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店長日記

秋を楽しむ (’14.10.23)

2014年10月23日





↑ 2014.10.12 富山市有峰にて。カメラ;OLYMPUS E-510、露出時間;1/50、絞り;f/22.0、焦点距離;14mm(35mm換算で28mm)、ISO-400




↑ 2014.10.12 富山市有峰にて。カメラ;OLYMPUS E-510、露出時間;1/50、絞り;f/22.0、焦点距離;28mm(35mm換算で56mm)、ISO-400


今年も紅葉が始まりました。
自身にとって紅葉といえば毎年必ずこの時期にまず訪れるのが立山の有峰です。
ここはヒメオオ採集、ブナ材採取、キノコ狩り、紅葉狩りといくつもの目的を満たしてくれる貴重なマイ・フェイバリット・プレイスです。
今年は9月20日前後に急激に冷え込んだ経緯があり例年より紅葉は早く始まったようですがその後はあまり冷え込みがなく進行は鈍くこの日(12日現在)は標高1200m以上でやっと見頃を迎え始めた状態です。
現段階ではピンポイントですが主観的には昨年より綺麗だと思います。

もう少しご覧ください。






上2枚も有峰で同日、同カメラにて撮影した画像です。
自賛ではありませんがやはり観賞に耐えうる写真はコンデジと比べて一眼レフは圧倒的に優位に感じます。
もちろん編集の良し悪しもありますが、それを含めても揺るぎないでしょう。
ちなみにコンデジで撮影したものが下です。




↑ 2014.10.12 富山市有峰にて。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/400、絞り;f/4.2、焦点距離;5mm(35mm換算で28mm)、ISO-80




↑ 2014.10.12 富山市有峰にて。カメラ;PENTAX Optio WG-1 GPS、露出時間;1/80、絞り;f/4.2、焦点距離;8mm(35mm換算で42mm)、ISO-80
こちらはコンデジながら斜面に一列に並んだブナの黄葉が綺麗に撮れました。
自身はカメラマニアと違って山に入るのは撮影が主たる目的ではないのでさすがに一眼レフを持ち歩くのはリスクが高く控えてしまうのですが、コンデジはそんな状況でもタフで頼れますね。
最近はウェアラブルカメラも人気があるようですので是非入手したいと考えています。

秋は空が高く澄んでいるために紅葉の写真は深い青と紅い葉のコントラストが見事ですね。
そんな秋の空は紅葉以外にも素晴らしい景色を演出してくれます。






↑ 上は10月17日、神通川河川敷で撮影した夕焼け。
下は19日、バイト帰りの早朝立山から昇るご来光(薄い雲から光線状に陽が差しています)。
共にコンデジで撮影したものですが雰囲気は伝わるでしょうか。
写真は視覚のみなので夕焼けも朝日も見分けがつきませんがリアルタイムで感じる空気はそれぞれに全く異なるものです。
この景色を見ながら聴くBGMはやはりAOR。
この季節はマーティ・バリンのHearts(ハート悲しく)なんかがお勧めです。

さて、冒頭の紅葉の写真を撮影した10月12日の目的はブリーダーのB氏と共にブナ材を採取するのが目的でした。
材ならば一年中採れるのですが、足場の悪い斜面で採取作業をするには下草が枯れて歩きやすく材も探しやすいこの時期がベストです。
ただ、山の冬は早いため入山できるのは今月一杯ですから効率よく作業を進めないと時間切れになりかねません。
幸い材自体は去年も採った取り置きの倒木があるので裁断して運ぶだけですからさほど時間は必要ないでしょう(体力的にはかなり消耗しますが)。




↑ こちらは先々月、友人のS氏と見つけた倒木です。
根元の径で1m50cm近くある大木で数年前から目を付けていた立ち枯れが倒れたものです。
前々回の日記でも触れた倒木ですが林道上に倒れたこの木はその勢いで反対側の谷に大半が落下していきました。




↑ 倒木が転がり落ちていった斜面。
確認できるのは巻き添えを食らって折れたブナの生木で立ち枯れの本体は確認できません。
先々月はあいにくの大雨の中だったのであきらめましたが、この日は好天だったので斜面を下りて確認することにしました。
林道からは下草で見えませんでしたが50mほど下の沢まで下りるとありました。
巨大な本体が2つに折れて転がっていました。
一方は一部が沢の水に掛かっているので早く処置して運び出さないと過水分で腐ってボロボロになってしまうでしょう。
かと言って切り出してもこの斜面を担いで登るのは不可能なので沢を下って下流側の林道に運ぶしかありません。
それはかなり時間と労力を必要とするので日を改めて挑戦します。




