振りでもないのでおそらくこの辺のポイントを知っているのでしょう。
自身同様こんな土砂降りの中で来ると言うことはそれなりに気合の入った者たちでしょうからポイントを被っても取り分は期待できません。
ましてや自身が他者の背中を追うのは好きではないのでここはあきらめることにします。
採取はしませんでしたが、いくらかの幼菌は見つかったのですが、おそらく後日採りに来ても残ってないでしょう。
車に戻ると今度はまた別の軽トラが自身の車の20mほど後方に止まっています。
地元の人間でしょうがわざわざ他の採集者の近くに止めて採集するような者がいる場所では落ち着いて採れないのであきらめて正解です。
無駄に時間を使ってしまったので残り時間が少ないですがちょっとだけ実績のあるポイントを見ていくことに。
ただそちらのポイントも昨年から他の採集者が入り始めているのでそんなに期待はできません。




↑ ここは人の管理が入っているため一部立ち枯れを含め伐採されています。
写真は表面が炭化して黒くなっていますが伐採された根株がホウロクタケで赤枯れしたもの。
別の機会に赤枯れマットの素材として採取に来ようと思います。

このポイントは他のポイントと異なり猛烈なススタケとクマザサ、低木のヤブが生い茂り、前進するだけでかなりの体力を要します。
おかげでそれが他者の侵入をある程度防いでくれているので発生さえしていれば奥まで進めば幾ばくかの収穫は見込めるはずです。




↑ 幸い先客が入った形跡はないもののやはり発生は鈍いようで出ているのは発生木のほんの一部ですが、それでも雨に濡れてヌメリを取り戻したいい状態の群生が見つかりました。
ざっと回って数本で群生を見つけることができたので3~4kgの収穫にはなりました。

そしてその二日後の11月4日、一昨日に立山のなじみのポイントで発生を確認したため体力的には結構しんどいですが、ここも昨年競争率が高くなり採られる可能性が高いため気合で出動します。




↑ 日の出が遅くなり早朝ではまだ西斜面は陽が当たっておらず薄暗い状態です。
この日は一昨日より若干標高を上げて他の採集者にも目に付きやすい道路脇の急斜面を先に入られる前に探す予定です。
シーズンにはかなり来訪者が来るようになったのでポイントからやや離れた場所に車を止めて先日のように同じポイントにかぶって来ないように念を入れます。




↑ 斜面を降り始めてすぐに道路からは死角で見えない倒木にナメコを発見。
さすがに道路のすぐ横の立ち枯れではナメコを切り取った跡がありましたが、本格的な採集者はまだ入ってないようです。




↑ まだ陽が当たらない斜面でナメコと下弦の月のコラボ。
これで俳句でも詠めば風情がありますがそんな余裕はありません。
ただこの時期に当然の冷え込みがないので季節感に欠けます。
その暖かさが発生に影響していることを懸念しながらポイントを見ていきます。




↑ 朝日が当たり始め黄金色に輝くナメコの成菌。
画像はいい状態の群生ですがやはり予想通り発生量はかなり少ないです。
ただ先客がいない分、悔しい思いはせずにすみます。
立ち枯れの数の割りに発生している木が少ないのでまだ早いのかもしれませんが、この分だと発生のピークには採集者も多くなり競争率が高くなるでしょう。
ならば今のうちに体力は要しますが広範囲を足で周って収量を稼ぐしかありません。
平場ならそれでもいいのですがここは急斜面なのでアップダウンや沢のトラバースの繰り返しは体力だけでなく時間も必要なのでこの日は深追いせずに次回に持ち越しとしました。

そして2日後の11月6日、この日は定休日なので一日かけて先日の立山のポイントをじっくりと攻めるつもりです。
この日も天候に恵まれ晴れていますが逆に朝の気温に合わせて合羽を着て入山すると汗だくになって合羽の内側がベタベタに濡れてしまい、まさに本末転倒です。
ただ、まだ雪が積もっていない山肌は下草や低木が繁茂していて服だと引っ掛かって破けたり刺さったりするのでやはり厚手の合羽が重宝します。
そんな歩行困難な斜面を降り始めて間もなく、




↑ ナメコより先に材を見つけてしまいました。
ヤキフタケの着生したミズナラで一見しただけで極上であることが分かります。
折れ口を裁断してみると接地していた側が若干変色していたものの均一に朽ちていて思ったとおり逸材です。




やはりヤキフタケ、ザイモクタケの腐朽材にハズレなしですね。
付近を見るとこれの続きの折れた枝が複数落ちています。
いいものだけを選別しても一度に運ぶのは困難です。
ましてや林道まではさほど距離はないものの10kg以上はあるこれを運ぶと今からのナメコ探しの体力を著しく消耗してしまいます。
もう一つ懸念されるのが出掛けに主の目的ではない副産物を見つけるとメインがまるでダメになるというジンクスがあります。
一応、商売から考えればこの材を見つけただけで今日の上がりは十分なのですが、この日はあくまでも狙いはナメコです。
ナメコが採れないと満足感は得られません。
ネガティブな予感を無視するようにして材は後回しにして先に進むことにしました。




↑ こちらはナメコではなく地上生のチャナメツムタケ。
ナメコの仲間で可食ですが量が少ないのでこの時はスルー。




↑ ひと言に斜面と言っても遠目に見ているのと異なり実際はかなり複雑に谷と尾根が折り重なっています。
当たり前ですが斜面を横にトラバースするときは尾根→谷→尾根の繰り返しです。
上写真でも正面の対岸に行くときは一旦谷を降りて対岸を登らなくてはいけません。




↑ 注意しないと滑落しそうな急斜面。
谷までは20m以上の深さがあります。
このような場所は降りるのも登るのも危険なので大回りして向こう側に進みます。

体力ばかりが減っていく中で肝心のナメコはほとんど見つかりません。
その中で採られた跡を見つけてやられたと悔しがったら一昨日自分が採った跡でした。




↑ やっと見つけた群生もやや老菌気味でイマイチです。
やはり発生自体が遅いのか減少しているのでしょう。
予感が的中したのであきらめて最初に見つけた材を運ぶために戻りましたが材を林道まで運び上げた後は疲労困憊でしばらく路上で立ち上がれないほどです。
この材は採ってくることができましたが中には見つけても持ち帰れない材が結構あるので極上材の希少性が分かっていただければ幸いです。

さすがにもう同じ斜面を再度降りる気力もないので車でポイントを移動します。
峠を越えて反対斜面に向かいますがこちらは昨年も多くの採集者が来ていたポイントです。
この日はさすがにそれほどではないものの林道上でリュックを担いだ採集者らしい年配者がいたのでやはり他にも来ているのでしょう。
人が入ってなさそうな場所を見つけて軽く散策してみると幼菌しか見つからないのでやはりタイミングがずれているようです。




↑ 斜面で見つけた珍しい形のスギ。
立山周辺では樹齢数百年の立山スギが有名ですが、こちらはどちらかというと片貝川上流に見られる洞杉に近い神秘的な形状です。
立山は日本3大霊山の一つですのでこのようなスギにも霊が宿っているのかもしれません。
時期を改めて訪れればそれなりに収穫できるかもしれませんが八尾、南砺方面のポイントも気になるところですのでここのポイントはもう終了かもしれないと思いながらこの日は撤収いたしました。
参考までにこの日採取したミズナラ材はオオクワの短期セットや色虫に適した柔らかめ(ボロ材ではありません)の材ですので気になる方はお問い合わせください。