↑ この時期には珍しくないブナハリタケが発生したブナの倒木。
この日は材だけでなくキノコ狩りも期待していたのですが、一通り山の中を探してみてもわずかにブナハリタケがあるだけで他のキノコはほぼ皆無です。
昨年の同時期に大発生して採りきれなかったモタセ(ナラタケ)は腐った老菌が少々あるだけで採るには及びませんしナメコに至っては見る影もありません。
そういえば例年ならこの時期は林道の至る所にキノコ狙いの来訪者の車が止まっているはずなのにこの日は紅葉狩りの観光客がほとんどです。
今季はキノコが採れないのを知っているのか、来たけど採れないので来るのを止めたのかは分かりませんが割り切りが早いですね。
モタセは当たり年と外れ年があるので仕方ありませんがナメコに関しては乱獲(採る量ではなく採り方が悪い)が原因ではないかと疑念を抱きます。
気温の状況もあるのでこの後に発生することを期待します。

さて、秋はホントに食べ物が美味しい季節ですよね。
やはり収穫の季節だからでしょう。
先月紹介したサンマもそうですし、海産物では牡蠣もシーズン入りしますし山では何と言ってもキノコでしょう。
日が前後しますが10日は定休日でしたので息子を連れてキノコ狩りに行きたかったのですが、まだ幼く入山は危険なのでサツマイモ堀に出かけました。
本来ならクリ拾いに行くはずだったのですが県内唯一のクリ園が土日のみしか開放していないということで急遽サツマイモに変更しました。
サツマイモも一般に採取を開放しているのは県内では数えるほどでこの日は氷見まで行ってきました。
昔はどこの畑でもサツマイモ堀を体験できたんですけどね…。




好き嫌いの激しい息子ですが自分で採ってきたサツマイモは美味しそうに食べていました。
将来的には虫屋は継がせませんがキノコのポイントは継承して一緒にキノコ狩りをするつもりです。

そんなわけで山はコケ採り(キノコ狩り)が本格的なシーズンです。
特にこれからはこの日記でも主役であるナメコです。
先述のように12日に行った有峰ではまだ発生していないのか、発生しない環境になったのかは分かりませんがナメコは皆無でした。
ただ、ここ数年の経験則から逆に有峰より標高の低い利賀、八尾方面で先に発生している傾向があります。
昨年は余裕をかまして県外の採集者に恒例のポイントで先を越され苦汁をなめましたが、同じ轍を踏まないために昨年より4日早めて17日に訪れました。
昨年は、土曜日ということで他の採集者も多い週末で時間も少なかったため今年は金曜日の定休日を丸一日充てました。
残暑が長引いた去年はまだ早いと思いながらもすでに一次発生のナメコは腐っていたので冷え込みの早かった今年は必ず出ているという確信があります。
昨年書きましたが以前までキノコも紅葉のように一定の気温(紅葉は5~8℃)まで下がらないと発生が始まらないと思っていましたがそうではなく、それまでの期間に比べてある程度の冷え込み、いわゆる温度ショックがあれば発生するようです。

さて、ポイントに着くと幸い他の採集者はいないようです。
早速いつもの場所に車を止めて入山です。
ここは、車を止めておいても一般車両はまず入らないような悪路なのでさとられることはないし、もし来るような車があればそれは既知の他の採集者に違いないので採集者除けにもなります。




↑ ミズナラの立ち枯れが並ぶ雑木林。
まだ紅葉しておらず緑色の葉が目立っています。
下草も枯れていないのでヤブ漕ぎは覚悟しないといけません。




↑ 林道からすぐ入った立ち枯れにキノコらしきものが見えたので近づいて見るとやはりナメコでした。
前に誰か採取した跡がありますがおそらく一次発生した9月下旬から今月始めにかけてだと思われるので最近は採られていないようです。
もし、採集者がいたらこんな道から見える位置に残っているはずがありません。
二次発生が始まってからは誰も訪れていないようなのでそれなりに期待できます。




↑ ニガクリタケ(毒)に混生するナメコ。一傘も間違えないように慎重に採ります。




↑ 3次発生の幼菌。
この時期は冷え込みが稀であるためこのように発生時期に間が開きます。
この日は二次発生の菌がちょうど採り頃ですが、まだまだ発生量は限られています。
11月に入ると連続して発生するので常時成菌が採集できるようになります。
この幼菌は次回のためにスルーします。




↑ この時期には珍しい大型の成菌です。
今はまだ気温が高いため成長が早いかわりに途中で乾燥して成長が止まったり腐ってしまったりするのでなかなか大型になりませんがこれは大きいです。




↑ こちらも虫食いはありますが採り頃の大ナメコです。
ナメコの横のモミジの葉が5cmくらいですから大きさが分かるでしょう。
よく天然ナメコは大きくて気持ち悪いと言われますが、ナメコ好きに言わせればスーパーで売っているナメコなんてナメコと言わないです。
所詮、栽培物はどんなに技術があってもここまで成長しません。
大きいから大味なのではなく大きいからこそ独特の旨みと食感が最高なのです。
まあ、山菜採りにしろ釣りにしろ自分が採ったものが最高に美味いと自賛するものですが…




↑ 誰だ?こんなところで材割りをしたのは。
と思い下に散らばった木屑をよく観察すると人間の仕業ではありませんでした。
キツツキが捕食のために削った痕でした。
あの小さな身体でよくこれだけ堅い木を削れるものだと感心します。




↑ 早生のムキタケ。
今のムキタケは乾燥気味で水分が少なく今ひとつですが、寒くなり時雨れるようになると水分を含んで大きく生長して旨味も乗り鍋の具としてマストです。




↑ おおっ!
今季最初の採集で早くも群生に当たりました。
二股になっている木でそれぞれに群生しています。
ここだけで2~3kgの収量になるでしょう。
大当たりに思わず「ありがとう」と言葉が出ます。




↑ 本来ならもう少し待ちたいところですが嫁は傘が開く前が好きらしいので採って行きます。




↑ 大きい株は採りやすく収量が稼げるので大歓迎です。




↑ ナメコは多くがシハイタケと共生していますが、ナメコに付け入る隙を与えないほどビッシリ発生したシハイタケ。
産卵材として使えそうですがこれだけ着生していても心材部が大きく不適です。




↑ ヤブを掻き分けながら山中を4時間ほど右往左往し疲労困ぱいになり一休みしたときに目に入ってきた龍が巣食うブナの大木。
このような荘厳な景観をみると創り出した偉大な神を意識せざるを得ません。
昔も紹介しましたがここは菌えい(コブ)が多く発生したブナが目立ちます。

山の神に感謝しながら今季最初の採集を終えました。
帰宅後に下処理した後の計量では収量は7.15kgでした。
これは最初の収量としては過去最高です。
自然のものなのでこの後はどうなるか楽観はできませんが気持ち的には余裕ができました。

さて、変わってクワガタの話題ですが、今シーズンは店で国産オオクワガタは大型血統を中心に10セット以上を組んだのですが割り出し時期になっても全くケース越しに幼虫が確認できませんでした。
自身は卵で回収しない主義なのでセットして1ヶ月半~2ヶ月くらい経過後、初~2齢幼虫で割り出しするのですが通常なら一部の幼虫が材から脱出してケースの周りに見えてきます。
ところが、今季は全てのセットで幼虫が確認できないため失敗した可能性が高いと思い放置していました。
血統物は1頭のオスを複数のメスに掛けるためオスの生殖能力に問題がある場合全てのセットが失敗に終わることがあるのです。

先日、あきらめてセットを解体する際に材から木屑が出ているのでおかしいと思い割ってみると、




出るわ出るわ、一辺15cmに満たないMサイズの材から2齢、3齢合わせて20頭以上出てきました。
本来、これだけ過密ならとっくに一部の幼虫が脱出するはずですが今年は意識してしっかりした堅めの材をセットしたので材がボロボロにならずに材内部に留まっていたのでしょう。
おかげで割り出しが完全に遅きに失しました。
ちなみに画像の材はカエデ材でもう一つ入れていたLサイズのブナ材はかなり柔らかくなっていたので内部はボロボロでこの材より大きかった割りには幼虫の数は少なかったです。
オオクワの産卵材としては最高峰のケヤキ材でも同様なことがあり周りに幼虫の痕跡がないので割ってみるとビックリするくらい多くの幼虫が存在します。
Lサイズで50頭以上も採れたことがあるので見た目で判断せずに期間で判断しないと今回のように失敗します。
プロとして全く学習していないですね…。

そうそう、産卵材といえば今期もW・ウッディやボーリンといったレア種用の産卵材が好評でエノキを含め一部の樹種が在庫切れとなったのでそちらも採取が急務となっています。




↑ マニアの方に支持を多く受けている当店のアカメガシワ材ですがあいにく取り置きもだいぶ少なくなってきました。
先日、一部裁断してきましたが使える部位もだいぶ少なくなってきたため、あと一回採りに行ったら最後でしょう。
アカメガシワ自体は珍しくありませんがこの樹種の朽ち木はエノキの朽ち木に比べても全然少なく次が見つかる可能性はかなり低いです。
今回採取した分でどれくらい販売できるか乾燥させないと分かりませんがおそらく10~20カットくらいでしょう。
乾燥処理に1ヶ月はかかりますので興味がある方はそれ以降にお問い合わせ下さい。